……あの後。自分自身もキラーによってペースを崩され、冷静ではなくなっていた事に気づいた俺は、今度こそ平常心を取り戻した。
それから秀一を落ち着かせて、ようやく車に乗り込む。
運転をするのは秀一、助手席にいるのが俺。降谷と風見が後部座席で、キラーを間に挟んで座っていた。残りの6人は予定通り別の車に乗っている。
車に乗った後もキラーはマイペースで、俺との世間話を望んだ。あの変態的な言動さえなければ平和なのだが。
しかし、秀一は気が気でないらしい。先程から此方を気にしている。運転は問題ないが、これではストレスが溜まるばかり。
(この状態でジンにまたちょっかい掛けられたら、爆発するかもしれない……)
手が付けられなくなったらどうしよう……いや、それよりも秀一自身が心配だ。ストレス過多でどうにかなってしまう。
さっさとこの仕事を終わらせて、休ませてやらないと。
「……ふーん。和哉さんと赤井サンって、仲良いんだね」
「……それが何か?」
「いいや?別に何でもないよ!ただ……」
「ただ?」
「和哉さんは、付き合う相手をもっとよく考えた方がいいんじゃね?赤井サンは多分――あんたに対しては、根っ子の部分が僕と同じだ」
「は……?」
「キラー、それはどういう――」
「――榊未來」
「――――」
俺が口を開くと車内は静まり返り、誰かの息を呑む音が聞こえた。……これは参った。ヘンリー・ベネットの件以来だな――ぶちギレる寸前まで行くのは。
「――俺の大事な愛弟子を、てめぇのような犯罪者と一緒にすんじゃねぇ。……俺を本気で怒らせるなよ?」
「……ひひひっ!それ、良い表情だなぁ!!怒っても美しいよ和哉さん!」
「……ちっ。何を言ってもてめぇには無意味かよ。だったら――精神的に死んでみるか?」
「あ……っ、荒垣さん!」
「っ!!」
降谷に呼ばれて、我に帰った。……よく見ると、降谷と風見が青ざめた顔で俺を見ていた。2人を怖がらせてしまったらしい。
…………よし。落ち着こう。この中では俺が最年長だ。冷静になれ。冷静に……
「あれ?もう冷静になっちゃった?……残念。もう少し和哉さんの怒った表情を見たかったなぁ」
「……そういうのは止めてくれないか?俺も好きで怒っているわけではないんだ」
「あはは、ごめんなさい」
全く悪びれない。なんて野郎だ。
(……それよりも、秀一がずっと静かにしている事が気になる。キラーの発言に怒ってもおかしくないのに……)
そう思って隣を盗み見ると、秀一は無表情だった。――表面上は。……何か余計な事を考えているな?
ちょっとした目の動きや指先の動き。そして僅かに緊張している体から、こいつが不安を抱いている事やネガティブ思考になっている事を読み取った。
やがて、刑務所に到着した。駐車場に車を停めてから全員で降りる。……少し待っていると、空港で一旦別れた6人が乗っている車も到着した。彼らと合流したところで、俺は彼らと降谷、風見に声を掛ける。
「悪い、先に行ってくれ。秀一と話したい事があるんだ。すぐに済むから」
「えー?2人で何を話すの?僕も混ぜてよ」
「……君にとってはつまらない話さ。先に行くといい」
「でも、」
「降谷、風見。頼んだ」
「はい」
「ほら、さっさと行くぞ」
「えぇ?ちょっとー!」
鬱陶しい殺人犯を降谷達に追い払ってもらい、2人きりになった後。秀一の目の前に立った。……その頬を、両手を伸ばして包み込む。ぎょっとした表情で俺を見るこいつと、目が合った。
「和哉さ、」
「――余計な事を考えるな。赤井秀一」
「――――」
「……キラーの言葉に、何かしらの心当たりがあったんだろう?だから今のお前には雑念がある。俺の目を誤魔化せると思ったか?」
「…………」
「お前が何を考えているのか、何が不安なのかは……あえて聞かない。だが、覚えておけ。――お前は、赤井秀一だ。FBIの英雄だとか
――お前のことを、誇りに思っているんだ」
「――あ、」
「だから……あんなクソ殺人鬼の言葉で動揺するな。お前はお前だ。俺の唯一の弟子で、俺の誇りだ。例え何があろうともな。そしてそれは――万が一、お前が俺に
「――――」
「――いい加減しゃきっとしろ!!」
「っ――はい!!」
「……よーし。
先程よりも大分いい顔になった秀一に微笑み、頬から手を離した。
「全く、世話の焼ける……いつもは俺の事を、敬愛している師匠だとか崇拝してやまない飼い主だとか唯一無二だとか、そして自分が忠実な犬だとか自信満々に言い切るくせに、肝心なところで自信無くなるよなぁお前」
「……そう、ですね。奴の言葉が予想以上に心に刺さったので……あの、和哉さん」
「うん?」
「まさか――
「――――何の話だ?……そんな事より、早く行くぞ。降谷達を待たせてる」
「……はい」
秀一の強い視線を感じながら、俺は刑務所に向かって歩き出した。
赤井秀一は、荒垣和哉の誇りである
(万が一、お前がいつか俺に牙を向いたとしても――それでもお前は、俺の誇りだ)
・殺人鬼にロックオンされた飼い主
これまでに堕とした犯罪者は数知れず。犯罪者ホイホイ荒垣和哉(40)※ただし、自覚は無い。
赤井と共に待ち人を待っていたら、予想外の人物と再会してびっくり。いやいやお前は来ちゃ駄目だろ降谷ェ……
赤井と降谷と風見のやり取りにほっこりしていたら、気持ち悪い視線を感知。やめろ、そんな目で俺を見るんじゃねぇ!
嫌な奴に気に入られてしまったが、情報を手に入れるためだと割り切り、キラーのご機嫌取り。公安も聞き出せなかった本名をゲット。代価は自分の名前。それからキラーにお気に入り認定された事。名乗りたくなかったしお気に入り認定もいらない……(;ω;)
理想の"美しいもの"認定もいらないし赤井達は殺気立つし自分のペースは崩されるしで胃がマッハ。良い子だからそのセーフティを元に戻しなさい!ステイ!!
と思ったら、今度は自分がぶちギレる寸前に。俺の愛弟子を変態殺人鬼と一緒にすんな!!
キラーの言葉でSAN値を削られた赤井に、喝を入れる。赤井の気づいているのか、という問いへの答えはYes。赤井の心の奥底にある
・番犬として超お仕事中の忠犬
俺の飼い主に触るな!!(#・∀・)
久々の再会にご機嫌。やっぱり降谷君はからかうとおもしろ、ゴホン。失礼。
降谷、風見との会話に集中していて、オリ主がキラーにロックオンされた事に気づくのが遅れた。おい、気持ち悪い目で和哉さんを見るな(養豚場の豚を見るような目)
そして早速犯罪者をホイホイしているオリ主を見て頭を抱えたくなった。だがしかし、キラーの情報を得るためには必要な事で……ぐぬぬぬ……!!
とは言え、オリ主冷凍保存発言にはさすがに我慢できなかった。殴り掛かるもオリ主に止められ、キラーには手が"美しいもの"認定され、オリ主の手を遠慮なく揉む変態的行動etcでストレス溜まりまくり。――こいつ、殺す<●><●>カッ
車内にて。運転しながらオリ主とキラーのやり取りを聞いていたら、キラーの言葉が心にグサリと刺さった。…………確かに。心当たりは、ある……
しかし、オリ主に喝を入れられて持ち直す。まさか、和哉さんは気づいているのか……!?
・"美しいもの"を好む快楽殺人鬼
本名、榊未來。人間の"美しい"部位を切り離して持ち去る、残りの部位を切り刻む、女性に性的虐待を行うなどの罪を犯した殺人犯。
ある目的のためにジンに会う事を望み、公安と共にアメリカへ渡った先で自分の理想の"美しいもの"を発見。テンションMax。
普通の会話もしてくれるし"美しい"理想の体だし……!和哉さん最高!あぁ、保存したい!!でも切り刻んで苦痛に歪む表情も見たい。悩ましい……!
赤井の心の奥底にある
和哉さん、付き合う相手はもっとよく考えた方がいいんじゃない?(ニヤニヤ)……あ、その怒った表情、イイ……!!
オリ主と赤井の話に混ざろうとしたが、降谷達に連行された。……あー。正直ジンさんに会う事よりも和哉さんの方が気になっちゃうなぁ。
オリ主逃げて。超逃げて!by作者
・久々に登場!元トリプルフェイス
久しぶりに登場したのにセリフ少ない。解せぬ(; ・`ω・´)
ノコノコとアメリカにやって来た理由は、日本にいるゼロ所属の部下達を成長させるため。どいつもこいつも僕に頼り過ぎだ!僕がいなくても仕事を回せるようにしろ!
それと、久々に懐かしい顔が見たくなったから。……あ、この懐かしい顔というのは荒垣さんやジェイムズさん達の事であって赤井の顔ではないからな!そこを勘違いするなよ!?(ツンデレ)
キラーに鎖骨から上が"美しい"と言われた。全く嬉しくない。その分、全身を気に入られてしまったオリ主に深く同情している。荒垣さん逃げて。超逃げて!!
オリ主への冷凍保存発言には静かに怒っていた。ぶん殴ると言いつつ拳銃を向けている。半分は本気で撃つつもりだった。赤井ほどではないが、オリ主の事は尊敬している。
ぶちギレる寸前のオリ主に戦々恐々。ヤバい。一番怒ったらヤバい人がぶちギレそうでヤバい!!勇気を出してオリ主に声を掛けた。こういうのはお前の役目だろ赤井秀一ぃぃっ!!
・久々に登場!元トリプルフェイスの部下
降谷さんよりセリフ少ない……解せぬ(´・ω・)
ノコノコとアメリカに行こうとする降谷を止めようとしたが、失敗。仕方なく同行する事にした。万が一の時は私が降谷さんを守らねば……!!
多分、赤井さんや荒垣さんに会いたかったんだろうなぁ……年下上司の心情を正確に見抜く年上部下。
キラーの言う"美しい"部位はなかったので、キラーとの接点はない。本人は正直ほっとしている。荒垣さん逃げて下さい超逃げて下さい!!
降谷よりは冷静そうに見えて、実はオリ主への冷凍保存発言にはかなり怒っていた。上司が尊敬している相手だからこそ、自分自身もオリ主を尊敬している。
降谷と共にぶちギレ寸前のオリ主に戦々恐々((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルそんな中オリ主を止めてくれた上司に……敬礼!("`д´)ゞ