アルファエッジへの変身に必要なウルトラメダルを無事、回収したハルキはウルトラメダルをミコに見せていた。
「成る程ねぇ・・・これでハルはウルトラマンに変身してたんだ〜。」
「ああ、他にもベータスマッシュへの変身に必要なメダルとガンマフューチャーへの変身に必要なメダルがあるんだ。」
「ベータスマッシュに・・・ガンマフューチャー?」
「赤い姿と超能力を使う形態があったろ?ほら、これ。」
ハルキはソウルライザーにこれまでの戦いでカメラに撮られ、GIRLSの記録に保存されたベータスマッシュの写真とガンマフューチャーの写真を見せる。それを見てミコは納得の声を上げた。
「ああ〜‼︎この姿と・・・この姿の事ね‼︎へ〜、ベータスマッシュに・・・ガンマフューチャーって言うんだ〜。この赤い姿は本当、力に長けた形態って感じだったよね。」
「ああ、2番目に変身したマン兄さん、エース兄さん、タロウ兄さんの力を真っ赤に燃える勇気の力を借りて変身する力に優れた姿・・・それがベータスマッシュだ‼︎」
「ひいぃっ⁉︎」
ベータスマッシュの写真を見た時、カネゴンが突然悲鳴を上げる。後退りながら震えるカネゴンにハルキとミコは心配しながら駆け寄った。
「お、おいどうした⁉︎」
「だ、大丈夫⁉︎」
「あ・・・赤いアイツだ・・・。」
「「赤い・・・アイツ・・・?」」
カネゴンの言葉に2人は首を傾げる。怯えるカネゴンを見て2人は顔を見合わせるとソウルライザーの画像を見せながら訊ねる。
「・・・赤いアイツ?」
「一体何の事?」
「・・・ハッ‼︎気のせいか・・・。」
ベータスマッシュの姿を見て怯えていたカネゴンだが暫くすると自身の勘違いだった事に気付き、元に戻る。カネゴンが元気を取り戻した事を確認したハルキは2人にベータスマッシュについて説明を始めた。
「ベータスマッシュは特にパワーに優れた形態で、アルファエッジに比べると素早さはないけど、それをものともしない怪力の持ち主、超がつくほどのパワーファイターさ‼︎」
「確かに・・・凄いパワーだったよね・・・怪力な怪獣達と互角に渡し合えてたし・・・。」
「へ〜、凄いや〜‼︎カッコいいや〜・・・あうぅ・・・。」
ハルキがベータスマッシュの解説を終えると同時にカネゴンが腹を抱える。ハルキとミコは顔を見合わせてカネゴンに駆け寄った。
「これは・・・もしかして・・・‼︎」
「もしかしてもしかして・・・‼︎」
「ふえっくしょん‼︎」
カネゴンはくしゃみしてウルトラメダルを吐き出した。ハルキはそれを確認するとメダルに向かってスライディングする。ハルキが着地するとその手にはベータスマッシュへの変身に必要なメダルがあった。ハルキは思わず安堵する。その時、カネゴンが突然倒れた。ハルキとミコは思わず急いでカネゴンに駆け寄った。
「お、おい⁉︎カネゴン⁉︎」
「ちょっとどうしたの⁉︎大丈夫⁉︎」
「って・・・おい‼︎これ何⁉︎」
「500・・・499・・・498・・・ってどんどん数字が減っていくけど‼︎」
ハルキとミコはカネゴンのお腹にあったメーターのようなものに気付く。カネゴンは力を振り絞って2人の質問に答えた。
「ああ・・・僕ね・・・このメーターが0になると動けなくなっちゃうんだ〜・・・。」
「ええっ⁉︎」
2人はカネゴンの言葉を聞くと財布を取り出した。2人は共に五百円玉を取り出すとカネゴンに差し出す。
「カネゴン、これ‼︎」
「少ないけど、これ食べて‼︎」
「えっ⁉︎いいの⁉︎それじゃあいただきま〜す‼︎」
カネゴンは2人が差し出した五百円玉ではなく財布の方をひったくり、中身を開いてお金を口に入れていく。今、差し出したお金ではなく財布の中身の方がカネゴンの口の中に消えていく様に2人は絶叫を上げていた。
「ちょっ⁉︎そっちじゃなくて・・・ああああああああああああああああ⁉︎」
「わたし達のお金ぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」
「2人ともありがとう‼︎御馳走様‼︎」
カネゴンから返された中身が消えて薄くなった財布を見て2人は息を揃えて落ち込む。持ち歩いていた現金を全て失ったに等しい2人はガックリと崩れ落ちた。
ハルキとミコがカネゴンに有り金を全て食べられていた頃、ヘビクラはトモミと一緒にキングジョー・GIRLSカスタムを眺めていた。ヘビクラは先程の戦闘でグルジオライデンを倒した成果を挙げたGIRLSカスタムを見て笑みを浮かべている。
「本当に怪獣娘がコイツを乗りこなして怪獣を倒しちまうなんてな・・・。」
「最初にゲネガーグが現れた時には考えられませんでしたからね。本当、この成果は大きいと思います。」
「キングジョーは元々が高性能のロボットだからな。」
「知ってます。ペダン星人が地球に送り込んだウルトラセブンのアイスラッガーすらも跳ね返す強度を誇るスーパーロボット・・・GIRLSの記録映像にも載っていますから。」
「しかも操縦する怪獣娘によってその能力に反映した特有の能力が使えるようになりますからね。例えばキンキンの場合は神経と連結してフルシンクロ・・・ガツガツ、マコマコが操縦すればホログラム機能を活かした巨大な分身・・・。」
「ランなら電撃攻撃・・・レイカなら正確な射撃を放つレーザー・・・フッ、確かにこの進歩は大きいものだな。」
ヘビクラはトモミから背を向けると再びGIRLSカスタムに目線を向け、不敵な笑みを見せる。そして小さな呟いた。
「フッ、この調子でウルトラマンを超える力を身につけて欲しいものだぜ・・・そうすれば・・・。」
「ヘビクラ隊長?」
「ああ、何でもない。」
「そうですか・・・私、これから多岐沢博士達、開発部の人達と話し合いに行ってくるので後はお願い出来ますか?」
「ああ、いいぜ。」
「それでは失礼します。」
トモミがその場から去っていくとヘビクラは2枚のメモを取り出した。それはカブラギが持っていたウルトラメダルの製造法が書かれたメモだった。
「もっと頑張って貰わなきゃな・・・。」
カブラギの体に寄生したセレブロのメモを眺めながらヘビクラは不敵な笑みを見せて呟く。そして手に持ったメモを握りつぶした。
その頃、カブラギに寄生したセレブロはGIRLS東京支部の屋上に立っていた。カブラギは両手にそれぞれ赤い石と青い石を持っている。そしてその石を空中に掲げた。すると両手の石が光り、空に大きな穴が開く。そしてその穴の先は何処かの宇宙空間に繋がっていた。その宇宙空間の中でウルトラマンゼロに似た単眼のロボットが穴の空いたを向く。するとそのロボット『ダークロプスゼロ』は怪しく目を光らせた。
カブラギが宇宙からとんでもない存在を呼び寄せようとしている事も知らないハルキとミコは手持ちの有り金を全て食べられた事に落ち込んでいた。そんな2人の心境も知らずカネゴンは突然シャドーボクシングのような仕草を取り始める。
「シュバババ‼︎シュバッ‼︎ビイイイイイ‼︎」
「・・・何してるの?」
「ゼットの真似をしてるんだ‼︎ハルキの話を聞いて僕もウルトラマンになりたいって思ったんだ‼︎僕もウルトラマンになって怪獣をやっつけたい‼︎」
「待って‼︎ウルトラマンとして戦う事ってそんな簡単な事じゃないんだよ‼︎」
「ハル・・・?」
ハルキはカネゴンの言葉を聞くとすぐさま反論する。ハルキの焦った様子にミコが首を傾げた。そんなミコの隣でハルキは口を開いた。
「俺達は怪獣の被害にあって悲しむ人達を守るため・・・皆を守るため・・・そして何より平和を守るために怪獣と戦ってきた。でも・・・怪獣達にも暴れてしまう理由がある・・・無闇に倒したい訳じゃないんだ・・・・・・。そして何よりレッドキングは・・・ただ単に自分の家族を守ろうとしただけだった・・・。そんなレッドキングを・・・俺は・・・。」
「ハル・・・。」
「馬鹿言ってんじゃないわよ、ハルキ‼︎」
ミコが苦悩の表情で話すハルキにどう声を掛ければいいのか分からず苦痛の顔を見せる中、怒鳴り声が聞こえてきた。そこには3人の話を聞いていたマコとナナ、サチコとミサオの姿があった。思わぬ乱入者にハルキとミコは驚く。
「ま、マコにセブンガーちゃん⁉︎」
「ザンドリアスにノイズラー⁉︎何でここに⁉︎」
「御免なさい・・・私達、さっきまでのハルキさん達の会話聞いてたんです。」
「それで・・・ハルキがゼットだったって知って・・・。」
「アタシ達も話が気になってしまって・・・。」
ハルキは自身の秘密を知る者が増えてしまった事に頭を抱える。そんなハルキを見たミコは4人に忠告した。
「待って‼︎今、ここにいるのは貴方達だけよね⁉︎それならお願い‼︎ハルがウルトラマンゼットだって事、今は誰にも言わないで‼︎」
「「「い、言いませんから安心して下さい‼︎」」」
「後、そこにいるそいつは一体何なの?言葉を話してるけど怪獣よね?」
「あー・・・コイツは・・・えーっと・・・。」
ミコの声に中学生3人が揃えて声を上げた。その横でマコは後ろにいるカネゴンを指差しながら質問する。ハルキはミコと顔を見合わせるとの4人に先程まで起こった事を説明した。
「そういう事だったのね・・・。」
マコは2人の説明でこれまで2人に起きていた事について納得した。そして先程のハルキの言葉を思い出すと全てを理解したマコはハルキに向き合った。
「ハルキ、アンタは間違った事してないわよ。アンタはこれまで皆を守るために戦ってきたじゃない‼︎・・・確かにあのレッドキングの事は・・・残念だったと思う・・・けど、だからっていつまで既に起こった事で悩んでも仕方ないじゃない‼︎」
「マコ・・・。でも、俺は・・・‼︎」
「確かに・・・アンタの気持ちが分からない訳じゃないわ・・・でもミコはさっき覚悟を決めてグルジオライデンと戦ったじゃない‼︎」
ハルキはマコの言葉を聞いてグルジオライデンと戦う前のミコの表情を思い出す。そんなハルキの前にミコも並び立つとハルキは2人の顔を見て口を開く。
「確かに・・・あの時、ミコは覚悟を決めてた・・・。」
「うん、わたし・・・あの時、悩むハルに何かを見つけて欲しかったの・・・でもその様子だと・・・。」
「・・・・・・悪い・・・・・・。」
「うん、さっきの話を聞いた今なら分かるよ・・・あのレッドキングに亡くなったおじさんを重ね合わせてたんでしょ・・・それで怪獣と戦う事に悩んでる・・・そうでしょ。」
「・・・・・・お前には敵わないな・・・・・・ああ、そうだよ・・・お前は覚悟を決めて戦ったのに・・・俺は・・・何も・・・情けないよな・・・。」
「あ、あのさ・・・。」
苦悩するハルキの様子を見たカネゴンがハルキに話しかける。中学生3人もカネゴンに目を向けた。
「どうしたの、カネゴン?」
「メダルはハルキの事を信頼してるみたいだよ。」
「えっ⁉︎」
「お腹の中で伝わってくるんだ・・・メダルが戻りたがってるって・・・。こんな僕を心配してくれたハルキの元に・・・。」
「ウルトラメダルが・・・俺を・・・⁉︎」
「さぁ、ゼットの話を聞かせて。メダルを取り出そうよ‼︎」
カネゴンの言葉を聞いたハルキの元にミコだけでなくマコとナナ達もやってくる。4人ともハルキの顔をじっと見て口を開いた。
「わたし達も知りたい・・・ゼットの事。」
「だからわたし達にも話して下さい‼︎」
「大丈夫よ‼︎誰にも言わないから‼︎」
「だから聞かせてくれよ!ウルトラマンゼットの事をさ‼︎」
ハルキは4人の言葉を聞いて彼女達の顔を見渡すと覚悟を決めてソウルライザーに表示されたガンマフューチャーの画像を見せながら再び口を開いた。
「これがウルトラマンティガ先輩、ダイナ先輩、ガイア先輩の力を借りて変身した形態、ガンマフューチャーだ‼︎」
「へー、この姿ガンマフューチャーって言うのね。」
「どんな事か得意なの?」
「確か不思議な超能力を使ってたよな?」
「そう、分身とか瞬間移動、相手の動きを止めるとか変幻自在な光の技を使う事が出来るんだ。」
「へぇ〜、来てます来てます‼︎」
「それ、有名マジシャンの真似?」
「でも確かにこの姿の時のゼットって魔法使いみたいですよね〜。マジシャンみたいに見えるのも納得ですよ‼︎」
「まぁな。」
マコ達4人がガンマフューチャーの話に納得しているとハルキとミコはカネゴンに目を向ける。
「カネゴン、どうだ?」
「出てきそう?」
「うーん・・・何かお腹ムズムズするけど・・・あ、鼻もムズムズしてきた・・・ひ・・・ひ・・・ヒックション‼︎」
「メダル・・・出てきたぁぁぁぁ‼︎」
「良かったね‼︎メダルを取り出せて‼︎」
カネゴンが鼻に手を当てると大きなくしゃみをする。その時、ガンマフューチャーへの変身に必要なメダルがハルキの元に飛んで来た。ハルキはメダルをキャッチするとホッとした表情になる。ミコも一緒に喜んでいたその時、GIRLS東京支部全体にアナウンスが鳴る。
『GIRLSの皆さん、緊急事態が発生しました‼︎ウルトラマンそっくりの巨人が現れて街を破壊しています‼︎出動出来る怪獣娘は直ちに出動して下さい‼︎』
その少し前、セレブロによって空に開かれたワームホールからデビルスプリンターによって蘇ったダークロプスゼロが入ってくる。ダークロプスゼロは土煙を上げながら着地すると、立ち上がったと同時に単眼となった目からの光線『ダークロプススラッシュ』を放ち、街を破壊して火の海に染め始めた。
次回を更新すればこちらも後半戦突入です!そのためにも投稿ペースを上げたいですね・・・。