犬寄しのぶと幼馴染くん   作:水城伊鈴

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ようやく投稿出来ました!なんもネタが浮かばないブランクから解放されて、モチベが少し上がりました。

百合小説も考えつつ書いてたので、文の書き方が変わってたりしてる場合がありますが、読みやすい、読みにくい等感じたらご感想くれるとありがたいです。


潮風香る電車の一時

……暇だ。俺はベッドに横になり、そう呟く。しのぶとデートしてから早三日、あの時のドキドキが少しおさまってきたと同時に、焦燥感に駆られ始めていた。宿題も終わらせてるし、本当にやることが無い。

 

「ん?なんだこれ……。」

 

脳死でスマホの画面をスクロールしていると、気になるツイートを見かけた。"Photon Maiden主催の海の家DJライブ!"って、フォトンさんライブやるのか。しかも主催で。詳細を見ようと、公式のリンクに飛んで、俺はつい声を出してしまう。

 

「ピキピキとハピアラさんも出んの?」

 

マジ?なにそれ、俺得じゃん。開催日時は……明後日か。電車で簡単に行けるし、行ってみようかな。しのぶに連絡は……しなくていいや。たまには一客として参加したいし、何よりライブの邪魔はしたく無い。さっきまでの焦燥感が嘘みたいに、今はやる気に満ち溢れ出した。久しぶりにライブ見に行くし、楽しみなんだろう。俺は心を躍らせながら、今日明日を過ごした。

 

〜二日後〜

 

何だこの電車……。海の見える電車って初めて乗ったな。朝早いのもあるし、ほとんど人はいなかった。今なら電車の中歩き回っても誰にも見られてないよね。そう思い、俺は電車内を歩き回る。

 

「「あ……。」」

 

電車を歩こうと立ち上がると、斜め向かいの席に見慣れた集団がいた。ま、まさかね……と思い、再度振り向くと、やはり聞き慣れた声が俺の耳に突き刺さる。

 

「和がなんでここにいるの?」

 

「え、えっと……それじ……」

 

「あぁ!和也くんじゃん!」

 

生憎、しのぶにしかバレてないらしい。ここは一旦逃げようと踵を返したが、由香さんに見つかってしまった。

 

「お、おはようございます……。」

 

「もしかして、私たちのライブ、見に来ようとしてくれたのかな?」

 

「……。」

 

図星すぎてなにも言えなかった。本当に響子さんは察しがいいな……。今から逃げたってもう手遅れだろうし、俺は諦めて、座っている彼女らの前に立つ。

 

「図星っぽいな。来るんだったら連絡の一つくらいしてくれたっていいのに。」

 

「私たちの邪魔をしたくなかったとかそう言う理由よね?」

 

「まぁ……」

 

「和也くんらしいわね♪」

 

「邪魔なんてことないのに。むしろ和也がいてくれたほうがしのぶの緊張もほぐれるからね。」

 

「はぁ!?アタシを理由にするなっての!」

 

「でも事実でしょ?」

 

「うっ、まぁ……。」

 

響子さんの言葉になにも言い返せなくなったしのぶは、スンと押し黙る。すると、少し遠くから、こちらに向かう久しい声が聞こえた。

 

「やっと見つけた〜って、和也くんだ!久しぶり〜!」

 

「ちょっとりんく!まだ電車動いてるんだから、あんまり走らないの!っと、藤原くん久しぶり。」

 

「ひ、久しぶりです。」

 

「麗、あの男だれ?りんくとどう言う関係なわけ?」

 

「い、いえ、私にも分かりません……。」

 

ピキピキと俺を見つけるや否や、りんくさんは全力ダッシュでこちらに向かってくる。てか、真秀さんはわかるけど、後ろの子たち誰?文化祭のライブで見たことあるけど、名前までは流石に覚えてない。めっちゃ失礼なこと言ってそうだけど、向こうも「こいつ誰?」感出てるし、平気だよね。

 

「ここにいるってことは、私たちのライブ見に来てくれたってことだよね!くぅ〜、ハッピーアラウンド!」

 

「ハ、ハッピー……え?」

 

「気にしないで。りんくってテンション上がると、癖でああなるんだよね。」

 

「な、なるほど。」

 

「りんくちゃんたちもこの電車だったんだ。」

 

「そうなの!真秀ちゃんが出来るだけ早く着いたほうがいいって、この時間に設定してくれたんだ!」

 

「真秀って意外と時間に厳しいんだね!偉いなぁ。」

 

「い、いや!そんなことないですよ……。」

 

「ちょっとちょっと!私たちだけ置いてけぼりなんですけど!?まずこの男誰なわけ?」

 

由香さんに褒められ、真秀さんは少し赤面していると、痺れを切らしたツインテールの少女が、声を上げた。てか、初対面の人にこの男って、なかなかぶっちゃけた子だな……。

 

「えっと、藤原和也って言います。一応、しのぶの幼馴染です。」

 

「幼馴染!?犬寄しのぶ、あんた幼馴染がいたの……!?」

 

「別にいたっていいだろ。何か不満?大鳴門むに」

 

なんでこの人たちフルネームで呼び合ってんだろうか。謎にバチバチした喋り方だし、ライバルかなんか?でも、しのぶからそんなオーラ感じられないし、一方的にライバル視してるだけなのかな。

 

「別に何か不満ってわけじゃないけど……。」

 

「とりあえず、お前らも名前ぐらいは言っときなよ。」

 

「言われなくたってわかってるわよ!……大鳴門むによ。よろしくね。」

 

「渡月麗って言います!よろしくお願い致します、和也さん。」

 

「はい、よろしくお願いします。」

 

「麗ちゃんはね、お嬢様でピアノも弾けるんだ〜!それにむにちゃんはVJオンリーって呼ばれてて、すっごい絵が上手なんだよ!」

 

「ちょ、その話あんまりしないでって言ったでしょ!」

 

へぇー、むにさんってVJなのか。……待てよ、オンリー?絵が上手い?その時、俺が前々から応援してた絵師の名前が頭に浮かぶ。確か、あの人もオンリー先生って名前じゃなかったっけ。まさかとは思うが、もしかしてむにさんってあのオンリー先生!?え、嘘でしょ?サイン欲しいんだけど。でも、初対面でいきなり「サインください!」って厚かましいし、仮に人違いだったら恥かくだけだし……。

 

「和也さん、どうしたんですか?もしかして乗り物酔い……?」

 

「い、いやなんでもないです。心配してくれてありがとうございます。」

 

「そんな!当然のことをしただけですよ。」

 

麗さんは、心配そうに俺の背中をさすろうとしてくれたので、大丈夫と微笑み、感謝すると、恥ずかしそうに俯く。……ちょっと可愛くてドキッとしてしまった。……なんか、しのぶに睨まれた気がする。

 

「む、むにさ……」

 

"まもなく、○○海公園前〜○○海公園前〜お出口は……"

 

「あっ!そろそろ着くみたい!」

 

「とりあえず、ハピアラとはここで一旦お別れだね。」

 

「うん!ライブ頑張ろうね!」

 

りんくさんはニコッ!と元気のあふれる笑顔でハピアラの面々と共に、その場を後にした。事実確認出来なかった……。まぁ、いつか聞けるでしょ、多分……。

 

「じゃあ、私たちはどうしようか。始まるの夕方からだし、結構暇な時間できちゃったよね。」

 

「結構って、今まだ八時とかですよ?めちゃくちゃあるじゃないですか……。」

 

「行きたいところがないのなら、私、海に行きたいわ!」

 

「はぁ?どうせ、ライブの時に行くんだから、わざわざ今行かなくても良くないか?」

 

「えぇ〜でも、せっかく水着を持ってきたんだもの!泳ぎに行きたくなるじゃない!」

 

「なるほどね。まぁ、アタシは響子たちがどうするかでいいや。任せる」

 

「うん!私も行ってもいいよ。今年、海に行くの初だし。」

 

「私もさんせー!夏っぽい写真撮りたかったから丁度いいわ!みんなの水着姿、たくさん撮っちゃうぞ〜♪」

 

「和也くんもそれでいいわよね?」

 

「え!?俺も別行動ってのは……?」

 

「ここまで来て別行動はないだろ。それに、見た感じ行く宛てないだろ。」

 

「グッ……ま、まぁ」

 

「じゃあ、決定ね♪それじゃあ、海へしゅっぱーつ!」

 

もう、いくら言い訳しても無理やり連れてくつもりだろう。ここで行かないって断ったら、あとが怖そうだし、大人しく従うか……。まぁ、しのぶたちの水着姿が見れるって考えたら、メリットしかないし別にいいのかな?問題は俺の理性が保てるかなんだけど……。

 

「和!置いてくぞ〜。」

 

「ご、ごめん!」

 

そして俺らは、電車に乗っている時から見えていた海へと向かうのだった。




和也は昔からオンリー先生のイラストの大ファンだったのですね。描くイラスト描くイラスト、尊すぎて毎回悶えていたそうです。果たしてこれからむにちゃんとの絡みはあるのでしょうか。Awesome!Awesome!

次回「スタイルだけじゃありません!」
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