魔王獣コンビは見習い時代、大怪獣ファイトを見学に来た際、練習試合でシーボーズと戦うことになり、その結果、負けています。
ラストジャッジメンター『ギルバリス』登場
その日、ハルキは飛行機でとある島に向かっていた。その隣にはミコが乗っている。
「まさか、大怪獣ファイトを生で見れる日が来るとはな・・・。」
「お仕事でだけどね。」
ハルキとミコは怪獣娘同士がぶつかり合う格闘技『大怪獣ファイト』の手伝いのために飛行機に乗っているのだ。ハルキとミコが一緒にいる理由は幼馴染であるミコの方がハルキも気楽に出来るだろうとの計らいとミコの立候補でGIRLSに入ったハルキの面倒を見るのがミコになったからだ。飛行機の中でハルキは目的地について確認する。
「確かジョンスン島だったよな。昔、あのゴモラが現れたという・・・。」
「うん。今では日本の領土になってるんだよね。」
「またゴモラが現れたりして。しかも怪獣の。」
「まさかぁ。本来なら怪獣はもうこの星にはいないからそんな事・・・・あり得るね・・・うん・・・。」
「・・・・悪い。」
「大丈夫だとは思うけど・・・念のため用心しなきゃね。」
この時はハルキもミコも思っていなかった。宇宙から巨大な影が地球に向かっているとは。しかもその影はゴモラを遥かに上回る強力な怪獣であることはこの時、彼等は思ってもいなかった。
その後、ジョンスン島に着陸し、大怪獣ファイトが開催される会場を訪れた2人。そこには既にベニオと多岐沢がいた。
「おう、お前ら!!」
「お待ちしていましたよ。」
「レッド、博士!!」
「どうも!!」
「早速ですが向かいましょうか。」
ハルキとミコは2人の案内で選手の調整用のバトルフィールドに向かう。そこには既に試合に出る怪獣娘がいた。黒いゴスロリ風の格好に骸骨を思わせる意匠を施された彼女は亡霊怪獣『シーボーズ』の怪獣娘だ。ハルキはシーボーズに挨拶する。
「大怪獣ファイト人気ファイターのシーボーズさんですね!!俺、冬河ハルキっていいます!!今日の大怪獣ファイトの手伝いに来ました!!よろしくお願いします!!」
「は、はいよろしくお願いします!!」
「それじゃあ、始めようか!!ソウルライド、『ガッツ星人』!!」
ミコは怪獣娘『ガッツ星人』に変身した。シーボーズは今から2時間後に試合を控えている。今回、ガッツ星人はシーボーズの最終調整用のスパーリング相手として、ハルキは両者のセコンドとして呼ばれたのだ。両者が簡易版のフィールドに立ち、ハルキがフィールドの外側の中心に立つ。
「それではこれより最終調整を始めます!!両者、準備はいいですか!!」
「「はい!!」」
「それではレディーーーゴーーーッ!!」
その声で両者がぶつかり合う。ガッツ星人は素早く後ろに移動するも、シーボーズも数々の試合を経験したお陰でその動きを読み、ガッツ星人に蹴りを仕掛ける。ガッツ星人は間一髪で何とか避ける。ガッツ星人は両手から光線を放つもシーボーズはこれを避けて上に飛び上がる。そしてそのままキックを放った。ガッツ星人は両手で受け止めるも顔を歪め、後ろに後退してしまう。シーボーズはガッツ星人から距離をとり再び飛び蹴りを放つ。ガッツ星人はそれを避けれずまともに食らってしまう。ガッツ星人は後退し、シーボーズは追い打ちをかけようとする。そこで終了のアナウンスが鳴った。
「制限時間になりました!!両者止め!!」
「マジか・・・少し危なかったかも・・・。」
「あ、あのガッツ星人さん!!」
「ん?」
「ありがとうございました!!」
「こちらこそ。」
調整が終わって数分後、ハルキはミコとブレザーの制服を着た少女シーボーズこと『滑川シイナ』に冷やしたスポーツドリンクを渡す。
「お疲れ、ミコ、シーボーズさん。」
「ありがと、ハル。」
「ありがとうございます。ハルキさん。」
「凄かったよ、あれで調整用の練習試合なら生で本物を見れば大迫力なんだろうな・・・。」
「そうだよ~。本番は瞬き禁止だよ~。見逃せない試合になるからね。」
「私も頑張ります!!」
その光景を多岐沢は後ろから眺めていた。そこにヘビクラがやって来て話しかける。
「ここが大怪獣ファイトの会場か・・・。」
「ヘビクラさん、どうしてここに!?」
「俺も大怪獣ファイトって奴が気になってな。まさかシーボーズがガッツ星人と互角に戦えるとはな。」
「彼女も大怪獣ファイターとして経験を積みましたからね。大怪獣ファイトの練習試合に訪れたマガバッサーさんやマガジャッパさんにも勝利しましたよ。」
「それはそれは。じゃあ、俺は少し席を外すぜ。」
ヘビクラは多岐沢から離れていく。誰もいない部屋に入り思わず呟いた。
「まさか魔王獣がシーボーズに負けるとはな・・・。その怪獣の力を使いこなせるかは本人次第ってわけか・・・。怪獣娘ってのは面白ぇな・・・・。」
2時間後、シーボーズの試合が始まった。対戦相手はミクラスだ。
『これよりミクラスVSシーボーズを始めます!!両者とも、準備はいいですか!!』
「OK!!」
「はい!!」
『大怪獣ファイト、レディーーーゴーーーッ!!』
「はあああっ!!」
「うおりゃあああ!!」
ミクラスの拳とシーボーズの足がぶつかり合う。両者はそのまま弾かれお互い距離をとる。暫く互いの様子を見合うと両者は同じタイミングで突撃した。ミクラスはそのまま右手で拳を放つ。
「どおりゃあっ‼︎」
シーボーズはその拳をスレスレで避けてミクラスの腹に右足からの蹴りを入れる。それをまともに受けたミクラスは吹っ飛ばされてしまう。
「うっ‼︎」
今度はシーボーズが突撃してきた。ミクラスは立ち上がり戦闘態勢をとる。今度はシーボーズが拳を突き出してきた。ミクラスは受け止め拳を打ち込む。そのままミクラスとシーボーズの拳の打ち合いが始まった。やがてミクラスがシーボーズに1発入れた事でミクラスの反撃が始まる。
「どりゃあーーっ‼︎」
「くっ⁉︎」
ミクラスは続いて拳をシーボーズに打ち込んでいく。徐々に後退するシーボーズ。やがて7発目でシーボーズの体は吹っ飛び岩山にその体が激突する。
「くっ、ならば‼︎」
シーボーズは近くに落ちていた自身と同じサイズの岩を見つけ、その岩を蹴る。かつてサッカーをやっていた彼女は見事なシュートをミクラスに放った。しかしミクラスも負けてはいない。ミクラスは拳を握りしめて全力のパンチを岩にぶつける。そして岩は完全に木っ端微塵となった。しかしミクラスは岩を粉砕したその先にシーボーズがいないことに気付く。
「あっ、あれ⁉︎どこ行ったの⁉︎」
「はああああぁぁぁぁぁ‼︎」
ミクラスが上に気付いた時、シーボーズは空から自身を狙っていた。そのまま降下して強力なキックをミクラスにお見舞いした。ミクラスはそれを受けて吹き飛ばされてしまう。その一撃は後ろにあった岩に激突し岩を粉砕する。やがて彼女の体は断崖絶壁の壁まで激突した。ミクラスは壁にめり込んでいる。
「ぐぐぐぐぐぐぐぐううううううおりゃあああああああ‼︎」
しかしそれでもミクラスは気合いを入れて壁から脱出してシーボーズに向き合う。
「ミクラスさん、やりますね‼︎」
「あったり前だよ‼︎レッドキング先輩に勝つまでは絶対に負けないって決めたんだから‼︎」
「ミクラスさんの心意気、確かに受け取りました‼︎・・・しかし、私も負けるわけにはいきません‼︎」
「それはあたしだっておんなじ‼︎行くよ‼︎」
「はい‼︎」
ミクラスとシーボーズは再び突撃する。その時、緊急事態を知らせるサイレンが鳴り響く。サイレンに思わず2人は立ち止まってしまった。
「「⁉︎」」
「これって・・・緊急事態って事だよね・・・・。」
「は、はい・・・・でも・・・・一体何が・・・・。」
その頃、ジョンスン島大怪獣ファイト本部では緊急事態を知らせるサイレンが建物全体に鳴り響いていた。多岐沢が周りのモニターの近くにいる職員に何が起きたのか聞く。
「一体何が起きているんですか⁉︎」
「宇宙からこの島に向けて未確認機械生命体が接近しています‼︎機械生命体の大きさはその姿を捉えた人工衛星の計算によれば70m級の大きさです‼︎」
「機械生命体は怪獣って事ですか・・・・。」
「博士‼︎」
そこにハルキ、ミコ、ミカヅキ、ベニオがやってきた。ハルキが代表して多岐沢を問い詰める。
「博士、怪獣が接近しているって本当ですか⁉︎」
「ハルキさん⁉︎・・・・ええ、75mの機械生命体ですから怪獣と考えていいでしょう。今日の大怪獣ファイトは中止するしかありません‼︎」
「大丈夫だよ、博士‼︎その怪獣はわたし達で何とかするから‼︎」
「ミコさん・・・。」
「ったく・・・一体何が・・・。」
そのサイレンを聞いたヘビクラは人工衛星が捉えた機械生命体の姿を見ようとしていた。ヘビクラはモニターに写されたその姿を見て目を見開いて驚いていた。
「‼︎・・・・・ギルバリス⁉︎」
モニターに写ったのは黒い亀を思わせるフォルムに体のあちこちに砲台がついた胸に赤いコアの様なものを持つロボット怪獣だった。ヘビクラはその姿を知っていた。かつてライバルであるオーブに加え、ゼロ、そして光の国の反逆者の血を継ぐ戦士と共に戦った全宇宙の知的生命体の抹殺を目論んだ宇宙最悪の人口頭脳と言われるラストジャッジメンター『ギルバリス』がここに接近していたのだから。
「皆、退避だ‼︎すぐにそこを離れろ‼︎外で試合している奴らも退避させろ‼︎」
「ヘビクラさん⁉︎どうしたんですか⁉︎」
多岐沢達がいる部屋に入るなり焦った表情で退避命令を出すヘビクラ。その姿に疑問を抱く多岐沢。そのままヘビクラは外にいるミクラスとシーボーズに指示を出す。
「いいか⁉︎今から降りてくる怪獣はお前らに敵う相手じゃねぇ‼︎今すぐそこから離れろ‼︎」
「怪獣が接近してる⁉︎」
「私達には敵わない相手って・・・・ミクラスさん、あれを‼︎」
「何・・・・・ってゲッ⁉︎」
ジョンスン島の空にギルバリスが着陸する。
『グオオォォォン‼︎』
ギルバリスは進撃を開始した。体中からミサイルを放ち周りのものを破壊する。そしてエネルギーフィールドに守られていた大怪獣ファイトのバトルフィールドにもミサイルが降ってきた。エネルギーフィールドが破られたのだ。ミサイルはその場にいたミクラスとシーボーズにも降り注いだ。
「「うわああああああああああ⁉︎」」
ミサイルの雨にミクラスとシーボーズは吹っ飛ばされてしまう。やがて煙が晴れ、シーボーズの目にギルバリスが写る。シーボーズはギルバリスの攻撃を受けて、目の前にいる怪獣は自身に宿る
(この怪獣は・・・・・・
シーボーズは傷ついた体を起こしミクラスを探す。すると自身の後ろに意識を失って倒れているミクラスを発見した。彼女はギルバリスの攻撃で大きなダメージを負い、元の人間である『牛丸ミク』に戻った状態で気絶していた。
「ミクラスさん!!ミクラスさん、しっかりして下さい!!」
シーボーズは必死にミクラスに呼び掛ける。しかし、彼女からの反応はない。そんな中、ギルバリスが2人のいる場所に進撃しようとしていた。
「ミクちゃん、シィちゃん、逃げて!!」
「あの怪獣がそっちに近づいている!!急いでそこを離れろ!!」
ミカヅキとベニオが必死に彼女達に呼び掛ける。しかし、手負いの状態でミクラスを抱えているシーボーズの動きは鈍くかった。彼女達を追って巨大なロボット怪獣が前進している。それを見てハルキが近くにあった扉を開けて外へ出る。ミコはハルキを呼び止めるもハルキは真っ直ぐ2人の元へ走っていく。
「ちょ、ちょっと、ハル!?何する気!?危ないから止めて!!」
「ガッツ!!危ないからお前まで外へ行くな!!」
ミコはハルキを追って外へ出る。ベニオが呼び止めるも彼女も外へ出てしまった。彼女もその姿を追おうとしたが多岐沢に呼び止められる。そして多岐沢は衝撃的な言葉を放つ。
「待って下さい!!」
「博士、何で止めるんだよ!!このままじゃ、あいつらが!!」
「空から50m級の未確認生命体が接近しています!!」
「何だって!?」
「次から次へと!!もーっ、折角の大怪獣ファイトがーーっ!!」
ハルキはミクラスとシーボーズの元へ辿り着く。少し遅れてミコも合流した。ハルキはシーボーズに呼び掛ける。
「もう、ハルってば突然飛び出して!!」
「説教は後だ!!シーボーズさん、大丈夫ッスか!?」
「ハルキさん、私は何とか・・・ただミクラスさんが意識を失って・・・。」
「ミクラス!?・・・・・・大丈夫、気を失っているだけだよ。」
「本当ですか!?良かった・・・・。」
「安心するのは後です!!アレを!!後ろを見て!!」
シーボーズの言葉を聞いたミコがミクの腕を取り脈を確認する。彼女の脈が動いていることを確認した彼女はその事をシーボーズを伝える。シーボーズはその言葉に安堵するも後ろを確認したハルキの言葉に全員が振り向いた。ハルキがシーボーズを、ミコがミクを抱えながら振り向くとギルバリスの胸のコアが赤く発光していた。まるでエネルギーを溜めているような動きにハルキ達は嫌な予感を感じた。
「これって・・・・・絶対ヤバいやつだよ!!!」
「今すぐにここから離れましょう!!」
(・・・・やるしかないか・・・・。しょうがない・・・・ミコ達に正体がバレちまうけど背に腹は変えられねぇ!!)
ハルキはゼットライザーを取り出そうとする。ギルバリスの胸のコアから光線が発射されたと同時に空から突然光が降りてきた。その光が光線をかき消す。そしてその光は人型に形成されていく。そして目つきが鋭く、何処か装甲を纏ったような姿、縦に長いカプセル状の結晶が胸に付いた巨人が出現した。その巨人を見てハルキとシーボーズは思わず呟いた。
「う、ウルトラマン!?」
「け、けど始めて見ます!!」
「あれは!!」
ヘビクラはその姿に見覚えがあった。何故ならそのウルトラマンこそ、彼のライバルであるオーブと共に力を合わせてギルバリスと戦った光の国の反逆者の遺伝子を継ぐ戦士『ウルトラマンジード』だったのだから。
田口監督は本当に様々な魅力的な怪獣を考えますね。
どうしたらあんな魅力的な怪獣を考えられるのでしょうか。