どくろ怪獣『レッドキング』登場
ハルキとミコがマサルにお線香を焚いている頃、ベニオは妙にソワソワしていた。先程から変わらない彼女の様子に弟子であるサチコが話しかけた。
「どうしたんですか、ししょー。さっきから様子が変ですけど。」
「いやな・・・さっきから何かカイジューソウルが疼き出すんだよ。」
「カイジューソウルが?何故なんですか?」
「それが分からねぇんだよ・・・何か落ち着いてられねぇのもそれが原因だとは思うんだけどな・・・。」
「・・・・最近、あたしの身近な人の様子が変になってきてますね。ノイもハルキを見てドキドキするような気持ちになってるって言ってますし。」
「・・・俺は兎も角ノイズラーに関しては何となく予想付くぞ。それって恋じゃねえのか?」
「あっ、やっぱりししょーもそう思います?あたしもそうなんじゃないかと思ってます。」
そのまま雑談する師弟だがGIRLS内にアナウンスが流れた事によりその場を立つ。
『GIRLSの皆さん、緊急事態です‼︎怪獣が現れました‼︎動ける怪獣娘は直ちに出動してください‼︎』
「ししょー‼︎」
「分かってる‼︎行くぞ‼︎」
2人が指令室に入ると既にGIRLS東京支部内にいた怪獣娘が集まっていた。ヘビクラがこの建物内にいた全てのメンバーが集まった事を察すると1番に発言する。
「聞いた通り、東京A市内に怪獣が出現した。」
「A市内って・・・・近くにハルキの家とミコの家がある辺りじゃない‼︎」
「大丈夫だ‼︎ハルキとミコにも声を掛けておく。大至急現場に向かい、近隣住民の避難にあたれ‼︎トモミと怪獣娘に目覚めて一年に満たないメンバーはこの本部で待機‼︎」
『了解‼︎』
「出現した怪獣はどんな怪獣だったんですか⁉︎」
「今、それも分析中だ。それまで待て。」
再びヘビクラがモニターに目を向けると同時に指令室の職員が声を上げる。
「ヘビクラ隊長‼︎ピグモンさん‼︎出現した怪獣が特定出来ました‼︎」
「一体何が現れた?」
「は、はい・・・・・現れたのは・・・・・どくろ怪獣『レッドキング』です‼︎」
『⁉︎』
その場にいたメンバーが目を見開いて驚いた表情をする。驚くと同時に思わずアギラ、ガッツ星人(マコ)の4人がレッドキングに目を向けた。
「レッドキングって・・・・まさか⁉︎」
「本物のレッドキングが出たっていうの⁉︎」
「お、おいお前ら何で俺を見るんだよ・・・・。」
「確認します‼︎本当にレッドキングだったんですね⁉︎」
「ま、間違いありません‼︎これを見て下さい‼︎」
ピグモンの声で職員の1人がモニターに映像を映す。そこでは黄色い蛇腹の自分達にとって馴染みの深い怪獣娘の元となったあのどくろ怪獣『レッドキング』が街で暴れ回っている光景だった。
『ピギシャアアアアアアアア‼︎』
「マジじゃん‼︎本物のレッドキング‼︎」
「これが先輩のカイジューソウルの怪獣・・・レッドキング・・・。」
「・・・・・キングジョー・GIRLSカスタムは出せマスカ?」
ザンドリアスとミクラスが目の前のモニターに映るレッドキングを見て現実を実感してる中、キングジョーがピグモンに訊ねる。ピグモンはキングジョーの意図を察すると否定の言葉を上げる。
「まさか・・・キンキン、危険です‼︎確かにキングジョー・GIRLSカスタムは整備を終えている状態ですが・・・・まだシュミレーション訓練を十分に行った訳じゃありません‼︎」
「ワタシはA判定を受けてイマス‼︎それに・・・あのロボットはワタシのカイジューソウル・・・・つまりもう1人のワタシデス‼︎何としてでも‼︎乗りこなしてみせマス‼︎」
「・・・・・・・。」
キングジョーはピグモンの反対の声に答え切った。それを黙って聞いていたヘビクラはモニターに映る暴れるレッドキングを見て暫く沈黙する。そしてキングジョーに目を向けた。
「・・・・・分かった。キングジョー・GIRLSカスタムの出撃を許可する。」
「本当デスカ⁉︎」
「へ、ヘビクラさん⁉︎待って下さい‼︎もしもの事があったら‼︎」
「ただし・・・・無理や無茶な操縦はするな。」
「ハイ‼︎」
「よし・・・・キングジョー・GIRLSカスタム、出撃準備に入れ‼︎」
『了解‼︎』
そしてGIRLS東京支部のキングジョーが保管された倉庫でキングジョーが発進態勢に入る。そのコクピット内ではキングジョーが出撃に備えていた。
「いよいよデスネ・・・・まさかワタシが本当にキングジョーに乗る日が来るなんて思いもしませんデシタヨ・・・・。」
『キンキン、準備はいいですか⁉︎』
「勿論デス‼︎」
『では‼︎』
『フォースゲート、オープン‼︎フォースゲート、オープン‼︎』
キングジョー・GIRLSカスタムの姿が日の目に晒される。そして完全に倉庫の屋根が開いた時、キングジョーの背中のブースターが点火された。
「キングジョー・GIRLSカスタム、発進シマス‼︎」
そしてキングジョー・GIRLSカスタムはブースターで飛び上がり、レッドキングが暴れる地に向かっていった。
そしてハルキとミコはハルキの自宅でトモミからの通信を聞いていた。
「本物のレッドキングが近くに来てる⁉︎本当ですか⁉︎」
「ハル、間違いないよ‼︎さっきから大きな音が聞こえる‼︎大きな何かが地面を揺るがす音が‼︎」
ミコの声を聞いたハルキは耳を澄ます。すると大きな地響きが聞こえてきた。ハルキはピグモンからの通信が本当だと分かると再びピグモンと通信する。
「ピグモンさん‼︎確かにここからも聞こえました‼︎怪獣の地響きが聞こえてきます‼︎」
『事態を見て遂にキングジョー・GIRLSカスタムが出撃しました‼︎今、キンキンが操縦しています‼︎』
「おジョーが⁉︎」
『ハルハル‼︎ガツガツ‼︎今、他のメンバーも避難誘導などのためにそちらに向かっています‼︎皆と合流して直ちに市民の避難誘導、救助にあたって下さい‼︎』
「了解‼︎」
「母さん、悪いけど行ってくる‼︎母さんは避難所に向かってくれ‼︎」
「ハルキ、ミコちゃん‼︎アンタらはどうすんだい⁉︎」
「仕事‼︎」
「分かった‼︎2人とも気をつけるんだよ‼︎」
2人は靴を履いてジュンコの問いに答えると彼女の姿を背に外へ飛び出していく。2人が走っていくと目の前で道路や車を踏み潰し、爆炎を上げる中、街を進撃するレッドキングの姿が見えた。
「ピギシャアアアアアアアアアア‼︎」
「うわっ⁉︎マジで本物のレッドキングじゃん‼︎」
「本物のレッドキング・・・・まさかこの目で見れる日が来るなんて‼︎」
2人は思わずレッドキングに目を向けるが怪獣から逃げ惑う人々を見るとすぐ様にそちらの方へ走って行く。2人は人々の避難誘導を始めた。
「皆さん、慌てないで‼︎落ち着いて下さい‼︎」
「押さないで‼︎皆、慌てないで落ち着いて避難して‼︎」
「皆、慌てないで‼︎落ち着いて避難して‼︎」
「避難所はこちらです‼︎皆さん、慌てないでください‼︎」
「それにしても・・・・まさか本物のレッドキングが現れるなんてよ・・・・・俺のカイジューソウルが疼くわけだぜ・・・・・。」
一方で街にやってきたゴモラ達も市民の避難誘導をしていた。レッドキングは目の前の自身の元になった怪獣の姿を見て思わず呟いている。怪獣娘達が市民を避難させる中、キングジョー・GIRLSカスタムがレッドキングの前に着陸した。キングジョー・GIRLSカスタムは目の前のレッドキングを確認すると右腕に搭載されたヘダニウム粒子砲を向ける。
「食らいナサイ‼︎」
「ピギシャアアアアアアアアア‼︎」
ヘダニウム粒子砲から放たれた光弾がレッドキングの体に火花を散らす。しかし、レッドキングは怯まずに前進するとキングジョーの体に拳を放つ。レッドキングの力強い拳にキングジョーは思わず後退してしまった。
「ぐっ⁉︎」
キングジョーの機体に大きな衝撃が入った時、キングジョー(怪獣娘)にもダメージが入る。実はキングジョー・GIRLSカスタムは操縦する怪獣娘によって様々な特性が現れる。キングジョー(怪獣娘)が操縦すると彼女の目線から敵を確認出来るため、彼女の動きに合わせて操縦出来るのだが、彼女の中立神経とキングジョーが同化するため、機体のダメージを彼女も受けるのである。
「流石レッドキングデス・・・凄い馬鹿力デスネ・・・でも、powerならこっちも負けまセンヨ‼︎」
キングジョーは操縦席の左腕部分に触れる。するとキングジョーの機体の左手が握り拳を作る。そして真っ直ぐ突進してきたレッドキングに伸縮する左腕からの一撃が決まる。
「ピギシャアアアアアアアアア‼︎」
左腕の殴打を受けたレッドキングは後ろに下がると近くにあったビルを引きちぎりキングジョーに投げつけてきた。思わぬ飛び道具にキングジョーは驚くも左腕で弾き返す。しかし、レッドキングは近くにあるビルを引きちぎってはそれを投げ付けてくる。キングジョーは両腕を振り回してビルを弾きながらレッドキングに向けて進撃する。そしてレッドキングとキングジョーの格闘戦が始まった。レッドキングの拳を受け流しながらキングジョーは両腕でレッドキングに打撃を与えていく。ハルキとミコが変身したガッツ星人はそれを見て感嘆な声を上げる。
「ピギシャアアアアアアアアアア‼︎」
「凄え・・・あのレッドキングとパワーで渡り合えてる・・・・・。」
「おジョーのセンス半端ないね・・・・。」
レッドキングも負けじとキングジョーに拳を叩き込む。キングジョーは両腕で何とか防ぐも拳の一発がキングジョーの顔面に命中する。レッドキングが放つ剛力の拳にダメージを受け操縦席のキングジョー(怪獣娘)は顔に大きな痛みを感じて顔を歪める。
「ぐっ⁉︎」
そしてレッドキングの打倒の拳による追撃がキングジョーに叩き込まれる。何度もレッドキングの拳を受けたキングジョーは5発目の拳で地面に大きな土煙を上げて倒れる。
「ピギシャアアアアアアアアアアア‼︎」
「キングジョーさん‼︎」
「おジョー‼︎」
地面に倒れたキングジョーを見てそちらの方に走って行こうとするハルキとガッツ星人。その時、ハルキの目の前に親とはぐれたのか泣いている小学生くらいの子供の姿が映る。
「うえええええええん‼︎パパ何処ぉ⁉︎ママ何処ぉ⁉︎助けてウルトラマン‼︎助けてぇ‼︎」
「⁉︎」
そしてその子供のところにキングジョーを退けたレッドキングが進撃しようとしていたのが見え、ハルキはそれを見て昔の記憶を思い出していた。
「ピギシャアアアアアアアアアアア‼︎」
「・・・・・・‼︎」
小学生の頃のハルキの目に煙を上げる火山が映る。ハルキが小学生の頃、家族でキャンプに出掛けた先で突然火山が噴火したのだ。ハルキとジュンコは避難所に集まった人達の元で火山の噴火から避難していた。そこにマサルが走ってきた。
「ハルキ、無事か⁉︎」
「う、うん・・・大丈夫。」
「そうか・・・・・ハルキ、母さんを頼めるか?」
「え・・・・・え?父さんは?」
「俺は1人でも多くの人達を助ける‼︎ハルキ、お前が母さんを守れ‼︎」
「父さん・・・・。」
ハルキは父の言葉を聞いてもうこれっきり目の前にいる父親に会えないような嫌な予感がしていた。だからこそ、ハルキはマサルを呼び止める。
「待って‼︎父さん、行かないで‼︎」
「・・・・悪い、ハルキ。父さんはレスキュー隊のメンバーの一員として多くの人達を見捨てる訳にはいかないんだ。」
「父さん・・・・。」
「大丈夫だ、また会える。母さんを頼むぞ、ハルキ‼︎」
「父さん!待って・・・・父さぁぁぁぁん‼︎」
マサルはそう言って幼い息子の頭を撫でると再び噴火した火山に向かっていく。そしてその走る後ろ姿がハルキが父親を最後に見た瞬間だった。
時は流れ現代、その姿を見てハルキは思わず子供のところへ向かっていく。キングジョーに向かって走っていくガッツ星人が自身に気付いてない事を確かめるとハルキはウルトラゼットライザーのトリガーを引いてヒーローズゲートに飛び込んでいく。そしてハルキはウルトラアクセスカードをゼットライザーに読み込んだ。
〈Haruki Access Granted〉
ハルキはレッドキングのパワーに対抗する為にベータスマッシュに変身するのに必要なメダルを取り出した。
「真っ赤に燃える、勇気の力‼︎」
「マン兄さん、エース兄さん、タロウ兄さん!!」
〈ULTRAMAN〉〈ACE〉〈TARO〉
『ご唱和ください、我の名を!ウルトラマンゼェット!』
「ウルトラマンゼェェェット‼︎」
〈ULTRAMAN Z BETA-SMASH〉
ハルキの姿は赤い力に長けたウルトラマンゼットのパワー形態であるベータスマッシュの姿に変わっていた。
シン・ウルトラマンの情報も明かされていきますね。実に楽しみです‼︎