オッス、オラ悟空。偽物だけど。
神様のミスで死んじまった俺はお詫びでテンプレよろしく特典付きで好きなアニメの世界に行ける権利をもらった。
うきうきでドラゴンボールの孫悟空の見た目と才能(鍛えれば超サイヤ人に変身できる)と膨大な魔力、魔法の才能をもらい魔法少女リリカルなのはの世界に転生させてもらうことになった。
なぜ悟空の才能かというと悟空は俺の一番好きなキャラだしなにより最終的には全宇宙でも指折りの戦士に数えられるほど強くなる。サイヤ人の潜在能力をなめるなよ!!
それだけだと脳筋かなーと思って膨大な魔力と魔法の才能ももらって魔法で強化しつつ肉体で殴るタイプの戦士になろうという方針だ。
何より魔法の才能無いとまともに原作に関われないしね。
転生先についてはリリカルなのはに当時ハマっていて3期までは見た。
4期からは娘のヴィヴィオが主人公なんだっけ?
見たかったけどその前に死んじまったからしゃーない。
まあ続きは直に見るとして目指すはもちろんハーレムよ。
なのはと仲良くしたい、フェイトとイチャイチャしたい、はやてにやさしくしたい。
良ければヴォルケンリッターもハーレムに加えたいし六課のメンバーもみんなかわいい。
今世こそ童貞捨てたるぞ!!
二度目の人生だし前世のアニメ知識使って甘い汁吸ってもいいよね。
そんなこと思ってた時期が僕にもありました…
孫悟空の才能も様々な強敵がいたからあれだけ強くなれたわけで鍛えなかったら戦闘力5のおっさんといい勝負だっただろう。
親父(バーダック似)に鍛えてって頼んだら格闘漫画に出てくるような修行させられて途中で何度も逃げ出したり泣きながらもうやめてと懇願したりもしたが親父は手を緩めるどころか「泣く元気があるなら修行続行だ」と言って気絶するまで走らされたりサンドバックになったりした。
悟空は戦闘狂で修行マニアだからこそ耐えれた環境だったんだなと親父の修行を受けて実感した。ぶっちゃけ修行初日には心が折れた。親父の修行が無駄にならないことを祈りながら原作がスタートした。
そしてまた心が折れた。
魔法の才能と膨大な魔力の二つは確かにある。しかし、どちらも強すぎるのだ。
今のはメラゾーマではない、メラだ。といった感じで自分にとってかる~く魔法を放っただけで大災害が起こる。さらに一度見た魔法なら完璧に模倣できるなど才能と魔力がありすぎる。
「これが天才の見てる世界か」なんて最初は調子に乗ってたけどだんだん転生特典の力がむなしく感じてくる。
確かにフェイトは助けたし、プレシアも死ぬことなく捕縛することが出来た。
でもすごいのは俺じゃなく転生特典だ、褒められてもうれしくない。それどころか罪悪感すらある。俺は何の努力もしていないんだ。
武道の力も今回役立つ場面は何一つなかった。すべて魔法で解決できるのだ。
なのはとフェイトとは仲良くなれたがどうにも虚しさを覚える事件だった。
そして2期が始まり打ちのめされた。
親父との修行の成果は確かにあった。ヴォルケンリッターの襲撃は肉弾戦で返り討ちにできたし蒐集されることもなかった。これに達成感を覚えたが最終的にリィンフォースを救うことはできなかった。
俺はこんな特典を選ぶよりもリィンフォースが生きていけるような特典を選ぶべきじゃなかったか。ハーレムだなんだと俺の浅はかで欲にまみれた選択のせいでリィンフォースは消えて行ってしまうのか。俺のせいでリィンフォースは…
3期が始まった。
転生してもう19年になる。さすがにもう原作知識はほとんど覚えていない。転生直後に描いたメモ位だな。なのはが大けがするのは避けられたがそれ以外のことはほとんどメモ通りと言っていい。
ただヴィヴィオがなぜか俺に懐いているのが気になるが、なのはにも同じ位懐いているのでたぶん問題ないんだろうが。
3期はAMFのせいで魔法が使えないケースが多いので舞空術とかめはめ波が大いに役立ってる。
一応レアスキル扱いなんだけどたぶん練習すれば誰でも出来るよね。
結果ヴィヴィオが誘拐されることもなく事件は終息した。
そして俺は管理局を引退した。
そして4年がたった…
いい加減部屋が狭いと思い引っ越しをした俺はお隣さんに挨拶しに行った。
「すみません、隣に引っ越してきたものですけど。」
「はい、ただいま。」
出てきたのは美少女との遭遇率の高い俺から見ても驚くくらいの美少女だった。
彼女は美しいエメラルドグリーンの髪に吸い込まれるようなオッドアイ、人形のように整った顔立ち。
彼女はもしかして…
「孫悟空と申します。これつまらないもですが。」
「あ、ありがとうございます。私はアインハルト・ストラトスです。」
「ご両親はいるかな?」
「いえ、一人暮らしですから…」
簡単に一人暮らしを明かしたけどこの子大丈夫か?
とりあえず気になったことを聞いてみた。
「変なこと聞くようだけど君、前世の記憶とかあったりする?」
「!・・・はい!なぜそのことを!」
やっぱり個人情報を簡単に明かしちゃって俺はこの子が心配だ…
「実は俺も前世の記憶持っていてさ、なんとなく君もかなと思って。」
「なんとなく?ですか?」
「なんというか前世の記憶を持っている人って特有の雰囲気があるんだよねえ。」
アインハルトは納得していない様子だったが「わかりました。」と返事をくれた。
「あの、悟空さんってあの武神孫悟空でお間違いないでしょうか?」
「そうだよ。」
「ぜひ私と一戦お願いします!」
「は?」
いや、意味が分からない。この娘も戦闘狂なのか…
とはいえこういう風に挑んでくる相手は少なくない
「今日はあいさつ回りで忙しいから後日になるけどそれでも良ければいいよ。」
「!本当ですか!ありがとうございます!」
「それじゃあまたね。」
「はい!」
それにしてもキャラの濃い娘だったなあ。
悪い子ではないんだろうけど何かと心配になる娘だ。
それに間違いない。
あの子は踏み台転生者だ。
需要があったら続きます。