犬寄しのぶと幼馴染くん   作:水城伊鈴

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移動中の話は書きたいことが多く、文字数がいつもより多いかつ語彙力が無いかもしれません。


車の中は荒れ模様

数週間後、俺らは本格的に夏休みに入り、旅館に向かうべく朝早くからしのぶの家でのんびりしていた。

 

「そういや俺、まったくパンフレット読んできてないけどどのくらい離れたとこにあるの?」

 

俺がそう聞くと、しのぶは欠伸を噛み殺しながら応える。

 

「そんな離れてないはず。二、三時間もあれば着くって言ってたと思う。」

 

「そっか……って、来たみたいだね。」

 

相槌を打つタイミングでインターホンがピンポーン……と鳴り響いた。それが絵空さんたちだと察した俺たちは、荷物を持って家を出る。

 

「おはよう♪しのぶ、それに和也くんも!」

 

「「おはよう(ございます)。」思ってたより早かったじゃん。」

 

「響子も由香も思ってたより早く準備が終わってたらしいから真っ直ぐ来れたのよね。早速行くから乗ってちょうだい♪」

 

絵空さんが手招きした先には、少し小さなリムジンが停められていて、窓から響子さんと由香さんがこちらに向かって手を振っている。てかリムジンとかリアルで初めて見た……洋画とかでしか見ないからなんか違和感だ。

 

「おはよう和也にしのぶ。」

 

「おはようデース!」

 

俺らは絵空さんに同様、「おはようございます。」と言って席に座ろうとすると、絵空さんがこれを止める。

 

「ごめんね、座る席はもう決めてあるの。ほら、しのぶちゃんはこっち♪」

 

「えっ、ちょ……!」

 

しのぶは首根っこを掴まれ、絵空さんの横になるように座らせられる。

 

「あれ?その場合俺って……。」

 

「はい、和也くんはここね♪それじゃあ早速しゅぱーつ!」

 

俺としのぶの質問を全無視して、そそくさと車を発進させた。

 

……………………………………………………

 

「……。」

 

「和也、ここのハンバーガー屋さん美味しそうじゃない?」

 

「ねぇ、和也くん!ここ楽しそうだね!」

 

響子さんと由香さんが俺のほうを振り向くと、フワッと髪の毛の良い匂いが理性を誘惑し、少し動けば彼女らの柔肌に触れることになってしまうこの状況に、俺は黙って硬直するしか出来なかった。そう、察しの悪い人でも大体わかると思うが、今の席順はL字状にしのぶと絵空さんが隣になり、残りに響子さん、俺、由香さんと言う順で座っている。つまり俺は、響子さんと由香さんに挟まれる形で座らせられている。……確実に絵空さんが意図した席順なのだが、少し愉悦も感じるし言わないでいいか……。

 

「……ずや!和也!」

 

「うぇ!?響子さん……な、なんですか?」

 

「ようやく反応した。私と由香が話しかけてるのに微動だにしなかったからどうしたかと思っちゃった。」

 

「あぁ、今ちょっと考え事を……。」

 

「考え事って何!?私が相談乗ろうか?」

 

「ありがとうございます、って!由香さん!?ち、近い……。」

 

由香さんの顔が目と鼻の先まで来ており、俺はつい頬を赤らめ、顔を逸らした。

 

ふにっ……

 

っ!!?由香さん……今、俺の腕に胸当たってるんですよ……。しかしそんなことを言い出す勇気が出るわけもなく、俺はそのまま黙ることしか出来なかった。

 

〜しのぶ視点〜

 

「……。」

 

和が響子たちとなんか楽しそうに話してる……。なにしてんだろ?

 

「あっれ〜?しのぶちゃん、まさか和也くんたちの会話気になっちゃってる?」

 

「は、はぁ?そんなわけないし……。」

 

「じゃあさっきからそのムスッとした顔はなんなのかしら?」

 

ぐっ……ほんとに良い性格してるなぁ……良い意味でも悪い意味でも。

 

「はぁ……てか、この席順どう見ても悪意があるだろ。」

 

「なんでそう思ったの?」

 

「絵空のことだ、和を無理矢理にでも連れてこうとしたのはどうせアタシと和の間をもっと縮ませるためとかそんな理由だろ?」

 

「あら、バレちゃってたんだ♪だったら和也くんとしのぶを隣にすればよかったろってことね。」

 

「そう言うこと。で?実際のとこはどう考えてるの?」

 

見抜いて見せたとジッと絵空を見つめると、少しため息をつきながら説明をする。

 

「車の中はあくまで確認よ。和也くんがしのぶ以外の女の子となにかしてたらしのぶはどう言う反応するかのね。」

 

「それ意味あるのか?」

 

「あるわよ!しのぶが響子たちに対して嫉妬するか、興味なく無視するかで旅館で二人にどういう行動させるかって考えるために必要なの。」

 

旅館でアタシと和は、絵空になにかされること確定なのか?いやまぁ、和と距離を縮められるならそれでも良いのかな……?などと考えていると、絵空は言葉を続ける。

 

「それに旅館には三日泊まるつもりなのよ?全然時間あるし、なんなら"えっちなことも出来ちゃうかもしれないわね"。」

 

「えぁ!?」

 

最後の一文だけ誰にも聞かれぬよう、アタシの耳元で囁きかけてきた。そしてアタシは、予想外の発言に変な声を出してしまった。え、えっちってアタシと和がってことか……?

 

「へっくしゅん!!」

 

「和也、大丈夫?車の冷房つけすぎちゃってるのかも。」

 

「確かに少し冷えてるかもね。和也くん、ティッシュいる?」

 

「は、はいありがたく貰います……ってしのぶ、顔真っ赤だけどどうしたの?」

 

「……!!なな、なんでもない!」

 

「ちょっと私と話してたら恥ずかしかったこと思い出しちゃっただけよ。気にしなくていいわ♪」

 

絵空はさっきまでの会話を感ずかれないように話を逸らす。てかこんなになったの絵空のせいなんだが……。

 

「ならいいんですけど……。」

 

和に変な気を使わせてしまった……なんか申し訳ない気持ちになってしまう。

 

それからもうしばらく車での移動だったが、これ以上の話題が出ることはなく目的地の旅館へと着いた。




次回からしっかりと旅館に着くのでそろそろ来るかもしれません……。
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