硫酸怪獣『ホー』登場
「へ?俺と⁉︎」
「ど、どうしたのいきなり⁉︎」
ルイからの思わぬ誘いにハルキとミコは困惑する。ミコは兎も角ハルキの方は普段から余り接する事が無いルイからの誘いを受けて困惑を隠さないでいるのだ。
「あ・・・え・・・・・・いや・・・違うんです!えっと・・・えっと・・・・・・一緒に遊びに行って欲しいんですけど・・・それは・・・その・・・えっと・・・・・・。」
「ちょっ⁉︎ちょっと待って‼︎落ち着いて‼︎」
一方でルイはあまり男と接する事がないのか顔を赤くしながらしどろもどろになって何とか説明しようとするも完全にテンパってしまっており上手く説明できないでいる。そんなルイをミコは落ち着かせようと彼女の肩に手を掛けてルイと向き合った。
「ホー、一旦深呼吸して‼︎」
「えっ・・・ああ・・・・・・ふぅ〜・・・。」
「落ち着いた?」
「は、はい・・・大丈夫です。」
「そう、良かった・・・で?どうして急にハルの事を誘ったの?」
「あ、実は・・・その・・・ハルキさんと一緒に遊びに行って欲しいのは」
ミコのお陰で冷静さを取り戻したルイは改めて説明をしようとする。しかし、ルイは思わず後ろから視線を感じ、横目で確認する。するとそこには仁王立ちになってその光景を見ていたサチコとミサオがいた。2人とも俯いていて分かりにくいが無表情になっている。
「え⁉︎ノイズラーさんにザンドリアスさん⁉︎」
「ふ、2人ともどうしたの⁉︎」
「な、何だかお前ら・・・様子が変だぞ?」
ハルキの言う通り、サチコとミサオはその場で俯きながらずっと黙り続けてる。そしてルイを1度見てハルキを確認すると黙ってその場から立ち去っていった。
「ちょっ⁉︎ちょっと2人とも⁉︎」
「お、おいどこにいくんだ⁉︎」
「ま、待って下さい‼︎」
ルイはその後を必死に追い掛ける。ハルキとミコは思わず顔を見合わせた。ハルキとミコを追い越してルイは2人追い付く。しかし、サチコとミサオは早歩きでルイとの距離を引き離していく。
「ま、待って下さい‼︎2人とも・・・どうして・・・。」
「ホー・・・お前までハルキの事・・・好きだったんだな・・・。」
ルイはミサオの言葉を聞いて2人が黙って去ろうとした理由に気付く。引っ込み思案な彼女はハルキに話しかけた時、『サチコとミサオの』2人とも遊びに行って欲しいと頼もうとしたのだが自身が男の人とのコミュニケーションに慣れてないのと相手が年上なのもあって緊張しすぎた結果、その事を言い忘れてしまったのだ。
そして運が悪い事にその会話をサチコとミサオに聞かれてしまい、2人から実はハルキに好意を持っていてバンドのメンバーの空気が悪い事をいい事に抜け駆けしようとしていたと誤解されたのだ。
「の、ノイズラーさんに・・・ざ、ザンドリアスさん‼︎ち、ち、ち、ち、違うんです‼︎私は・・・た・・・・・・ただ・・・ハルキさんに・・・お願いしてほしくて・・・‼︎」
「お願いするって・・・何を・・・。」
「それは・・・その・・・えっと・・・・・・‼︎」
ルイは必死に誤解を解こうとするがテンパリすぎて言葉が出ないでいる。そんな中、サチコは俯きながら口を開いた。
「確かに・・・ハルキは顔もカッコいいし・・・空手やってるだけあって腕っ節も強いから惚れるのも分かるよ・・・・・・けど、だからって抜け駆けするような真似はして欲しくなかった・・・特に・・・今のタイミングでさ・・・。」
「ち、違う・・・違うんです・・・・・・ザンドリアスさん・・・。」
ルイは誤解だと説明しようとする。しかし、テンパって上手く説明できないため、誤解が解けず2人はルイに背中を向けて去っていく。ルイは2人の後ろ姿を見て涙を流し始めた。
「御免なさい・・・御免なさい・・・ノイズラーさん・・・ザンドリアスさん・・・私はただ単にハルキさんとお2人の距離が近くなればと思っただけなんです・・・・・・本当に御免なさい・・・御免なさい・・・。」
ルイは何度も謝り続けながら床に蹲って涙を流す。そんなルイの体から黒いオーラが出ていた。そしてそのオーラは街中に出ると黒い霧となる。そしてルイを追っていたハルキとミコは窓から黒い霧を確認する。
「な、何だあれ‼︎」
「分かんない・・・けど・・・ヤバい感じがする・・・。」
「う・・・嘘・・・あの霧・・・私から・・・。」
その頃、ルイも自身から出た黒い霧に思わず目を見開いて驚く。その時、彼女の後ろで曲がり角から1人の男がその光景を見ていた。それはセレブロに体を乗っ取られたGIRLS特殊戦闘部隊に所属するアサノという男だった。セレブロはルイに気付かれないようにアサノの体で後ろから彼女に向かって口を開いた。
「アレはお前が生み出した負の感情そのものだよ。」
「へ⁉︎だ、誰ですか⁉︎何処にいるんですか⁉︎」
「どうやらマイナスエネルギーで生まれた怪獣であるホーの魂を継ぐお前には膨大なマイナスエネルギーが出やすいようだな。それも・・・怪獣を生み出す程の。」
「⁉︎」
辺りを見渡して声の主を探していたルイだが窓からセレブロの言葉で外に目を向けるとその言葉通り、霧の中で何かが蠢いていた。それは二足歩行で頭に備わったコウモリに似た大きな耳が確認でき、昨日に比べてはっきりと見えるようになっていた。
「あーあ、どうやらお前は本物の怪獣を生み出しちまったみたいだな〜。これがバレたらますますバンドのメンバーから嫌われるだろうなぁ〜・・・。」
「そ・・・そんな・・・私が・・・本物の怪獣を・・・・・・。」
ルイはセレブロの言葉で更に落ち込み、膝から崩れ落ちる。自身が怪獣を生み出してしまったショックとセレブロの言葉で更に心にダメージを受けると彼女から更に黒いオーラが出てきて霧に吸い込まれる。そして怪獣は黒い霧をすべて吸収すると完全に実体化する。両手足に鋭い爪、芋虫のような尻尾、そして胸に渦巻き模様が刻まれたルイのカイジューソウルと同じ硫酸怪獣『ホー』が完全にその姿を見せる。ホー(本物)は自身が完全に活動出来るようになった事を確認すると口からマイナスエネルギー波を吐いて街を破壊し始める。
「ヴア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"‼︎」
「キエテカレカレータ・・・その調子で俺を追い詰めた怪獣娘達をぶっ潰してくれよ。」
窓から暴れ出して街を破壊するホー(本物)を見て黒い笑みを浮かべるセレブロはルイに気付かれないようにその場から離れていく。
当然街中にホー(本物)が出現した事はGIRLS全体でも確認され、司令室のピグモンからGIRLS東京支部内にアナウンスが響き渡る。
『緊急事態です‼︎街に突如、怪獣が出現しました‼︎直ちに出動して下さい‼︎』
「ハル‼︎」
「ああ‼︎」
ルイ達を探していたハルキとミコもピグモンからのアナウンスを聞いて外に飛び出していく。そんな中、キングジョーが操縦するキングジョー・GIRLSカスタムが2人を追い越してホー(本物)の前に着陸した。
「ピグモン、こちらキングジョー‼︎現場に到着しマシタ‼︎怪獣も確認出来マシタ‼︎」
『キンキン、こちらも出現した怪獣の照合を確認しました‼︎現れたのは恐らく硫酸怪獣ホーだと思われます‼︎』
「ホー、やっぱりそうなのデスネ・・・ワタシも同じ考えデス‼︎でも・・・何故いきなりホーが現れたのでショウ・・・?」
『その辺りは今のところ調査中デス‼︎キンキンはホーをお願いします‼︎』
「了解デス‼︎」
キングジョーはピグモンとの通信を切り、目の前のホー(本物)に視線を向けて操縦席のレバーを押す。そしてGIRLSカスタムからホー(本物)目掛けてミサイルが放たれた。ミサイルはホー(本物)に全弾命中する。
「ヴア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"⁉︎」
そしてGIRLSカスタムはミサイルを発射しながらホーに向かって突撃する。そしてホー(本物)に思い切りショルダータックルを仕掛けた。
「食らいなサーイ‼︎」
「ヴア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"⁉︎」
力強い上に硬い装甲に覆われたGIRLSカスタムのタックルを受けたホー(本物)は思い切り地面に倒れ込む。キングジョーは追撃すべくホー(本物)に向かって前進していく。そしてホー(本物)が立ち上がった時、左腕に装着されたペダニウムアックスを構えて振りかざした時、ペダニウムアックスによってホー(本物)の右腕が切り落とされた。
「ヴアアア"ア"アアアア"ア"ア"ァァァァ!」
ホー(本物)は右腕を切り落とされた痛みで切り口から黒い霧が血飛沫のように上げながら悶絶する。
その頃、未だ自身のせいで怪獣が出てきてしまった事にショックを隠せないルイの体から黒いオーラが止まらず出てくる。そしてルイから出てきた黒いオーラはホー(本物)に向かって飛んで行った。すると黒いオーラはホー(本物)の右腕に集中し、切り落とされた腕を再生していく。これにはGIRLSカスタムに乗ったキングジョーだけでなく現場に向かっていたハルキとミコも驚きを隠せない。
「え⁉︎」
「嘘だろ・・・切り落とされた右腕が・・・再生しただと⁉︎」
「ホーに再生能力なんてあったっけ⁉︎・・・それに・・・あの黒いオーラは一体・・・?」
右腕が完全に復活したホー(本物)は口から再びマイナスエネルギー波を放つ。それをまともに受けたGIRLSカスタムは地面に思い切り倒れ込んだ。
「キャアアアアアア‼︎」
GIRLSカスタムが地面に倒れるとホー(本物)はGIRLSカスタムに向かっていく。そしてGIRLSカスタムのマウントを取ったホー(本物)は両腕の鋭い爪でGIRLSカスタムを引っ掻き始める。しかし、硬いGIRLSカスタムには中々爪による傷がつかなかった。このロボットが硬い事を知ったホー(本物)は目から硫酸の涙を零す。高い硫酸の涙が落ちてGIRLSカスタムの装甲が溶ける音が響き渡った。
「なっ⁉︎GIRLSカスタムの装甲が溶け出してル⁉︎・・・これ以上はマズいデス‼︎」
キングジョーは右腕のペダニウム粒子砲の操作レバーに手をつけるとGIRLSカスタムのペダニウム粒子砲がホー(本物)に突き出される。そしてそのままペダニウム粒子砲から光線が0距離で放たれ、ホー(本物)を吹っ飛ばした。GIRLSカスタムはホー(本物)が吹っ飛んだ事を確認すると再び起き上がる。しかし、硫酸の涙を受けた部分から煙が上がり、機体にそれなりのダメージを受けた事がはっきりと分かる。それを見たハルキはウルトラゼットライザーを取り出すとミコに向かって叫ぶ。
「ミコ、行ってくる‼︎後は任せるからな‼︎」
「分かった・・・頑張って‼︎」
ハルキはミコに頷くとゼットライザーの引き金を引いてヒーローズゲートを開く。そしてヒーローズゲートからインナースペースに突入すると自身のウルトラアクセスカードをゼットライザーに読み込ませる。
Haruki Access Granted〉
自身のアクセスカードを読み込ませると今度は腰のメダルホルダーからアルファエッジへの変身に必要なメダルを取り出し、ゼットライザーにセットする。
「宇宙拳法、秘伝の神業!!ゼロ師匠、セブン師匠、レオ師匠!!」
〈ZERO〉、〈SEVEN〉、〈LEO〉
『ご唱和ください、我の名を!ウルトラマンゼェット!』
「ウルトラマンゼェェェット‼︎」
〈ULTRAMAN Z ALPHA - EDGE〉
アルファエッジの姿のゼットがホー(本物)に飛び蹴りをかましながら現れる。
「ジェアッ‼︎」
「ヴア"ア"ア"ア"⁉︎」
ホーが倒れると同時にゼットは戦闘態勢の構えを取る。ホー(本物)は起き上がると飛び蹴りを仕掛けてきたゼットを敵と認識し、突撃する。ゼットはホー(本物)が振り回してきた右手を受け止めて膝蹴りで怯ませるとその胸に正拳を打ち込む。そして隙を与える事なく裏拳を顔に打ち込んで回し蹴りで吹っ飛ばした。
「ヴア"ア"ア"ア"ア"‼︎」
ホーは態勢を立て直すと口からマイナスエネルギー波を放つ。ゼットは額のビームランプからゼスティウムメーザーを放ち、マイナスエネルギー波を掻き消した。
『ゼスティウムメーザー‼︎』
ゼスティウムメーザーとマイナスエネルギー波がぶつかり合い、爆発が起こる。その間にゼットはゼットスラッガーからアルファチェインブレードを形成し、ホー(本物)を斬り付ける。アルファチェインブレードの刃は何度もホー(本物)を斬り付けてその体に切り傷を刻み込む。しかし、再びホー(本物)に黒いオーラが流れ込み、刻まれた切り傷が回復していく。
(またか‼︎ゼットさん、これって一体どうなってんですか⁉︎)
『分からない・・・けど、あの黒いオーラは負の感情・・・マイナスエネルギーの類だ。アレがホー(本物)を回復させてるんだろう・・・。』
(マイナスエネルギー・・・それの居所を探らなければ・・・。)
『コイツを倒すのは・・・ウルトラ厳しいかもな・・・。』
「ヴア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"‼︎」
ゼットとゼットの中のハルキは苦々しそうにして、余裕そうに吠えたてるホー(本物)を睨み付ける。
そんな中、ルイは窓の外から暗い表情でゼットと交戦する自身のカイジューソウルの怪獣を見ていた。そんな彼女に1人の怪獣娘が声を掛ける。
「あれ?ホー、どうしてこんなところに?しかも何処か暗そうだけど・・・。」
彼女に声を掛けたのは自身がバンド仲間と出会うきっかけになった先輩の怪獣娘であるアギラだった。
ブレーザー、ここに来てまた怪獣娘の世界観的に出せそうな怪獣が・・・ゲバルガか・・・どんな怪獣なのか楽しみですね。
一方でデマーガの話はどうしようか・・・現在進行形で悩み中です。