第6話
一夏SIDE
俺は今オルコットの部屋を目指して歩いており、そのオルコットは俺の腕に抱きついていた。
優鬼はもう一つの敵も倒したところだろう。そんなことを考えていると突然オルコットから
「それで先ほどのあれは何なのですか?」
と聞かれた。まあ俺でも答えることはできるが……やはり優鬼と合流したほうがいいかもしれない。
「事情を話てもいいが……やっぱり優鬼と合流してからでいいか?」
「えっ!八神さんもですか!」
そうだよな、俺だけでなくもう一人の男子が絡んでいるんだから驚くよな。まあ一応連絡を入れるか。俺はそう思ってISの「極秘回線《プライベートチャンネル》」を開いてオルコットに事情を話すことを説明した。
(優鬼。そっちはもう終わったか?)
(一夏?終わったよ。どうしたの?)
(ああ、オルコットが俺たちのことを説明してほしいと言ってきてな、それで一応説明しておこうかなと思ったんだ)
(ならちょうどよかった。僕も今助けた2人から説明してほしいと言われたんだ。だから今から僕の部屋に集合でどうかな?)
(判った。お前の部屋だな)
そう話終えるとオルコットにこれからについて説明をした。
「オルコット。すまないが、これから優鬼の部屋に向かうからちょっと時間をくれないか?」
「そうですの……判りましたわ。少々のお時間なら私もお付き合いいたしますわ」
オルコットはそう言って納得してくれた。まあこれから驚くのはそれだけじゃないからあまり驚くなよと心の中で思った。
優鬼SIDE
僕たちは簪さんと本音さんと一緒に僕の部屋まで歩いていた。救出した女の人は保健室で目を覚まし嘘の事情を説明し今日は学園の寮長室でお世話になるということらしい。その後は一旦僕の部屋で休もうと思ったら簪さんと本音さんもついてきた。
「どうしたの2人とも?」
「さっきのことについて教えてほしいの……」
「教えてほしんだよ~ゆうゆう」
「う~ん、でもなあ教えるとなると僕たちのことに関わることになるかもしれない。友達付き合いならまだしも、こっち側の事情は正直話せないと思う」
「それでも教えてほしいの……どうしても」
「それはなんで?」
「……それは……それは」
「もう!ゆうゆうそんなことを聞くのは無粋だと思うよ~」
「でも、大事なことだよ。だって君たちの命が危なくなることをさっきのあれで判ったんじゃないの?」
「……それでも……それでも!少なくとも事情を知っている人がいれば少しは動けると私は思うの!そうすれば私たちも貴方に協力できると思うの!」
「でも、危ない橋だよ。限りなく危ない橋だ。命綱すらない無謀そのものだよ。それでもいいの?」
「うん!私は貴方のようなヒーローと協力してみたいの!」
「それに私もゆうゆうと一緒なら頑張れる気がするから~協力しちゃう」
困ったな。確かに少しでも事情を知っている人がいればやり易いけど、かといって危険に巻きこむ訳にも行かないし、でもこの2人もう引き下がる気ないだろうな。仕方ない。
「…………判ったよ。でもちょっと待ってて、今他の協力者にも連絡するから……」
そう言っていると一夏から連絡が来た。タイミングがいいな。僕はそう思い一夏の連絡に応じてあっちがオルコットさんに事情を説明することを僕に連絡してくれた。僕も後ろの2人に説明をしないといけないから、と言って一夏と合流することで、通信を終わらせる。
「ゆうゆう?だれから~?」
「ん?一夏からだよあっちも終わったようだからこれから合流しようと思う」
「へぇ~おりむーも協力者なんだ。じゃあ一緒に行こう。かんちゃん」
「うん……でも織斑君も一緒なんだ……」
簪さんが何か言っていたけど、聞こえなかった。でも何か悔しそうな顔をしているのが目に見えた。
3人称
それからして、2組は優鬼の部屋で合流し中へ入る。そこでは優鬼と一夏の事情についての説明があった。のだが……
「ハア~、もう出てきたら。篠ノ乃さん」
「「「「えっ!」」」」
優鬼の一言で、皆が後ろを向くと扉が開かれて、顔を赤くしていた。篠ノ乃箒がいた。
「箒!なんでここに?」
「むしろなんで気づかないの?一夏?」
「優鬼は気づいていたのか?」
そんな話をしていると箒から話しかけてきた。
「すまない。後ろから付け回す様な真似をして」
「もしかして、一夏のことで?」
「そうだ、少し心配になってな、オルコットを助けているところを見ていたのだ」
「ええっ!そんな前から」
「一夏~」
「なっ何だよ!」
「今日ちょっと『O☆HA☆NA☆SHI☆』しようか、あっ大丈夫大丈夫。ちゃんと『手加減』してあげるから」
一夏の失態を優鬼は笑顔で対応しているが、優鬼の後ろからどす黒いオーラが目に見えるのは気のせいだと思いたい。
「まあそれは置いといて、篠ノ乃さん、もし話を聞くならそれ相応の覚悟が必要だと思うけど」
「大丈夫だ。一夏のことならなんでも受け入れる。なんせ私は『幼馴染』なのだからな」
箒のその言葉にセシリアが少し反応する。それはこいつライバルだ!という感じだと思いたい。
「まあそうだね、まずは僕たちのもう一つの『姿』についてかな」
「ああそうだな。まずは俺のもう一つの姿は『剣の戦士 ブレイド』っていう、能力はセシリアは少し見たと思うがカードを使って変身や攻撃をする」
「そして僕のもう一つの姿は『鬼武者』っていうんだ。能力という能力がある訳じゃないんだけど単純に言えば圧倒的な『パワー』と『身体能力』が基本的かな、後状況によっては鎧を装着して戦う『鬼神武者 凰牙』っていうんだ。これは鎧を装着することによりあらゆるステータスを増強して戦うんだ。姿を変えるときは『鬼の籠手』というものが右手についているからそれで行うんだ」
優鬼と一夏の説明に驚愕の連続と言わんばかりの女子たち、だが優鬼たちの事情はこれだけではない。
「後、今まで言わなかったけど、実は俺と優鬼は『家族』なんだ」
「「「「えっ!」」」」
「性格には義理の兄弟かな」
「「「「ええっ!」」」」
「でもでも~どうしてそういうの黙ってたの?」
「余り言いふらしてもいいことないからね。それに変な誤解されたくないし」
「「「「変な誤解?」」」」
「さっき言ったよね、僕たちは家族だって。それはつまり『マドカや千冬さん』にも当てはまるから、そうなるとクラスのみんなから『織斑千冬の弟という肩書きを欲しがった強情な奴』っていうことになりかねない。そうなると居づらくなるからね」
「そんなことなんで言えるんだ!八神!お前が堂々と関係ないと言えばいいじゃないか!」
「それで済むんならね。でも今の世の中は『女尊男卑』という男にとっては融通の利かない人が多いから、下手するとマスコミや女性有利団体みたいな人たちから僕や他の家族たちにも迷惑が掛かっちゃうから余り言いふらせないんだ」
「そんな!ですが、いくら世の中がそうなっているとしても、『ブリュンヒルデ』である織斑先生なら無理やりにでもその情報の誤解を解けば」
「難しいね、いくら千冬さんでも、世の中の情報という武器には勝てないと思うよ」
「でも心配するな。そういうのは俺たちの問題なんだ。だからこうなった場合は俺たちが対処する」
「それに、一夏たちと家族になったのは一夏たちのご両親の遺言からなんだ。一応そうなると法的に僕の父が保護者として一夏たちを養子に迎えることができたんだ。だから余り心配しないで」
「そうなんだ。判った。私は八神君のことを信じて余り出しゃばったことはしない。でも何かつらいことがあったら言って欲しい私も、ううんっ!私たちもできるだけ協力するから」
「ああっ!そうだな!私も協力しよう」
「私も協力いたしますわ!」
「私も協力するよ!ゆうゆうとおりむ~」
「皆ありがとな!感謝するぜ」
「僕からもありがとう。最初は余り協力してほしくなかったけど今はそうでもない気がするよ」
皆が協力してくれるという最高の言葉に一夏と優鬼は皆に感謝する。そして話は優鬼の生い立ちとのちに千冬とマドカを加えて、先ほど見た敵たちについての話になるのである。