しのぶには兄妹とかがいる設定ですがそこら辺は全て無視しています。
しのぶって可愛いよね。
幼なじみを好きになるのはアニメや漫画の世界でしかあり得ないと思う。昔から一緒に遊んでも、どれだけ可愛いと思っても現実では好意の対象にはならない。何故なのかは俺にもよくわからないし、俺、藤原和也も幼なじみの事を好きと言って良いのかわからない。
「お邪魔しまーす。」
そう言い俺はドアを開ける。今日は休日で友達の家に遊びに来た……訳でなく、とある家に手伝いに来たのだ。
「お、いらっしゃーい。今日もお願いね。」
どこか気怠げにゆる〜くとある少女が返事をした。その少女は犬寄しのぶ俺の幼なじみだ。
幼なじみの家にお手伝いってどゆこと?って思ってる人のために説明すると、しのぶの家は親が遅くまで帰って来れず、しのぶ自身も家事の能力がからっきしで彼女の親から「あのままだときっとコンビニだけで済ませちゃうから和也くんにご飯を作ってもらいたいの。」
と親公認でしのぶの世話をしている。しのぶもそれにはあまり否定的ではなく、むしろ肯定的なので最近は毎日彼女の家に通っている。
「なぁ和〜。」
俺が夕飯を作っている後ろで机に座っているしのぶが話しかけてきた。
「なに?」
「和ってピキピキのライブ来たことあったよね。」
「うん。この前のやつ行ったよ。」
ピキピキとは、しのぶの所属しているDJ集団のグループ名peaky p-keyの略である。女の子がDJなんて珍しいなと言ったところ、しのぶの学校では一大コンテンツとのこと。でピキピキはその学校一人気のグループらしい。しかもメジャーデビューも出来ているそうな。
「じゃあさ、この中で誰が可愛いと思う?」
「……は?どしたの急に。」
突然すぎては?とか言ってしまった。
「いや気分で聞きたいなってね。」
「そもそもしのぶ以外人柄とか知らないし、無理があるだろ。」
「じゃあこれ見て考えてみな。」
そう言いスマホを差し出した。その中には遠くからだけど見たことある四人が見える、ピキピキのメンバーか。
これを見て決めろと言われても……。
「見た目だけでいくとこの子かな……。」
「へぇー由香が好みなんだ。」
由香さんって言うのかこの人。スタイルも良いし顔も可愛いし、モデルかなんかだろうか?
「まぁでも。」
「でも?」
「やっぱこの中でしのぶが一番好きかも。思い出補正とか多少乗ってるけど。」
急に打ち明けられしのぶは少しびっくりした様子を見せた
「以外だなぁ。お姉さんみたいな見た目のが好きだと思ったのに。」
「いや、俺童顔の子の方が好きだから……。」
「それって私のこと子供扱いしてないか?」
「し、してないって。」
実際しのぶは可愛いと思う。クールな性格だけど所々子供っぽくて、誰とでも分け隔てなく接することができてて……。まぁ以下略。
「ふーん。まぁいいや情報提供ありがと。」
なんの情報だよ……つい心の中でそう呟いてしまった。
「あ、そうそう。和、明日暇?」
「ん?まぁ割と。」
「じゃあさ、明日もご飯作りに来てくれるかな?四人分。」
「別に良いけど四人?誰か来るのか?」
「うん。ピキピキのみんなと家で文化祭ライブの予定を決めるんだ。」
「決めるってしのぶたちが主催なのか?」
「学校側にお願いされてやる事になったんだ。まぁ安心してよ、基本アタシの部屋で作業するから和に迷惑にはならないと思う。」
「そっか。じゃあ明日もう一回いくよ。」
「うん。ご飯、ありがと」
優しくそう微笑む。しのぶのこう言う顔は好きだ。心が落ち着くし、感謝されてるんだって直接感じれるから。
「おう。夜更かしするなよ。」
「こっちの台詞。」
その言葉を最後にパタンと扉を閉めた。うーむピキピキの人たちが明日しのぶの家に来るのか……。ちょっと緊張する、みんな初めましての人だし何よりライブで見ていた人たちがすぐ目の前にまで来るのだ。緊張しないって方が難しい。
楽しみではあるが不安でもある。なんかやらかさないと良いが、俺……。