テキサス
シュヴァルツ
エクシア
ある日、ドクターの執務室に呼ばれたシュヴァルツはドクター不在ということで、執務室前で待つことになった。そんなところにペンギン急便の2人がやってくる。何故、呼ばれたのかをシュヴァルツに聞くエクシア。そこへドクターが現れ・・・・・・。
「ドクターは・・・・・・いらっしゃらないようですね。」
一人、ドクターの執務室前の扉に佇むシュヴァルツ。には、不在と掛かれた文字列が写っている。
「護衛ではないとなると・・・・・・一体なんなのか。」
シュヴァルツは普段、セイロンの護衛や作戦行動、たまにドクターの護衛をしてロドスで過ごしている。しかし、今日は護衛ではなくある用事とだけ伝えられて、詳細をシュヴァルツは知らなかった。
扉の前で待ち続けても仕方ないと考えたシュヴァルツは、執務室前にある長いすに一人腰掛ける。周囲には誰もおらず、静かだ。ュヴァルツはロドスに来てからのことを少し思い出していた。主であるセイロン。彼女がロドスに留学するといってからしばらくの時が経った。
ロドスに来てからのセイロンの勉強振りは目をみはるものがあるとシュヴァルツは思った。元々、セイロンヴィクトリアに留学していたこともあり、勉強熱心ではある。しかし、ロドスに来てからはカルチャーショックを受けたのか、様々なことに意欲的に挑戦し経験を重ねていた。
シュヴァルツはそんなセイロンを横目に、ただ静かに、彼女を見守っていた。勿論シュヴァルツ自身もただ見守っていたわけではない。しかし、セイロンと比べるとその差がとても大きく、シュヴァルツは苦笑した。
「あっれ〜?シュヴァルツもドクターに呼ばれたの?」
「あなた方は・・・・・・。」
「どうも。」
シュヴァルツに声をかけてきたのはペンギン急便の2人であるエクシアとテキサスだった。エクシアはシュヴァルツにに声をかけ、シュヴァルツの隣に人なつっこい笑顔を浮かべながら座る。テキサスはそんなエクシアをどこか宥めるように見ながら、エクシアの隣に座る。
「呼ばれたはしましたが、何の用事かは伝えられていないのです。」
「へ〜私たちと同じだね!私とエクシアも今朝ボスに来てって言われたんだけどなにも知らないんだよね〜。」
「そうなのですか。」
「ああ。」
元気よく返答するエクシア。無味乾燥気味に返事するテキサス。シュヴァルツには、この一見すると水と油のような2人が何故いつも一緒にいるのかが不思議で仕方なかった。
「いっつもボスに呼ばれるときは、必ずなにをやるかを知らされるけど、今日は来いとしか言われてないんだよね〜。なんかやらかしたかな?テキサス?」
「いや、自覚はない。」
「そうだよね〜。他のオペレーターと喧嘩したわけでもないし。龍門じゃいっつもしてるけど!」
「前から気になっていたのですが、ンギン急便は宅配事業を展開しているはずですよね?どうして、龍門であんなに有名なのですか?」
「それって、悪名高いってこと〜??」
シュヴァルツはそうテキサスに聞かれ、シュヴァルツは「わざわざ有名という言葉をつかったのですが・・・・・・。」とエクシアに向かってぼやいた。エクシアはそれを聞き、笑いながら質問に答える。
「まあね〜。私達、なんでか知らないけど結構からまれるんだよね〜。ほんとに不思議!前なんかさ!どっかの悪〜い狼が絡んできてほんっと大変だったんだから!」
「あいつらは大したことない。だが、そのあとが大変だった。」
「そうそう!でも、シュヴァルツもここに来る前はなんか、裏切られたんでしょ?そっちも大変だったでしょ!」
「ええ、まあ。大変でしたね・・・・・・ですが。」
「ですが?」
シュヴァルツは何かを思い出すように上を向く。
「悪い経験では・・・・・・ありませんでした。」
「へ〜なら良ったじゃん!私達は後処理が大変だったな〜。まあいつものことだけど。」
「ああ。いつものことだった。」
「あなた方は本当に宅配業者ですよね?」
「ああ、そうだ。」
「そうだよ〜。」
「私とあなた方では居きる世界が違うようですね・・・・・・。」
シュヴァルツはため息をついた。全くもって理解できないといった様子だった。彼女達が毎日のように輩とどんちゃん騒ぎしている事実に、自身の想像が追いつかなくなり頭が痛くなったのだ。シュヴァルツがロドスに来てからも自身の想像力が及ばないことはよくあったが、ペンギン急便のそれはシュヴァルツの中の常識の遙か上をいくものだった。
「ペンギン急便の戦いは何度か見たことはありますが、あなた方は運送業にしてはあまりにも高い戦闘技術を持っている。特に、テキサスさん。あなたの剣技はよくわかりません。如何様にして剣を振らせているのですか?」
「企業秘密だ。」
「企業秘密……。」
シュヴァルツはため息を吐く。
「うーん、しかしテキサスさんの剣技は昔見たことあるような……。」
その時、シュヴァルツは殺気を感じた。敵に狙われているのではと思ったシュヴァルツは素早く周囲を見回す。
「どうしたの?」
エクシアが聞く。シュヴァルツは力を抜き、ハッと息を吸い込んだ。
「……気のせいでした。何でもありません。」
「ふーん。あ、ボス!」
エクシアは現れたドクターに近寄る。テキサスも黙ってエクシアについて行った。シュヴァルツにはその背がどうも威圧的に、そして何故か懐かしく見えたが、首を振り気のせいだと自身に言わせて、ドクターに近づく。
過ぎ去った過去だ。気にする必要はない。と。シュヴァルツはもう一度自身に言い聞かせた。