上手く描ける人が羨ましいです。
では、どうぞ。
当然目があったままと言うのはないわけであり、対岸にいた少年は換装を解いた。
話を聞こうとするがそれより先に街の人々が街に対する被害の説明を求めた。
「なんだあれは!?街には開かなかったんじゃないのか!?」
「そうよ!うちの息子だって怪我したのよ!!どう説明してくれるの!?」
瓦礫の除去などで様々な助けをしていた三雲が責められる。
人々は悲しい何かがあった時には自分以外の何かを責めたくなってしまう。
親父も同じか、と心の中で呟いた悠貴は三雲のところへ足を向ける。
が、必要なくなった。
「
木虎が三雲のカバーに入ったからだ。
木虎はA級隊員に恥じぬ受け答えをしていた。
やはりその場には三雲には荷が重かったのか木虎に何か言われこちらへやってくる。
「すみません、瀬荻先輩…。お役に立てなくて…。」
はぁ、とため息を吐きながら三雲へと目線を移した。
「お前。変なところでバカだよな。」
「なっ…!!」
「この後のことだけ考えてりゃいいんだよ。お前の始末を決めるんだろ?」
「…はい。ありがとうございます?」
高圧的でありそれでいて頼りになる人、それが三雲から見た瀬荻悠貴の印象であった。
「おら、ぼさっとすんな。木虎がエスコートしてくれるって。」
後ろを見ると換装を解きこちら絵向かってくる木虎が見えた。
「基地までデートしてこいや。」
無駄に整った顔がニンマリとして見てくる。
…前言撤回したい気持ちとこの後の処分会議で三雲はお腹が痛くなった。
三雲たちと別れた後何をするも手持ち無沙汰な時間ができてしまった。
街へ行くも買い物するものはないし、かといって娯楽に行くも微妙な時間だ。
そう思って本部へ行きロビーの人をダメにするソファーでぼーっとしていると、
「よう。悠貴。」
後ろから声がかかりそちらを見ると迅がいた。
「……なんだよ。エリートか。」
「どうした。お疲れかな?何かあったが聞きたいがちょっと付き合ってもらえるかい?」
「まじ?俺この後防衛任務が入ってるけど。」
「あー、そのうち通達来ると思うけど今日はないよ。イレギュラー門があるから今はトリオン障壁で封鎖されてるって。」
「……ふぅ。ま、ええよ。」
玉狛までは結構な道のりがあり支部本部間は車両での移動が普通となる。
しかしあえて歩いたのは何か人に聴かれたくないことがあるのだろう。
「で、なんだ?」
「直球だねぇ。少しはクッション挟まない?」
「うっせはよはよ。」
「オーケー。実はさ
怒気が含まれた言葉が迅を突き刺すように放たれた。
「……オイ。まさか俺に守れって言わないよな…?
形相が怒りに塗れた顔に変化していく中、迅は飄々とした態度で再度言葉を発す。
「そうだよ。そいつはこの世界には害がない。そしてお前の家族をああしたのもやつでもqない。」
少しは冷静を戻した悠貴は迅に話を催促した。
「そいつはお前とは違うがまた同じような悩みを抱えているんだ。そいつの未来のために手伝ってくれないか?」
瀬荻は玉狛と本部との仲を知っている。
たかが一個のトリガーが増えるだけの事態だ。
しかしそれは大きな戦力差になる事を悠貴を含めボーダー関係者は知ってる。
それがブラックトリガーというものだ。
その力を内包しているものは例に漏れずバランサーとして働くことが多い。
それを求め本部が強奪しにくるのは火を見るより明らかであった。
それを
その姿を見てマグマのように煮えたぎっていた頭は冷め同時にそうさせてしまったことに対し罪悪感を感じた。
「……わかった。時間はいつだ。」
こうなることもこうなることも視ていたのだろうか。
憎たらしいニヤけた顔でこちらを見てくる。
「早く言えっての。俺も手伝ってやる。」
そしてそういう話も聞くと断れないことを迅は知っていた。
明後日だよ。
その言葉が何度もリフレインする。
ただでさえうちの隊長が目をつけられているのに俺もマークされたらたまんねぇな、と考えて憂鬱な気持ちになっているがその実すでにその戦い方や頭の回転の早さ、トリオン量によって目をつけられているのは本人が知るのは少し先。
「お兄ちゃん、何考えてんのさ。さっきから無言でつまんないんだけど。てか今日は玉狛でご飯でしょ?みんなに心配されちゃうよ?」
「あーそうなんだけどさ…、いや本部の連中と戦うかもしんねぇから少し気張ってるだけだ。気にすんな。」
「え゛っ、まじ?大丈夫なのそれ?」
「まぁ未来見れるやついるから大丈夫やろ。あ、そうえば陸上の方はどう?調子いい?」
「何それ未来とか……。あ、そうそう!最近またタイム上がったんだ!今年も全国で優勝狙らうよ!」
サイドエフェクトのことは静奈は知らない。
外部にはトリガー関連の話は秘匿にされているためだ。
「おお、そうかい。楽しみにしてんぞ。」
「うん!」
悩みは頭の隅におき、世間話を興じる2人はゆっくり歩く。
一通り話がすみ少し無言になったところで玉狛支部のすこし手前に差し掛かると、静奈は兄に言う。
「……さっきの話さ、お兄ちゃんは…どっか行かないよね…?」
不安そうな瞳が悠貴を写す。
きっとさっきの話をされた時から表面上は気にしていないように取り繕っていたのだろう。
「………あぁいかねぇよ。まだ1人じゃ生活していけないような奴をおいてったりは出来ねぇからな。」
「あ!今私のこと馬鹿にしたでしょ!!卵焼きくらい作れるもん!」
「へいへい、えらいえらい。」
心配された照れ隠しか素直にお礼を言えない悠貴はその言葉を背中で受け流す。
「あ!待ってよー!」
そんなようなことを言う妹を置いてさっさと歩き始めた。
その足取りは少しだけ軽い。
翌日、いつものように隊室に向かうと珍しい人に会った。
「お、みんなのアイドルじゃん。」
「その言い方やめてよ!ちゃんと挨拶してよっ!もうっ!」
みんなのアイドルこと綾辻遥だ。
彼女は嵐山隊のオペレーターを担当している。
「へいへい。」
「絶対適当な返事だよっ!!ちゃんと言ってよー!」
悠貴は綾辻とは仲が良くボーダーでは一緒に行動していることが多いほどである。
災害時家がなくなり父は県外にある会社に寝泊まりして、母は怪我によってとこに伏せたままであったため日常生活能力が大きく低下していた。
当時は小六と小4であったため何をするにも大人は必要不可欠である。
その時に親代わりになってくれたのが綾辻家だったのだ。
接点は同じ小学校に通ってて、母が知り合いというなんとも薄い理由であるのにも関わらずその役を買ってくれた。
「あ、そういや頼みがあんだけどいい?」
「なあに?」
あくまでもこの作戦は秘密であるのだが、迅の未来視では嵐山隊も参戦するらしくオペレートを頼んでも大丈夫だろうと踏んでいた。
「明後日の夜空いてる?」
あくまでもストレートに言ったつもりだ。
つもりなのだがいかんせんストレートすぎたのかかえって意味が婉曲してたわってしまったようで、綾辻は真っ赤になってフリーズしてしまう。
「あー、多分忍田さんからも何かあるから細かいところは省くわ……大丈夫?」
妄想にトリップしたままの綾辻は当然返事を返せるはずもなく、しばらく2人の間では沈黙が生まれた。
あの後自分の言葉足らずに気づいた悠貴は綾辻に再度説明をしなんとか意味が婉曲せずになった。
「えーっと、とりあえずこれってみんなに言っといた方がいいよね?」
「おん、そうすると助かる。」
実は悠貴が所属している影浦隊には秘密にしておりそのため自身の隊のオペレーターには補助を頼めないのでこうして頼んでいる。
昔から悠貴があまり人に
頼らないことを知っている綾辻はそれでもなお頼まれてることについて少し嬉しく感じた。
とはいえそのしおらしい態度ができるのに自分の気持ちには気づかない悠貴に悪戯をしたくなった綾辻は
「今日暇?」
と悠貴に予定を聞いた。
実は悠貴はボーダーない問わずかなりモテるのだ。
両親と同じようにかなり整った顔、そしてほぼなんでもこなすセンスによってモテないはずもなくボーダー内でも多数好意を寄せられているのだが、いまだに彼女ができたことがないという鈍感ぶり。
しかし本人は彼女がいないことに少し残念がっているため日々アプローチがファンによってなされている。
「うーん、まぁ暇だよ。お買い物?」
「ううん、デートしたいなーって。」
「ん、じゃあ行くか。………ん?」
何を隠そう、いや隠す気も本人にはないようだが綾辻もまた好意を寄せる1人である。
綾辻が中三の時、その容姿からかナンパをされやすくその日も運悪くされてしまう。
しかし、いつもと違うのは相手が複数人でありそれも無理矢理連れて行こうとする輩だったため連れ去られそうになってしまったことがあった。
が、運よく1人の青年がそこにはいたのだ。
4人を相手に全く手こずることなく次々と倒し制圧を完了させる。
その青年は見慣れた顔でありそれと同時に見たことのない顔をしてこちらに向かってきた。
怒った口調で自分の容態を確認し何事もないと安心し切った笑顔が溢れていた。
きっかけはそんなものだ、我ながらちょろすぎるとは思ったが後悔も気持ちに後ろめたさもない。
そんな過去を思い出し歩を止めた悠貴を見て綾辻はとうとう吹き出してしまった。
「どうしたの?お疲れかな?」
「………冗談はよくないな。そのうち俺も勘違いしちまうぞ。」
間違いなく本心を言ったその言葉はうまくかわされてしまったようだ。
「ふふっ。じゃあ17時くらいにロビーでいい?」
「……おん。」
それを言い残し綾辻は去った。
なぜか恥ずかしくなった悠貴は足早にそれでいて目線を合わせないように隊室へ向う
なお、その一部始終を見ていた米屋がボーダー内に話を広めたことをのちに知ることになる。
この次の次ぐらいでやっと戦闘が出ます。
おせーよと思うかもしれませんが温かい目で見ていてくれると幸いです。
では、また。