IS  鬼と神の血を受け継いだ少年   作:八神優鬼

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第5話

第5話

 

簪SIDE

整備室

 

どうも、私、「更識 簪《さらしき かんざし》」と言います。今私は一人でISを作るために整備室に居ます。性格には本音も一緒です。試合を観終わった後、私のことが気がかりになって見に来たそうだけど絶対「あの人」が関係しているに決まっている。私はもう5日ほど籠りっぱなしです。なぜなら私は日本の代表候補生として渡されるはずだった専用機「打鉄弐式《うちがねにしき》」の製造が中止されてしまい、まだ開発途中のため私が引き取って作っています。中止された理由は、今この学校に居る生徒の一人「史上初の男子操縦者」として名をとどろかされている「織斑一夏」の専用機の開発に開発者たちが私の専用機そっちのけで手がいってしまったためです。そして一人で制作している理由は……私の家庭にあるのですが、あまり言いたくありません。

 

「はあ~、どうしよう、ここのシステムがうまく作動しない」

「どうしたの~?かんちゃん?」

「本音。かんちゃんっていうのはやめて」

「え~でも幼馴染だし」

「あの人に頼まれてここに来たんでしょ。だから出て行って」

「も~かんちゃんってば~」

 

本音はいつものようにのほほんとした態度で私に接してくる。だが、今の私にとってはうっとおしいとしか思えない。本音とは幼少のころからの幼馴染であり、よく遊んだ仲だ。でも今はそんなことに関係なく、私はISに目を向ける。

その時だった。突然後ろから聞きなれない人の声に話しかけられた。

 

「ねえ、ちょっといいかしら」

「っ!」

 

いきなりかけられたその声に私と本音は同時に後ろに振り向きその姿を見た。その人は30歳くらいの女性で、綺麗な金髪の髪で肩まである長髪だとうかがえる。でも疑問がある。それは女性であることじゃない。ここは「IS学園」ISは「女性しか扱えない」のだから女性がいることはそんな問題ではない。また学園といえど30歳ほどの女性がいることも問題ではない先生方のほとんどは20~30までの年の人が多いからだ。では私の疑問は何かそれは「いつ入ってきたのかだ」なぜなら「ドアの開く音」が全く聞こえなかったからだ。

 

「一つ聞いて言いですか?」

「何かしら?」

「あなた、『いつ』ここに入りました?」

「ウフフフフ」

 

そういうとその人はいきなり私の目の前に現れ、私の首を絞めるような形で持ち上げられた。しかも片手で……さらにその人は、不気味な声でどこの国かわからない言葉を話し始めた。

 

「キカ、チルチビツロマクルト《フン、最近の人間にしては感のいいやつだな》」

「何を……言って……いるの」

「ルイチオエルクマシ《まあいい、貴様を餌にさせていただくとしよう》」

 

何を言っているのかわからないが、多分私のことを殺す気なのだろう。後ろに居る本音は恐怖のあまり震えてしまっている。お願い!逃げて!

 

「かんちゃんから離れろ~!」

 

本音は私の考えていることとは裏腹に私を助けるためにこの女性に突進した。女性もいきなりのことに動揺し私の首から手を話す。

 

「ルダ、チヲリウムバチヨシ《くそ、邪魔するな小娘!》」

 

その人は、突進した本音に容赦なく襲いかかろうとしていた。本音も余りのことに腰を抜かしてしまっていて動けない。誰か…誰か…

 

「誰か…助けて!!」

 

「ウォーーーー」

 

優鬼SIDE

IS学園廊下

 

僕は今、一夏とは反対の廊下を走っていた。あっちは妖怪の反応があったけど、こっちはホラーの反応があるからだ。この方向からして整備室のほうだ。そのほかにも二人ほどの人間の気配を感じることができる。間に合ってくれ。そう願うばかりであった。

 

整備室ドア前まで到着した。ホラーの反応もここで間違いない。急いで中に入ると、声が聞こえた。

 

「ルダ、チヲリウムバチヨシ《くそ、邪魔するな小娘》」

 

まずい、ホラーが誰かを襲おうとしている。僕は反応のある方に向かって走る。

 

「誰か…助けて!!」

 

ここだ!と僕は一目散に駆けよりそして…「ウォーーーーー」と叫びながらホラーの目の前に立つ、今回のホラーは人間を誑かす確か「シガ―レイン」だったかな。曖昧な記憶だけど、女の恰好をしているのは、多分この女の人「煙草」を吸う際にこのホラーに憑依された「ライター」を使ったな。

 

「ギル!リリロラツエラ《貴様!邪魔するな!》」

「悪いけど、そう言う訳には行かないんでね!」

 

僕とホラーはそのまま格闘を始めた。僕は相手に対し殴る蹴るなどの攻撃を繰り返し、また相手の攻撃を腕や足、または跳躍をして、回避する。そして相手に強烈な一撃を与えたことで相手は機材を下敷きにするように吹き飛んだ。

 

「さあ!どうする!」

「フン、ならば我の姿を見せてやろう」

 

そう言ってホラーは懐にあったライターを取り出し握りしめた。するとその体はバラバラになりながら浮遊しながら僕に直進してきた。その際に案の定僕は避けてしまった為後ろの二人を連れ去られてしまった。早く追いかけなきゃ!

 

三人称

学園屋上

 

そこには黒い体をし右手に大砲のような形をした砲台があった。その目の前には女子高生が二人、簪と本音だ。ホラーは今にも二人を襲おうとしており、二人は成すすべもなかった。

 

「ホムチカニルカラウ《さあ、ここなら邪魔は入らない》」

「い…いや…」

「ジュラウ《いただくぞ》」

 

ホラーはそう言って二人を食べようとしていた。その時、二人とホラーの間に一太刀の刀が割って入る。それは優鬼の所有している武器「火炎刀」だった。刀が投げられた方向を見ると、そこには優鬼が立っていた。しかも先ほどまで着用していた学園の制服ではなく、彼曰く戦闘用の服として学園に持て来ていたいつもの服が着用されていた。

 

「カラトムババレム《まだ、邪魔するか!》」

「ああ!そろそろ決着を着けよう」

 

優鬼はそう言って二人の目の前に立ち刀を拾う。そして優鬼は右手を晒し出すと右手には鬼の籠手が出現しており、そこに刀を吸収すると籠手が光り出す。優鬼それを一度天に上げ次に勢いよく自分のもとに降ろし変身の合図をする。そして籠手が光り出し優鬼を包みこみ、光が晴れると優鬼は黒い肌をし、亜麻色の長髪をした「鬼武者」になる。

 

「ハタラオワタウ《それで勝てるのか?》」

「いや!僕のもう一つの力で貴様を倒す!」

 

優鬼はそう叫ぶと右手の籠手からまた光を発し始める。そして優鬼はそれを上に挙げ腕を回し円を描いた。そして描かれた円から光が放たれると光は優鬼をまた包み込む。そして頭上から赤色の鉄のようなものが現れると優鬼はそれを装着する。そして光が晴れるとそこには赤色の鎧をしオオカミのような牙を模した顔をしそして額には2本の角があった。その左手には刀のような剣が握られている。

 

「グガギルギトバ《貴様!『魔戒騎士』なのか!》」

「違う!僕は『魔戒騎士』じゃない!」

 

優鬼はそう叫びホラーに前進する。ホラーは動揺しながらも右手にある砲台を打ち出すが優鬼の纏っている鎧では全く歯が立たない。そして優鬼がホラーに近づくと優鬼はホラーに向かってパンチを繰り出しホラーは吹き飛ぶ、ホラーは怯みながらも優鬼に攻撃をするが優鬼は鎧を着ているすら関係ないような華麗な動きをして攻撃を避ける。

 

「かっこいい!」

「かんちゃん今はそれどころじゃないと思うけど~」

 

後ろでは簪と本音がそんなことを言っていた。簪は部類のヒーロー好きなのである。本音はそんな簪を観て突っ込みをした。だが彼女たちの心の中には既に恐怖はなかった。なぜなら優鬼の存在が何より安心するからであるためだ。そんなことはつゆ知らず、優鬼はホラーに着々と近づく。そしてホラーの腹部に手を当てると優鬼の右手に光が集中し始める。

 

「貴様が取り憑いたその人を、返してもらうぞ!」

「ギラガ―《やめろ―!》」

 

優鬼の光が外に放出されると同時にその光が集まり出し光が晴れるとそこには先ほど簪たちを襲っていた女性の姿があった。優鬼の力の一つ「神の力」による「異常状態からの浄化」の能力でつまり彼女の「ホラーに取り憑かれた」という「異常」の状態から浄化の光を放ち彼女を助けたのだ。それを見た簪と本音は最初は戸惑ったが彼の行動から彼女は大丈夫と判断し近づく。

 

「ガツハーエ《我の器が!》」

「そして止めだ!」

 

そう言って優鬼は剣を鞘から出した。その剣は赤色に輝き日本刀のような鋭い刃をホラーに向ける。その剣の名「凰牙刀」と呼ばれておりホラーの牙から作り出される「ソウルメタル」と神の世界でしか手に入らないとされている「ヒヒイロガネ」と呼ばれる鉱石からできている。それを見たホラーは体を丸くし空に逃げるが、優鬼がそこから跳躍しホラーに追い付く。ホラーを足場にし跳躍すると今度は落下する形でホラーに剣を向けて横に斬った。そして優鬼は簪たちの方に着地し彼女たちに覆いかぶさるように構える。そしてホラーは優鬼にぶつかりながら地面に落ちた。

 

「ウアカラタガハレロ―《貴様はいったい何者なのだー!》」

「僕の名は『凰牙』。『鬼神武者 凰牙』だ!」

 

優鬼はそう叫ぶと同時に懐からカードを取出してホラーに投げつける。ホラーは封印されてカードが自分のところに戻ってきた。いまだに彼女たちの前に居るのは念のため彼女たちにホラーの血が掛からないようにするためだ。ホラーの消滅を確認すると優鬼は鎧を外し鬼武者の変身も解き今までどおりの姿となった。優鬼は刀を鞘にしまい籠手の中にしまうと籠手も同時に姿を消す。後に残ったのは、なにも付いていない只の「右手」だけだった。

 

「ゆうゆうだ!」

「大丈夫?本音さん」

「うん!大丈夫だよ~」

「本音。もしかして」

「うん!私と同じクラスなんだよ~」

「初めまして。僕は八神優鬼。君は?」

「私は、更識簪。よろしく」

「うん。よろしく」

 

そんな話をしていたが。後ろの彼女はいまだに意識が戻っていない。そして優鬼はその人に向かって歩みより彼女頭を膝の上に載せ瞼を上げた。そして左手の人差し指を上げるとそこから炎が上がり彼女の前に晒す。彼女の眼になにも反応がない。それを確認すると優鬼は彼女を抱き抱える。

 

「その人大丈夫なの~?」

「うん。もう大丈夫だよ。これから襲うことはないと思うから」

「どうしてわかるの?」

「僕はそういう人を何度も見たから判るんだよ。それよりこの人を保健室に運ぼうと思う」

「うん。わかったよ~」

 

後は彼女がゆっくり休めるように保健室に向かうことにした。

 

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