ダービー前のレースが終わり、いよいよ今年のクラシック世代のウマ娘の頂点を決める、日本ダービーのパドックが始まる。
多くのファンに囲まれているため、サードステージとキタサンブラックはスタンドからターフビジョンでパドックを見ていた。
この年の世代No.1をかけた1戦に挑む18人が1人1人パドックから姿を表すと同時に、場内はドッと沸き出す。
ここで、この年のクラシック戦線を整理しておこう。
朝日杯を制して、最優秀ルーキーウマ娘に選ばれたファンタジスタはNHKマイルカップを最大目標とし、クラシック戦線から離脱。
代わりに、コシャマインとミスティックスターが有力視されていたが、今年初戦で揃って惨敗。
そんな中、ホープフルステークスを勝利していたが、内容の平凡さから評価が高くなかったスピリットアップが弥生賞を勝利し、評価を高める。
また、若葉ステークスを制してデビューからの連勝を4に伸ばしたテレマーク、スプリングステークスを勝ったアカボシ、毎日杯を逃げ切りで圧勝したカチャーシーがクラシック1冠目の皐月賞で有力候補として挙げられていた。
その迎えた皐月賞。
勝ったのは、テレマーク。無傷の5連勝で皐月賞を制した。
2着スピリットアップ、3着はコシャマイン。
ダービートライアルの青葉賞、プリンシバルステークスは1勝クラスのウマ娘が勝利、内容も平凡だったため皐月賞組が中心と見られていた。
オッズもテレマーク、スピリットアップ、アカボシが人気の中心だった。
パドックで1人1人紹介される度に、多くのファンはそのウマ娘に注目を集める。
たった1度の夢舞台、挑むウマ娘の思いは並々ならぬものだ。
誘導ウマ娘に連れられて、本バ場に18人の姿を現す。その瞬間、スタンドは大歓声に包まれる。
「いけー!!」
「頼むぞー!!」
サードステージ「!!!?」
キタサンブラック「・・・やっぱりすごいよね。歓声が。」
サードステージ「本当に・・・
こんな舞台で走ってみたいです。」
サードステージは羨ましく感じた。それほど多くの人達の歓声に囲まれながら、レースを出来るという最高の舞台で走ろうとするウマ娘に。
そして、決意は更に強いものとなった。来年、必ずこのダービーの舞台に立つということを。
キタサンブラック「スゴかったよねサードちゃん。」
サードステージ「・・・」
キタサンブラック「サードちゃん?」
サードステージ「あ、はい。
本当に夢の中にいる気分でした。」
ダービーが終わって寮へ帰る途中、サードはあの時のことばかり考えていた。
スタートして、最初のコーナーを18人のウマ娘が回り、その時点で大きな歓声。
そして、最終コーナーを回ってからは、もはや地鳴りなんてのは目じゃないレベルで観客のボルテージは振りきれていた。
そして、栄光のゴールを駆け抜けたダービーウマ娘の称号を手にしたウマ娘のウイニングランでは、皆笑顔で迎え入れ、称える歓声と拍手であらゆる音は書き消されていた。
サードステージ「今年のダービーは終わったけど、また始まるんですよね。
来年のダービーへの戦いが。」
キタサンブラック「うん。
あと1ヶ月、頑張ろうね、サードちゃん!」
サードステージ「はいっ!」
ダービーの翌週、来年のダービーへの戦いが早くも始まる。ジュニアクラスのデビュー戦のスタートだ。
サードのデビュー戦まで、あと1ヶ月ほどと迫っていた。
続く
サードのデビュー戦まではあと2話ほどです。
2022年、競馬はどうなるか、楽しみです。