マシュ・マックの短編集   作:マシュ・マック

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戦姫絶唱シンフォギアと仮面ライダーエターナルのクロス小説です。
この作品は連載の予定でしたが、作者の都合で打ち切りになりました。
折角なので書いたこの話をここに投稿します。
それではどうぞ。


戦姫絶唱シンフォギアエターナル

  NoSide

 

桜咲き誇る4月のある日。ある所に一人の青年がいた。

20代前半を思わせる整った容姿にすらりとした長身、黒いジャケットを着た茶髪の青年は、特に目的地がある訳でも無く、辺りを歩き回っていた。

青年は暫くして、ある一点に視線を集中させていた。

青年が視線を向けるその先には・・・

 

 

 

 

 

「はぁ〜。どうしよ〜」

 

「にゃあ〜」

 

何処かの学校の制服を着た高校生くらいの少女が木の上で猫を抱えていた。

更に少女は困った様な顔をしながら溜め息をついていた。

この少女の様子を見て青年は思った。

 

(バカかあいつは)

 

青年は少女の状況から、木の上にいた猫を助けようと木に登ったは良いが、今度は自分も降りられなくなってしまった。つまり、ミイラ取りがミイラになってしまったのだと予想した。

 

「・・・・・・・・・・・」

 

青年は暫く少女の方を見ていると、無言で少女が登った木に向かって歩いて行った。

 

「おい」

 

「へ?」

 

少女が登った木の根元まで来た青年は下から少女に声を掛け、少女は突然声を掛けられた事に戸惑いながら左右を交互に見る。

しかし、青年がいる下に視線が行く気配がない。

 

「何処を見ている? 此処だ」

 

「へ? ・・・あ!」

 

青年に言われ、漸く少女は下にいる青年に気付いた。

 

「お前こんな所で何やってるんだ?」

 

「え〜っと・・・、この子が木に登ったまま降りられなくなっていて・・・、助けようとして私も登ったんですけど・・・」

 

「自分まで降りられなくなってしまった、と?」

 

「うっ・・・・・・、はい」

 

「・・・・・・・・・、はぁ〜」

 

自分の予想が当たっていた事に青年は思わず溜め息をつく。

 

「跳べ」

 

「へ?」

 

「受け止めてやるからさっさと跳べと言っているんだ」

 

「ええ!?」

 

青年の言った事に少女は驚く。

 

「で、でも良いんですか? 初対面の人にそんな・・・、ご迷惑なんじゃ・・・」

 

「良いからさっさと跳べ。同じ事を二度言わせるな」

 

「は、はい!」

 

青年から発せられる言葉に若干の苛立ちが含まれているのを感じた少女は慌てて降りる準備を始めた。

 

「えっと・・・、じゃあ、行きます!」

 

そう言うと少女は意を決して木から飛び降り、青年はそれを受け止めた。

 

「大丈夫か?」

 

「え? あ・・・、はい。えっと、その・・・、だ、大丈夫です!」

 

「そうか、なら下ろすぞ」

 

青年は少女を足から下ろして地面に立たせた。

 

「えっと・・・、その・・・」

 

「ん?」

 

「助けていただいて本当にありがとうございます!!」

 

少女は深々と頭を下げながら青年に感謝する。

 

「ああ、その事か。気にするな。お前を助けたのは只の気まぐれだ」

 

「それでも、私もこの子も助かりました。本当にありがとうございます!」

 

そう言って少女は再び青年に深々と頭を下げる。

 

「まあ良い。じゃあ俺はそろそろ行くぞ」

 

「あ、あの!」

 

立ち去ろうとする青年を少女が呼び止めた。

 

「今度は何だ?」

 

「もし良かったら名前教えてください。あ、私は立花響って言います」

 

「・・・・・・、大道克己」

 

少女、立花響の自己紹介を聞いた青年、大道克己は自分もまた名乗り、今度こそ彼女に背を向けて歩き出した。

 

「大道克己さん。ありがとうございます、克己さん!」

 

再度克己に礼を言う響きに対し、克己は振り返らず、何も言わず去って行った。

 

 

 

 

 

因みにこの後、響が入学初日から遅刻した事できついお叱りを受けたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

克己が響と出会った翌日。

昨日と同じ様に、克己は特に当ても無く朝から町を歩き回っていた。

そして夕方になり日が落ちかけた頃。

克己は視線は目前のある光景に集中していた。

克己の視線の先には炭素の固まりが道の所々に落ちていた。

 

「・・・・・・、ノイズ」

 

そう呟いた直後、

 

「いやあああああああ!!」

 

何処かから悲鳴が聞こえてきた。

 

「!」

 

その悲鳴を聞いた克己は悲鳴が聞こえた方向へ走った。

 

 

 

 

 

「! あいつは」

 

走った先で克己が見たのは、昨日自分が助けた少女、立花響が彼女よりも幼い女の子と共にノイズに囲まれている状況だった。

 

「何をしている! 早くこっちに来い!!」

 

「! 克己さん!!」

 

「早くしろ! 死にたいのか!?」

 

「はい!!」

 

克己に促された響は女の子を抱えて川に飛び込み必死に泳ぎ、対岸に着くと同時に二人は克己によって引き上げられた。

 

「はぁ、はぁ、ありがとう、ございます。克己さん」

 

「ボサッとするな! 走るぞ!」

 

「は、はい!」

 

克己は響が連れていた女の子を背負い、響と共に走り出した。

 

「はぁ、はぁ、シェルターから、離れちゃいましたけど、はぁ、はぁ、どうするんですか? はぁ、克己さん」

 

「とにかく走れ! 何処か隠れられる所を探してそこでノイズをやり過ごす!」

 

「はい! はぁ、はぁ、はぁ、ああっ!」

 

「お姉ちゃん!!」

 

「響!!」

 

疲労が限界に達した響は足を縺れさせ、転んでしまう。

 

「か、克己さん、はぁ、私より・・・、早くその子を・・・」

 

「ふざけるな!! 立て! こんな所で諦めてんじゃねえ!!」

 

「!!」

 

克己に叱咤された響は二年前にある人から言われた言葉を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『生きるのを諦めるな!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、はい!!」

 

響は自分の体に鞭打ちながら必死に立ち上がり、何とか克己についていく。

暫く走っていた三人は近くの工場に逃げ込み、隠れられる場所を探した。

すると響が建物の屋上に通じる梯子を見つけた。

 

「克己さん! この上なら!」

 

「良し! 登るぞ!」

 

「はい!」

 

響が見つけた梯子を女の子を背負った克己と響が登って行き、屋上に着くと同時に響と女の子は屋上に寝そべり、克己も屋上に腰を下ろした。

三人とも体力は限界に近く、呼吸も荒かった。

 

「死んじゃうの?」

 

ふと突然、女の子が克己達に訊いてくる。

それを聞いた響は女の子に微笑みながら首を横に振った。

そして、ふと視線を移すと驚愕の表情を浮かべた。

 

「克己さん!」

 

「!」

 

響の声を聞いた克己は響が視線を向ける先に自身も視線をやった。

そこには大量のノイズが三人を囲んでいた。

克己は直ぐさま二人を庇う様に二人の前に出る。

 

(拙い、このままじゃ!)

 

今自分達が置かれている状況に克己は焦りを禁じ得なかった。

 

(今の状態で二人を守りながら戦うのは少しきついが・・・仕方ない!)

 

意を決した克己が懐のある物を取り出そうとしたその時・・・、

 

 

 

 

 

「? これは・・・、歌?」

 

克己の耳に突然歌が聞こえてきた。

歌が聞こえてくる方向に視線をやるとそこには・・・、

 

「響?」

 

響が目を閉じながら歌を歌っていた。

歌が止み、終わったかと思った次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィィィィィィン!!

 

「な!?」

 

突如響の胸元から強いオレンジ色の光が溢れ出した。

 

「くっ!」

 

余りの眩しさに右腕で顔を覆う克己。

光が収まった後にあったのは・・・。

 

 

 

 

 

「ふぇ?えええええ!? 何で? 私、どうなっちゃってるの!?」

 

オレンジ色のアーマーを纏った響の姿だった。

 

(あれは・・・、まさか、シンフォギア!? コイツ、シンフォギア装者だったのか!?)

 

予想外の事態に克己は内心驚きを隠せなかった。

 

(だが・・・、これなら!!)

 

「響!」

 

「え!? あ、克己さん。あ、あの、私一体どうなっちゃったんですか!?」

 

「落ち着け立花響!!」

 

突然の出来事に狼狽する響を克己は一喝して落ち着かせる。

 

「良いかよく聞け。今この状況を打開して三人とも助かる方法がある」

 

「!! 本当ですか!?」

 

「ああ。だがそれには響、お前の協力が必要不可欠だ」

 

「わ、私、ですか?」

 

「そうだ。突然の事で気が動転しているのは分かる。だがお前を含め、俺達が助かる為にも今は俺を信じろ。良いな?」

 

「・・・・・・・・・。分かりました。何だかよく分かりませんけど、私、克己さんを信じます」

 

「感謝する、響」

 

真剣な表情で言葉を発する克己に、同じく響も真剣な表情で答える。

 

「それで、私は何をすれば良いんですか?」

 

「安心しろ。別に難しい事じゃない。お前は只その子と自分の身をを守ればいい」

 

「この子を守る、ですか?」

 

「そうだ。説明は省くが、今のお前はノイズに触れても炭素化する事は無い」

 

「ええ!? ど、どうしてですか!?」

 

「説明は省くと言っただろ。とにかく、今のお前はノイズに対抗する事が出来る」

 

「私が、ノイズと・・・。あ、でも克己さんはどうするんですか?」

 

「俺か? 俺は・・・、」

 

克己は懐からロストドライバーと一本のメモリを取り出す。

 

「奴らを殲滅する!」

 

克己は取り出したドライバーを腰に着け、右手の人差し指でメモリのスタートアップスイッチを押す。

 

『ETERNAL』

 

その瞬間、メモリからガイアウェスパーが発せられ、その後克己はメモリをドライバーに差し込んだ。

 

「変身!」

 

『ETERNAL』

 

掛け声と共にドライバーのメモリスロットを右に倒す。

再びガイアウェスパーが流れ、旋風が巻き起こり、克己の体に白い鎧が装着されていく。

旋風が治まると克己の姿は完全に変わっていた。

アルファベットのEの文字を横に倒した様な触覚、∞をモチーフにした黄色の複眼、腕・アンクレットには青い炎の刻印され、胸・右腕・左腿・背中に合計25のマキシマムスロットが設けられたベルト、コンバットベルトと黒いマント・エターナルローブを纏った永遠の戦士の姿へと。

 

「え? ええええええ!? 今度は克己さんの姿が変わった!!」

 

「お兄ちゃん達、かっこいい!」

 

驚く響を余所に女の子は丸でヒーローを見る様な目で克己達を見ていた。

 

「俺があいつらの相手をする。響はその子と自分を守れ。良いな?」

 

「え!? あ、はい! 分かりました!」

 

「任せたぞ響。さあノイズ共、死神のパーティタイムだ!」

 

変身した克己は自身の専用武器であるナイフ、エターナルエッジを構え、ノイズの群れに立ち向かって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  響Side

 

克己さんとノイズの戦いが始まってから数分。

状況は圧倒的だった。

向かってくるノイズを克己さんは拳や蹴り、ナイフで次々に倒していく。

時々ノイズが形を変えて襲い掛かって来ても克己さんはそれをマントで難なく防いでいた。

そして戦っている克己さんを見ている私には、今の克己さんの姿が、二年前に私を助けてくれたツヴァイウィングの二人の姿と重なって見えた。

 

「うわぁ、仮面ライダーのお兄ちゃん、かっこいい!」

 

「へ? 仮面、ライダー? 何それ?」

 

ふと、一緒にいた女の子がそう言ったのが聞こえ、思わず訊いてしまった。

 

「お姉ちゃん知らないの? 仮面ライダーはね、変身して悪い怪物と戦って皆を守ってくれる正義のヒーローなんだよ!」

 

女の子は目を輝かせながら仮面ライダーについて私に教えてくれた。

 

「皆を守る、正義のヒーロー・・・」

 

確かに今の克己さんは丸でアニメやマンガに出てくる悪と戦う正義のヒーローの様で、とてもかっこよかった。

と、そうこうしている間にいつの間にか私達を取り囲んでいたノイズは克己さんによって全て倒されていた。

 

「響後ろだ! 気を付けろ!!」

 

「へ?」

 

突然克己さんの叫び声が聞こえてきて後ろを見てみる。

 

「!!」

 

さっきまで私達を取り囲んでいたノイズとは比べ物にならない位巨大なノイズが私達に向けて腕を振り下ろそうとしていた。

 

「くっ!」

 

私は咄嗟に女の子を抱き締め、横に跳んだ。

すると自分でも驚く程跳んでしまい、私達は屋上から飛び降りてしまった。

 

「うわあああああああ」

 

「響!」

 

落下する私達を助けようと克己さんも屋上から飛び降りた。

 

「ど、どどどどどどうしましょう克己さん!?」

 

「心配するな」

 

そう言って克己さんは緑色のメモリを取り出し、メモリのスイッチを押して、右腕のスロットに差し込んだ。

すると突然私達の周りに竜巻が発生した。

竜巻は私達を受け止めてゆっくりと地面まで下ろした後に消えた。

 

「大丈夫か二人とも」

 

「は、はい! 大丈夫です! えっと、ね?」

 

「うん! 大丈夫だよ!」

 

「そうか。どうやらあれが最後みたいだな」

 

そう言った克己さんが視線を向けた先にはさっきの巨大ノイズがいた。

 

「さあ、これで終わりだ」

 

克己さんはさっき右腕のスロットに差し込んだ緑色のメモリを抜いて、今度はナイフについているスロットに差し込み、スロットについているボタンを押した。

 

『CYCLONE MAXIMUM DRIVE』

 

メモリから流れた音と共に旋風が巻き起こり、克己さんのナイフに集まって行く。

そして、風がナイフに集約されると同時に克己さんはナイフをノイズに向けて振るった。

 

「サイクロンインフェルノ!!」

 

ナイフを振った瞬間、集約された風が刃の様な形になりノイズに一直線に向かって行き、風の刃はノイズを切り裂いた。

 

「終わりだ」

 

そう言いながら克己さんはノイズに向けてサムズダウンして、それと同時にノイズも炭の固まりとなって消えた。

 

「・・・・・・、凄い」

 

私は無意識の内にそう呟いた。

女の子も目を輝かせながら克己さんを見ていた。

そして私の頭にさっきこの子が言った事が浮かんできた。

 

 

 

 

 

『仮面ライダーはね、皆を守ってくれる正義のヒーローなんだよ!』

 

 

 

 

 

「正義のヒーロー。仮面ライダー」

 

この時私は思った。今日というこの日を私は永遠に忘れないだろう、と。

 

 

 

 

 

そしてこれが私と、後に英雄として語り継がれる事になる永遠の戦士、仮面ライダーエターナルの最初の出会いだった。

 

 




読んでいただきありがとうございました。
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