IS  鬼と神の血を受け継いだ少年   作:八神優鬼

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番外編2

番外編その2

 

千冬SIDE

 

あれから数分、優鬼の興奮も収まり先ほどまでの話に戻る。目の前の涼邑零という男の前に優鬼が椅子に座り前回起きた学園内の騒動について話し始めた。

 

「さっきはごめんなさい。僕……珍しいものに目がなくて……」

「まあ…そういう奴もいるから気にしなくていいさ。それよりさっき言ったと思うけど、この学園にホラーの気配が出てきたと思ったら突然気配が消えてその後も全くホラーの気配が確認されなくなった。って話をしたんだけど、何か知っていることがあるかい?」

「はい。そのホラーについてですけど、それは僕が討伐しました。証言できる人としては、隣に居る織斑先生から聞いてください」

「そうか。でもそれってさっきこの『シルヴァ』が言っていた『異質な気配』に関係するのかな?」

「はい。その異質の気配と貴方達が言っていたのは僕の力に関係します」

 

先ほどからこの男は何かを質問するたびにに奴いてくるのが腹ただしいが、今は無視しておく。そして優鬼はこいつらから言われている異質な気配、即ち『鬼の力』と『神の力』なるものを二人?の目の前で開放しようとしていた。私は優鬼の眼を見て「大丈夫なのか?」と言葉は出さないがアイコンタクトを取ると優鬼から大丈夫と言わんばかりに頷いてきたのだ。正直に言って不安だが今はこの際致し方ない。そうこうしている内に優鬼は右腕を二人?の前に出し『鬼の籠手』を出現させた。

 

「へぇー、これすごいね。これが君の力なの?」

「はい。これは『鬼の籠手』と言って僕が何かの能力を出すための言わば『発生器』みたいなものです」

「となると、その力を使ってホラーを討伐したのかな?」

「そうですね。それに僕は戦うだけでなく『浄化』や『癒し』と言った力を使うこともできます。その証拠に今までホラーに取りつかれていた人たちを僕の能力で開放してきましたから」

〈それ本当なの?もし本当ならすごい力じゃない〉

「そして僕は戦う時に状況に応じて姿を変えられます」

 

優鬼はそう言って『鬼の籠手』から光を発して自分の姿を変える。そう二人?の目の前にして『鬼武者』になったのだ。

 

「それが、君のもう一つの力なのか?」

「そうです。これが僕のもう一つの力『鬼武者』です」

〈鬼武者?聞いたことがないわね。それに姿は少しあれだけど、なんだか優しさのある感じがするわ〉

「そうか。ありがとう。もういいよ」

 

涼邑からもういいと言われて優鬼は『鬼武者』の変身を解く。優鬼は少し穏やかではない顔をしながら口を開いた。

 

「僕はこの力を使って今まで戦ってきました。ですがその大半は多分僕のことを化物という人が多いでしょうね。姿も力も人間離れをしていますから……!?」

「!?」

〈ゼロ!?ホラーの気配よ!〉

「ああ!わかってる!」

 

優鬼が突然立ち上がると向かい側に居た涼邑も立ち上がりシルヴァからはホラーの気配があったと言っていた。

 

「俺は行くぜ!被害が出る前にな」

「僕も行きます!もし、誰かが憑依されているなら助けたいです!」

「だが……」

〈ゼロ!迷えば迷うほど被害が出てしまうわ。ついてきてもらった方が早いんじゃない?〉

「……わかった。だがあまり無茶はするなよ」

「はい!」

 

二人はそう言って部屋から出て行った。何とか頼んだぞ優鬼。

 

零SIDE

 

俺たちは今ホラーの気配を追って走っている。優鬼と一緒にだ。正直さっきは驚いたぜ優鬼の右腕が変わったと思ったら、姿まで変わりやがった。最初はホラーか!と思ったけどシルヴァからは優しい感覚があると言っていたからまあ大丈夫だろうとは思う。それよりも今回のホラーは少しおかしいぜ。今はまだ夜の大体20時なるかならないかだ。なのにホラーが活動し始めるだなんて。

 

〈ゼロ。考え事をするのはいいけど気配を見失わないでね〉

「俺がそんなヘマをすると思う?大丈夫だよ心配ない」

〈ならいいけどね〉

 

全くシルヴァも心配性だな。俺は魔戒騎士なんだ。そんなヘマはしない。絶対にだ。

 

三人称SIDE

 

優鬼はホラーの気配に気づき今は零と一緒にホラーの気配を追っている。さっき優鬼が『鬼武者』になってしまったから、変な警戒されていないか心配していたが、でも今はホラーを倒さないとこの学園に居るみんなが危ないんだ。集中しなきゃ。と優鬼がそんなことを考えていると目の前から人影が見えてきた。

 

「あら?八神君どうしたんですか?」

「山田先生!」

「そっそんな驚いた声を出さないでください!びっくりするじゃないですか!私もこの子も!」

 

この子?山田先生に子供が居たっけ?それに山田先生がなんで乳母車を押してるの?優鬼がそんなことを考えているとホラーの気配が山田の所から感じた。零も何か感じたらしく山田に近づいた。

 

「ねえお姉さん。ちょっといいかな?」

「えっと~どなたですか?

「どうも。俺の名前は……」

 

零が名乗り出すと同時に山田先生にライターを先生の目を照らすようにして覗き込んだ。

 

「?」

〈ゼロ!彼女はホラーじゃないわ!〉

 

シルヴァが叫ぶのと同時に零は目の前の乳母車を覗き込んだ。

 

「涼邑さん!山田先生をこっちに!」

「!?」

「ちょっちょっと何をしてって!キャアアアー」

 

優鬼が叫ぶのと同時に零が山田先生の腕を掴んで優鬼のところへ投げ飛ばして乳母車を窓の外に放り投げた。

 

「もう何なんですか~。それとあの子は大丈夫なんですか~」

「山田先生あの子は僕が何とかしますので織斑先生の所に行っててください!」

「えっ!ってどこから外に出る気なんですか!危ないですよ!」

 

優鬼は山田先生の言っていることを無視して窓から外に出た。

 

 

それからしばらく走っていると零が巨大なギロチンと牛を合わせたようなホラーと戦っていた。

 

「涼邑さん!」

「お前!なんでここに!」

「僕はホラーに取りつかれた赤ん坊を助けます。僕が助けた後ホラーに止めを刺してください!」

「だけどどうやって!さっきの話では助けたとか言ってたけどこいつ相手にどうにかなるのか!」

「それは僕のもう一つの力でどうにかします!」

 

零にそう言って右腕に『鬼の籠手』を出して『鬼武者』に変身し、次に籠手が光り出すのを確認して右腕を上に挙げて円を描くように回して、右手を勢いよく降ろして次元の空間を割る。

 

「あの構え方、まさか!あいつも」

〈魔戒騎士だとでも言うの!〉

「違います!僕は魔戒騎士じゃありません!」

 

優鬼は『凰牙』の鎧を召喚・装着するのと同時にギロチンのホラーの上に飛び乗って『凰牙剣』を使い切り傷をつける。そこに『鬼の籠手』のが装着されている右手に光を集めて切り傷の上から右手を当てる。

 

『ギャオオ―――――』

「うわ!危ね!」

〈気をつけて。ゼロ〉

「わかってる。それよりあいつは何をしているんだ」

〈わからないわ。でも彼が私たちの敵でないのは確かね〉

 

零はホラーから少し離れて様子を伺っていた。だが場所が悪いのか優鬼が何をしているのかわからない状態だった。だがシルヴァは優鬼が敵ではないということを零に言ってまた様子を伺う。そんな中優鬼はいまだに『浄化』を行っていた。

 

「もう少し……もう少し……来た!」

 

そして光が形を成して赤ん坊の姿になるのを確認して優鬼は鎧を解除し変身も解き赤ん坊を抱き下に降りた。

 

「涼邑さん!今です!」

「よし!」

 

零は優鬼の合図を聞き二刀の剣を上に挙げ円を描くそして光を発しながら鎧が出てくるのを確認して装着する。銀色の甲冑とオオカミを模した顔、そして太さを増した二刀の剣。これが『銀牙騎士 絶狼』である。

 

「一気に方をつけるぜ!」

 

絶狼はそう言って二刀の剣の柄をつなぎ合わせ『銀牙銀狼剣』にして構える。そしてホラーより高く飛び上がるのと同時にホラーを真っ二つに斬ったのだ。

 

 

騒動が終わり二人は顔を見つめあう。

 

「お前も鎧を仕えたのか」

「でも、僕は魔戒騎士ではありません。僕は『鬼神武者 凰牙』です」

〈確かに、そんな鎧を持つ騎士なんか見たこともないわ〉

「ふっ、それじゃあ頑張れよ」

「はい!あなたもお元気で」

 

二人はそのまま自分達の帰る場所へ帰って行った。

 

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