誘拐怪人『ケムール人』登場
突然消えたカオリの事を後にしてGIRLSに戻ったハルキとミコは講義室でいつものメンバーと調査部が知ったとある事実を聞かされていた。
「電磁波が?」
「はい、シャドウビーストが消えた地点からイルカに似ていますがとても強力な音波が検知されたんですよ。」
「そしてその音波はここのところ様々な場所で検知されているわ。そしてその音波が検知された場所の近くでは人間や怪獣娘が突然消える事件が起こっているのよ。」
「人間や怪獣娘が⁉︎」
講義室で話を驚いたヨウが驚くとトモミはモニターに映像を写す。そこには芸をする大道芸人が突然消える映像が写し出された。その様に映像を見た者達が驚く。
「こ、この消え方って‼︎」
「さっきのシャドウビーストにそっくり‼︎」
「他にもあるのよ。こんな風に人が消える怪事件が。」
ランが続けて出した映像にはエレベーターから降りた途端消える映像が映し出された。
「えっ⁉︎」
「い、今・・・。」
映像を見てハルキとミコは何かに気付く。2人が怪訝な顔をする中、他にもGIRLSの水泳大会で1人の怪獣娘が飛び込み台から飛び込んだ途端消える映像、何処かの公園でトレーニングの一環でランニングをしている怪獣娘が消える映像が映し出された。
「怪獣娘も被害に遭っているなんて・・・。」
「プールの映像は2日前、ランニングの映像はつい昨日よ。」
「この2人の行方はどうなったんだ⁉︎」
「・・・調査部が総員を尽くして探したけど・・・未だに手がかりすらないわ。」
全員が映像を見て青ざめる中、ハルキとミコはある事に気付き目を見開く。そして突然2人揃って立ち上がった。
「は、ハルキさん?」
「ガッツ・・・ど、どうしたの⁉︎」
「ピグっち、さっきの映像をもう一度写して‼︎」
「ええっ⁉︎どうしてですか⁉︎」
「早く‼︎」
「は、はい‼︎」
ハルキとミコに急かされ、トモミは再びランニングの中、消える怪獣娘の映像を写し出す。そして怪獣娘が消えた時、ハルキが突然画面を指刺した。
「ここ‼︎ここを拡大してください‼︎」
「え?ええ・・・分かりました‼︎」
ハルキの声でトモミは映像を一旦止めてある一点を拡大させる。何とそこには木から顔を覗かせる先程ハルキとミコが会った女性であるカオリが写っていたのだ。
「やっぱりだ・・・。こっちの映像ももう一度写してください‼︎」
「・・・ここ‼︎ここでここを拡大して‼︎」
「ええっ⁉︎2人ともどうしたんですか?」
「早く‼︎」
「はっ、はいい‼︎」
プールで飛び込んだ途端消えた怪獣娘の映像には観客席の入り口から顔を覗かせるカオリが写っている。ハルキとミコは残り2つの映像も写すよう促した。
「トモミさん、この映像も‼︎」
「こっちもお願い‼︎」
「もう〜‼︎2人とも一体どうし・・・⁉︎」
そしてトモミは再び大道芸人とエレベーターから降りる人が消える映像を写して2人が指差す物を拡大し、驚きの顔を浮かべた。そこには先程の2つの映像に写っている女性が今、再生した映像にも写っていたからだ。草陰から姿を見せるカオリと降りた人が消えた途端、エレベーターから顔を覗かせるカオリを見て他のメンバーも驚愕の顔を浮かべている。
「4つの映像に・・・同じ女の人が写ってる・・・⁉︎」
「ま、マジかよ・・・。」
「ハルキさんもガッツもよく気付いたね・・・。」
「当たり前だ・・・だって・・・だって・・・。」
「わたし達・・・ついさっき・・・この人に・・・会ったんだから・・・。」
『⁉︎』
ハルキとミコの言葉を聞いてその場にいた全員が驚きで目を見開いてハルキとミコを見る。そしてトモミが2人を問い詰め始めた。
「ふ、2人とも‼︎さっき会ったってどういう事ですか⁉︎」
「そのままの意味です‼︎俺達2人ともこの人に会ったんですよ‼︎」
「お昼ご飯がてらに休憩してて・・・その時に偶然ね。・・・でもその時はまさかこの映像全てに出てくるとは思わなかったよ‼︎」
「な、名前は何て言ってたんですか⁉︎」
「確か・・・カオリと言ってました。」
「・・・成る程・・・ではこの女性はカオリさんというのですね・・・。全員、今から大至急この人を・・・カオリさんを探して下さい‼︎人が消える4つの映像に必ず写っている以上、必ず何か知っている筈です‼︎」
「了解‼︎」
GIRLSの怪獣娘全員が奇怪な人間の消滅事件に関わる衝撃の事実を知る頃、その事実の当事者本人のカオリはベンチに腰掛けて物静かに本を読んでいた。やがて雲が彼女を覆うとカオリは本を閉じてベンチから立ち上がる。その本の表紙には『2020年の挑戦』と書かれていた。
そしてハルキとミコの案内の元、出動したメンバーは2人がカオリと遭遇した場所に来ていた。
「お前らが最後に会ったのがここだったんだな⁉︎」
「うん。」
「彼女に何か妙な事無かったかしら?」
「妙な事ですか・・・俺達とんでもないこと言われました。」
「一体何と?」
「私を・・・殺して欲しい・・・って。」
『ええ⁉︎』
ハルキの口から告げられた彼女の言葉に一同が唖然とする。そんな中、ランが口を開いた。
「まずは本人を探しましょう。ここで考察するより彼女を見つけて直接聞き出した方が早いわ。」
「それもそうね・・・そのカオリって人を探しましょう。」
「待って‼︎皆、あれ‼︎」
ランの言葉で全員が話し合いをやめてマコを筆頭に全員がカオリの捜索に踏み出そうとした時、ミカヅキがとある一点を指差す。そこには彼女達が探しているカオリがいた。カオリは公園の奥の方に向かって歩いている。
「いたぁぁぁぁ‼︎」
「カオリさん‼︎」
「待てハルキ‼︎手分けして探すぞ‼︎」
真っ先に出て行こうとしたハルキを止め、ベニオの言葉で彼女達は分かれてカオリを探す。ハルキはミコ、マコと一緒に彼女を追う中、2人のソウルライザーに着信が来た。
「もう‼︎何こんな時に⁉︎」
『こちらピグモン⁉︎全員慌ただしく動いているようですが一体何があったんですか⁉︎』
「カオリさんを見つけました‼︎俺達全員手分けして捜索してます‼︎」
『こりゃ取り込み中のようだな。今から新たに分かった事実をメールにして送る。追跡しながらでいいから確認しろ。』
「今ぁ⁉︎」
ハルキの声を聞いたヘビクラの判断で一旦電話が切られる。そして数分後、2人のソウルライザーにメールが送られてきた。2人がメールを開くとそこにはかつて第一次大怪獣時代にも今回と似たような事件があった事とその詳細が書かれていた。
「ハル、悪いけど読んでおいてくれる?」
「わたし達、先に行くから‼︎ハルキも後でついてきなさいよ‼︎」
「分かった‼︎」
ハルキはミコから受け取ったソウルライザーを開くと先程送られてきたメールを読み始める。
「分かった。えっと・・・『第一次大怪獣時代、人間が突然消えてしまう謎の怪事件があった。しかもその事件は当時、電子工学の権威であった神田博士の著書『2020年の挑戦』と」
ハルキがミコのソウルライザーに送られてきたメールを読む中、、2人のソウルライザーに連絡が鳴る。思わずミコが出るとミサオの声が聞こえてきた。
『こちらノイズラーとウインダム、カオリさんを発見した‼︎今から接触するから‼︎』
「待ってノイズラー、ウインダム‼︎」
ミコが2人に考察を話そうとした時、ミサオからの連絡が途切れる。それを聞いたミコは思わず足を止める。
「どうする、2人とも?」
「・・・取り敢えずノイズラー達と合流してカオリさんと会おう。」
「そうね・・・2人と合流しなきゃ話が進まないもの。」
ハルキはミコとマコの言葉に頷く。結論を決めた3人はミサオ達と合流すべく同時に駆け出した。
その頃、カオリを見つけたミサオとレイカはその後を追う。カオリは古い倉庫の中に入っていった。
「ノイズラーさん‼︎」
「ああ‼︎」
2人も後を追い、倉庫に駆け込む。するとそこにはブラウン管テレビや古くなった遊園地の遊具に加えて古い洗濯機などの昭和時代の遺産がずらっと並んでいた。
「これ、凄く古い物だよな・・・。」
「ええ、今ではお目にかかるのが難しい物が沢山ありますね・・・。」
「・・・こんな事してる場合じゃなかった・・・カオリさんを探さなきゃ。」
「そうですね、探しましょう。」
2人はソウルライザーの画面を明るく照らし、倉庫を探索する。しかし、カオリの姿は見当たらなかった。
「カオリさーん‼︎何処ですかー⁉︎カオリさーん‼︎」
「貴方に聞きたいことがあるんです‼︎お話を伺えませんか⁉︎」
「アタシ達の声、聞こえてないのかな・・・。」
「一体何処にいるんでしょうね・・・。」
レイカはふと横に明かりを照らす。するとカオリが曲がり角に向かっていくのが見えた。
「ノイズラーさん、カオリさんを見つけました‼︎」
「マジか⁉︎でかしたウインダム‼︎何処にいた⁉︎」
「こっちです‼︎」
2人はすぐさまカオリが消えた曲がり角に向かう。そして曲がり角を曲がった時、2人の目の前に黒い色に痩せ細った体、そして頭の天辺に突起を備えた怪人が目に映る。2人が来た途端、彼女達を待ち伏せていたように息を潜めていたその怪人は頭の突起から何か液体を吐き出す。ミサオとレイカは暗がりから突然現れた怪人の襲撃に思わず悲鳴を上げた。
「きゃあああああああああああ‼︎」
「うわあああああああああああ‼︎」
2人が謎の怪人の襲撃を受けた頃、2人が入った倉庫に近づいていたハルキ達は彼女達の悲鳴に気付く。その悲鳴を聞いた3人は真っ直ぐ悲鳴が聞こえた場所に向かった。
「今、ノイズラーとウインダムな悲鳴が・・・。」
「急ごう‼︎」
3人はミサオとレイカが入った倉庫に辿り着く。倉庫のドアを蹴って中に入り、2人を探している中、ハルキは倒れているカオリを発見した。
「カオリさん‼︎」
ハルキの声でカオリが見つかったと分かったミコはマコを連れてハルキの元に向かう。ハルキはその場に倒れているカオリを起こした。
「もしかしてこの人が・・・。」
「うん、そうだよ!さっきわたし達が会ったカオリさん‼︎」
「カオリさん‼︎」
「ハルキ君に・・・ミコちゃんと・・・?」
「この子はマコ。わたしの双子の妹です。」
「マコ・・・です。」
「カオリさん、ここで仲間の悲鳴が聞こえたんですがここで何があったんですか⁉︎」
ハルキの声でカオリは辺りを見渡す。そして彼女の隣にはギターとソウルライザーが落ちている。そのギターはいつもミサオが愛用しているギターとレイカのソウルライザーであった。
「ちょっと・・・それっていつもノイズラーが持ってたギターじゃん‼︎」
「一体どういう事・・・ここで何があったのよ⁉︎」
「わたし・・・またやってしまったのね・・・。」
マコに問い詰められた時、カオリは隣に落ちていたミサオのギターを見て沈痛な表情になる。そして3人に向かってまたしてもとんでもない事を頼んできた。
「ハルキ君、ミコちゃんにマコちゃん‼︎お願い、私がまだ人間でいられるうちに私を殺して‼︎」
「ちょっ、ちょっと‼︎落ち着いて下さいよ‼︎」
「何度も自分で命を断とうとした‼︎けど、アイツがそうさせてくれないの‼︎」
「アイツ⁉︎アイツって誰⁉︎」
「カオリさん、貴方、どんな秘密を」
ハルキが更にカオリに質問しようとした時、カオリが苦しそうに胸を抑えて苦しみ出す。ハルキとミコは彼女に駆け寄る。
「カオリさん、大丈夫ですか⁉︎」
「さっきと同じ・・・一体どうしたんですか⁉︎」
「寄るな‼︎」
カオリはハルキとミコを突き飛ばす。マコが2人に駆け寄ってカオリを睨む。するとカオリは雰囲気が変わったように口を開き出した。
「ハルキ、ミコ‼︎ちょっと何すんのよ⁉︎」
「お前、この星の人間じゃないな‼︎半分は人間、そして半分は・・・ウルトラマン‼︎私と同類だ‼︎」
「「「⁉︎」」」
ハルキの正体が見抜かれ、3人は目を見開く。幼馴染の正体を見抜き、目の前のカオリが別人だと思ったミコとマコは思わず問い詰めた。
「ハルキがウルトラマンである事を見抜くなんて・・・普通の人間じゃないわね。」
「貴方は一体何者なの⁉︎正体を現しなさい‼︎」
その言葉を聞いたカオリの姿が変化する。黒い色に痩せ細い体、そして頭に突起を備えている先程、ミサオとレイカを襲撃した誘拐怪人『ケムール人』に変化した。
「私はケムール人。我々の来訪はこれで2度目だ。」
「ケムール人・・・。ケムール人って確か‼︎」
「人間誘拐を目論んだ・・・宇宙人‼︎」
「そうだ・・・地球時間で54年前、仲間は日本に降り立ち大勢の人間の誘拐を目論んだ。」
「けど、あの時アンタらに誘拐された人達は戻ってきたって聞いたわよ‼︎」
「確かに・・・大半は奪い返された。しかし、一部は私のように地球人を奪い返される前に地球人と合成手術を受けた。しかし、その際、事故が起こり人間と混ざり合い、2つの肉体を得てしまった。それこそがこの女、カオリだ。」
「あの時、助けられなかった人達がいたっていうのか⁉︎」
「それから時が経ち、再び地球人誘拐が実行された。そして今の時代にはお前達怪獣の力を宿す超人『怪獣娘』がいるとも知った。事故とはいえ2つの肉体を持ち、人間に怪しまれずに行動出来るこの姿を持つ私は1番にこの計画に志願した。地球人と怪獣娘を誘拐するために・・・。しかし、この星に降り立った途端、制御した筈のカオリの精神が私から主導権を奪うようになった。」
「成る程な・・・全てが読めたぜ・・・。」
「故郷を思う人間の気持ちは実に強い物のようらしい・・・だがそんな抵抗は無意味だ。」
ケムール人はハルキ達に向かって突起から人を消す力を持つ消去エネルギー源を放つ。3人は横に逸れて液体を避ける。その時、ミサオのギターに液体がかかり、ギターが消滅する。その時、ケムール人は3人に背を向けて逃げ出した。ハルキとミコは思わず後を追おうとする。
「あっ‼︎待て‼︎」
「ちょっと、2人とも‼︎GIRLSに知らせないの⁉︎」
「そんなもん追いかけながらすればいいでしょ‼︎ノイズラー達を助けるためにもケムール人を追い掛けるよ‼︎」
ミコの言葉に納得したマコはソウルライザーを取り出す。そしてマコはソウルライザーで全ての事実を報告しながらハルキとミコについて走っていった。
最近、怪獣娘トリガーの方に感想が来なくて寂しさを感じています・・・
どうかこちらだけでなく怪獣娘トリガーにも感想を下さい‼︎凄く励みになりますので‼︎