怪獣娘Z ~ウルトラマンゼット登場計画~   作:特撮恐竜

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今回の影絵はブルトンとローストビーフを食べるハルキをイメージしています。


四次元狂想曲(中編)

ハルキ達がブルトンの引き起こした四次元現象で混乱している頃、カブラギはその様を思い浮かべ、ほくそ笑んでいた。

 

「コシ、カレカレータ・・・ブルトン。」

「よう、セレブロ。」

 

ブルトンを見てほくそ笑むカブラギの後ろにいつの間にか魔人態となったジャグラーが回り込んでいた。魔人態となったジャグラーはカブラギに剣を向け、いつでも斬れるように準備にかかる。カブラギは自身に剣を向けるジャグラーを睨む。

 

「誰だ?どうして俺の名を知っている?」

「お前の噂は聞いてるぜ・・・幾つもの星々で遊び歩いてるんだってな・・・・。」

「待てよ、その姿・・・お前、あのジャグラスジャグラーか。俺の邪魔をするつもりなのか?」

「まさか・・・寧ろ応援してるんだぜ俺は。でも他にタイミングってもんがあんだろ。こっちは打ち上げの最中だってのによ。」

「何か聞き捨てならない言葉が聞こえるわね、お2人さん。」

 

2人に新たに話しかけてくる声が聞こえてきた。2人がその方向を振り向くとそこには鮮やかな青色の髪をした褐色肌のライダースーツを着た女性がバイクにまたがっていた。彼女はバイクから降りるとジャグラーとカブラギを睨みながら2人に近付く。

 

「誰だ?お前は?」

「探偵よ。最近アンタの様子がおかしいから調べてくれって先生に依頼されたの。そしたら怪獣を呼び出すわ得体の知れない宇宙人と平然と話してるわ・・・色々おかしいじゃない。だから探偵として気になったのよ。」

「探偵・・・成程な。お前さん、最初に確認されたベムラーの怪獣娘だろ。」

「・・・よく知っているわね。」

「俺は地獄耳でな。」

「ほう・・・お前があの。」

 

そう、ジャグラーとカブラギの前に現れたこの女性こそ世界で一番最初に確認された宇宙怪獣『ベムラー』の魂を継ぐ怪獣娘である『天城ミオ』である。彼女は恩師である多岐沢からの依頼で様子がおかしくなったカブラギの事を探っていたのである。ミオは自身の正体を見透かされると自身に意識を集中させ、黒いピッチリとした黒いスーツのような獣殻を纏った怪獣娘『ベムラー』に変身する。それを見たカブラギは愉快そうな顔で笑い始めた。

 

「そうか‼︎お前は俺の持つベムラーのメダルに引き寄せられてきたんだな‼︎そうかそうか‼︎そんなに自分の魂の怪獣の力が込められたこのメダルが気になるか‼︎」

「依頼でアンタを調べてくれって頼まれただけって言ったでしょ・・・!!そのメダルは・・・!!」

「宇宙で手に入れたベムラーの遺伝子から作ったベムラーの怪獣メダルだ!!お前の元の怪獣の力が入っているぞ・・・。」

 

ベムラーはカブラギが見せてきた怪獣としてのベムラーが描かれた怪獣メダルに思わず視線を向ける。そんな彼女の視線を覚ますようにジャグラーが斬撃波をスレスレで放つ。

 

「ったく、油断してんじゃねえよ。」

「助かったわ。貴方、単純に悪い奴ではなさそうね。」

「はっ、善か悪かなんてそう単純に測れるものじゃねえだろ。」

 

ジャグラーとベムラーが並び立ち、カブラギに向かっていつでも攻撃できるよう構える。自身に警戒している2人を見据えたカブラギはブルトンに手を向ける。

 

「そう警戒するなよ。そういえばジャグラスジャグラーは打ち上げの最中と言っていたな。だったらもっと面白くしてやるよ!!始まりの怪獣娘も楽しんでいってくれ!!」

「野郎!!」

「好き勝手にはさせない!!」

 

カブラギが手を翳した瞬間、ブルトンが光りだす。2人は思わずカブラギを止めに入る。しかしジャグラーから人間の姿に戻ったヘビクラは何処かの岩山に、ベムラーの方は古びた建物にいた。両者とも気付いた時には1人になっている。

ヘビクラの方は崖下に目を向けると衝撃的な物を目にする。そこには赤と灰色の隊員服の青年と青いジャケットを羽織った青年、そしてローブを纏ったかつての自分がいたのだ。まさかと思ったヘビクラが振り返るとそこには切り倒された大きな樹が見える。それを見たヘビクラは全てを察した。

 

「あの日に戻ってきたのか・・・。」

 

そして再び崖下に目を向けると赤と灰色の隊員服の青年と青いジャケットの青年がかつての自身を諭していた。

 

「待てよ、俺は敵か?」

「こんなのは光の戦士の戦い方じゃない。」

「君なら分かる筈だよ。」

 

その様を見てヘビクラはため息を吐く。そして目の前の切り倒された樹を何処か思う事があるような目で見つめながら小さく呟いた。

 

「くそったれ・・・。」

 

 

 

ベムラーは変身を解いてミオの姿に戻ると建物の周りを調べ始める。そこでミオは1つの古びた看板を見つけた。それを見つけた彼女は近付いて何の看板か確かめる。するとその看板には彼女にとって衝撃的な文字が書かれていた。

 

「青き救世?まさか⁉︎」

 

看板に刻まれた名前を見たミオは確かめるべき走り出す。足を進めて数分後、彼女の目の前に広がっていたのは大きな湖だった。

 

「ここは竜ヶ森湖。成る程、ブルトンの力でここに飛ばされてきたのね。私の・・・故郷に・・・。」

 

実はミオの故郷はこの青森県竜ヶ森である。彼女は自身の持っていた怪獣の力が災いして父親が営んでいた宗教法人『青き救世』に現人神として利用されていた。そして父親が逮捕され、施設に預けられてから叔父に引き取られ、その後、多岐沢との出会いを経て色々な事を経て、現在は探偵として上京し、活動しているのだ。

 

「あの日の事は振り切った筈なのに・・・まだ何処かで思い残しがあるのかしら?」

 

自身の苦い過去を思い出しながら苦笑して呟くと彼女は再び湖を見つめ、放棄された青き救世の跡地に目を向ける。そして数秒後、ふとある事に気付いた彼女はため息をついて呟いた。

 

「ここから東京までどうやって帰ろう・・・。」

 

 

 

 

 

 

その頃、GIRLS東京支部はブルトンが引き起こした四次元現象で大混乱に陥っていた。かぷせるがーるずはドアを開けた途端、何処かの岩山に、

 

「えっ⁉︎何これ⁉︎」

「何でドアを開けたらこんなところにいんの⁉︎」

「わ、分かりません‼︎」

 

ゴモラ、レッドキングの大怪獣ファイターコンビとザンドリアス、ノイズラーの中学生バンドコンビはドアを開けると同時に揃って断崖絶壁の海岸に、

 

「ぎゃあああああああああああああ⁉︎高いところにいるううぅぅぅぅ⁉︎」

「落ち着け、ザンドリアス‼︎」

 

マガコンビとエレキングは揃って不気味な色の虹が飛び交う謎の異次元空間にいた。

 

「な、何ここ⁉︎」

「ふえええ⁉︎怖いです・・・。」

「もしかして・・・これがかつて科学特捜隊を混乱に陥れたブルトンの四次元現象・・・。だとすると厄介ね・・・。」

 

時を同じくしてピグモンもこの不可思議現象に悩んでいた。ピグモンはモニターに写るブルトンを眺めると机に視線を向けて頭を抱える。

 

「この事態を止めるにはどうすれば・・・。」

 

その時、ピグモンの目の前に突然異次元の入り口が開く。目の前で開いた異次元空間への入り口にピグモンは怯えながら警戒するもそこから入ってきた人物に目を驚かせた。

 

「お待たせです〜。助っ人に来ましたよ〜。」

「あ、貴方は‼︎」

 

 

 

 

 

その頃、ハルキとミコは何度も何度も続く時間の巻き戻しに精神をやられて疲れ切っていた。階段の途中で思わずハルキは膝をつく。

 

「あー・・・疲れた・・・。」

「ちょっとハル、しっかりしてよ‼︎」

「だってよ・・・何度も何度も時間が巻き戻ってんだぜ。精神的に疲れるっつーの。」

「ちょっと〜、疲れてるのはわたしも同じなんだから‼︎ほら、立って‼︎」

 

ミコに支えられて体を起こすとハルキの懐から写真が落ちる。それは父であるマサルと一緒にピースを決めるハルキとミコの写真だった。写真はヒラヒラと宙を舞い、1番下まで落ちていく。

 

「ああ、父さんとの写真‼︎」

「待って、ハル‼︎」

 

ハルキは慌てて階段から飛び降り、写真を回収しようとする。続いてミコも飛び降り、2人が同時に着地したと同時に周りが白に包まれる。そして2人は気付くと何処かの夕暮れの川辺にいた。

 

「ここは何処だ?」

「少なくともGIRLSの食堂じゃなさそうだけど・・・。」

 

その時、2人の元にボールが落ちてくる。ハルキが思わずそのボールに目を向けると階段から誰かが駆け下りてくる。

 

「済まない、君達。そのボール取ってくれないか?」

「あっはい。・・・って、え?」

「嘘・・・。」

 

ハルキとミコは降りてきた人物の顔に驚く。目の前に来たのは何と今では故人である筈のハルキの父、マサルだったのだ。目の前に昔、亡くなった筈の父親がいる事、そして周りの景色が夕暮れ時なのと目の前のボールからハルキとミコは一つの結論を導いた。

 

(まさか‼︎俺達はブルトンの力で・・!)

(あの時、ハルとわたし、そしておじさんと3人でキャッチボールしたあの日に戻って来たっていうの⁉︎)

「あの、君達、ボールを・・・。」

「あっ、ああ、すみません‼︎」

「ありがとう。それじゃあ。」

 

自身の正体を知らない父に急かされたハルキは思わずボールを投げる。マサルが軽くキャッチしてハルキに礼を言うとマサルはこちらに背を向けてこの時代のハルキ達の元に向かっていく。ハルキはその背中を見て何か言いたげだった。ハルキが父親の事をとても大好きだった事を知っているミコはその様子にどうすればいいか分からずあたふたしている。そしてマサルが階段を登ろうとした時、ハルキは勇気を振り絞って声を上げた。

 

「あの‼︎」

「ん?」

「この街のレスキュー隊の方ですよね⁉︎聞きたい事があるんです‼︎もしも誰かを守ろうとした時、その行動が同時に別の誰かを傷付けてしまったり、守れないって分かった時・・・どうしますか?」

 

その質問にマサルはハルキの方を向くと難しい表情になる。そして少し考えて口を開いた。

 

「確かに・・・君の言う通り、どれだけ手を伸ばそうとも助けられる数には限界があるからね。・・・でもそれがレスキュー隊としての僕の使命だと思っているよ。だから、僕は自分の手の届く範囲で、自分の信じる正義を、守ると決めた人達を全力で守る。そして、傷付けてしまったり、守れなかったりした人の事を絶対に忘れない。僕はそう決意しているよ。まぁ、自分もまだまだでこんな偉そうな事簡単には言えないんだけどね。」

 

はにかみながら答える父の言葉にハルキは心の中にずっと燻っていたものが取れ、解放された気分になる。父親の言葉で納得の答えを出せたのか口元を緩めるハルキをミコが微笑ましそうに見ていると今度はマサルの方が尋ねてきた。

 

「そういえば君達、何処かで会った事あるかい?何か君達を見てると初対面って感じがしないんだ。」

「えっ⁉︎そ、それは・・・。」

 

ハルキとミコは自身の正体を話したくても信じてもらえるわけないと思ってしまい、口ごもる。そんな中、この時代のハルキの声が聞こえてきた。

 

「父さーん‼︎」

「ハルキ、ミコちゃんもちょっと待っててくれ‼︎じゃ、僕はここで。」

「待って下さい‼︎」

 

ハルキは一か八か自身の正体に気付いてもらえるかの賭けとしてある頼みをする。それはマサルを困惑させるものだった。

 

「最後に握手してくれませんか?」

「えっ?・・・まぁ、いいけど・・・。」

 

マサルはハルキの手を握る。その瞬間、ハルキの手か何かを感じたのか驚いた声を上げる。それはハルキを涙ぐませる言葉だった。

 

「⁉︎・・・ハルキ・・・?」

「・・・‼︎気付いてくれたんだね・・・父さん・・・。」

「そんな・・・馬鹿な・・・本当にハルキなのか⁉︎」

「うん、これを見て。」

 

ハルキは懐から自身とミコ、そして父が写った古い写真を見せる。そしてその写真を見てマサルは更に驚く。

 

「この写真は⁉︎・・・本当に・・・大きくなったハルキなんだな。」

「うう・・・父さん・・・父さああああん‼︎」

 

ハルキは気付いてもらえたことと長年会えなかった分の思いが溢れ出し、そのまま父に抱き付く。マサルは自身の胸で泣く成長した息子を優しく抱き締めた。

 

「そうか・・・ハルキ、大きくなったんだな。ん?お前がハルキって事はもしかして君は・・・。」

「うん、そうだよ‼︎ミコ‼︎印南ミコ‼︎おじさんのご近所でハルの幼馴染の‼︎」

「そうか、そうだったんだな‼︎通りで初対面って感じがしなかった訳だ‼︎」

「おじさん、信じてくれるんだね・・・。」

「ああ、何故こんな事が起こったのか分からない。分からないが・・・手を握った時の感じとあの写真を見せられたら信じるしかないじゃないか‼︎」

「おじさん・・・‼︎」

「2人とも大きくなったなぁ‼︎ハルキは逞しく、ミコちゃんも随分と美人になって・・・嬉しいよ‼︎」

 

マサルは成長した息子、及び息子と仲のいい幼馴染の頭を撫で続けていた。

 

 

 

 

その頃、GIRLSではアギラ達がブルトンの起こした四次元現象に悩まされていた。キングジョーとガッツ星人(マコ)が扉から出るなり尻餅をつく。

 

「痛いデース・・・。」

「ああもう‼︎本当イライラする‼︎あの怪獣、絶対にただじゃ済まさないわ‼︎」

「とは言ってもどうやってこの閉ざされた世界から出れば良いのでショウ?」

 

2人が混乱している中、再び、ガッツ星人(マコ)が扉を開ける。そしてそのまままた異次元空間に飛ばされると思ったらドアの先の通路にきちんと出ていた。ドアを通って2人は顔を見合わせる。

 

「あれ?」

「普通に出れマスネ・・・。」

「「これって一体どういう事⁉︎(デス)⁉︎」」

 

その少し前、食堂ではピグモンの前に白い獣殻を纏ったぽっちゃり体型の怪獣娘が立っている。その怪獣娘は目を閉じて手をかざすと意識を集中させる。そして彼女から何らかの力が放たれた。その怪獣娘は力を放つとピグモンに向き合う。

 

「ピグモンさん、ドアを開けてみて下さ〜い。」

「は、はい!」

 

ピグモンが警戒しながらドアを開ける。そのまま彼女は訳の分からない空間に飛ばされると思った。しかし、その先にはいつもの食堂に続く廊下があった。ピグモンは表情を弾ませると後ろの怪獣娘にお礼を言う。

 

「ありがとうございます、ブルブル‼︎お陰でこの四次元空間から脱出出来ました‼︎」

「いえいえ〜、私の元の怪獣が暴れ回っている訳ですから〜。だったら私が駆け付けて事態を解決しないと〜。」

 

そう、この怪獣娘こそ、今、GIRLS東京支部の前に現れたブルトンの魂を継ぐ怪獣娘である。ブルトンのカイジューソウルを受け継いだ彼女も異次元を操る力を持っており、彼女は自身の異次元を操る力を四次元の力にぶつけて相殺し、この建物を四次元空間から脱出させたのだ。

 

「これでまともな指示も通ります‼︎急いで体勢を立て直しましょう‼︎ブルブル、これからも力を貸して下さい‼︎」

「勿論です〜。私の元の怪獣が迷惑を掛けている以上、幾らでも力になりますよ〜。」

「うっ‼︎うわああああ⁉︎」

 

その時、ミクラスの叫び声が聞こえてきた。ブルトンとピグモンは急いで声のした方向に向かう。するとそこではアギラ達とはぐれたのか1人になったミクラスの頭にバケツが覆い被さっていた。ミクラスはバケツが覆い被さっている事に気付いてないのか、手足をジタバタさせている。

 

「うわああああ‼︎今度は暗闇の世界に閉じ込められちゃったよ〜‼︎誰か〜‼︎」

「ミクミク‼︎落ち着いて下さい、ミクミク‼︎」

 

ピグモンがバケツを取り除くとミクラスは自身の視界が真っ暗になっていた理由を察する。そして自身の言動の恥ずかしさの余り、顔を真っ赤にした。

 

 

 

 

 

その頃、自身の正体を明かしたハルキとミコはマサルにこれまでの一連を説明していた。

 

「そうか、未来では再び怪獣が・・・そして怪獣の力で時空を越えてこの時代に来たんだな。」

「うん。」

「そして、色々と思い悩んでいたんだな。」

「そうなんだ。・・・情けないよな、高校生にもなって・・・こんな・・・。」

 

ハルキは俯いて呟いた。マサルは俯く息子の頭に手を置くとそのまま撫で始める。

 

「情けなくなんかないさ。それはハルキが優しい男になった証拠なんだからな。」

「え?」

「守れなかったその怪獣の親子の事まで考えていたんだろ?怪獣の被害に遭った人達じゃなく怪獣の命の事まで考えて悩んでいたんだ。それはハルキ、お前が優しい男に成長してくれた確かな証拠なんだ。父さんはそれだけで嬉しいよ。」

「父さん・・・。」

 

マサルの言葉にハルキは涙が溢れそうになる。その時、ハルキとミコの体が透け始めた。

 

「何これ⁉︎」

「俺達の体が・・・透けている‼︎」

「恐らく2人が元の時代に帰ろうとしているんだろうな。これで本当にお別れ・・・だな。」

 

マサルは透けていく2人を見据えると口を開いた。

 

「・・・ハルキ、これからも色々と思い悩む事もあるだろう。それでこんな事で悩むなんてなんて思う時もあるかもしれない。でもな、悩んでいいんだ‼︎人間は悩んで、答えを見つけて先に進み、強くなるんだからな。」

「父さん・・・。」

「困った時には友達や仲間を頼れ‼︎彼らの言動から悩みの先の答えを見つける事だって出来るんだ。友達や仲間を・・・大切にな。」

「ああ‼︎」

「ミコちゃん、息子を、ハルキを頼む‼︎」

「うん‼︎おじさん、ハルの事は任せて‼︎」

 

2人の体は段々と透けていく。ハルキは涙を流しながら目の前の父に必死に言葉を紡いだ。

 

「父さん・・・父さんのお陰で・・・俺、漸く答えが出せたよ‼︎」

「そうか。それは何よりだ。頑張れよ、ハルキ、ミコちゃん‼︎」

「うん‼︎」

「ありがとう、父さん・・・さよなら‼︎」

 

そして2人の体は完全に見えなくなった。2人が気付くと先程までいた階段にいる。ハルキは先程までの出来事を噛みしめながら涙を流している。

 

「ミコ、俺・・・父さんに会えた・・・もう2度と会えないと思っていた父さんに会えたよ‼︎」

「うん、そうだね。」

「父さん、逞しくなったって言ってくれた・・・あの手の感触も残ってる・・・残ってるよ・・・‼︎父さぁん・・・‼︎」

 

短い時間ながらももう2度と会えないと思っていた父との出会いを深く噛みしめながらハルキは泣き続ける。ミコはそんなハルキを優しく抱き締めていた。




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