影絵はアリゲラと空手の構えを取るハルキをイメージしています。
それではどうぞ。
GIRLS東京支部司令室で、職員の1人が怪獣が現れた現場にいた戦闘力の高い怪獣娘をピグモン達に知らせていた。
「近くにゼットンさんがいます!」
「繋げて下さい‼︎」
ビルの屋上で出現した怪獣を眺める怪獣娘がいた。黒い格好に額に黄色い結晶を備えた少女は宇宙恐竜の魂を継ぐ『ゼットン』。かつてウルトラマンを倒した最強の怪獣の魂を宿す怪獣娘だ。
彼女のソウルライザーに通信が入る。相手はピグモンだ。
「・・・・・・・ピグモン・・・・・。」
『近くに怪獣が出現しました‼︎』
「・・・分かってる。これからあの怪獣と交戦するから・・・・・。」
『お願いします‼︎レッドン達もそっちに向かっていますから‼︎』
ゼットンはピグモンからの通信に頷くと通信を切る。そして、その目は怪獣に向けられた。
現場では怪獣『アリゲラ』が高速で低高度飛行をしたせいで発生した衝撃波が周りのものを全て吹き飛ばす。人も車も建物も、怪獣が発生させた衝撃波で吹き飛んでいった。
「ぎゃああああああ‼︎」
「助けてくれぇぇぇぇ‼︎」
「皆さん‼︎落ち着いて下さい‼︎衝撃波が来ないビルの隙間に隠れて下さい‼︎」
「凄い衝撃波・・・・・‼︎どうするの、ラン⁉︎」
「あたしはあたしに出来る事をするよ‼︎」
ビルの隙間から大声で人々に呼びかける怪獣娘と彼女に捕まりながら問いかける1人の少女がいた。怪獣娘の方は胸にカラータイマーを備え、黒と灰色のどこか犬を思わせる格好の怪獣娘は超古代狛犬怪獣の怪獣娘『ガーディー』。彼女に捕まって、呼びかけるのはその親友の『日吉ジュン』。先程まで公園で走り込みをしていた少女達である。
彼女達は陸上に身を置いている者達であり、今日もいつもの様に走り込みをしていた。
そんな矢先に、怪獣が降りてきて、町の住民の避難誘導と救助を行なっていたのだ。
「ママーーーーー‼︎」
「駄目ーーーーー‼︎誰かあの子を助けてーー‼︎」
声の聞こえた方向に振り向くと小学1年生位の少年が衝撃波に巻き込まれそうになっていた。自分の手を一生懸命伸ばすが手の届きそうにない母親と思われし女性が叫ぶ。
ガーディーはその声の方に俊足で向かい、少年の手を握った。
「うわああああああ!助けて、怪獣娘のお姉ちゃーーーーん!」
「ラン、絶対手を離しちゃ駄目!」
「分かってる!この手は絶対に離さない!大丈夫だよ!あたしが助けるからね!」
ビルの隙間に捕まって、ガーディーは必死に少年の手を掴む。
彼女達が必死に足掻く中、アリゲラは街衝撃波を発生させながら街の上を通過する。やがて着地したアリゲラは肩に付いたパルス坑から放つ破壊光線で町を破壊する。
その様子を高いビルから見詰める人影がいた。ゼットンだ。彼女はアリゲラを見つめ、呟いた。
「・・・・・・これ以上、好きにはさせない。」
ゼットンは額の結晶にエネルギーを溜める。溜められたエネルギーは火球となってアリゲラに放たれた。元の怪獣と同じ威力の火球は確かにアリゲラにダメージを与えた。
アリゲラは火球の一撃で悲鳴を上げる。
「ギイイイイィィ⁉︎」
目が無いアリゲラは肩のパルス坑から放つ超音波で自分を攻撃した敵を探す。アリゲラは超音波で相手を特定し、攻撃を仕掛けるのだ。
ゼットンは火球を再び放つ。アリゲラは火球が来る方向を超音波で探り、その方向に向かって肩から破壊光線を放つ。
ゼットンは瞬間移動で避け、再び火球を放つ。
アリゲラは再び火球が来る方向を察知し、そこに目掛けて突進した。
怪獣の突進を瞬間移動で避けるゼットン。ゼットンはアリゲラの後ろに瞬間移動し、再び火球を放つ。
「凄え‼︎怪獣とあそこまで戦えるなんて・・・・・。」
ハルキは遠く離れた場所からそれを眺めていた。ゼットンとアリゲラの戦いを見ていたハルキは自分も負けてられないと思い、ゼットライザーを構える。
「ゼット、俺達も行くぞ!」
ハルキはゼットライザーのトリガーを押す。しかし、何も起きなかった。
「え、ちょっと待て!今、怪獣が暴れてるんだぞ!やるなら今だろ!なあ、ゼット!!」
ゼットライザーが何の反応も示さない事に焦るハルキ。
アリゲラは破壊光線を肩から放つ。ゼットンがバリアを張って防ぐ隙にアリゲラは爆風に紛れて空へ飛び立つ。
GIRLS東京支部司令室もそれを見ていた。ヘビクラは司令室の職員に指示を出す。
「怪獣が飛び立ちました‼︎」
「怪獣の進路予測方向は分かるか⁉︎」
「待って下さい‼︎このままだと・・・・・太平洋の真ん中に着水します‼︎」
「海に潜る気か・・・・‼︎海上自衛隊に連絡しろ‼︎潜水艦で奴の居場所を探れ‼︎」
「了解‼︎」
ハルキは怪獣を追うも、その余りの速さに追い付けるわけもなく、アリゲラがどこかに飛んでいくのを見ている事しか出来なかった。
「ああ、怪獣が逃げる!・・・・逃したか。」
「ハル!」
そこに怪獣娘に変身した幼馴染と2人の怪獣娘がやって来る。ゴモラとレッドキングだ。シャドウビーストの時に対面した事を覚えていたのか、ハルキにも声を掛ける。
「ミコ!」
「怪獣が出現したから、早く逃げて・・・・ってもういないみたいだね。」
「君はあの時の。」
「冬河ハルキです。あの・・・・レッドキングさんとゴモラさんですよね。大怪獣ファイト見ましたよ!凄かったです!」
「おう!見てくれたのか!嬉しいぜ。」
「大怪獣ファイトを応援してくれてありがとう‼︎これからもよろしくね‼︎」
「って、君はここにいたんだよね⁉︎怪獣がどっちに行ったか分かる⁉︎」
「ええっと、空高く飛んで多分ですけど、海のある方向だと思います。」
「ありがとう!私達はGIRLS本部に戻るから。怪獣が来るかもしれないから、避難してよ!」
ミコはそう言うと、何処かへ行ってしまった。
ハルキはそれを見届けると、突然目の前にZの形の光が浮かび上がり、人が1人通れる門に変わった。
「うわっ⁉︎」
ハルキは驚くも、最初にゼットと会った時と同じ門であると気付くと、恐る恐るその中へ入っていった。
中にはウルトラマンゼットがいた。ゼットはハルキに話しかける。
『よう、確か冬河ハルキだっけ⁉︎』
「ゼット⁉︎何でさっきは出てきてくれなかったんだよ⁉︎怪獣が出たんだぞ‼︎」
ハルキはゼットにさっき何でウルトラマンに変身出来なかった理由を聞く。ゼットは淡々と答えた。
『ちゃんとギリギリまで頑張って、俺達の気持ちがギュッと引き締まらないとウルトラマンになれないんでございますよ!』
「俺達の気持ちか・・・。ゼット、聞きたい事がある。あの怪獣は何故現れた⁉︎このメダルは一体何だ⁉︎このメダルが宇宙を救う希望ってどういう事なんだ⁉︎」
ハルキは腰のホルダーからウルトラマンゼロのメダルを取り出しながら、ゼットに問いかける。ゼットは落ち着く様に促す。
『落ち着け!ちゃんと話す!俺の名前はウルトラマンゼット。M78星雲・光の国からやってきた宇宙警備隊のメンバーだ。』
「宇宙警備隊って事は・・・・・伝説のウルトラ兄弟と同じ星から・・・・・。」
『この宇宙の地球では怪獣は絶滅したらしいが、俺達の宇宙では怪獣達は色々な星にうようよいる。そんな怪獣達が最近、デビルスプリンターと呼ばれる邪悪な因子によって凶暴化し、暴れ回る事件が起こっている。光の国では、この事態に対処するべく先輩達の力が込められたウルトラメダルとその力を引き出すウルトラゼットライザーが開発された。しかし、それらが光の国を襲撃したゲネガーグが飲み込んで逃げ出した。俺はゼロ師匠と一緒にそいつを追って、ここにいるという訳だ。』
「凄え、スケールのデカい話だな。そのゼロ師匠はどうしたんだ?」
『師匠はゲネガーグが放ったブルトンの力で四次元空間に飲み込まれちまった。だから、俺1人で追ってきたんだ。』
「そうか。」
『とにかくメダルを回収しないとな。』
「ライザーもだろ。・・・・何となく気になったんだが、ゼットって何歳なんだ?」
『えっ、大体5000歳くらいだけど。』
「へ〜・・・・・ってめっちゃ年上じゃないですか‼︎すいません、ここまでタメ口使って‼︎』
『え、ええっ・・・・頭が・・・頭が低っ・・・・辞めて、そういうの、なんかウルトラ気持ち悪い・・・・。』
「いやいや、年上に対して敬意を払うのは当然ですって‼︎少なくとも、地球では常識ですから‼︎」
『ええっ・・・・。』
敬語を使い始めたハルキに引いたゼット。ハルキは思い出した様にゼットに聞く。
「そういえば、この腰のホルダーにミコ達は全然触れなかったけど、どうしてなんですか?」
『ああ、それは地球人には見えない物質でできている。だから見えてない。そもそも目立ってない。というかレッドキングやゴモラみたいな格好の地球人がいたけど、あれは何だ?』
「ああ、それは怪獣娘ですよ!」
『怪獣娘?』
ハルキはゼットに怪獣娘について説明した。
「怪獣娘というのは、地球に現れた怪獣や宇宙人の魂を宿して生まれた女の子達の事を言うんです。俺の幼馴染もその1人で確か宿しているのはガッツ星人という宇宙人です。」
『ガッツ星人とはかなりの強豪の魂を持っているものだな。それにしても。』
「どうしました、ゼットさん?」
『不思議な事もあるもんですなぁ。怪獣達の魂が地球人の女の子に宿って、その怪獣の力が使える様になるとは。』
ゼットは怪獣娘の説明を受けて、宇宙にはまだ分からない事があると不思議な気分になるのだった。
アリゲラは海底でその身を休めていた。次に先程自分を攻撃した存在と再び遭遇した時の為に長い宇宙の旅で消耗した体力を回復させていた。
「ギイイイァァァ・・・・・。」
ハルキは空手道場と書かれた看板の前で立ち尽くしていた。道場の中は人が誰もいなかったからだ。
「怪獣が出たもんな・・・・・。そりゃ道場が空いている訳ないよな・・・・。」
その場で脱力するハルキ。そこに1人の少女が通りがかる。
ハルキはその顔を見て、驚いていた。彼女は幼馴染と瓜2つだったからだ。それでもハルキはミコの髪と比べると紺色な上にミコの癖毛が1つだったのに対し、目の前にいる少女の癖毛は2つだった事、そしてその雰囲気から別人と分かり、声を上げた。
「ミコ・・・・・じゃないよな・・・・。」
「・・・・アンタ、あいつを知ってるの?」
その声が聞こえたのか少女はハルキに話しかけてきた。ハルキは彼女の問いに答える。その答えに少女は顔をしかめながら呟いた。
「ああ、幼馴染だ。・・・・ミコが言ってた生き別れの双子の妹ってきっと君の事でしょ・・・・。」
「生き別れの・・・・双子の妹・・・・。そう、あいつはそう言ってたのね。」
「えっ、今何か言った?」
「別に・・・・アンタこそどうしたの?ここで脱力したような感じだったけど。」
「ああ、空手の練習がしたくてここに来たんだけど怪獣のせいで閉まってて・・・・・ならせめてこの辺りで何処か人気の少ない場所無いかなって思って・・・・・・。」
「だったらここから南の方にある高台に行けば。・・・・まあ、また怪獣が来る可能性があるからお勧めしないけど。」
「ありがとう‼︎それだけ聞ければ十分だ‼︎」
ハルキは南の方向に向かって走っていく。その途中で少女の方向に振り向く。
「・・・・・何?」
「俺の名前は冬河ハルキ!君の名前は⁉︎」
「・・・・・何でわたしの名前を聞くの?」
「君がミコの妹だったら君とも仲良くなりたいからさ‼︎俺、冬河ハルキ!」
「・・・・・・ハルキ⁉︎そう・・・・アンタが。・・・・・マコ・・・・・印南マコ。」
「マコさん・・・か。これから宜しく‼︎また会おうな‼︎」
ハルキはそう言い残して、その場を去っていった。マコはそれを見届けると複雑な表情で呟く。
「わたしと仲良くなりたい・・・・。無理よ・・・・・わたしは・・・・・本当は・・・・・・ミコの双子の妹じゃない・・・・。そもそも・・・・・・わたしは・・・・・普通の人間じゃないもの。」
マコには複雑な事情で生まれている。彼女は印南ミコが人に取り憑くシャドウ『シャドウミスト』に取り憑かれて、シャドウミストに乗っ取られる前に分身して切り離した結果生まれたもう1人のガッツ星人の怪獣娘である。彼女はシャドウミストに乗っ取られた時、ミクラスに大怪我を負わせた事や、自分の出自について悩んでおり未だにGIRLSや社会に馴染めずにいたのである。
「わたしの本当の正体を知ったら・・・・・・・.、アンタだって・・・・・離れていくでしょ。皆だって・・・・・わたしの事・・・・・。」
マコは今のところはミコとは普通に接する事が出来る。その時にハルキの事も聞いていた。ハルキ本人はミコと自分の本当の関係なんか知らない。その事がマコに余計に不安を与えている事をハルキもミコも知らなかった。
ギャラファイ、まさかの決着付かずで終わりましたね。
続編でタルタロスとの決着ですかね。
また、次回のTVシリーズのメインヴィランに他のアブソリューティアンも来る可能性も出てきましたね。
今年のウルトラマン関連の動きが楽しみです。