コイン怪獣『カネゴン』登場
『ダークロプスゼロ』登場
ここはかつて惑星チェイニーと呼ばれる惑星が存在した付近の宇宙空間である。かつてこの付近に存在した惑星チェイニーではサロメ星人と呼ばれる宇宙人が自身が作ったウルトラ兄弟の姿を模したロボットをあらゆる並行宇宙に送り込み、宇宙侵略を目論んでいたのだが、ゴモラを操る地球の怪獣使いの青年とウルトラマンゼロとの戦いで完全に惑星は崩壊し、辺りには星屑が浮かぶだけの筈だった。
そこに1つのオレンジ色の欠片が漂流してくる。それは惑星チェイニーが滅びるきっかけとなった存在を作ったウルトラマンベリアルの欠片『デビルスプリンター』だ。宇宙空間を漂うデビルスプリンターの周りに黒いオーラが集まってくる。それはデビルスプリンターに集まっていくとやがて人形に変化していく。そして完全に黒いオーラが晴れるとウルトラマンゼロに似た黒とオレンジのカラーリングので単眼の巨人が姿を現した。かつてベリアルがゼロに似せて作ったロボット『ダークロプスゼロ』がデビルスプリンターの力で復活した瞬間だった。
そんな事が起きている事を知らないGIRLSや怪獣娘が存在する宇宙の地球ではGIRLS東京支部でハルキとミコが2人きりで1つのベンチに隣合わせで座っていた。先程の状況がきっかけで2人の間には気まずい空気が生まれている。
「・・・。」
「・・・。」
2人はお互い無言で黙り合っている。何を言えばいいのか分からず2人が黙り合う中、先に口を開いたのはハルキだった。
「ミコ・・・お前・・・いつから俺がウルトラマンだと?」
「・・・・・・あのレッドキング以来・・・かな。あの日以来、ハルの様子・・・おかしかったから。」
「マジか・・・。」
「・・・いつからなの・・・?」
「・・・何が?」
「いつから・・・ハルはウルトラマンになったの⁉︎・・・いつからウルトラマンゼットとして怪獣と戦ってたのよ⁉︎」
ミコの問いかけにハルキは黙り込む。このまま隠しきれないと感じたハルキは数十秒後、再び口を開いた。
「・・・ゲネガーグが・・・現れたあの日から・・・・・・。」
「そんな・・・ずっと前からじゃない・・・。あの日の時点でわたしがGIRLSの怪獣娘だって知ってたよね・・・少なくともわたしには話すべきだったでしょ・・・。」
ハルキの答えを聞いたミコはベンチから立ち上がると彼に背を向ける。そのままハルキに背を向けて数十秒後、再びミコはハルキに顔を向ける。ミコは厳しい目に涙を溜めながら激しく問い掛けた。
「何で・・・ずっと黙ってたの?」
「御免・・・。」
「どうして話してくれなかったの⁉︎どうしてずっと黙ってたのよ・・・わたしってそんなに頼りないの⁉︎ハルに信頼されてないの⁉︎」
「違う‼︎俺は・・・お前を信用していなかった訳じゃない‼︎俺はただ・・・お前や・・・皆を・・・‼︎」
ハルキは言葉に詰まり、口を閉ざす。瞼に溢れそうな涙を溜める幼馴染の顔に確かに目を向けて重い口を開いた。
「俺は・・・ただ・・・皆を守りたかっただけだ・・・!ゼットさんから言われたんだ。『俺達の関係は誰にも話すな』って・・・もし俺達の秘密が知られたら・・・俺の身近な人達にも危険が及ぶからって・・・だから・・・ずっと話せずにいたんだ・・・。」
「・・・・・・。」
「ミコ、今まで黙っていて本当に御免・・・本当に御免・・・。」
ハルキは頭を下げてミコに謝る。今の自分に出来る事はこれしかないと思ったハルキはそのままミコに頭を下げ続けていた。2人の間に沈黙が再び流れる。その時、ハルキとミコの横を何かが通り過ぎた。
「「⁉︎」」
何かの気配を感じたハルキとミコは気配がした方を同時に振り向く。しかし、既にそこには誰もいなかった。
「なぁ・・・ミコ・・・今さ・・・。」
「うん・・・感じた・・・・・・今、そこに・・・何か・・・いたような・・・。」
「「・・・・・・。」」
2人は先程の様子とは打って変わって後ろから感じた気配に警戒する。背中合わせになりながら辺りを警戒すると再び先程後ろを通りかかった何者かが通りすがる。2人はその気配に気付き、振り向くとそこには大きな財布のジッパーみたいな口と2本に飛び出した目を持つ金色の怪獣がいた。突然現れた怪獣に先程まで気まずい雰囲気だった2人は思わず驚いて叫び出す。
「「うわああああああああああああああああ⁉︎」」
ハルキとミコは思わず体を抱き合って怪獣から離れる。2人が距離を離した時、目の前の怪獣は突然倒れた。
「「えっ⁉︎」」
2人は顔を見合わせると目の前で倒れた怪獣に目を向ける。その様子に先程までの気まずい雰囲気を忘れた2人は顔を見合わせて目の前の怪獣について話し合う。
「ねえ、あれ・・・どう見ても怪獣だよね・・・。」
「ああ・・・俺もそう思う・・・。」
「突然倒れちゃったけど・・・どうする?このまま放っておくのも跡見悪いし・・・。」
ミコの言葉にハルキも渋々頷くと目の前の怪獣に向かっていく。ハルキは怪獣の前でしゃがむと話しかけた。
「おーい、大丈夫かー?」
「・・・・・・。」
「ねぇ、生きてる?」
「・・・お腹・・・。」
「「へっ?」」
「・・・お腹・・・空いた・・・。」
「「・・・・・・喋ったぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」」
2人は目の前で倒れた怪獣が喋った事に揃って声を上げて驚く。すると怪獣は何か見つけたかのように臭いを嗅ぐ。すると怪獣は立ち上がってハルキの腰に備えられたメダルホルダーに目を向けた。
「へっ⁉︎・・・ま、まさか・・・。」
「?」
ハルキは腰に目を向けて警戒するもホルダーが見えないミコは首を傾げている。そんな中。怪獣はあっという間にメダルホルダーを引ったくってしまう。
「あー‼︎俺のメダルホルダー‼︎」
「?・・・メダルホルダー?何言ってるの?」
「マズい・・・ミコ!アレを取り返すぞ‼︎」
「えっ?・・・えっ・・・?えっ⁉︎何?あの怪獣、ハルから何か奪ったの?わたしには何も見えないんだけど・・・。」
「ああ・・・そういえばホルダーって地球人には見えない物質で出来てるんだったぁぁぁぁ‼︎もういい!俺1人で取り返す‼︎」
ハルキは慌てながら怪獣を取り押さえようとするが怪獣は既にメダルホルダーを開き、ウルトラメダルを口に放っていく。ハルキは慌てながら怪獣を抑えてホルダーを取り返すが既にメダルは1枚も残っておらず全て怪獣に食べられた後であった。
「俺のウルトラメダルがぁぁぁぁ‼︎」
「ね、ねぇ・・・今、何もないところからメダルが・・・出て来たけど・・・。」
「今、あいつに奪われたホルダー、地球人には見えない物質で出来てんだよ‼︎そんでその中に俺がゼットさんに変身するのに必要なウルトラメダルが入ってたんだよ‼︎」
「ああ、成る程・・・地球人には見えない・・・ってええ⁉︎」
ミコはハルキの言葉に驚きを隠せない。そんな中、メダルを食べて力を取り戻したのか立ち上がった怪獣はハルキとミコに挨拶した。
「こんにちは、僕、カネゴンって言います。」
「・・・ああ、俺は冬河ハルキ・・・。」
「わたしは印南ミコ。ガッツ星人の怪獣娘でハルの幼馴染よ。」
「・・・じゃなくて‼︎何でメダルを食べちゃったんだよ⁉︎」
2人は目の前のコイン怪獣『カネゴン』の呑気な雰囲気に釣られて思わず自己紹介してしまったがハルキは冷静になってカネゴンを問い詰める。
「僕ね、お金が食べ物なんだ。」
「へー、お金が食べ物ねぇ・・・お金が食べ物⁉︎」
「うん‼︎」
「マジで⁉︎大丈夫なの⁉︎お腹壊しそうだけど・・・。」
「全然平気だよ。」
「あれはお金じゃなくてウルトラメダル‼︎とにかく吐き出せ‼︎」
ミコがカネゴンの食べ物に驚く中、ハルキはカネゴンに詰め寄り、口を無理矢理開いてウルトラメダルを吐き出そうとする。しかし、カネゴンに抵抗されて逆に自分が噛み付かれた。何とかカネゴンの口から脱出するとハルキはその場に腰掛ける。
「ひゃ、ひゃめてよ〜!」
「イデデデデ‼︎」
「は、ハル・・・大丈夫?」
「ああ・・・何とかな・・・仕方ねえ・・・ミコ、掃除機持ってきてくれないか?」
「えっ、いいけど・・・。」
ミコは掃除機を取りに何処かへ走っていく。数分後、ミコが持ってきた掃除機を手に取ったハルキはカネゴンの口に突っ込もうとした。
「ちょっと⁉︎ハル、何する気⁉︎」
「掃除機でメダルを吸い寄せる‼︎」
「や、止めてよ〜‼︎」
ハルキは力づくでカネゴンの口に掃除機を突っ込み、メダルを回収しようとする。しかし、カネゴンは必死に抵抗して、逆に掃除機を奪い取ってしまった。
「負けない!負けないぞ‼︎」
「御免御免‼︎冗談だって‼︎本当に悪かったから‼︎」
「もう・・・ハルったら・・・。」
呆れるミコの前でハルキは自身に掃除機を向けてくるカネゴンを宥める。別の方法に切り替えてウルトラメダルを回収しようと考えたハルキは今度は何処から調達したのか磁石を手に持ち、カネゴンのお腹にくっつける。何故、方法に切り替えのかには理由がある。以前、磁石にウルトラメダルがくっついた事があるからだ。そこでハルキはカネゴンのお腹に磁石を当て、ウルトラメダルを口まで運ぶ作戦に出たのである。
「ちょっ⁉︎じっとしてろ‼︎動くなって‼︎」
「アハハハハハ‼︎擽ったいって〜‼︎」
しかし、磁石が動いて擽ったく感じたカネゴンがその感覚に耐えられずに動いて逃げてしまい、この作戦も失敗に終わってしまう。作戦が2つとも失敗した事にミコはため息をついていた。
「ハァ・・・。」
2つの作戦が失敗に終わった事でハルキは新たな作戦に思いつく。今度はカネゴンと一緒にヨガを始めていた。ハルキは便秘によく効くヨガをする事でウルトラメダルを出させようと考える。ハルキは仰向けになって背中の下に肩を入れる。その横で何故かミコも同じ動きをしていた。
「何でわたしまでヨガやってんの・・・?」
「いや、お前が勝手に始めたんだろ。」
「まぁそうなんだけど・・・何でヨガなのよ・・・。」
「はい、息を吸って〜!吐いて〜!」
「え〜、無視〜・・・?」
「吸って〜?吐い・・・うわわわわわわ⁉︎」
しかし、カネゴンが体の体型状、ヨガの動きについてこれずこの作戦も失敗に終わってしまった。ハルキは3つの作戦が全部失敗に終わった事で意気消沈してしまう。
「ああ・・・どうすりゃいいんだよ・・・。」
「ハル、しっかりして‼︎その・・・珍妙な作戦は失敗に終わっちゃったけど・・・きっと何とかなるって‼︎」
「けどよ〜・・・あれが無いと俺は・・・。」
「あ、あのさ・・・。」
頭を悩ませるハルキを励ますミコの横に立ったカネゴンはハルキに向かって問い掛けた。
「あのお金、そんなに大事なものだったの?」
「いや、あれはお金じゃなくてウルトラメダル。俺がゼットさんから託された大事な物なんだ。」
「ゼットってもしかして胸にZって書かれた大きな人?」
「そうだけど・・・知ってるの?」
「あのお金を食べた時、頭の中にババっと浮かんだんだ。ハルキがこうやって『ウルトラマンゼェェェェット』ってやってるのが見えたよ。ハルキの知り合いなの?」
ハルキは腕を組んで考え出す。考えてから数十秒後、ハルキは2人の顔を見ると決意を決めて語り出した。
「丁度いいや。俺がゼットさんからメダルを託された訳とあの日の事全部、話す事にするよ。」
ハルキの声を聞いてミコとカネゴンはハルキの顔に目を向ける。2人が自分に目を向けた事を確かに見たハルキは語り出した。
「きっかけはウルトラマンの故郷である光の国にゲネガーグが襲来した事から始まったんだ。」
「えっ⁉︎ゲネガーグが光の国に⁉︎」
「ああ、あの日、ゲネガーグは光の国に襲来してゼットライザーとウルトラメダルを奪っていった。」
ハルキは懐からゼットライザーを取り出した。それを見てミコが思わず驚く。
「ああっ⁉︎それ確かピット星人が言ってた‼︎」
「ああ、ゼットライザーは今、俺が持っているのとゲネガーグに奪われた物の2つがあってそれは今も行方不明のままだ・・・。ゼットさんはそれを追いかけてこの星に辿り着いたんだ。」
「そ、そうだったの・・・。初めて知った・・・。」
「話を戻すぞ。ゼットさんはゲネガーグを追ってこの星までやってきたまでは良かったものの以前にあった大きな戦いのダメージが癒えてなくて苦戦し、ゲネガーグとの戦いで重傷を負ってしまったんだ。」
「ああ・・・そういえばすぐにカラータイマーが鳴ってたね・・・。」
「その戦いでゼットさんは師匠から託されたウルトラメダルとゼットライザーを落としちゃったんだ。それを俺が拾って・・・ゼットさんに届けたのが全ての始まりだった・・・。」
「じゃあその時、ハルはウルトラマンゼットになったんだね。」
「そう、俺がゼットさんに協力すれば怪獣を倒して皆を守れる・・・そう知った俺はゼットさんと一体化してゲネガーグに挑んだんだ。」
「おお〜!カッコいい‼︎」
「最初に変身したのはアルファエッジ。ゼロ師匠、セブン師匠、レオ師匠のメダルで変身する形態さ。」
「「・・・。」」
「どうした、2人とも?」
「「師匠多くない?」」
「・・・まぁ、ウルトラマンだし、何かしら事情はあるんだろ。・・・得意技は秘伝の宇宙拳法で俺自身も空手やってるから一番使いやすいんだよ。」
「へ〜・・・あれ・・・という事は・・・ハルキってウルトラマンなの?で、ミコはそれを知ってたの?」
「へ?今そこ?・・・まぁ、半分はそうなるかな・・・。」
「ま、知ったのはつい先程なんだけどね・・・。」
「凄い‼︎ハルキ、ウルトラマンなんだ〜‼︎凄い‼︎ハルキ、ウルトラマンなんだ〜‼︎」
「ちょっ⁉︎大声は止めて‼︎誰かにバレたら困るから‼︎」
「う"⁉︎」
ハルキははしゃぐカネゴンを止めようとする。その時、カネゴンが腹を抱え出した。ミコも思わずカネゴンに駆け寄る。
「どうした、カネゴン?」
「何か・・・お腹が苦しい・・・。」
「ちょっと大丈夫⁉︎」
「うっ・・・は・・・は・・・ハクション‼︎」
カネゴンが大きくくしゃみをする。それと同時にカネゴンの口から何かが飛び出した。床に落ちたそれを拾って確認する。それはアルファエッジへの変身に必要なウルトラメダルだった。
「これって・・・さっきハルが言ってた‼︎」
「ああ、アルファエッジに必要なウルトラメダルだ‼︎良かったぁぁ、戻ってきて・・・でも、どうして・・・?」
「ハルがゼットの事を話したからとか?」
2人がアルファエッジに必要なメダルを眺めながら首を傾げる中、カネゴンはキョトンとしている。しかし、3人の話を聞いていた者が他にもいた。
「ハルキがウルトラマンゼット・・・⁉︎」
「ちょっと嘘でしょ・・・っていうかアレ何⁉︎」
それはもう1人のガッツ星人こと印南マコとサチコ、ミサオのバンドコンビの2人にセブンガーのナナだった。
デッカー後半戦、衝撃の展開から始まりましたね。まさかアサカゲ博士が敵だったとは・・・。
怪獣娘×デッカーのプロトタイプも執筆を急がなければ・・・・・・。