後半はメインヒロインとのラブコメがあります。今回の話に合わないかもしれない描写が出ますがどうかご了承下さい。
ハルキはキングジョー・GIRLSカスタムの前に佇んでいた。その目はGIRLSカスタムの巨大な機体を見上げながらも迷いが生じている。ハルキが目線を下に向けると後ろからミコが肩を叩いてきた。
「ハル‼︎」
「⁉︎・・・ミコ・・・どうしたんだよ。」
「どうしたはこっちの台詞だよ。どうしたの?何か悩み事?」
「それは・・・まぁ・・・。」
ハルキがミコから顔を背けてGIRLSカスタムを見上げる。ミコはハルキの隣に立って話し掛ける。
「だったら・・・打ち明けちゃいなよ。下手に無理して1人で抱え込むとわたしみたいになっちゃうよ。知ってるでしょ、マコは」
「1人で色々無理していた時期にシャドウミストにお前が取り憑かれた結果、誕生した・・・だろ?そして・・・シャドウミストに乗っ取られたマコがミクラスさんを襲って一時は全ての怪獣娘の活動が中止になった・・・それはGIRLSに入った時にお前から全て聞いたから知ってる・・・。」
「でしょ。だから、わたしを頼りなよ。アギも言ってたよ。人に頼らないのは弱い事じゃないって。」
ミコの言葉を聞いてハルキは暫く黙り込む。彼女の言葉で少し心が落ち着いたハルキはミコに向き合った。
「今までは何も考えずに怪獣と戦ってきた・・・けど、先日のレッドキングの件で漸く理解した・・・怪獣も1つの命なんだって・・・そんな当たり前の事を・・・分かり切っていた事を・・・・・・俺は全然・・・・・・頭に入れていなかった・・・。」
「ハル・・・?」
「なぁ、怪獣を倒す事が本当に正しい事だと思うか?あのレッドキングは自分の子供を守ろうとしただけだ‼︎ライデンだって、誰かに改造されて利用されているだけかもしれないんだぞ‼︎それなのに・・・ただ単に・・・一方的に攻撃して倒すのが本当に正しい答えだと思うか⁉︎」
ミコはハルキの疑問を一通り聞くと思わず幼馴染の顔から目を背ける。彼女がどう答えればいいか考えているとトモミが割って入ってきた。
「成る程、最近のハルハルはそれで悩んでいたのですね・・・。」
「ピグモンさん・・・。」
「ピグっち⁉︎」
「・・・ハルハルの気持ちは痛い程分かります。私も先日のレッドキングを見て大事な事に気付こうとしませんでした・・・。怪獣も1つの命だと言う事に・・・。」
「ピグモンさん・・・。」
下を向きながら話すトモミにハルキだけじゃなく他の怪獣娘達も表情を曇らせる。しかし、そんなトモミの言葉を表情を変えずに黙って聞いていたランが口を開いた。
「怪獣に何、同情しているの?怪獣を倒さなければもっと多くの被害が出ていたわ。怪獣と戦う事に躊躇うくらいなら手を引きなさい。」
「ちょっとエレ‼︎アンタ、なんて事言うのよ‼︎」
「別に・・・客観的に真実を述べただけよ。」
「だからってアンタねぇ‼︎」
「おい、ガッツ‼︎」
「ガッちゃんも少し落ち着いて‼︎」
ランの言い方にミコが思わず食って掛かる。一方的に睨み合うミコをベニオとミカヅキが割って入り、仲裁した。
「・・・っもう・・・エレちゃんってばさぁ・・・。」
「お前なぁ・・・ハルキの気持ちも考えてやれよ。」
ランに苦言したベニオはハルキに向き合う。彼女に釣られてミカヅキもハルキとミコに向き合った。
「ハルキ・・・お前の気持ち・・・俺にはよく分かるよ。・・・実を言うとな・・・あの時のレッドキングを見た時、俺は何か引っかかるものを感じたんだ。そしてゼットとの戦いを通じて・・・・・・2体とも自分の子供を守ろうとしていたって事に漸く気付いた。御免な。もう少し早く気付いて行動してれば・・・こんなに悩む事は無かっただろうに・・・。」
「レッドキングさん・・・。」
「俺を避けるのも・・・レッドキングの怪獣娘である俺を見て・・・あの2体を思い出しちまうからだろ。悪かったな、お前の事も考えずに・・・。」
「いえ・・・俺が・・・レッドキングさんとあのレッドキングを勝手に重ねて・・・しまっただけです。だから・・・レッドキングさんは何も悪くありません。」
「ハルキ・・・ありがとよ。」
ベニオが口を閉じたと同時にミカヅキが前に出る。ミカヅキはハルキの前に立つと彼に向き合った。
「確かに・・・ハルちゃんの言う通り・・・あのレッドキングは自分の子供を守るために現れたね・・・。でもね、ハルちゃん・・・あのレッドキングはハルちゃんの家の近くに現れたんでしょ?」
「ええ・・・。」
「わたしもあの近くに住んでるよ。」
「ハルちゃんの気持ちはわたしも分かるよ。・・・ううん、わたしだけじゃない。ここにいる皆全員が感じてるよ。本当に怪獣を倒す事が正しいのかって・・・勿論エレちゃんも。」
ハルキはミカヅキの言葉に驚いてランを見る。すると彼女は思わず目を背けた。ミカヅキの言葉が本当だったらしい。ランに続いてかぷせるがーるず、ザンノイコンビにマガコンビ、セブンガーも思わず下に視線を向ける。ハルキが彼女達もその悩みを抱えていたと知ると再びミカヅキな口を開く。
「でもね、どうしても戦わなきゃならないことだってあると思うの。あの時のレッドキングを放置していたらハルちゃんのたった1人の家族であるお母さん・・・幼馴染のガッちゃんの両親・・・学校の友達・・・大切な人を失っていた可能性もあるんだよ。」
「それは・・・・・・確かにそうかもしれませんけど・・・でも‼︎」
ハルキはミカヅキの言葉を理解するも納得が上手く出来ずにいる。そこに隣のミコも口を開いた。
「ハル、ゴモの言う事は間違ってないよ。」
「ミコ・・・お前・・・。」
「卵から孵った子供が餌を求めて街にやってきたら・・・わたし達の家族や学校の皆が・・・危険に晒される事になるんだよ。・・・今なら分かるんだ・・・なんでこの星から怪獣がいなくなったのか・・・その答えが・・・。」
「・・・そうだな・・・今、この星にはもう・・・怪獣達には居場所はない・・・。」
「勿論、戦わずに・・・解決出来れば・・・それに越した事はないよ。・・・でも・・・怪獣達が現れて・・・多くの人達が命の危機に晒されるような時は・・・可哀想だけど・・・・・・戦うしかないよ・・・。」
「ミコ・・・レッドキングさん・・・ゴモラさん・・・。」
3人の言葉を聞いたハルキは今度はアキ達の方を向く。すると彼女達の意見を聞く。
「アキさん達は・・・どう思う?」
「えっ⁉︎・・・それは・・・。」
「何と・・・言うか・・・。」
「・・・・・・御免なさい・・・私達は・・・上手く答えられません・・・。」
ミコ達と比べるとGIRLSに入ってまだ日が浅いアキ達はハルキの問いに答えられずにいた。そんな中、黙っていたミサオが口を開く。
「アタシは・・・やっぱり戦うしかないと思う・・・。」
「ノイズラー・・・アンタ・・・。」
「バッサー、ヘビクラさんも言ってただろ。卵が孵ったら2体のレッドキングが街に現れて人を襲う事になるかもしれないって。あの言葉はアタシ・・・間違ってないと思う・・・。」
「それは・・・そうかもしれないけど・・・そう簡単には・・・割り切れないよ。」
「アタシだって完全に納得した訳じゃないよ‼︎・・・でも、これを見て・・・。」
ミサオは自身のソウルライザーを見せる。画面を覗き込むヨウとユカが画面を見るとそこには怪獣のせいで苦しんでいたところをミサオとサチコのライブで心が救われたという書き込みが無数に書かれたチャットだった。
「怪獣のせいで・・・怪我をして・・・家を失って・・・大切な人を失って苦しんでる人達がいる・・・それだけは間違いなく事実だよ。・・・だから・・・アタシ達には・・・GIRLSとして・・・そして・・・そんな怪獣の魂を宿した怪獣娘として・・・怪獣と戦う義務がある・・・そう思う・・・。」
「ノイ・・・。」
ミサオの言葉にハルキはその場で何も言えずに彼女の言葉を聞くだけだった。
その日の翌日、GIRLSのトレーニングルームでハルキはランニングマシーンで走っていた。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」
その脳裏には自身がウルトラマンとして2番目に戦ったアリゲラの姿が思い浮かんだ。何の為に地球にやってきたのかも考えずに宇宙からやってきた高速で飛ぶ宇宙怪獣を倒して良かったのかという迷いを振り払うようにハルキは走り続ける。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」
ハルキは今度はダンベルを背中に背負いながら腕立て伏せをしていた。その脳裏には突如、お台場に現れたジラースの事が思い浮かんでいた。何故、お台場の海から現れたのかその原因を考えずに倒した事が正しかったのかと考える脳を振り払うように体を動かす。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」
今度はテレスドンの姿が思い浮かんだ。GIRLSに入ってから後にテレスドンが現れた原因が人間による地下開発で住処を奪われたからではないかという多岐沢の考察を聞いた事を思い出す。ハルキは人間のせいで住処を追われた可能性の高いテレスドンとの戦いを振り切るように腹筋をする。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ハァ・・・。」
今度はサンドバッグに向かって拳、足をぶつけていた。その脳裏にはペギラの事が思い浮かぶ。自身の大切な幼馴染を氷漬けにして凍死させかけたとはいえ宇宙の何処かで封印されてはるばる経って漸く日の目を見る事が出来たペギラを簡単に倒して良かったのかという疑問を忘れるように拳と足をサンドバッグに叩き込む。
「うおおおおおおおおおおお‼︎」
今度は手首足首に重りをつけてサンドバッグに拳を叩き込む。その際に自身が倒した雄のレッドキングが脳裏に蘇る。ハルキはその幻影を振り払うように力強く何度も拳を撃ち込んだ。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・。」
ハルキは自身の迷いを振り払うようにトレーニングルームで特訓に励むが長い時間の間、水分も取らず体を動かし続けていたために息切れを起こしていた。思わず崩れ落ちるも頭を振り払い、意識を無理矢理呼び起こす。
「ハ・・・ハル・・・何してるの?」
「ミ・・・コ・・・?」
ハルキは幼馴染の姿がおぼろげに見える。そして次の瞬間、ハルキの頭は崩れ落ち、意識が消えた。
「ハル‼︎」
「う・・・ううん・・・。」
「ハル、気がついたの⁉︎」
ハルキは目を覚ますとすぐ目の前に自身が目覚めた事で安堵した表情のミコの顔が浮かぶ。ハルキは自分に何が起こったのか把握しようと周りを見渡そうとする。
「俺は・・・?」
「動いちゃ駄目‼︎ハルってば脱水症状を起こしてたんだから‼︎」
「脱水症状・・・俺が・・・?」
「そうだよ‼︎ハルがトレーニングルームに向かったと聞いて来てみたらフラフラになって倒れるんだもん‼︎本当にビックリしたよ‼︎」
ハルキは自身に何が起こったのか把握する。水分も取らず体を動かし続けて倒れた事もそんな自分を心配して目の前の幼馴染が付き添ってくれた事も全て理解した。
「ミコ、すまない、心配かけて・・・。」
「もう、本当だよ‼︎心配させたお詫びに今度、買い物付き合ってよね‼︎」
「ああ・・・幾らでも付き合うぜ。」
ハルキが同意を取ると思わず右に顔を向けて寝返る。するとハルキの頬に柔らかくて健康的な肌色と暗がりの中に白い何かが目に映った。それが何か確かめるために後ろを振り向くとGIRLSの制服であるミニスカートから伸びるミコの太ももが映った。実はハルキは今までミコに膝枕されていたのだ。
「ちょっ⁉︎ミコ⁉︎お前・・・‼︎」
「ハル‼︎急に動いちゃ駄目‼︎ちゃんと寝てて‼︎」
「そんな事言ってもよ・・・。」
「いいから‼︎」
(しょーがねえだろ‼︎さっき寝返った時、お前の・・・白い・・・アレが・・・一瞬チラッと見えちまったんだから‼︎)
ハルキは飛び起きようとするがミコに頭を抑えられる。仕方なくそのままミコに膝枕されるもハルキは寝返った時に一瞬だけ見えたミコの下着を思い出して頬を赤くするも、この状況でそれを言ったら殴られると思い、必死に黙りながら先程寝返った方向とは逆に寝返った。ハルキはミコの綺麗でスベスベした太ももの感触を感じて、ミコは想い人である幼馴染を膝枕しているため、お互いの体温を感じてそのまま暫くの間、沈黙が続いた。そのまま黙り続けているとミコが口を開いた。
「・・・ねぇ、ハル。」
「あ?」
「何で倒れるまでトレーニングしてたの?確かにハルは空手やってるし・・・リクを狙ったアンドロイドとかバロッサ星人とも戦ったけど・・・基本的にここは怪獣娘のトレーニングルームだよ。」
「・・・怪獣娘以外は使っちゃ駄目とは言われてないだろ。」
「それはそうだけど・・・ここのトレーニング機器は怪獣娘用に調整されているから普通の人間にはかなりキツイ筈だよ。」
「・・・これまで現れた怪獣の事を考えてた・・・。」
「もしかして・・・あのレッドキングの事を振り切りたくて?・・・ねぇ、少し聞いていい?」
「・・・何だ。」
「何で・・・ハルがあのレッドキングの事でそんなに頭を悩ませるの?そりゃ確かにハルもあの現場にいたけど基本的に怪獣と戦うのはわたし達怪獣娘なのに。」
「・・・・・・。」
「それに・・・ゲネガーグが現れてから・・・ハル、何かわたしに隠し事してない?」
「⁉︎・・・どうしてそう思うんだよ⁉︎」
「分かるよ。長いあいだ会わなかったとはいえ・・・わたしはハルの幼馴染なんだよ。それくらい分かるよ・・・。」
「ミコ・・・。」
「ねぇ、何でそんなに悩むのか教えて。もし、誰にも知られたくない秘密なら誰にも言わない。アギにも・・・勿論マコにも‼︎だから・・・何か悩みがあるならわたしだけにでも打ち明けて。」
(・・・もう・・・・・・限界かな・・・。)
ミコの優しい声にハルキは思わず心を迷わせる。ハルキはゆっくり起き上がる。
「あのさ・・・ミコ・・・実は・・・俺・・・。」
ハルキは懐からゼットライザーを取り出して自身の秘密を打ち明けようとする。その時、緊急事態を告げるサイレンがGIRLS東京支部全体に鳴り響いた。
怪獣娘の世界はありとあらゆる怪獣が地球から消えた訳ですが・・・何故、リトラとかピグモンとかリドリアスとか温和的で人類とも共存できそうな怪獣達まで滅びたのでしょうか?
大気汚染などで変わっていく地球の環境に適応出来なくて絶滅したのか・・・実に不思議です・・・。