マシュ・マックの短編集   作:マシュ・マック

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書き上がったので投稿します。
今回は閃乱カグラとケロロ軍曹のクロス小説です。
それでは、どうぞ。


閃乱カグラ 舞い忍べ!タイガーホース

  NoSide

 

ここは、ケロン軍、中央母艦『グランド☆スター』その内部にある独房。

現在ここに、一人の男が収監されていた。

その独房の扉が開き、中に一人の男が入ってくる。

 

「起きるであります。ゼロロ“元”兵長」

 

「・・・・・・・・・、ケロロ、“元”隊長」

 

今この時、この独房内で一人の男が再会を果たした。

 

「・・・・・・・・・・・・、それで、どのような用件でござるか?」

 

最初に口を開いたのはこの独房に収監された男、ドロロ兵長。嘗てゼロロと名乗っていたケロン軍特殊精鋭部隊『アサシン』とトップに立った男であり、宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊、ケロロ小隊の隊員だった男である。

 

「先程、貴様の処分が決定したであります」

 

次に口を開いたのは独房に入ってきた男、ケロロ小隊隊長、ケロロ軍曹。ドロロ兵長の元上官だった男である。

 

この二人、嘗ては同じ部隊に所属する上官と部下の関係であったが、現在、その関係は存在せず、あるのは裏切り者と嘗ての同朋、という関係だけである。

何故そうなったのか。全てはあの時、ケロン軍本部からケロロ小隊に下された一つの指令から始まった。

 

 

 

 

 

ペコポン人抹殺指令

 

 

 

 

 

この指令を受けたケロロ小隊は直ぐ様、本部に指令通達の真意を問い、指令の撤回を要求。

しかし、その要求が受け入れられる事はなく、代わりに返って来たのは・・・、

 

 

 

 

 

ケロロ小隊は直ちに指令を遂行されたし。指令が遂行されなかった場合、ケロロ小隊一同を命令不服従の反逆罪にて処罰の対象とする。

 

 

 

 

 

理不尽な最後通牒だけだった。

それを受けた小隊メンバーは不本意ながらも、指令を遂行せざるを得なかった。

 

 

 

 

 

しかし、この理不尽な通達に従わなかった男が一人だけいた。

 

 

 

 

 

指令決行の当日。

ケロロ小隊と、指令遂行の為に本部から送られてきた増援部隊の前に、一人の男が立ちはだかった。

 

 

 

 

 

ケロロ小隊の隊員の一人、ドロロ兵長である。

 

 

 

 

 

ドロロ兵長は只一人、本部からの指令に離反。

嘗ての同胞の行く手を阻むべく、一人、大軍勢の前に立ちはだかり、孤軍奮闘した。

 

 

 

 

 

ドロロ兵長の予期せぬ妨害を受け、ケロロ小隊及び本部からの増援部隊は混乱。

また、今回のケロン軍の行動を遺憾に思った他の宇宙人達の介入もあり、結果、ケロン軍の作戦は失敗。ケロン星は他の星々から糾弾される事となる。

 

 

 

 

 

そして、同胞を裏切り、孤軍奮闘し、地球を守ったドロロ兵長は、その後ケロン軍によって身柄を拘束され、軍法会議にかけられる事になる。

そして現在、会議で決定したドロロ兵長の処分が、嘗ての上官であるケロロ軍曹より伝えられようとする。

 

「それで、拙者はどうなるのでござるか」

 

「今回の貴様の反逆行為により我が軍は甚大な被害を被った。本来であれば、死刑が妥当な所であります。しかし・・・」

 

ケロロは一度、言葉を区切る。

 

「軍の上層部は貴様のアサシンとしての能力を高く買い、只失われるのは惜しいと判断。よって、上層部は貴様のこれまでの記憶を全て削除。新たに別の記憶と人格を植え付ける事で、貴様の能力を再利用する事に決定したであります」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

自身の処分を聞いたドロロは何も言う事なく、只沈黙を貫いた。

 

「・・・・・・・・・・・・、しかし安心するであります。貴様がその処置を施される事は永遠にないであります」

 

「?」

 

暫くして、再び開いたケロロの口から発せられた言葉の意味が理解出来ず、ドロロは首を傾げる。

 

「なぜなら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴様は今ここで死ぬからであります」

 

そういうとケロロは何処からか、拳銃を取り出し、ドロロに向ける。

 

「今回の貴様の反逆行為により、我々ケロロ小隊もまた、連帯して責任を取る事になったであります。結果、ケロロ小隊は解散、隊長、及び隊員はそれぞれ別々の激戦地へ送られ、二度と再会する事は無くなったであります」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「貴様の勝手な行動により、我輩達もまた多大な迷惑を被ったであります。よって我輩は私怨に走り、上の決定に背き、貴様をこの場で殺すであります」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「最後に何か言い残す事は無いでありますか?」

 

「・・・・・・・・・・・・、ならば一言言わせてもらいたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

忝いでござる。隊長殿」

 

「っ!!」

 

ドロロの言った一言に、ケロロは驚きを露にする。

 

「・・・・・・ぜ、・・・、何故でありますか!?」

 

驚きを露にしたケロロは手にした拳銃を投げ捨て、両目に涙を溜めながら叫んだ。

 

「我輩は貴様を殺すのでありますよ!! 恨まれる筋合いはあっても、礼を言われる筋合いは無いであります!! なのに何故! 貴様はそんな言葉を我輩に掛けるでありますか!?」

 

「それは違うよ、ケロロ君」

 

「!!」

 

ドロロの口調が変わった事に、ケロロは再び驚く。

その口調は遠い昔、自分と、自分の部下でもある、もう一人の幼馴染に向けられたモノと同じ、ドロロと名を変える前の、ゼロロと呼ばれていた頃のモノだった。

 

「確かに君は僕を殺しに来たよ。でも、同時に僕を救いに来てくれたんだ」

 

「救いに・・・」

 

「うん。記憶と人格を消されて軍の操り人形にされる僕を、そうなる前に殺す事で僕を救ってくれる。だから言わせてほしいんだ」

 

そう言うとドロロはケロロと同じく両目に涙を溜めながら、それでも笑顔を浮かべながら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう、ケロロ君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心からの感謝の言葉をケロロに送った。

 

「!!!! ・・・・・、ゼ、ゼロロ・・・」

 

耐え切れず、瞳から大粒の涙を流しながら、ケロロは先程投げ捨てた物とは別の拳銃を取り出す。

いや、よく見るとそれは拳銃ではなく、ピストル型の注射器であった。

 

「心配ないであります。クルルの作ったこの薬なら、苦しむ事無く死ねるであります」

 

ケロロはドロロに近づき、ドロロの首に注射器の先端を当てる。

 

「安心するであります。直ぐに我輩・・・、いや、我輩達も追い付くであります。寂しい思いはさせないでありますよ」

 

涙に濡れた瞳で、懸命に笑顔を作り、ケロロは注射器の引き金に指を掛ける。

 

「今まで、良く頑張ったであります。ゼロロ。ゆっくり休むであります」

 

そして・・・、

 

「ありがとう」

 

ケロロは・・・、

 

「さよなら。ケロロ君」

 

注射器の引き金を・・・、

 

「さよならであります。ゼロロ」

 

引いた。

 

クルルの作った安楽死用の薬を打たれたドロロは、ゆっくりと、眠る様に、静かに、この世を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ・・・・・・、ここは・・・一体・・・」

 

ドロロが目覚めた場所、そこは真っ白な空間が無限に広がっていた。

 

「拙者は確か・・・、グランド☆スターの独房で、ケロロ君によって・・・」

 

『目が覚めたみたいですね。宇宙(ソラ)の彼方よりの来訪者』

 

「!! 何奴!?」

 

突如聞こえて来た声にドロロは警戒心を強める。

 

『この度は私を、そして、私の愛し子達を救っていただき、本当にありがとうございます』

 

「何者でござる!? 姿を見せるでござる!!」

 

『ですが、その所為であなたはあの様な形でしか救われなくなってしまった。本当に申し訳ありません』

 

どこからともなく聞こえてくる声に、ドロロは戸惑いを隠せなかった。

 

『これよりあなたを別の世界へと転生させます』

 

「なっ!? 別の世界? どういう事でござるか!?」

 

『そこはあなたの知る私と、似て非なる私。そこへあなたを私の愛し子として転生させます』

 

「さっきから一体何を言っているでござるか!? キチンと説明するでござる!!」

 

『これが押しつけである事は重々承知しています。ですが、私にはどうしても耐えられませんでした。同朋を裏切ってまで私達を救ってくれた恩人があのような最後を迎える事が』

 

「なっ!? くっ・・・」

 

戸惑うドロロを余所に、その空間は突然眩い光を発し始めた。

 

『最後に、この様な形になってしまいましたが、どうか新たなる地で幸せを掴んでください。それだけを、私は切に願っています』

 

「うわあああああああああ!!」

 

光はやがてドロロを空間ごと飲み込んだ。

光が収まった後、そこにドロロの姿は無かった。

 

『どうか、あなたの新たなる人生に幸あらん事を』

 

ドロロの姿が消え、誰もいなくなった空間に、そんな声が響いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如謎の存在により異世界へと転生したドロロ。

彼を待っていたのは、何もかもが新しい、二度目の人生だった。

 

「これは・・・、まさか! 本当に拙者はペコポン人に生まれ変わったのでござるか!?」

 

新たなる生を受け、戸惑うドロロ。

何故自分が新たな生を受けたのか。その答えを得るため、ドロロは土呂呂として生きていく事を決意する。

その最中、土呂呂は自身と同じ忍びの道を志す少女達と出会う。

 

ある時は伝説の血を引く少女と。

 

「あの! 本当に助かりました! あ、私、飛鳥って言います」

 

「拙者は土呂呂と申す。よろしくでござる、飛鳥殿」

 

ある時は強さを求める少女と。

 

「アンタ強ぇな! どんな修行したらそんなに強くなれんだ!?」

 

「別に特別な事はしていないでござる。只自身の心行くまで修行あるのみ、でござる」

 

ある時は己の血に迷いし少女と。

 

「私には家族がいない。私は、独りぼっちなんです」

 

「それはどうでござろうか。拙者には斑鳩殿が独りぼっちには見えないでござるよ」

 

ある時は亡き家族の面影を追いし少女と。

 

「柳生殿は何故、雲雀殿を守りたいのか? それを今一度よく考えてみるでござる」

 

「オレが・・・、どうして雲雀を守りたいのか・・・」

 

ある時は己の未熟を憂う少女と。

 

「ヒバリ・・・、やっぱり、忍に向いてないのかな?」

 

「確かに向き不向きは時として重要でござる。しかし、だからとてそれが全てとは限らないでござるよ」

 

そして、またある時は悪の道に殉じる少女達と。

 

「お前が最近この辺りに現れるという謎の忍か?」

 

「だとしたらどうするでござる?」

 

「私達と共に来てもらいましょうか」

 

「断る、と言ったら?」

 

「力尽くでも、と言わせてもらいます」

 

「・・・・・・・・・、是非も無し、でござるな」

 

新たな世界で出会った少女達に、土呂呂は嘗ての自分を重ねる。

 

「半蔵の連中を助けたと思えば、今度はわしらを助けるなんて、どういうつもりや?」

 

「土呂呂さん。あなたは一体何を考えているのですか?」

 

「拙者は只、飛鳥殿達や焔殿達の友人として手を貸している。それ以上もそれ以下もないでござる」

 

「じゃあ、何でヒバリ達や蛇女子学園の人達をお友達だと思ってくれるんですか?」

 

「そうでござるな・・・。強いて言うなら、似ているからでござろうな」

 

「似ている? 誰にだ?」

 

「飛鳥殿達も焔殿達も似ているのでござるよ。遠い昔、親友達と共に夢を追い掛け、一度はそれを掴みながらも、私情に走り、同朋を裏切り、全てを捨てた、あの時の拙者に」

 

(・・・・・・、土呂呂さん。どうしてそんな悲しそうな眼をするんですか?)

 

そんな土呂呂の存在は、少女達の中で、徐々に大きくなり始めた。

 

(どうしたんだろ私。土呂呂さんの事を考えると、何だか凄くドキドキする・・・)

 

(どうしてしまったんだ私は。何で土呂呂の事が頭から離れないんだ・・・)

 

そして、巨大な陰謀に巻き込まれていく土呂呂と少女達。

果たして、彼らの運命は・・・。

そして・・・、

 

 

 

 

 

「私、飛鳥は、土呂呂さんの事が、一人の男性として、好きなんです!」

 

 

 

 

 

新たなる生を受けたその世界で、土呂呂はその瞳に何を映す?

 

 




閃乱カグラ、ケロロ軍曹のクロス小説。舞い忍べ!タイガーホースでした。
読んで頂きありがとうございます。
この作品は、ハーメルン内で投稿されている閃乱カグラの二次小説を読んで興味がわき、アニメを見て、思い付きました。
大まかなあらすじは、本格的な地球侵略を開始したケロン軍を裏切ったドロロが死後、地球の意思(?)のようなモノにより、別の地球(閃乱カグラの世界)に人間として転するという物です。
また、話の最後にあった様に恋愛、及びハーレム要素有り(のつもり)です。
因にタイトルの「タイガーホース」に関しましては、何の事か説明するまでもないと思うので省きます。

最後に今後も書き上がった話からこう言った風に投稿して行きます。
読んで頂きありがとうございます。
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