マシュ・マックの短編集   作:マシュ・マック

3 / 6
アカメが斬る! 転生者はユニークチートな先生

  ???Side

 

「・・・・・・、ここどこ?」

 

 気が付くと僕は見慣れない空間にいた。そこは文字通り何も無く、真っ白な空間が延々と続いていた。

 

(何がどうなってるんだ?)

 

 僕は確か、バイトが終わって家に帰って、夕飯の支度をしようとしたら、急に眠たくなって、そのままベッドに倒れ込んで・・・、気が付いたらここにいた。

 

「・・・・・・、うん。さっぱり分からん!」

 

「あの〜」

 

「ん?」

 

 後ろから聞こえてきた声に反応して振り向くと、そこには綺麗な銀髪を腰まで伸ばした、まるでギリシャ神話などに登場する女神のような格好の女性がいた。

 

「えっと・・・、あなたは?」

 

「あっ! 申し遅れました! 私は第30回転生チャンス獲得大抽選企画の担当をしている、リリスと申します! おめでとうございます! あなたは見事当選し、異世界へ転生するチャンスをお掴みになりました!」

 

「ちょちょちょ、ちょっとタンマ!!」

 

「はい?」

 

「何その転生チャンス何とかって!? 僕全く身に覚えが無いんだけど!?」

 

「え? ですが、確かにあなたは我々がお送りした用紙に必要事項を記入して抽選に応募していただいた筈ですが・・・」

 

「用紙?」

 

「はい。こちらになります」

 

 そう言うとリリスさんはどこからか『今の人生は楽しいですか?』と書かれたその紙を取り出し、僕に見せてきた。

 そして僕はその手紙に心当たりがあった。

 

「それって・・・、確か、何年か前に僕の家のポストに入ってた怪しげなチラシ・・・。え? まさかそれ本物だったの?」

 

「はい。そして今回、3759万の応募の中からあなたは当選しました!」

 

「さ、3759万って・・・」

 

 凄い倍率だな・・・。でも、これは思わぬ儲け物だ!

 

「それで、どうします? このチャンスを使用されますと、元の世界では死亡扱いとなり、戻る事も出来ません。今なら当選を辞退する事も出来ますが?」

 

「辞退? まさか! こんな面白そうなチャンス、手放すつもりなんて毛頭無いよ!」

 

「では・・・」

 

「うん! どうせ今の人生に未練は無いし、そのチャンス、喜んで使わせてもらうよ!」

 

「分かりました! では、早速転生の準備にかからせていただきます! まず、転生する際の注意事項ですが、今回あなたが転生するにあたり、幾つか制約がございます」

 

「制約?」

 

「はい!」

 

 リリスさんはくじ引き等に使われる抽選箱を取り出し、僕に差し出して来た。

 

「まず、転生する世界はこのくじで決まります。この中から一つお取りください」

 

「つまり、転生先を自分で選べないって事?」

 

「はい!」

 

「へぇ〜、それはそれで面白そうだね」

 

 そう言いながら僕は抽選箱に手を入れ、中からくじを一つ取り出し、リリスさんに渡した。

 リリスさんはくじを開き、書かれた内容を僕に見せた。開かれたくじには『アカメが斬る!』と書かれていた。

 

「という訳で、転生先は『アカメが斬る!』の世界に決まりました!」

 

「げ・・・」

 

 くじの結果に僕は少し顔をしかめる。よりにもよってあんな死亡フラグだらけの世界になるとは・・・。

 

「では、続いて転生時の特典を決めていただきます!」

 

 そう言ったリリスさんは今度は大きな六面のサイコロを取り出し、僕に手渡した。

 

「このサイコロを一回振って、出た目の数がそのまま特典の数になります」

 

「つまり最高六つ、最低一つ、って事か」

 

 僕は受け取ったサイコロを放った。サイコロは数回弾み、やがて止まった。

 出た目は・・・、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 六だった。

 

「良し!」

 

「おおっ! お見事! では、このくじの中から六つ取ってください」

 

「え!? 特典もくじ引きなの!?」

 

「はい!」

 

「マジで!?」

 

 屈託ない笑顔で抽選箱を差し出してくるリリスさん。

 これには流石に驚きを隠せなかったが、とりあえず言われた通り抽選箱からくじを六つ取り出し、リリスさんに渡した。

 

「・・・・・・・・・、おぉ〜! これは中々すごいですね〜」

 

「え?」

 

「では早速特典の発表で〜す! 今回あなたが転生する際につく特典は〜〜、こちら!!」

 そう言うと何も無い空中に文字が現れる。

 

①『金色の文字使い(ワードマスター)』より、文字魔法(ワードマジック)(もどき)。

②『ONE PIECE』より、三色(見聞、武装、覇王)の覇気。

③『ルパン三世』より、斬鉄剣(もどき)。

④『Fate/』より、王の財宝(ゲートオブバビロン)(中身無し)。

⑤『オリジナル』より、限界の無い鍛えれば鍛えるほど強くなる体。

⑥『オリジナル』より、原作キャラ『???』に憑依転生。

 

「・・・・・・・・・・・・、何これ?」

 

 くじの結果を見た僕の口から思わずそう漏れた。

 次の僕は結果を見て気になった事をリリスさんに質問した。

 

「あの、リリスさん。いくつか訊いていいですか?」

 

「はい! 何でしょうか?」

 

「じゃあまず、①と③についてる(もどき)って何ですか?」

 

「いい質問です! これは今回の特典として与えられるのが、原作のそれと似て非なる物であるという事を示しています」

 

「原作のそれと似て非なる物?」

 

「例えば『金色の文字使い(ワードマスター)』の『文字魔法(ワードマジック)』は強力な反面、重い制約や反動(リバウンド)がありましたよね?」

 

 リリスさんの言葉に頷く。

 

「今回あなたに送られる特典の『文字魔法(ワードマジック)』にはそういった原作の制約や反動(リバウンド)が一切ありません。とはいえ、さすがにこれほどの力をノーリスクに使いたい放題というのはまずいので、こちらで独自の制約や反動(リバウンド)を付けさせてはもらいます。ということです。それでもオリジナルのそれに比べたらだいぶ使い勝手の良い物になっています!」

 

「え〜っと・・・、つまり僕は、原作に比べて比較的緩い条件下で、あのチート魔法が使えるようになる。っていう事ですか?」

 

「簡単に言えばそういう事になります!」

 

「何それ、マジでチートじゃん」

 

 原作の文字魔法(ワードマジック)を知っている僕はそう言わずにはいられなかった。

 

「因みに制約や反動(リバウンド)の内容自体は転生後に自身でお確かめください」

 

「あっ、はい。分かりました。それで③のもどきも①のと似た様な感じなんですか?」

 

「Yes! そもそもルパン三世という物語に登場する斬鉄剣自体、シリーズや作品によって設定が違うじゃないですか? なので今回こちらで独自の設定の斬鉄剣を特典として進呈します!」

 

「成る程」

 

「因みに今回あなたが手に入れる斬鉄剣の設定はこのようになっています」

 

 そういってリリスさんが指をパチン! と鳴らすと僕の目の前に文章が現れた。

 

『斬鉄剣の設定:東方の島国に伝わる秘伝の金属『クラム・オブ・ヘルメス』と隕鉄を混合して作られた刀。その強度と切れ味は地上最強クラスで、帝具『万物両断エクスタス』を超える。その為取り扱いは要注意』

 

「またしてもチート級ですね・・・」

 

 何ですか取り扱い要注意って・・・。

 

「②はそのままで・・・、この④の王の財宝(ゲートオブバビロン)の(中身無し)っていうのは、いつでもどこでも何でも出し入れ出来る収納庫と考えればいいんですよね?」

 

「Yes! その通りです!」

 

「これも大概チートだな。⑤も長い目で見れば中々強力だし・・・。リリスさん、この⑥は、僕は転生後に原作キャラの誰かになる形で転生するっていう事ですか?」

 

「Yes! その通りです! 因みに誰になるかは転生してからのお楽しみ。更に転生する時期は各キャラの原作開始前だという事は確定していますので、そこから原作開始までに何をしようとあなたの自由です」

 

「成る程。じゃあ例えば、仮に僕がタツミに転生したとして、ナイトレイドに入らずにイェーガーズに入る。なんて事もありなんですね?」

 

「もちろんです! そういった原作ブレイクも今企画の醍醐味ですから! さて、一通り説明し終えましたが、他に何かご質問はありますか?」

 

「いえ、大丈夫です」

 

「分かりました。それではいよいよ転生させます! あちらをご覧ください!」

 

 リリスさんが右手で示した方を見ると、そこには豪華な装飾の扉があった。

 

「あの扉を開きますと転生が始まり、次に目が覚めたその時から、あなたの新たな人生が始まります!」

 

 リリスさんの言葉を聞きながら僕は扉に向けて足を進め、扉の前までたどり着くと、扉に手を当て、力一杯押した。

 瞬間まばゆい光が僕を包み込んだ。

 

 

 

 

 

「それではどうかお気をつけて。新たな人生が良きものとなる事を心よりお祈りします」

 

 

 

 

 

 そんなリリスさんの言葉を最後に、僕の意識は遠のいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・、懐かしい夢を見ました」

 

 それは()がまだ()だった頃、偶然手にしたチャンスを使い、この世界に転生した時の記憶だった。

 転生してからの人生は喜びあり、悲しみありと、様々だった。

 前世では手にする事の出来なかった、出来ないだろうと思っていた幸せを手にした事もあった。

 当たり前のように続くと思っていた日常を奪われ、絶望した事もあった。

 現状を呪い、生ける屍となりながらも、小さな幸福を見つけ、再び生きる希望を見つけた事もあった。

 そんな人生を歩んで来た結果、今の私がここにいる。

 

 コンコン。

 

「どうぞ」

 

「失礼します。ブドー大将軍がお呼びです。至急執務室に来て欲しいとのことで」

 

「分かりました。すぐ向かいます」

 

 侍女の言伝を聞き、私は目的地を目指し、足を進める。

 数分後、目的の部屋の前にたどり着いた私は扉をノックし、屋主の許しの声を合図に扉を開き、入室する。

 

「失礼します」

 

「おお、来てくれたか。急に呼び出してすまないな」

 

「お気になさる必要はございません。それでご用件は何でしょうか?」

 

「うむ。お前にやってもらいたい事がある。頼めるか? ラン」

 

 

 

 

 

 嘗て真島司(ましまつかさ)としての生きていた私は、現在、原作で帝国がナイトレイドを殲滅するために将来結成される特殊警察、イェーガーズのメンバーの一人、ランとして生きている。この世界で見つけた自分の使命を果たすために。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。