四次元怪獣『ブルトン』登場
ダークロプスゼロとの戦いから数日後、ミコはインナースペースでハルキと一緒にゼットと対面していた。ミコと向き合ったゼットが自己紹介を始める。
『こうして挨拶するのは初めてだな。改めて、私の名はウルトラマンゼット。宇宙警備隊の隊員でハルキと一緒に戦っているウルトラマンなのでございます。』
「・・・・・・。」
『・・・・・・言葉通じてる?』
「あっ、御免・・・言葉遣いが変だったからつい・・・。」
「ミコ、ゼットさんは地球の言葉に慣れていないんだ。多めに見てやってくれ。」
「あー、成る程ね。」
ミコがゼットのおかしな言葉遣いに思わず固まるがハルキのフォローで納得する。ゼットの言葉遣いがおかしい理由に納得したミコは本題に切り替えた。
「ハルから大体の事は聞いたよ。ゲネガーグが飲み込んだウルトラメダルとゼットライザーを回収しなきゃいけないんだってね。」
『ああ、ウルトラメダルは全て回収出来たが・・・まだ奴が飲み込んだゼットライザーが消えたままだ。それで、ミコ、お前をここに呼んだ訳なのですが・・・。』
「ゼットライザーの回収に協力してって事でしょ。大丈夫‼︎ハルから全ての話を聞いた時から決めてたから‼︎わたしもゼットライザーの回収、手伝ってあげる‼︎」
『かたじけないです‼︎ウルトラ感謝しまつる‼︎』
ハルキとミコはゼットとの話を終えてインナースペースから出ると元のGIRLSの屋上に戻る。そこで町を見下ろしながら話し込み始めた。
「ゲネガーグが飲み込んだゼットライザー、何処に行っちゃったんだろな?」
「分からないけど少なくともあの日、GIRLSが回収したゲネガーグの肉片からは未知の物質がいくつも出てきたみたいだけどゼットライザーに似た物は見つかっていないらしいよ。」
「そうか、もしかしたらウルトラメダルよろしく何処かに飛ばされてしまったのかもな。」
「ねぇ、こういう可能性も考えられない?既に誰かに回収されて悪用されてるとかさ。」
「お、おい寄せよって‼︎そんな怖え事があってたまるかよ‼︎」
「・・・冗談だよ冗談‼︎」
「ハハ、何だよ・・・笑えねえぞ・・・。」
ハルキが乾いた笑いを見せるとミコのソウルライザーが鳴り出した。ミコは懐からソウルライザーを取り出すと電話に出る。
「もしもし、マコ?」
『ミコ、ハルキ、アンタらどこでちちくりあってんのよ。打ち上げ、そろそろ始まるわよ。美味しいもの全て食べられてもいいの?』
「わーわー‼︎御免御免‼︎そろそろだっけ⁉︎今から行くから‼︎」
ミコは電話を切るとハルキに向き合う。ハルキもミコとマコの電話の様子から彼女が何を伝えてきたのか理解したらしく、顔が青ざめている。
「やべえ・・・ミコ、急ごうぜ‼︎」
「うん‼︎ご馳走、皆に全部食べられちゃう‼︎」
ハルキとミコは顔を見合わせると急いでその場を走り去っていく。しかし、この時の2人は先程のミコの言葉が本当でその邪悪な存在が恐ろしい企みをみせている事など想像もしていなかった。
ハルキとミコがGIRLSの食堂に到着する。今、このGIRLS東京支部の食堂はグルジオライデンとの戦いに関わった者達やキングジョー・GIRLSカスタムの開発に取り組んだ者達が集まり、貸し切りにしていた。更に人が座っていない席にはテーブルにはビッフェのように料理が並んでいる。全員が揃い、手元に飲み物を持った事をを確認したトモミは口を開いた。
「皆さん、お集まり頂きありがとうございます‼︎今回、私達GIRLSはウルトラマンの手を借りず、自分達の力で怪獣を倒す事に成功しました‼︎そして怪獣グルジオライデンを倒したキングジョー・GIRLSカスタムが記念すべき初勝利を収めた事を祝い、皆で乾杯しましょう‼︎皆さん、乾杯です‼︎」
『乾杯‼︎』
全員が乾杯し、各自、料理を好きなだけ皿に盛り付け、席について食していく。今回、GIRLSカスタムの初勝利を記念した打ち上げは食堂を貸し切りにして尚且つ、様々な品が並ぶバイキング方式になっている。GIRLSの食堂とは思えない豪勢に並べられた料理に特に食いしん坊のミカヅキとミクは夢中になって自身で様々なな海鮮類を盛り付けられる海鮮丼から取ってきたマグロやイクラ、サーモンの切り身などを盛り付けた山盛りの海鮮丼にがっついている。
「美味い‼︎ヤバイ・・・自分で盛り付けた海鮮丼最高‼︎」
「この食堂でこんな豪勢なものが食べられるなんて・・・怪獣娘やっててよかった〜‼︎あたし、2杯目取ってくる‼︎」
「ミクさん、もう食べたんですか⁉︎」
「よーし、じゃあミクちゃん、一緒に取りにいこう‼︎」
「ゴモたんまで⁉︎食べるの早すぎるよ・・・。」
アキはチキンステーキを口にしながら海鮮丼をおかわりにいった2人を見送る。その後ろの席のハルキとミコは2人ともローストビーフを口にして感激していた。
「美味い‼︎いい肉だな‼︎このローストビーフ‼︎」
「本当‼︎これ以外にも色んな料理がおかわりし放題なんて・・・しかもこの食堂で食べる事になるなんて想像もしてなかったよ‼︎」
「ああ、また取りにいこうぜ‼︎」
2人がまたローストビーフを取りに向かった頃、再び自分で具を盛り付けた海鮮丼にがっつくミクとミカヅキをナイフとフォークでローストビーフを切り分けながらランは冷ややかな目で見ていた。
「2人とも品が無いわね。」
「そいつをあの2人に求めるのは野暮ってもんだろ。」
「それは・・・確かにそうね。」
「エレキング先輩、ナイフとフォーク使い上手ですね。」
「家柄の都合上よ。」
「そういえばエレキングさんって・・・。」
「流石お嬢様だぜ、テーブルマナーには手慣れているもんだな。」
エレキングの席の周りにいたヘビクラとマガコンビが彼女と食事をしながら話している中、ローストビーフに加えてフライドポテトを盛り付けて席に戻ったハルキとミコは再びローストビーフを口にする。
「いいなぁこういうの・・・時間がなくて巻き戻って何度も美味しいものが食べれたらいいのに。」
「フフ、ハルったら・・・そういえばハル、答えは出たの?ハルが悩んでいた事。」
ミコの疑問を聞くとハルキは表情を少し曇らせる。それを見たミコは慌てて謝った。
「わわ‼︎御免、ハル‼︎・・・まだ答えは出せていなかったんだね。」
「・・・まぁな。」
「・・・ハル、実を言うとね、グルジオライデンを倒した時、わたしも少し思ったんだ。この力はわたし達には早すぎるんじゃないかって・・・。」
「ミコ・・・。」
「GIRLSカスタムで怪獣を倒した時、少しだけ怖くなったよ。この事でこれまで守られてきた何か大切な事が崩壊するんじゃないかって・・・。」
「ミコ、お前も・・・。」
「・・・自分で言うのもなんだけど・・・流石に考えすぎだよね‼︎御免‼︎折角楽しい食事会なのに!気を取り直してバイキングを楽しもうよ‼︎」
「あっ・・・ああ、そうだな。きっと考えすぎだ‼︎きっとな‼︎あはは・・・‼︎」
ハルキはミコの最後の一言に気を取り直して再び食事に手をつけようとする。その時、ミコがフォークにローストビーフを刺して、ハルキの口に近付けてきた。
「ハル、あーん。」
「へっ?」
「あ・ー・ん♪」
「お、おい待てよ・・・流石に皆の前でそれは・・・。」
ミコがしようとしてる事に気付き、ハルキは思わず断ろうとするがミコは更にハルキにくっつき、自身の豊満な胸を押し付けながらローストビーフを口に近付ける。ミコの柔らかい巨乳な胸の感触でハルキは思わず顔を赤くする。そして覚悟を決めると口を開いてローストビーフを口にした。
「フフ、ハルってば顔真っ赤♪」
「誰のせいだと思って」
「はい、あーん♪」
ミコは再びハルキに自身の巨乳を味わせながらローストビーフを食べさせようとする。再び0距離で感じたGIRLSで1、2を争う大きさのミコの胸の感触に赤くしながらハルキがローストビーフを口にするとサチコが頬を膨らませながら2人の間に割って入ってきた。
「2人ともそこまで‼︎」
「サチコ⁉︎」
「ザンドリアス⁉︎」
「ハルキ、少しはあたしの事も構ってよ‼︎そしてガッツさん・・・何ハルキに胸を押し付けてんスか‼︎」
「わたしは自分の活かせる部分を活かしただけだよ。悔しかったらザンドリアスもやればいいじゃん・・・ってザンドリアスのお子様ボディじゃ無理だよね〜、ごめーん♪」
ミコがニヤニヤしながら自身の大きな胸を揺らし、それを見て更に顔を赤くしたハルキの顔を見てサチコはムキになって吠えた。
「お、おっぱいが大きければいいってもんじゃないです‼︎ハルキ、アンタも露骨にデレデレすんじゃないわよ‼︎」
「べ、別に俺、デレデレしてた訳じゃねえよ‼︎」
「嘘つくんじゃないわよ‼︎明らかにガッツさんの大きなおっぱいに顔を赤くしてたじゃない‼︎」
「そうだそうだ‼︎」
サチコに続いてミサオも文句を述べる。ハルキは2人の様子にどうすればいいか分からず混乱する。2人はやがてハルキの両腕にひっつき、立ち上がらせた。
「なぁ、ハルキ、アタシらにも付き合えよ‼︎」
「へ?」
「あたし達もおかわりを貰いにいこうと思ってたの。ハルキも付き添ってよ‼︎」.
「わ、分かった分かった‼︎付き合うからそんな引っ張んな‼︎」」
ハルキは意を決して立ち上がるとサチコとミサオに付き添い、料理を取りに行く。ミコは2人に連れられていくハルキを面白くなさそうな表情で見ていた。
ハルキ達がGIRLS東京支部の食堂で豪華な打ち上げを楽しんでいる頃、カブラギに取り憑いたセレブロはGIRLS東京支部の屋上に立ちつくしていた。
「この程度で喜んで貰っては困る・・・次のステージだ。」
カブラギはダークロプスゼロをこの星に招いた異次元の穴を開ける赤い石と青い石を取り出す。そして石を合わせて合体させると宙に放り投げる。そして石は宙で巨大化し、火山のような突起が生え、上の部分は青、下は赤い色の隕石のような姿になる。かつて科学特捜隊の基地を混乱に招いた四次元怪獣『ブルトン』が再び地球に襲来した瞬間だった。
打ち上げは進み、既に多くの料理を皆が満喫していた。すっかり料理が置かれていた皿は料理があと僅かの量まで少なくなっている。お開きに近付きつつある中、ヘビクラは何かを察知して立ち上がる。その姿を見たヨウは思わず訊ねた。
「何処行くんですか?」
「ああ、トイレ行ってくる。」
ヘビクラが席を立ってその場を去っていく。そして壇上に立つトモミが番号を教えようとしたとき、彼女のソウルライザーに電話が入る。
「ちょっと失礼します。はい、こちらピグモン・・・何ですって⁉︎はい、はい・・・分かりました‼︎」
トモミは電話を切ると皆に向かって向き合う。その表情は先程までの楽しそうな表情ではなく真剣なものになっており、その場にいた者達は不思議に思う中、トモミから衝撃の事実が告げられた。
「皆さん、打ち上げは一旦中止です‼︎」
「ええっ⁉︎どうして⁉︎」
「この建物の目の前に怪獣が現れました‼︎」
『⁉︎』
トモミの言葉に誰もが驚く。その時、食堂のモニターにGIRLS東京支部の前に現れたブルトンの姿が映る。
「怪獣って・・・もしかしてこれ?何か怪獣って感じしないんだけど・・・。」
「いや、これ怪獣ですよ‼︎確かGIRLSの記録に載っていました‼︎」
「エエ、過去のアーカイブドキュメントに記録がありマス‼︎アレは四次元怪獣ブルトンデス‼︎」
「ブルトン⁉︎確か当時の防衛隊の基地の前に現れたっていうあの⁉︎」
「でも、何でブルトンが⁉︎しかもこんな突然すぎる登場の仕方をして・・・。」
「考えるのは後にしましょう‼︎マコマコはGIRLSカスタムをお願いします‼︎」
「分かったわ‼︎」
「GIRLS出動です‼︎」
『了解‼︎』
ハルキ達は立ち上がると食堂から出て、事態の対処に向かおうとする。マコは階段を降りてGIRLSカスタムが保管されているパドックに向かった。しかし、彼女はいつまでもパドックに辿り着けずにいた。不思議に思ったマコが階段から降りて廊下に出る。そこでマコが見たのは地平線の彼方まで続く廊下の姿だった。
「ハァ⁉︎何これ、どうなってんのよ⁉︎」
その頃、ハルキとミコは階段を走りながら降りている。そして最後の一段に足を掛けると同時に2人に不思議な事が起こった。2人は食堂で料理を食べていた頃の時間に戻っていたのである。
「へ?」
「あ、あれ?」
自身の目の前に盛られたローストビーフなどの料理を見て2人は顔を見合わせながら首を傾げる。そんな2人を見てマコが声を掛けてきた。
「ちょっと、2人ともどうしたのよ?」
「え?いや、ちょっと待って・・・。」
「マコ、怪獣は?」
「はぁ?そんなもん現れてないわよ。」
マコの声に再び顔を2人は再び見合わせる。さっきまでの記憶は気のせいだったのかと考えそうになった時、先程の記憶と同じ事をトモミが叫ぶ。
「皆さん、打ち上げは一旦中止です‼︎この建物の目の前にに怪獣が現れました‼︎」
その場にいた全員がモニターを確認する。するとそのハルキとミコの目に先程と同じ映像が映り、さっきまでの出来事が気のせいではない事を感じさせる。
「マコマコはGIRLSカスタムをお願いします‼︎GIRLS出動です‼︎」.
そして再びハルキとミコの2人はこれまでの事を確認しながら階段を駆け下りていく。
「さっきまでのアレ、気のせいじゃなかったって事だよな。」
「うん、ブルトンの姿が見えたし、間違いないよ‼︎」
「一体何が起こったんだ⁉︎」
「分からない・・・兎に角急ごう‼︎」
そして再び2人が階段を降りると同時に時間が巻き戻り、2人は食堂に座っていた。2人の前には先程同様、料理が盛られた皿が置いてある。
「おい、これって・・・。」
「うん、わたし達また逆戻りしてるよ。」
「ちょっと、2人ともどうしたのよ?」
「・・・あのね、マコ、実はわたしとハル」
ミコが信じてもらえるか悩みながら先程の出来事を打ち明けようとする。するとさっきと同様、トモミのソウルライザーに通信が入り、ブルトンが現れた事が告げられた。トモミが皆に真剣な顔で向き合うとハルキとミコが前に出る。
「皆さん、打ち上げは」
「怪獣が出たから中止・・・そうですよね⁉︎」
「え、ええ。」
「マコはGIRLSカスタムをお願い‼︎皆、行くよ‼︎」
『う・・・うん。』
2人は再び階段を駆け下りる。今度こそ時間が巻き戻らない事を祈りながら階段を降り切った。しかし、2人の願いも虚しくハルキとミコは食堂に逆戻りして、2人は思わず頭を抱えて座り込んだ。
「嘘、また巻き戻ってる・・・。」
「ああもう・・・一体どうなってんだよ・・・。」
次回はブルトンの怪獣娘も登場させたいです‼︎なんとか出せるように頑張ります‼︎