今回はちょっと長めです。
因みに無料100連は大爆死でした(☆4すら来ない)
まぁしのぶの誕生日当てるからいいもん!
ふにっ……
ん……誰かに頬を突かれている?そういや俺しのぶの家に手伝いに来て、それで……。
「お、やっと起きた。」
「あぁ?しのぶ……って!悪い俺、寝ちゃってた。」
びっくりして身体を起こすと優しく微笑んでしゃがんでいるしのぶがいた。
「いや今降りてきたばっかだけどさ、和がすごい気持ちよさそうに寝てたからつい、ね。」
「そ、そうか。じゃあ今から作るから少し待っ……て……。」
ソファーから立ち上がりリビングに視線を向けると、机に三人の少女、もといピキピキのメンバーがニヤニヤしながらこっちを見つめている。
「へぇ、なかなか熱々だね。」
「うんうん!熟年夫婦って感じ!」
「そ・れ・に〜しのぶちゃんも自覚ないみたいよねぇ♪」
「い、いやこれは違っ……。」
カァ……っと顔を赤らめると、山手さんたちは可笑しそうに笑った。
「ふふっ、和也女の子みたい。」
「あはは、確かに!かわい〜!」
「か、からかわないでよ……。」
俺は恥ずかしさが限界を超えて顔を逸らした。
「冗談だって。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。」
「……。」
「あら?怒っちゃったかしら?」
「いや怒ってないよ全然。ちょっと気持ちの整理がつかないって言うかなんと言うか……。」
「そんなに恥ずかしかったのかな?」と首を傾げているような三人を見ながら心の中で少し否定した。
笹子さんに……可愛いって言われた……。
正直今はそれしか頭に無かった。笹子さんは俺が今まで関わってきた女の子の中で一番可愛いと思う。そんな子に「可愛い」なんて……もう死んでも良い、それくらい嬉しいことだ。
って、そんな事今考えてる場合じゃないか。
一通り会話を終えた俺は急いでキッチンへ向かい、手早くお昼の用意を始めた。
「簡単なものだけどお昼、できたよ。」
そう報告するとソファーで会議の続きをしていたしのぶ達が続々と机に座る。
「へぇ、炒飯を作ったんだ。」
「うん、急いで作ったから少し雑かもしれないけど召し上がれ。」
そう言うと彼女らは「「「「いただきます!」」」」と合掌し、スプーンを口に運んだ。
「……おぉ、美味しい!」
「ホントだ!好きなパラパラ具合かも!……それに普通炒飯って牛肉だよねなんで鶏?」
笹子さんが炒飯に入っていた鶏肉に目線をやって質問した。
「あぁ、この前しのぶに"由香は筋トレ大好きなんだよ"って言ってたから効果あるか知らないけど少しの気遣いで牛肉から鶏肉に変えてみたけど、どうかな?」
「うん!すっごく嬉しい!ありがとね和也くん。」
純粋に褒められ恥ずかしくなってしまった。恥ずかしいのがバレないように別の方を見るとしのぶが声には出さないが、とても満足しているように黙々とスプーンを進めていた。
気に入って貰えたみたいで良かった。
しばらくスプーンが皿をコツコツと叩く音だけが響き、その音が無くなると「「「「ごちそうさまでした。」」」」と手を合わせた。
「あぁ、アタシが皿洗いするから和は休んでていいよ。」
「おう。ありがとじゃあお言葉に甘えてそうさせてもらうよ。」
俺が承諾するとしのぶは重ねてある食器を流しへと持って行った。
「それで〜和也くんはしのぶちゃんとどういう関係なの♪」
ふぅ、と息を着くと清水さんがニヤニヤと楽しそうな顔をしながらそう聞いてくる。
「確かに、ここで確かめておかないとね。」
「き、響子さんまで……。ただの幼馴染ですよそれ以上でもそれ以下でも無いですって。」
「隠してないで〜言っちゃった方があとが楽よ?」
「そもそも急にどうしたんですか?しのぶとの関係って……。」
「だって和也くん、しのぶちゃんと仲良さそうにしてるしお世話もしてあげてるんでしょ?気になるわよ〜。」
え、えぇどうしよう。困ったな、もうこうなったら清水さん止まらなさそう……。真面目役っぽい響子さんも乗り気だし……。
「もうだめよー絵空!和也くん困ってるじゃん。」
まさかの由香!?と言わんばかりに清水さんは目を見開いた。
「いつもこう言うのにノリノリな由香がストッパーになるなんて珍しいね。」
やっぱ珍しいんだ……。
「響子の言う通りかもしれないけどあんまり言及するのはよくないわよ。」
人差し指を立ててダメだよと言うようにズイッと前へ突き出した。
「えぇ〜?由香は気にならないの?しのぶとの関係。」
「気になるけど初対面の子にそんなグイグイ話しかけたらかわいそうよ。……まぁその代わり、」
「そ、その代わり……?」
なんだその代わりって……?なんか無理難題でも押し付けられたりするのか?
どことなく張り詰めた空気になぜか清水さんや響子さんまで息を呑んでいた。
「私のこと由香って下の名前で呼んで欲しいな。」
え……。
「……はぁ?」
数秒の沈黙の後、清水さんが気の抜けた声を出して、響子さんも苦笑いをしながら頬を掻いている。
「それってどう言う意味ですか笹子さん。」
「響子のことはちゃんと響子さんって呼ぶんだから由香って呼んでも良いじゃない。笹子じゃもう反応してあげないからね!後、しのぶについても言及するよ。」
「……ゆ、由香さん。」
「うん、それで良し。」
笹子……由香さんはそう言って腕を組み肯いた。
「はぁ、お前らさっきから騒々しいと思ったら何やってるの……。」
やれやれ、と言いながらお皿を洗い終えたしのぶが戻って来る。
「お帰りしのぶ。今和也が私たちの呼び方を考えていたところだよ。」
自然としのぶについての話をなかったかのように響子さんがフォローしてくれた。
「呼び方ねぇ、なんでも良い気がするけど。」
「そういえばしのぶ、和也くんのこと和って呼んでるわよね。何か理由でもあるの?」
「え?いや、幼馴染だから?まぁナギと理由は同じだよ。」
月見山渚、しのぶはナギと呼んでいて彼女の従姉妹で俺も昔よく遊んだし、今も度々会う機会が多い。聞いた話だと燐舞曲と言うDJグループでギターを持っているそうな。あいつと同じ理由なのか……。
「呼び方の話はここまでにして、どうしよっか。あらかたライブの方向性も固まったしもうここで解散でも良いんだけど……。」
流石にもう収集がつかなくなると思ったのか響子さんがそう提案する。
「じゃああそこに行きましょう♪」
「あそこじゃ分からないんだけど。」
そう提案する清水さんにしのぶは冷たく返事を返している。仲のいい証拠なんだろうか……。
「ほら、駅前にできたショッピングモール!色々売ってるらしいし、せっかくだから行ってみない?」
「えぇやだよ。めんどくさい……。」
「でもピキピキでショッピングモールなんて珍しいし良い機会かもね。」
「げっ……響子もか……。」
常日頃から家から出ないしのぶは否定しているも、響子さんが肯定的な返事をしていて、しのぶの顔がさらに苦い顔をする。
「じゃあけって〜い!早速行きましょ!」
「そっか、行ってらっしゃい。」
俺がそう言うと四人が何を言ってるの?と言わんばかりにこちらを振り返った。
「和も行くに決まってるでしょ?」
「え、なんで!?ピキピキだけで楽しんできなよ。俺は家で留守番してるから。」
「せっかくだしって言ったでしょ?和也くんももちろん一緒にって意味よ♪」
「そうだよ。それに荷物持ちって言う大事な仕事もあるしね。」
おい……と心の中でそうツッコんだ。……まぁちょっと嬉しいかも。初めてあった人たちとここまで仲良くなって、それで……。
「おーい!早く行くよー。」
「由香準備はや!?ってほら、和〜行くぞ。」
「あ、うん!」
そうして俺はピキピキのメンバーたちとしのぶの家を出た。