遂に……遂にみつけたぞぉ。
目と鼻の先に、手の伸ばせば取れるその距離にカイバークリスタルはあった。
手をのばす。一回すかってしまったが、今度こそはと確実にカイバークリスタルに触れ、握る。
握ったそれを外套のポケットに突っ込んでフォースで探った出口の方へ駆け出した。フォースで酷使された体は悲鳴を上げ、強い痛みを訴える。その耐えきれない痛みを更にフォースをかけることで遮断し体を駆動させ、更にスピードを上げる。こんな所で死んではたまらないのだから。
「パウロナはまだ帰ってきませんね。」
パダワンであるオビ=ワン・ケノービはそう言う。
「彼女は帰ってくるだろう。今はまだ待て。」
その師匠であるジェダイ・マスタークワイ・ガン=ジンはそう言った。
彼らはギャザリングへの付き添い任務に来ており、今回のギャザリングで帰還していない最後のジェダイ・イニシエイトを待っている最中なのである。
「しかし、もう日は沈んで来ています。やはり、今からでも捜索に行ったほうが良いのでは?」
「いや、それは神聖な儀式を汚す事になりかねん。ただ、日が沈めば洞窟の入り口は氷で閉ざされていまう。が、あの氷は物理的に破壊できる。私達の仕事は彼女が戻ってきた頃を見計らってあの氷を壊す事だ。」
「わかりました。」
彼らはそれからソフィア・パウロナが戻って来るまでずっと立って待つ羽目になった。
(もうすぐ……出口だ……。)
フォースで感知した出口の方向へ、歩を進める。フォースで強制的に体を駆けさせるのは負担が大きかったから、途中から歩く羽目になってしまったのだ。しかし、最早出口は目と鼻の先にある…………筈であった。出口があった筈の場所には氷の巨大な壁ができていた。
(何故だ?!)
一瞬パニックになりかけるも事前説明を思い出す。"日没迄に帰ってこなければ氷の壁によって閉じ込められる"。それを思い出し、絶望しかけるが暫くすると怒りがふつふつと湧いてきた。何故、こんな所で死んでしまうのか、何故んこな事になっているのか、何故こうも悪いことばかり続いたのか。環境の辛さと自身への情なさは怒りへと変わり、それは鬱憤と共に八つ当たりとしての力の発散先を求める。そうやって得たその力を自身の希望を阻んだ氷の壁へぶつける。
(死ね!!)
フォースの力を斥力として使う。轟音と氷にヒビが入り、氷の小片がパラパラと落ちる。それを何度も繰り返し、最後に氷の内部破壊をイメージして手を強く握った。氷の壁は遂に粉々になって砕け散った。
オビ=ワン・ケノービとクワイ・ガン=ジンは氷の壁の急激な変化に驚いていた。急に氷の壁に振動が奔りヒビができたかと思うと、それは何度も繰り返され結果として最後は粉々に砕け散ってしまったからだ。そして、その奥から出てきた子供を見たとき彼らは驚愕した。ジェダイ・イニシエイトであるはずの彼女からダークサイドの力を感じ取ったからである。彼女、ソフィア・パウロナは氷の壁を越えてきたその直後に地面へ倒れ込んだが、彼らはパウロナを救う為に動きだすのが少し遅れてしまうほどの驚愕だった。気絶しているのであろうパウロナからは最早ダークサイドの力は感じ取れず勘違いであると思いたかった二人はパウロナのポケットからこぼれ落ちたカイバークリスタルを見て確信してしまった。
「これはっ!どうするべきでしょうか?」
「っ!……評議会に報告する。」
カイバークリスタルの色は血で染まっているかの様な赤だった。
クローン戦争は長くすべきか否か。
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長くして。
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短くして。
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ダイジェスト。
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作者の自由に。