第4話
セシリアSIDE
何なのでしょうこの感覚は?そう思えて仕方ありませんわ。一夏さんと試合をしてその勇姿をこの目で見てすごくドキドキしてしまいましたわ。試合後のシャワーを今浴びていますが、このドキドキ感はむしろ留まることを知らず、今もずっと鳴り続けていますわ。
「これがもしや『恋』なのでしょうか?それでしたら良い心地ですわ」
そう、とてもよい心地なのですが…その次に押し寄せてきたのが「恐怖」ですわ。もう一人の男性操縦者「八神優鬼」。彼のあの機体は、何か恐ろしいものを感じさせますわ。ですが、よくよく考えてみれば彼の機体だけでなく…何といえばよいのでしょうか?彼自身の気迫にも耐えられなかったと言えばよいのでしょうか、そのような感覚が今私の中で渦巻いておりますわ。
「あの方に関しては少し距離を置いたほうがよろしいでしょうか?」
そのような考えを持ってしまうほどあの試合は私を恐怖のどん底に陥れましたわ。なんだかすごく怖かったとしか今は言えませんわ。
一夏SIDE
「よう!優鬼!お疲れ!」
「あっ!一夏!お疲れ!」
「八神、よくやったな」
「篠ノ乃さんもありがとうね」
今は優鬼が返ってきたところを迎えている。ちょうど良く帰ってきた優鬼は、汗ひとつ流さずに疲れた様子もなく帰ってきた。俺でさえもやっぱりISの操縦が難しいというのにやっぱり慣れって大事なんだな。
「ところでさあ優鬼。ちょっといいか?」
「うん!何?」
「いや、そんな難しいことじゃないよ。俺と一緒にISの訓練を手伝って欲しいんだ」
「えっ!でも一夏は篠ノ乃さんがいるじゃないか、僕でなくてもいいんじゃない?」
「いや、男同士ならモチベーション上がるというか、ライバル意識みたいなものが強くなって訓練に集中できるかなって思えたんだ」
「一夏!私では役不足だと言うのか!」
「いや、そういう訳じゃないんだけど、一応優鬼のほうが操縦技術が俺たちより上だから頼もうかなって感じかな」
「だが!それでも...」
「一夏。悪いけどその頼みやっぱり受け付けられない」
「そうか。わかったすまなかったな」
「でも、ちょっと、待って確かに僕が訓練の手伝いをしてもいいけど、僕は一夏の対戦をする方じゃなくて技術的な指示を出した方がいいと思ってるよ。そうすれば篠ノ乃さんも気兼ねなく一夏と対戦を通した訓練になると思うから」
「うん!それがいいな。わかった。箒!これからも一緒に訓練しようぜ!」
「あっ!ああ、そこまで言うなら付き合ってやらんこともないぞ!」
よしこれで訓練の話を取り付けることができた。さて今日はこの後どうしようか。そんなことを考えていると優鬼が顔色を悪くして俺に話しかけてきた。
「ねえ、一夏、ちょっといい?」
「ん?どうした?」
「いま、妖怪の気配とホラーの気配を感じたんだ」
そう言われた瞬間俺と優鬼の顔が険しくなったのがわかる。これからは、人に見せるような事柄ではないからな。
「そのうち、一つはオルコットさんの気配も感じる。彼女はまだ気づいてないけど時間の問題だから一夏は、そっちを頼める。そっちは妖怪の気配がするから」
「わかった。『変身』用のアイテムはもう持ってきているからすぐに向かう」
「うん!頼むよ!」
「おう!悪い箒!先に部屋に戻っていてくれ」
「むっ?どうしたのだ一夏?そのような険しい顔をして」
「ちょっと野暮用だ。じゃあ行ってくる」
俺はそう言ってオルコットの所に向かった。さあ仕事の始まりだ!
セシリアSIDE
私は、今シャワーから上がって少し休んでいる時でした。何やら変な格好をした方がこちらに寄ってくるのを感じましたわ。
「貴方はどなたですか?ご用件は?」
「う~~~」
何やら唸っているような気がしますが、それが尚更怪しく感じますわ、それならと私はこの不審人物に強く喰ってかかりましたわ。
「ちょっと貴方!ここが何処か分かっておりますの!」
「う~~~」
「ちょt「うが~~~~」!?」
そう言って不審人物はいきなり叫び出しそして姿が変わりましたわ。そうあれは、まるで「妖怪」という日本古来のものの化の様なものだと思われますが、今私のISはエネルギーを充電していて対処しようがありません。
「くっ!こんな時にISがないなんて!」
そう言っている内にものの化は私の方に襲おうとしていました。私は腰を抜かしてしまいうまく動くことができません。私はこれが私の最後だとすぐに感じ取っていました。
...もう私はお父様とお母様の所へ向かうのですね。もうこれで会えるのですね。
恐怖で腰を抜かしてしまいもうまともに動けない私は、最後にお父様とお母様ともう一度会えたらなと思いました。すでに亡くなっている私の両親ですが、それでももう一度会いたかったですわ。もう一度…あい…た…かった。
「オルコット!!」
一夏SIDE
俺が急いでいるとオルコットはもう妖怪に襲われていた。彼女はもう諦めてしまっているのか!いや!まだだ!間に合え!間に合え~~
「オルコット!!」
そう叫ぶと妖怪はオルコットを襲う前に俺の方を見た!この隙に俺は妖怪に突進をかける。
「っ!?織斑さん!」
「オルコット!大丈夫か!」
「ええ、今のところは」
「そうか。いいか!ここから動くなよ」
「えっ!いったいどうなさるおつもりですの!」
「あいつを、倒すのさ!」
そう言って俺は妖怪のほうを向き懐から銀色の四角いバックルとポケットから一枚の「カード」を出しそれをバックルに差し込む。そしてバックルを腰に当てるとそこからトランプの束のようなものが飛び出し、俺の腰に巻き付く、そして俺は右手を左斜め前に人差し指を立てながら突き出し左手を同じような指の形にして後ろに下げる。そして俺は右手を反転させて優鬼の様にあの掛け声をかける。
「変身!!」
「turn up」
そして右手でバックルに付いているハンドルを引く。するとそこから四角いフィールドのようなものが出現し俺はそこを通過する。そして俺は、オリハルコンの装甲でできたスーツを装着した剣の戦士「ブレイド」になる。
「よし!行くぜ!」
「うが~~!」
俺は、妖怪にめがけて「醒剣ブレイラウザー」を構え妖怪に向かって攻撃を開始した。ちなみにこの妖怪はおそらく手長足長の「手長」の方だろう。その証拠に足は短いが手が異常に長く胴体も少し長身だ。そしてこの妖怪は多分「機戒化」した奴だろう、奴も俺の攻撃に怯みながらもその長い手で俺を捕まえる。ならば、切り裂きの力を使うまでだ。
「slash」
俺はブレイラウザーからカードホルダーを開きその中の一枚「スラッシュ」のカードを取り出しブレイラウザーにラウズする。するとブレイラウザーが青色の光に包まれる。そして俺は手長の腕を切り裂き捕縛から解放される。そこから手長に向かい斬ることを繰り返し、時々パンチや蹴りを入れながら相手を攻撃する。手長は俺の攻撃からのダメージを重ねていき完全に弱まったところでブレイラウザーから二枚のカードを取り出しラウズする。
「kick」
「thunder」
「rightning brasst」
俺は、「キック」と「サンダ―」の力による必殺技「ライトニングブラスト」を手長に決める。そして手長は吹き飛びそこで爆発を起こした。手長を倒した俺はそこでオルコットの所に向かった。
「大丈夫か?」
「はい…どこも怪我をしておりませんわ...」
「そうか…でも部屋の所まで一緒に行こうぜ」
「はい!」
よほど怖かったのか目元から涙を流しながら俺の腕に抱きつきながら部屋の方に向かった。後ろを振り向くとそこには跡形もなく灰になった妖怪の燃えカスが微かにあった。