マシュ・マックの短編集   作:マシュ・マック

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お久しぶりです。突然ではありますが今後投稿する予定の無い作品を二つほど削除して、こちらに移動させました。 もしよければ暇つぶしにでもご覧ください。


ハイスクールD×D 赤白の天龍と黄金の英雄王

 

  NoSide

 

 此処は私立駒王学園、放課後の校舎内の廊下。そこを一人の教師と、一人の男子生徒がプリントの束を持ちながら歩いていた。

 

「いや〜、手伝ってもらってすまないね、言峰君。おかげで助かるよ」

 

「いえいえお気になさらず、どうせ暇を持て余していた所ですし」

 

 そう言いながら人懐っこい笑顔で答える男子生徒。

 

 

 彼の名は言峰優誠。通称ユーセー。

 成績優秀、文武両道、容姿端麗。そして温厚で礼儀正しく、人当たりも良い為、学園での評判はかなり良く、周囲からは優等生として知られ、学園の生徒達は勿論、教師達からも信頼されている。

 

「ああ、そのプリントはそこに置いておいてくれ」

 

「はい。分かりました」

 

 職員室についた優誠は、指示された場所に持っていたプリントの束を置いた。

 

「それでは、僕はこれで失礼します」

 

「おお、助かったよ。ありがとうな、言峰君」

 

 教師からの感謝の言葉を背に、優誠は職員室を後にし、自分の鞄を持ち、下校するため、校門を目指す。

 

(さてと、今日はこの後、あそこのスーパーのタイムセールに寄って・・・、ん? あれは・・・)

 

 ふと、校庭の一角に視線を移すと、三人の男子生徒が体育館の方から走って・・・、いや、正確には何かから逃げていた。

 暫く見ていると、竹刀を持った道着姿の女子達が三人を追い掛ける様に走って行った。

 

「・・・・・・・・・、はぁ〜、全く、本当に懲りませんね・・・」

 

 その様子を見ていた優誠は、男子生徒達が走って行った方へと足を進めた。

 

 

 

 

 

  一誠Side

 

 俺の名前は兵藤一誠。親しい奴は俺の事をイッセーと呼ぶ。現在俺、いや、俺達は絶体絶命のピンチに陥っている。

 

「待ちなさい!! この変態三人組!!」

 

「今日と言う今日は絶対に許さん!!!」

 

 竹刀を持った剣道部員の女子達に追われているのである。

 

「くっそー、お前の所為だぞ! イッセー!!」

 

「お前があんな大声出すから!!」

 

「お前らがいつまで経っても替わらないからだろ!!」

 

 俺と一緒に剣道部員達から逃げている悪友の松田と元浜が文句を言ってくる。

 何故このような事になったのか。それは数分前に遡る。

 

 

 

 

 

【回想 数分前の体育館裏】

 

 

『村山の胸、マジでけぇ!』

 

『80 70 81』

 

 松田が興奮しながら言い、元浜が何やら分析している。

 

『片瀬、良い脚してんな〜!』

 

『78.5 65 79』

 

 俺達三人は現在、松田が体育の時間に偶然見つけた穴から女子更衣室を覗いていた。

 因に穴の大きさの都合により、覗いているのは松田と元浜だけである。

 

『コ〜ラッ! 俺にも見せろ!』

 

 俺は松田のみっともなく突き出した尻を掴み、引っ張り出そうとするが、松田は全く動こうとしない。

 

『二人占めすんなって〜の!』

 

 そして次の瞬間・・・、

 

『おい!!!』

 

 俺は思わず声を上げてしまった。

 

 

【回想終了】

 

 

 

 

 

 結果、俺達は覗いていた事がばれ、剣道部の女子達に追われているのだった。

 え? 只の自業自得じゃないかって? うるせぇ! つーか今回俺は松田達と違って全く見てないんだぞ! それなのにしばかれてたまるか!!

 

「あいつら! 一体どこに隠れたの!?」

 

「まだ近くにいる筈! 何としても探すのよ!!」

 

 そう言って女子達は俺達を見つけようと、どこかに走って行った。

 

「うへぇ〜、おっかねぇ〜」

 

「こりゃ捕まったら間違いなく酷い目に遭わされるぞ」

 

「ああ、何としても逃げきらねぇとな」

 

 学園中を走り回った結果、結局俺達はまた体育館裏に戻って来てしまい、現在、近くの茂みに中に隠れている。

 

「とにかく、このまま見つからない様に逃げるぞ」

 

「「おう」」

 

 俺の言葉に応える悪友達と共に、俺達は脱出を図った矢先・・・。

 

 

 

 

 

「逃げられると思っているんですか?」

 

 バシッ!

 

「「「うっ・・・」」」

 

 突然、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてくると同時に、俺達の首の後ろ辺りに衝撃が走り、そこで俺の意識は遠のいた。

 

 

 

 

 

  優誠Side

 

「やれやれ、これで一体何度目ですか? イッセー・・・って、訊くだけ無駄でしたね」

 

 僕は気絶した友人とオマケ二人を見ながら、独り呟いた。

 

「見つけた! いたわよ皆!!」

 

 一人の剣道部の女子が僕達に気付き、声を上げて仲間に知らせる。その知らせを聞き、続々と女子達が集まってくる。

 

「覚悟しなさいこの変態三人組・・・って、あれ、言峰君?」

 

「こんにちわ、村山さん、片瀬さん」

 

 女子達の中に同じクラスの子がいたで、僕は二人に挨拶をする。

 

「もしかして・・・、言峰君がそいつらを・・・?」

 

「ええ、偶然見かけたので。余計なお世話だったでしょうか?」

 

「余計だなんてとんでもない! 寧ろ助かったくらいだよ」

 

「そうそう」

 

「そうでしたか、それは良かった。では、後は皆さんで好きにしてください」

 

「うん。ありがとね言峰君」

 

 三人を女子達に引き渡した僕はその場を後にした。

 

「「「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」」」

 

 その直後、イッセー達の悲鳴が響いたのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 

「さてと、それじゃあ今度こそ帰るとしますか・・・、ん?」

 

 イッセー達の悲鳴を背に、校門を目指す僕は途中、旧校舎の前で、何かが光るのを見た。

 

「これは・・・、チェスの駒?」

 

 気になって光った場所に行くと、そこにはチェスで使う駒、形状からして兵士《ポーン》の駒が落ちていた。

 只、僕が拾った駒は、僕の知る普通のチェスの駒とは大きく違っていた。

 

「紅いチェスの駒・・・、随分と珍しいですね・・・」

 

 本来チェスの駒は白と黒である筈なのに、僕が拾ったチェスの駒は赤、それも普通の赤色ではなく、紅と言った方が相応しい程に、鮮やかな色をしていた。

 興味を持った僕は暫くの間、その駒を眺めていた。

 

「そこのあなた」

 

 すると後ろから誰かが声をかけて来た。振り向くと、そこには僕が拾った駒と同じ色の髪の美女が立っていた。

 その美女の顔に僕は覚えがあった。

 

「あなたは確か・・・、三年のリアス・グレモリー先輩、ですよね?」

 

「ええ、そうよ。あなたは、確か二年の・・・」

 

「言峰、言峰優誠です。それで、僕に何か?」

 

「あなたが拾ったそれを返してほしいの」

 

 そう言って先輩は先程拾った兵士《ポーン》の駒を指差す。

 

「ん? ああ、これ、先輩のだったんですか?」

 

 僕は先輩に近づいて行き、拾った駒を渡した。

 

「ありがとう、助かったわ。これはとても大切な物なの」

 

「そうでしたか。見つかって良かったですね」

 

「ありがとう。ところであなた、随分と興味深そうにこれを見てたけど・・・、どうかしたの?」

 

「ああ、すいません。余りに珍しかったので、つい・・・。あ、じゃあ僕はこれで失礼します。さようなら」

 

「さようなら。これを拾ってくれて本当に助かったわ。気をつけてね」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 そう言って僕はその場を後にし、今度こそ下校した。

 

 

 

 

 

  リアスSide

 

「言峰優誠、中々良い子だったわね・・・」

 

 それにしても本当に助かったわ。私とした事が、まさかこれを落としてしまうなんて・・・。

 

「ここにいましたか、部長」

 

 後ろから私の知った声が聞こえてくる。振り向くと、そこには私の良く知る面々がいた。

 

「どうやら見つかったみたいですね?」

 

「ええ、親切な子が拾ってくれたわ」

 

「言峰君、ですね?」

 

「ええ、そうよ。あなたは同じ学年だけど、彼とは親しいのかしら?」

 

「いえ、特別親しいと言う程ではありませんが、僕のクラスでも、彼の評判は良く聞きます」

 

「そう。それじゃあ、探し物も見つかった事だし、部室に戻りましょう」

 

「はい部長」

 

 私達は旧校舎の中に入って行った。

 

 

 

 

 

  優誠Side

 

「やれやれ、本当にいつになったらイッセーは覗きを止めるんですかねぇ〜」

 

 放課後の学校の帰り道。僕は先程の出来事を思い出しながら、自宅を目指す。

 尚、僕は当初の予定通り、タイムセールを実施しているスーパーに寄り、夕飯の買い物をした。

 その為、今の僕の手には学校の鞄の他に、買い物袋が握られている。

 

『その問いは問うだけ無駄ではないのか? 優誠よ』

 

 僕の中にいる存在が僕に話し掛けて来た。

 

「どういう意味ですか? ギル」

 

『どういう意味も何もそのままの意味だ。あの雑種共が覗きを止める等有り得ん。故にそのような問いは問うだけ無駄だと言う事だ。そして何より・・・』

 

 ギルはそこで一旦区切る。

 

『そのような事は有り得んと思っているのは他でもない、お前自身であろう? 優誠』

 

「・・・・・・・・・、やはりそう思いますか?」

 

『無論だ。それよりも優誠、分かっていると思うがあのリアスと言う女・・・』

 

「悪魔、なんでしょう?」

 

 僕はギルが言葉を言い終わる前に答える。

 

『フン、やはり気付いていたか』

 

「当然です。どうやら彼女があの人の言っていた、この町を裏で統轄する悪魔、その片割れでしょう。そしてもう片方は恐らく・・・フフッ」

 

 ふと、いつの間にか僕の口から笑みがこぼれた。

 

『ん? どうした優誠、随分と楽しそうではないか?』

 

「改めて思っていたのですよ。やはりイッセーは面白い。いや、彼といると本当に退屈しない、とね」

 

『確かに。あの男は中々どうして面白い。最初見た時はどこにでもいる平凡な雑種かと思ったが、その生き様には中々に興じさせるモノがある」

 

「当然と言えば当然ですね。曲がり形にもイッセーはその身にあれを宿しているのですから」

 

『赤い龍《ウェルシュ・ドラゴン》、嘗てこの我《オレ》が屠った、二天龍の片割れ』

 

「最も、肝心のドラゴンは未だ目覚めてはいませんがね・・・、ん?」

 

 僕達がイッセーの話で盛り上がっていると、妙な気配を感じた。振り向くと、そこには女性が一人、こちらを見ていた。

 

 

 

 

 

  NoSide

 

「貴様が最近この辺りに現れる噂のはぐれ狩りか」

 

 突如現れた女は、常人の発する物とは思えない異様な気配と殺気を放ちながら優誠を見ていた。

 

「貴様が何者かは知らんが、我らの目的の為、貴様にはここで死んでもらう!」

 

 そう言うと同時に、女の背中から黒い翼が広がり、付近にその羽が舞う。

そして、その様を見ていた優誠はと言うと・・・、

 

「・・・・・・・・・・・・、はぁ〜」

 

何故か溜め息をついた。

 

「貴様、この状況で溜め息など、気でも触れたか?」

 

「溜め息の一つや二つ、つきたくもなりますよ。折角人が良い気分でいたのに、面倒なカラスが現れるんですから」

 

「なっ! 貴様! この私をカラスだと!!」

 

優誠の発したカラスと言う言葉に女は激昂する。

 

「ええ。あなたの様な空気の読めない堕天使なんて、カラスで十分ですよ」

 

「貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

再びカラスと言った優誠に女堕天使は更に激昂し、その手に光の槍を出現させ、それを優誠に向けて投げる。

 

放たれた光の槍は一直線に優誠に向けて飛んで行き、命中し、周囲には土埃が舞う。

 

「はぁっ、はぁっ、フン、見たか、下等な人間が我ら堕天使に“ザシュ!”・・・え?」

 

優誠を始末したと思った女堕天使だったが、不意に聞こえてきた謎の音に言葉を中断てしまう。

そして、音が聞こえて来た自分の体を見てみると女堕天使は愕然とする。

彼女が見たのは自身の胸に剣が刺さっている光景だった。

先程の音はこの剣が自身に刺さる音だった。

 

「ゴホッ・・・、な、何、が・・・「この程度の攻撃にすら反応出来ないなんて、どうやらあなたはカラスではなく、カラス以下の雑種だった様ですね」なっ・・・」

 

ザザザザッ!

 

「ぎゃあああああああああああ!!!」

 

口から血を流しながら、状況が理解出来ない女堕天使

そんな彼女の耳に再び優誠の声が聞こえて来たかと思えば、それと同時に先程、自分の胸に刺さった剣と同じ剣が四本飛来し、彼女の四肢を貫く。

堪らず女堕天使は叫び声を上げ、地面に倒れる。

 

「い・・・、一体・・・、何・・・が・・・」

 

朦朧とする意識の中、女堕天使は頭を動かし、先程自分が光の槍を投げた方を見る。

舞った土埃が治まるとそこには・・・、

 

 

 

 

 

「やれやれ、制服が埃だらけになってしまいましたね」

 

 

 

 

 

 全く無傷の優誠が立っていた。

 

「そ・・・、そん・・・、な・・・」

 

 女堕天使は何が起こったのか最後まで理解出来ないまま、只、惨めに死んで行った。

 

『フン、興醒めな幕切れだな。帰るぞ優誠』

 

「ええ、でもその前に、あれを始末しておきます」

 

 そう言うと優誠は右手の指を鳴らす。すると、女堕天使の亡骸に刺さった剣が発火する。亡骸は炎に包まれて行き、やがて、炎が消えた後、亡骸は文字通り、骨も残さず燃え散り、後には何も残らなかった。

 

『駄肉を塵一つ残す事なく完全に焼失させるその手腕、相変わらず見事なモノだな。嘗て埋葬機関第七位に名を連ねし代行者、言峰優誠よ』

 

「お褒めいただき恐悦至極。ではいい加減帰るとしましょうか、英雄王ギルガメッシュ」

 

 そう言い、優誠は今度こそ帰宅する為に歩き出して行った。

 

 

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