プロローグ
モンドグロッソ 控室
そこには一人の女性がいた。女性の名は「織斑千冬」、「IS」に乗って順位を競いあう大会にて優勝し、「ブリュンヒルデ」と呼ばれているが、そんな彼女がなぜここにいるのか…
「一夏……マドカ……どうして……どうすれば……」
そう自分の唯一の家族である弟たちが誘拐されてしまったのだ。ドイツ軍から連絡が入り誘拐されたことを知った彼女はどうするべきかということに、追い込まれていたのだ。だがその時後ろから男の声が聞こえてきた。その声に驚き後ろを振り向く。
「おいっ!」
「っ!」
「何やってんだお前?」
「それはこちらのセリフだ!!貴様こそ何をしている!!」
「おいおいお前の家族が誘拐されたからって来たからわざわざ来たのに」
「なっ!!なぜそれを知っている!!」
「さあなぜでしょうか?」
男はまるで挑発するかのような軽口で受け流す。だが千冬はもう我慢が出来ず涙を流しながら助けを求めた。
「……お願いします。助けてください」
「なんで俺に言うの?俺はお前とはなんも関係ないのに、っていうか聞いた話だとお前が今助けようとしている一人は、別に家族じゃねーじゃん」
そう、先ほどつぶやいていた名前の一人「織斑マドカ」なる少女は血縁上家族ではない。なので助ける理由にはならないと言っているのである。
「…確かにそうかもしれません。…でも私達にとっては家族同然の存在なのです」
「それは彼女がクローンだからか?」
「なっ!!なぜそれを知っているんですか」
「俺はある組織に所属していてね情報の伝達は意外に早いんだよ。んでどうする?」
「…私は、助けに行きたいです!!あの二人を助けに行きたい!」
「…はぁ~っわかった。じゃあ弟さんのことはお前に任せる。だからもう一人は俺たちに任せてくれないか?」
「っ!お願いします!」
家族を救出することに決めた千冬は早速弟が監禁されているところにIS「暮桜」を使って救出に向かう。一方男はあるところに連絡していた。
「Y。そういうことだからもう一人の子を救出しに行ってくれ」
「そういうと思ったからもう追跡を始めているよ」
「にしても悪いなこんな時に、まだまだ『子供』のお前を手伝わせて」
「でも緊急なんでしょ。夏休みを利用してこっちに来たのは奇跡に近いけどね」
っと男が連絡していたのは、まだまだ幼さを多分に残っている約10歳前後の少年であった。少年の名は「八神優鬼」。彼は、生まれつき身体能力が高く知識のの見込みも早い、だがそれは少年の中にある力のお陰だった。
彼は今、自転車で黒い車を追跡している。相手にはまだばれていない様子ではあるが油断をしてはいけない。
「こちらY。現在位置は大通りを抜けて西に直進中」
「そっちの方角では確か廃工場があったな…よし廃工場に入ったら救出してくれ」
「了解!!」
そのまま少年は、自転車を器用に運転し黒い車を追跡していく。そして予想通り車はその廃工場にて停車し、二人の男と少女が下りる。だが、少女は男に担がれてしまう。
「おい!!さっさと降りろ!!」
「っ!!」
「こらこら、あんまり乱暴にするんじゃないよ。作戦に支障が出たらどうするんだ?」
「知ったことか!!まあいいそれに、いい体してるんだから少しは楽しまないとな」
「いい趣味してるね全く」
男たちは少女にあらぬ乱暴を働こうとしていた。その時、優鬼が現れる。
「そこまでだ!!」
「なっ!!なんだ貴様!!」
「まだ、年端もいかない少女に乱暴するような奴に名乗る名前なんてない!!」
「ッチ!!見られたか。おい!!早くあれを出せ!!」
男の合図によって現れたのはフランスのデュノア社が開発してお蔵入りになったIS「プロトタイプラファール・リヴァイブ」である。
「もしかして貴方達、「亡国企業」なのか?」
「ああそうだ。そしてお前はここで死ぬんだ!!」
「っく!」
そう言って敵のISは優鬼に攻撃をしてきた。ラファールは基本的に射撃武器を多彩に持っており今使っているのはマシンガンでの乱射だ。だが優鬼は、持ち前の身体能力を使って明らかに手が届かないであろう「2階の手すり」に向かってジャンプし、攻撃をかわす。その他にも銃撃に対し何の怯みもなく避け続ける。だが、このままじゃあ埒が明かないのは目に見えている為、彼は自分用に改造された「IS」の展開を準備する。
「っく!!このままじゃきりがない!」
「さあどうする?おとなしくここで死ぬか、無残に殺されるか」
「っ!!なら『第3の選択』だ!来い!ブルーデスティニー!!」
そう言って優鬼は、左手の腕時計を天に向けると光が飛び出し中から2つのアイテムを取り出す。一つはは四角く白い物を右手に、もう一つは四角く青いクリスタルのような物を左手に取り出す。
「フン!!そんな物でどうする気だ?勝てる訳がないんだぜ~」
「だったら、こうするさ!」
そう言って右手にあるアイテムを腰に当てる。すると腰のまわりにベルトのような物が装着される。そして左手にあるクリスタルを一度上に投げ右手に持ち持ち替えると、そのアイテムから音声が鳴る。
「set up」
「さあ行くよ!」
変身!!
「trans form」
そう叫び右手にあるクリスタルを腰のベルトに装着する。するとそこから青い粒子が彼のまわりを包むように飛び交いそして一気に集まりだし光を発する。そして光が晴れるとそこには、
Ⅴ型アンテナを額に付け白を基調としたヘッドパーツ、ダークブルーを基調とし胸部はバルカンが取り付けられた胴体、手足も白を基調とし彼の体にフィットするように現れる、そして背部はブースターが彼の頭に来るように2つ出ている状態になる。
そうこれが優鬼のIS「ブルーデスティニー」である。
「ぜっ!!全身装甲のIS!!なんで男のお前が使えるんだ!」
「それは!こいつは僕が開発したISだからだ!!」
そう言うと優鬼はすぐに目の前のラファールに攻撃を開始する。はじめは頭部と胸部にあるバルカンを使い、相手に牽制をする。相手がガードに集中している隙に足の膝あたりが開き中から棒状の物を取り出す、それを握るとビーム状の剣が現れる。
「ビっ!!ビーム兵器だと!!」
「これで終わりだ!!」
そう叫ぶとISから「boost atack」という音声が鳴りビームの剣が光輝く。
「ハァアア!!」
「っ!!」
そして敵のISを切り裂く。ISのエネルギーはゼロそして中から一人の女性が現れる。その間に男たちは少女を連れて逃げようとするが時すでに遅し、優鬼がすでに目の前に居た。
「待て」
「ひいい...」
「その子を降ろせ」
「降ろします!降ろしますから命だけは..」
そう言って少女降ろし優鬼が少女を抱えた時、発砲音が聞こえ男たちを見ると額に穴が開いていた。優鬼が後ろを振り向くとISが飛んでいたが、すぐにどこかえ行ってしまった。
「なっ...なんで」
そう言い残し男たちは息を引き取る。
(今のは一体何なんだ?なぜこの男たちを?)
優鬼は男たちを見ながらなぜ殺されたのかを考えた。だが、考えたところで真相はどこにもなかった。
「こちらY。任務完了。だが、犯人2人が何者かによって射殺された至急警察と救急車を手配してください」
「そうか、ご苦労だったな。戻ってきていいぞこっちはすでに終わってる」
「了解。父さん」
そう言い残し彼は現場を後にした。