狂犬「おいてめぇふざけんなよこの(自主規制)が!―― bow wow!bow wow!woof!bow!!自主規制……以上、罵倒省略――ひれ伏せ!!」
飼い主「こら、中指を立てるのはやめなさい!下品でしょう!」
・ジンの扱いが悪い。赤井さんがぶちギレてます。
・スラング英語は―――――で表現しています。
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――と、数日前の出来事について考えていたら……犬同士の吠え合いが始まってしまった。
「……またか、赤井。俺はてめぇを呼んだ覚えはねぇぞ」
「ふん。そもそも俺はお前に呼ばれたとしてもここに来るつもりはない。和哉さんの付き添いで来たんだ。この人がお前の毒牙にかからないようにな」
「毒牙、ねぇ……一体何の証拠があってそんな口から出任せを言えるんだ?何よりこの俺が、
「今
「っは……気のせいじゃねぇのか?和哉は
「いいや、おかしい。やはりわざと強調しているな?和哉さんは
「和哉はてめぇの師匠兼飼い主であると同時に
「
「…………ほう――喧嘩売ってんのか、赤井」
「今さらか?鈍い野郎だな。ジン」
両者から殺気が出始めた。ジンの後ろにいる2人の看守は震えている。……俺は深くため息をついた。
「――赤井秀一」
「!!」
「――
そう命令すると馬鹿犬……もとい秀一は、何度も頷いて命令に従った。……よしよし。
「ジン」
「……ハイ」
「秀一にちょっかいを出すな。お前はただ俺の話を聞いて、俺の質問に答えればいいんだよ」
――
……と言って、自分の米神を人差し指でトントンと叩くジェスチャーをしながら睨めば、心なしか顔が青くなったアホ犬が頷いた。
「…………
やれやれ。殺気も引っ込んだし、これでやっと仕事ができるな。……2人の看守がジェスチャーで俺に感謝を伝えてきた。
こちらこそ、うちの馬鹿犬と余所のアホ犬が迷惑を掛けたな。すまない。
……それからジンに事情を説明し、キラーについて聞いた。
「というわけで……キラーがお前に会いたいという理由と、奴が被害者の体の一部を隠しそうな場所に心当たりは無いか?」
「…………」
話の途中から瞑目し、何かを考えていたジンが目を開いた。
「……確かに、俺は組織の構成員の中ではあいつによく接触していた方だ。キラーの殺しの腕は、他の殺し屋よりも優れていたからな。重宝していたのは事実……だが、悪いな。俺には心当たりがない。
俺があいつに殺しを依頼して、あいつは依頼を完了させたら報酬を受け取り、どこかへと去って行く。……キラーと俺の関係は、ただそれだけだったはずだ。俺はあいつが、具体的にどんな殺しをやっていたのかも知らない」
「……そうか――」
「――だから、今からあいつについて知っていることを適当に話す。……その中で、あんたが何かしらヒントを見つけてくれ」
「!……分かった。頼む」
今は少しでも情報が欲しい。ジンがそう言ってくれるのはありがたい。
「キラーは、"美しいもの"を好む」
「"美しいもの"?」
「あぁ。……と言っても、あいつが言う"美しいもの"が他人にとってもそうだとは限らない。
キラーが好んでいる"美しいもの"は――人間の体の部位だ」
「っ!!……まさか、キラーが失くなった被害者の体の一部を持ち去った理由は……」
「あんたの想像通り、殺した人間のその部位が、キラーの言う"美しいもの"だったんだろう。"美しいもの"を持ち帰って愛でる事……それが、あいつの趣味だった」
そして"美しいもの"を愛でた結果が例の冷凍室の惨状だった、と。……悪趣味だな。反吐が出る。
「冷凍室の中にあったという不気味な"人形"……あれを作る事も奴の趣味か?」
「"人形"?」
「俺が実際に見たわけではないが……」
被害者達の体の一部で出来た"人形"の事を話すと、ジンは分かりやすく顔をしかめた。
「……さすがに俺でも引くぜ、それは。殺しの腕は良かったのに何故そんな趣味の悪い真似を……」
「知らなかったのか?」
「知っていたらもっと距離を取った。……いや、待てよ?……そういえば前に――」
――なぁ、ジンさん。パズルって難しいよな。
――あ?
――最初から1つだった物なら、バラしても綺麗に戻す事ができるけど、別々の物を繋げようとしたら上手くいかなくてさ……僕はただ"美しいもの"を1つにまとめて完成させたいだけなんだ。
それが成功したらきっと、さらに"美しいもの"になる!
――何の話だ?
――ところで、ジンさんの首から下は美しいね!服で隠されていても僕には分かる!……それ、僕にくれないか?
――死ね。
「――そんな会話をした記憶がある」
「…………お前それ、絶対に"人形"の材料として狙われてるぞ」
「…………気色悪いな、あの野郎」
「まさかとは思うが……それがお前に会いたい理由か?」
「何?」
「まだ見つかっていない体の一部は……男性の頭部。そして、キラーが"美しいもの"と評したのはジンの首から下。それらを組み合わせて――」
「おい、やめろ。……鳥肌が立ったぞ、どうしてくれる」
ジンの想像も俺に追い付いたらしい。顔を引きつらせて文句を言った。
「あぁ悪い、不謹慎だったな。……だが、可能性は高いと思わないか?」
「……なら、あいつは俺を殺して首から下を奪うために俺に会おうとしてるのか?」
「そこまではまだ分からないが、もしもそれが目的だとしたら必ず阻止する。……それより、キラーについてもっと話を聞かせてくれ」
その後もキラーの話を聞いた結果、なんとなく奴の人物像が分かってきた。だが、あと少しだけ他の情報が欲しいな。……降谷にも連絡を取って情報を集めよう。
俺の勘だが、いずれキラーをジンに会わせなくてはならない事態になるかもしれない。ジンには特に心当たりがなかったし、もしも降谷達が運良く男性の頭部を発見したとしても、キラーが素直に黙秘をやめるとは思えないんだよな……
……先に聞いておいた方がいいか。
「……ジン。もしも今後、ここにキラーを連れて行く事になったら……奴と会ってくれるか?」
「……そうなる可能性が高いのか?」
「俺の勘だと、おそらくな」
「……あいつが俺を殺そうとしたら――」
「――そんな事はさせねぇよ。俺が守ってやる。……もっとも、会うとしたら今みたいに強化ガラス越しに話すだけだろう。余程の事がない限り、お前は安全だ」
すると、ジンは目を見開き、俺の顔をまじまじと見た。……それからゆっくりと、視線を外す。
「…………大の男に向かって、素面でそんなことを言う。……あんたはやっぱり天性の人たらしだな、和哉。そうやって一体何人の人間を堕としてきたんだ?」
「はぁ?何を訳の分からねぇ事を……」
「だから……いや、もういい。何を言っても無駄だな。それより、キラーと会ってやってもいいが1つ条件がある」
「条件?」
「今、俺とあんたの面会の頻度は2、3ヶ月に1回程度だが……それを、2週間に1回のペースにしてくれ」
――ガタッ!!
「秀一、
「…………」
「……よーし、
急に立ち上がった秀一を座らせて頭を撫でて、褒める。……ちゃんと命令を守って黙っているあたり、こいつは偉いよなぁ。よしよし。
今のはジンの言葉に驚くか怒るかして、立ち上がってしまっただけなのだろう。その程度なら叱りはしない。……え?
「……2ヶ月に1回」
「2週間」
「…………1、2ヶ月」
「2週間」
「――分かった分かった!1ヶ月に1回。それ以上は譲れない」
「1ヶ月だな。言質は取ったぞ」
こいつめ。元々1ヶ月が落とし所だと分かった上でふっかけやがったな?……俺もなんとなく分かってはいたが、呆れてものも言えない。
さて、最後に……ずっと良い子で待っていてくれた忠犬にご褒美をあげないとな。
「秀一、
「
――おいてめぇふざけんなよこの―――――が!俺の和哉さんに向かって馴れ馴れしい口を聞くんじゃねぇよクズ。せっかくこの人がわざわざ足を運んでまでてめぇの話を聞いてやったのに何の役にも立ってねぇじゃねぇか、使えねぇ野郎だな!というかとんだ変態に目を付けられているようだな、ざまぁみやがれ!でも俺の和哉さんに"俺が守ってやる"なんて言われるとかクソ羨ましいんだよふざけんな!!
最後に。――面会頻度を2週間に1回しろだと?馬鹿か?阿呆か?身の程を知れよ犯罪者。1ヶ月に1回なっただけでもありがたく思え!俺の唯一無二の神の如く慈悲深い心に感謝しろ!頭が高いんだよこの――――――――め!ひれ伏せ!!」
「……もういいか?それと、下品だから中指を立てるのはやめなさい」
「はい!もう大丈夫です。すっきりしました。帰りましょう!」
「ん。……では、我々はそろそろ帰らせてもらいます。そいつの事、頼みますね」
「「は、はいぃ!!」」
唖然としたりドン引きしたりと忙しいジンの事を看守達に任せて、俺達はその場を後にした。
狂犬と飼い主は立ち去り、とある囚人が呟く
――赤井の肺活量って、どうなってんだ?
――えっ、そこ!?
――確かに赤井さんの肺活量はおかしいと思ったけど、あの罵倒にダメージを受けた様子が全く見られないジンもおかしい。
――それを言うならあの罵倒に全く動揺しない荒垣さんはもっとおかしい。
――あ"?
――ひえっ!
――何でもないです、すみませんでした!!
・飼い主検定1級取得済みの飼い主
狂犬×2を手懐けて言葉1つで従わせたら、君も立派な飼い主1級レベル!
殺し屋、キラーの情報を求めて刑務所にいるジンと面会。なお、お供は過保護な番犬。
ジンがアメリカの刑務所に移送された日から、2、3ヶ月に1回のペースで面会をしていた。なお、ほぼ毎回赤井がお供になっている。
勝手に喧嘩を始めた馬鹿犬(うちの子)とアホ犬(余所の子)を止めた後、キラーについて聞いた。なんとなく、近いうちキラーの要望に応じる事になりそうな気がするぞ……
ん?奴がジンを殺そうとしたら?――そんな事はさせねぇよ。俺が守ってやる(真顔)
ジンの無茶な要求に対して、仕方なく面会の頻度を1ヶ月に1回で固定する事にした。ふっかけられた事の腹いせも兼ねて、赤井への命令を解除した。
よーし、好きにして良いぞ!言ってしまえ!ジンなら罵倒されても全く気にしない事は知っている。俺も秀一の豹変ぶりには大分慣れた。
だがしかし、中指を立てるのはやめなさい!
・お口にチャック!な忠犬
相変わらずオリ主に対して過保護な忠犬。犯罪者の毒牙から和哉さんを守らなければ……!!
天敵、ジンに対して警戒心&苛立ちMax。
喧嘩中、オリ主の命令によって黙らされる。はい、すみません。黙ります。
オリ主とジンの会話を大人しく聞いていたら、聞き捨てならない言葉が飛び出し、思わず立ち上がった。あぁ、今すぐに口を開いてこの馬鹿に文句を言いたい!……でも黙って座ったら褒められたし、今は見逃してやる。
その後。すぐに許可が出たのでさっそく口を開いた。おいてめぇふざけんなよこの(自主規制)が!―― bow wow!bow wow!woof!bow!!自主規制……以上、罵倒省略――ひれ伏せ!!
……あー、すっきりした!!
・某組織の幹部だった囚人
2年前、とある事情からオリ主を人質に取り、赤井にトラウマを植え付けた張本人。
本来なら日本の刑務所に入れられるはずが、オリ主と離れる事を嫌がり、自分をFBIに引き渡せとだだをこねた結果、現在に至る。
オリ主が面会に来てくれて嬉しいが、面会の理由が仕事だった事と、赤井が一緒にいた事が少し不満だった。……和哉がお前だけの師匠兼飼い主?――調子に乗るなよ。
とは言え、内心では赤井を認めており、オリ主と赤井の信頼関係の間に付け入る隙が無い事を知っていて、それどころかオリ主を若干神聖視しているため、本気で邪魔をするつもりはない。
キラーの事は腕の良い殺し屋程度の認識しかなかったが、今回オリ主の話を聞いてキラーがただの変態ではなく、"酷い"変態である事を知った。……気味の悪い"人形"を作るんじゃねぇよ(ドン引き)
自分が狙われているかもしれないと少し不安になったが、オリ主の男前発言によって不安が吹っ飛んだ。俺の理想の主が漢前過ぎる件(ゲンドウポーズ)本当なら1ヶ月に1回どころか毎日会いたいんだが?
赤井の息継ぎがほとんど無い罵倒を聞いて、唖然&ドン引き。お前の肺活量、どうなってんだ?(困惑)
他にもツッコミどころがあるはずだが、いかんせん2年という月日の中で赤井からの罵倒に慣れてしまったため、全くダメージを受けていない。