犬寄しのぶと幼馴染くん   作:水城伊鈴

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今の話夏休みなのに四月ってどういうことだ!と思っている方、あくまで番外編です。パラレルワールド的に見てくれたら嬉しいです。

ピキピキの子達の誕生日は小説にしていこうと思うので悪しからず。


【番外編】四月二十七日、山手響子の誕生日

今日、四月二七日。響子さんの誕生日らしい。しのぶも昼過ぎぐらいになると、「響子の誕生日だから」と言って由香さん、絵空さんと共にとある喫茶店へと行ってしまった。今日はマジで何もないっぽいし、一人でどっか行くかな。

 

…………………………

 

「って、なんで響子さんがここに……?」

 

「和也、奇遇だね。」

 

家から出てしばらく、商店街をぶらついていると、何故か響子さんと出会った。

 

「あ、あれ?今、しのぶたちと誕生日会やってるはずじゃ……?」

 

「終わったんだよ。十一時くらいに始めたからさ、もう三時間くらい経っちゃってるってね。」

 

たしかに、いま時計を見たら十四時を指している。流石に夜までパーティーするほどみんな、時間に余裕があるわけないか。

 

「それじゃあ、響子さんは今帰りってことですか?」

 

「そう言うことになるね。でも、もう予定変わったかな。」

 

「どういうことですか?」

 

「和也に会ったからには、和也にもお祝いしてもらわなきゃ。」

 

「あっ、ごめんなさい言い忘れてた。誕生日、おめでとうございます。」

 

ハッと忘れていたことを思い出す俺は、謝りつつ誕生日をお祝いする。しかし、響子さんはわずかに頬を膨らませジッと俺を見つめる。

 

「ど、どうしたんですか……?」

 

「言葉も嬉しいけど、そうじゃなくて行動で祝ってほしいな。」

 

「えぇ、行動で祝うってどうすれば……。」

 

「じゃあ今からちょっと付き合ってよ。誕生日だからさ、私のわがまま聞いてくれる?」

 

「当たり前ですよ!響子さんにはお礼になりっぱなしだし、喜んで聞きます!」

 

「ありがとう、じゃあ行こうか。」

 

響子さんは俺の横につき、指を刺して行きたい場所へと連れて行ってくれた。

 

「いらっしゃいませ〜!ご注文はお決まりですか?」

 

「このスペシャルバーガーってやつとアイスティーで。和也も同じやつでいい?」

 

「はい、俺もそれで。」

 

「かしこまりました!スタッフがお運びするので、席でお待ちください。」

 

手早く注文してを済ませた響子さんは、ナンバープレートをもって空いている席へと向かう。

 

「ディグドナルドっていつも響子さんが通ってる所なんじゃないんですか?俺と来た理由って……?」

 

「今日、ちょうど新しいバーガーの発売日でさ!和也とそのバーガーの美味しさを共有したいなって。ほら、しのぶたちとは放課後とかにも来れるけど、和也はなかなか二人きりになる機会なんてないからね。」

 

「なるほど。あれ?それって俺が施されてる側になってませんか……。」

 

嬉しいことはたしかだが、俺が祝う側なのになんか祝っている感覚がないのはちょっと……などと考えていると、響子さんはおかしそうに笑う。

 

「あはは!たしかに!でも私は和也と共有し合えるってだけで十分幸せだよ。」

 

「あ、ありがとうございます……。」

 

急にそんなことを言われ、つい気恥ずかしくなった。すると、タイミング良く注文した品が届く。

 

「おぉ〜!これが、スペシャルバーガー……!!」

 

さっきまで大人びた雰囲気だったのと裏腹に、ハンバーガーが届いた途端、子供のように目を輝かせ始める。

 

「いただきます。はむっ、ん〜♪」

 

お、美味しそうに食べるなぁ……。マジで別人みたいな顔してる。響子さんの幸せそうな顔にこっちまで幸せな気分になってしまう。っと、俺も食べなきゃか。

 

「いただきます。……!?うま……!!」

 

それからしばらく俺らは、夢中でそのハンバーガーにかぶりついていた。

 

「「……!」」

 

食べ終わると、俺と響子さんは、無意識のうちに顔を合わせ微笑んでしまう。

 

「ほんとに美味かったです!こんな美味いハンバーガー初めて食べました!」

 

「うん、私もこんな美味しいなんて予想以上だったよ!」

 

「はい!響子さんがすっごい幸せそうな顔してたから俺も続けて食べてみたらびっくりしましたよ。」

 

熱くハンバーガーの感想を語り合うとつい口が滑って、思っていたことを口にしてしまった。

 

「へ?」

 

「あぁ!いや、悪気はないんですよ!ただいつもクールな雰囲気なのにギャップが凄かったからつい……。」

 

顔を赤くした響子さんに全力で言い訳をするとボソッと何かを呟き、ジーッと睨む。

 

「また私たちだけの秘密、出来ちゃったね。」

 

「は、はい。これは流石にそう言わざるを得ないです……。」

 

ピキピキの人たちは知ってるんだろうが、他の人には絶対に言えないな。特にノアさんとか。もし知られたら、響子さんが大変な目に遭いそうだ。

 

数十分後……

 

俺らは、流石に日が傾いてきたし帰ろうと話し合い、帰路に着く。

 

「今日はありがとね!私のわがままに付き合ってもらって。」

 

「そんなことないですよ。俺もあのハンバーガー食べれて良かったですし、響子さんといると楽しいので。」

 

「和也はほんとに良い子だね。嫌味ひとつ言わないし。」

 

「これが本心ですから、響子さんも楽しんでくれたなら嬉しいです。」

 

「うん、すごく楽しかった!また一緒に出かけようね。」

 

「はい、今度は俺から誘いますよ。……っと、俺こっちなので。」

 

「おっけー、楽しみにしてる。」

 

響子さんはニコッと微笑み、俺に背を向けその場を去って行った。

 

……よし。

 

〜翌日〜

 

私は学校で新曲を考えていると、しのぶが横から私を呼びかける。

 

「響子〜これ、和が渡しといてくれって言ってたんだけど。」

 

「ん?なんだろう?」

 

しのぶから小包を受け取り、不思議に思いながらそれを開封すると、"誕生日おめでとうございます"と言う文字と共に、少し高そうな帽子封入されていた。

 

「帽子?誕生日プレゼントなんだろうけど和って響子の誕生日知ってたんだ。それにしてもなんで急に渡してくれって言われたんだろ……?」

 

「ふふ♪」

 

「響子?どうしたんだ、急に笑い出して?」

 

「いや、しのぶは優しい良い子と付き合えたみたいで羨ましいなって思っただけだよ。」

 

「何だそれ?」

 

「これ以上は秘密。」

 

帽子の中の手紙に"これ読んで怒るかもしれないですけど昨日の響子さん、ほんとに可愛かったです"と添えられていてつい笑ってしまった。

 

今度、和也と出かけるときは、この帽子かぶって行こうかな。




とある響子のセリフが意味深に見えた方は心が汚れているのでしょう。ちなみに書いてる本人は「これ意味深だな……」と思いながら書いてたので心が汚れてるっぽいです。

ディグドナルド、天才じゃない?()
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