隕石小珍獣『ミーニン』登場
ある日、小学校高学年くらいの少年達が集まって星空を眺めていた。彼らはこの日、学校の行事で宿泊学習があり、宿泊学習のプログラムの流れでで星空鑑賞会をしていた。そんな中、先生と思われる男性が生徒達に呼び掛けていた。
「皆、見えたか?あれがカシオペア座だ。」
「見えました‼︎あの5つの星ですよね⁉︎」
「あー‼︎確かに結ぶとW時になってる‼︎」
「家族で旅行に行った時もこんな風に星空を見てカシオペア座を見つけたよ。カシオペア座は年中見れるけど此の時期が1番見やすいんだぜ。」
横でカシオペア座の解説をする少年の名は「牛丸ユウジ』。ミクラスこと牛丸ミクの弟だ。彼がカシオペア座の解説をした直後。一筋の流れ星が流れた。それを見たクラスメイトが流れ星を指差す。
「あっ、流れ星!」
「お願い事しなきゃ・・・って消えちゃった・・・。」
「また見られるって。こんなに綺麗な星空なんだからきっと大丈夫だよ‼︎」
願い事を言う前に流れ星が消えた事に落ち込むクラスメイトをユウジが励ましている中、クラスの女子が夜空の一点を指差して先生に訊ねる。
「先生、あれも流れ星ですか?」
「どれどれ?」
クラスの女子が指差す方向を先生も眺める。すると確かに一筋の光が流れているのが先生だけでなくユウジ率いるクラスの男子達も確認する。
「あっ、あれも流れ星⁉︎」
「良かったな、今度こそお願い事出来るぞ‼︎」
「よーし、今度こそ‼︎新しいゲーム買って貰えますように‼︎お小遣いが増えますように‼︎今度のテストの点数が低くてもお母さんに叱られませんように‼︎」
「欲張りすぎだよ。流石にバチか当たるって。」
笑いながらクラスの1人がツッコミを入れる中、クラスの女子の中で眼鏡を掛けた如何にも学級委員長風の症状が異変に気付く。異変に気付いた女子は恐る恐る話しかけた。
「ね・・・ねえ・・・あの流れ星、変じゃない?」
「変って・・・何が?」
「こっちに近付いて来てるような気がするの・・・。」
「え〜、まさか。委員長ってば考え過ぎ・・・・・・。」
如何にもお調子者なクラスのムードメイカーな雰囲気の少年が笑いながら飛ばすも確かに先程発見した流れ星はこちらに向かって来ている。その雰囲気に皆が焦り始めた。
「いや・・・まさか・・・。」
「こっちに向かって来てる・・・の?」
「皆、屈め‼︎姿勢を低くするんだ‼︎」
担任の先生の言葉に全員が顔を腕で覆いなが身を隠すように屈む。すると流れ星は彼らの真上を通過して少し先の森に直撃した。直撃の衝撃で大きな衝撃風が巻き起こるも姿勢を低くしていた子供達は怪我無しに窮地を脱出する。先生が生徒達の安否を確認する。
「皆、大丈夫か⁉︎」
「は、はい‼︎」
「天体観測は中止だ‼︎安全が確認されるまで宿に避難してろ‼︎いいか、安全が確認されるまで宿を出るなよ‼︎」
先生が生徒達を宿に避難させると隕石が落ちた場所を確認する。すると先程隕石が落ちた場所の近くにもう一つの隕石が落ちたのを目撃する。
そしてもう1つの隕石が落ちた場所にはカブラギの体を抜けてアサノの体に寄生したセレブロが隕石が落ちてクレーターが出来た窪みを見つめている。その窪みの中に銀色の箱があるのを確認すると箱にレーザーを当て始める。そして箱を開けると真ん中に赤い結晶が付いた何かの機械を発見する。そしてその機械を回収したセレブロは機械を操作し始める。そして一通りの操作を終えるとそのまま暗闇の中に去っていった。
そしてセレブロがその場を去ったと同時に最初に落ちた隕石にも異変が起こっていた。隕石の中からヒトデに形が似た謎の機械が飛び出すとそのままセレブロの元に向かっていく。そしてセレブロがそれを回収すると隕石が完全に割れて赤い体に全身が刺刺の小さな怪獣が飛び出して来た。
「キュウ?キュウキュウ。」
怪獣は周りを確認するように辺りを見渡すと何処かへ去っていく。それを見たセレブロは思わず呟いた。
「キエテ、カレカレータ。」
その日の翌日、2つの隕石の調査及び回収の為にGIRLSが現地に到着した。まず最初にミクラスが現場に到着すると宿泊学習でここを訪れていた弟に抱き付く。
「ユウジ‼︎」
「わっ、姉ちゃん⁉︎どうしてここに⁉︎」
「当たり前でしょ‼︎あたし、GIRLSの怪獣娘なんだよ‼︎アンタの宿泊学習場の近くに隕石が落ちたと聞いて本当に心配したんだから‼︎」
「姉ちゃん、僕は大丈夫、何ともないよ。」
「本当に良かった・・・アンタが無事で・・・。」
ミクラスはユウジの体を抱きしめながら少しばかり涙を流している。その様子を見てゴモラが励ますように声を掛けた。
「良かったね、弟君が無事で。」
「うん・・・。」
ゴモラの姿を見たユウジは体を震わせながらゴモラに視線を向ける。そして疑問の言葉を投げ掛けた。
「どうしたの、ユウジ?」
「ね、姉ちゃん・・・その人って・・・だ、だ、だ、大怪獣ファイターのゴモラさん⁉︎姉ちゃん、知り合いだったの⁉︎」
「そりゃ当然でしょ、大怪獣ファイターとしても怪獣娘としても先輩なんだから。」
「す、凄え・・・本物だ・・・。」
「アハハ、悪いけどサインとかは後にしてね。今回、わたし達は調査に来たわけだからさ。」
「は、はい‼︎」
ゴモラの言葉に大きく返事する中、ハルキ、ガッツ星人(ミコ)、アギラにエレキングの4人はユウジの担任の先生から詳しい話を聞いていた。
「それで2つの流星はあの森の方向に飛んで行ったんですね。」
「ええ。」
「それじゃあ、森の方に行って詳しく調べる必要がありそうね。」
「そうだね。先生、そこに案内してくれる?」
「勿論です‼︎協力します‼︎」
「ミクさーん、ミカヅキさーん‼︎行きますよ〜‼︎」
ハルキに呼ばれてミクラスとゴモラはハルキ達の方向を一度向いて頷くとユウジとユウジのクラスメイトに対して再び視線を向けた。
「それじゃあユウジ、あたしは皆と隕石の調査をしてくるからここで大人しくしててね。」
「皆、絶対に外に出ちゃ駄目だよ。」
「分かってる。姉ちゃん達の仕事の邪魔はしないよ‼︎」
ゴモラとミクラスはユウジ達に背中を向けるとハルキ達と合流する。ハルキ達はユウジの学校の先生達の案内で森に向かっていった。
こうしてユウジ達は宿泊施設の体育館を思わせるオリエンテーションルームに集まって待機していた。ハルキ達が隕石の調査に向かって姿を消してから約10分程、黙りこくっていたユウジのクラスの中で誰かが思わず呟いた。
「暇だな・・・。」
「暇だね・・・。」
「うん、暇よね・・・。」
誰かが呟いた事でクラス全体が思わず頷いて呟き始める。そんな中、クラスの1人がトランプを鞄から取り出した。
「遊んではいけないとは言われてないし・・・トランプでもしようよ。」
「おお、いいな‼︎」
「賛成‼︎やろやろ‼︎」
トランプを取り出したクラスメイトをきっかけに他にもトランプを持ち込んでいたメンバーは鞄からトランプを取り出す。そしてクラスメイト全員で輪になるとトランプを使ったゲームを始めた。
彼らがトランプを始めた頃、昨日の隕石から目覚めた小さな怪獣は現状を確認するべく辺りを見渡して彷徨い歩いていた。その最中で楽しそうな声を聞いた怪獣はそちらの方向に向かっていく。そして数十分ほどかけてユウジ達が泊まっている宿に辿り着いた。怪獣は窓から中の様子を見ている。怪獣の目にはババ抜きをしている子供達の姿が写った。
「よっしゃ、抜けられた‼︎」
「うわー、最後に僕達か〜・・・。」
「絶対に負けないんだから‼︎」
「よし・・・じゃあ、まずは僕からだ‼︎・・・これで・・・セーフ‼︎」
「くっ、やるわね・・・じゃあ・・・・・・やったわ‼︎これであと1枚よ‼︎」
「え?・・・それじゃあ、それが・・・うわ〜・・・負けた〜・・・。」
「今ので3連敗か〜、今日のお前、運がないな〜・・・。」
「うわ〜、ショックだな〜・・・。」
ババ抜きを終えた子供達の中で一部の面子が鞄からビスケットなどのお菓子を取り出して口に運び始める。子供達がお菓子を食べている姿を見た怪獣は自身も空腹を感じ始めていた。怪獣は窓から視線を離すと宿に入れそうな入り口がないか辺りを探し始める。その時、怪獣は木の根に躓いて転んでしまった。突然外から大きな物音がした事で子供達は思わず外に目を向ける。
「なぁ、何か物音がしなかったか?」
「うん・・・先生達が帰ってきた訳じゃないよね・・・。」
「昨日の隕石を調べに森の奥まで行ったからそう簡単には戻ってこないと思うけど・・・・・・。」
「念のため・・・誰か見に行った方がいいかな?」
「多分・・・。」
「じゃあ・・・男子、行ってきてよ。」
「は⁉︎俺らかよ‼︎」
「こういう時は男子が動くんでしょ‼︎いいから‼︎」
男子は顔を見合わせて溜息をつくと代表としてユウジとユウジの友人2人が行く事になった。ユウジ達はドアを開けて音がした方向に向かう。するとそこには赤い何かが仰向けになって倒れているのを見る。
「キュ〜・・・。」
「何これ・・・。」
ユウジが思わず呟くとユウジに付いてきた友人2人は思わず分からないとでも言わんばかりに首を横に振る。呻き声を上げながら倒れている何かにユウジは恐る恐る近付いた。
「お、おい・・・大丈夫か?」
「キュ〜・・・。」
ユウジは恐る恐る声を掛けると何かは助けてくれと言ってるように鳴き声を上げる。その声を聞いたユウジは後ろの2人に目を向けると来いと言わんばかりに振る。2人はユウジに近付くとその肩を恐る恐る掴んで勢いよく引っ張り上げる。
「「「せーの‼︎」」」
「キュ〜‼︎」
3人に引っ張られてその何かは再び起き上がる。ユウジ達は何かの正体を確認するべくその姿を正面から覗き込む。ユウジ達はその正体を確かめて思わず尻餅をつきながら驚く。目の前で倒れていた存在は怪獣だったのだ。
「か、怪獣⁉︎」
「な、何でこんなとこに怪獣が⁉︎」
「や、ヤベエ・・・姉ちゃん達、いないのに・・・。」
ユウジ達は思わずその辺に落ちていた木の枝を手に取ると怪獣に向けて構える。怪獣への恐怖で体を震わせながら木の枝を構えていると怪獣が突然座り込んだ。思わず、3人が顔を見合わせると怪獣から大きな腹音が鳴る。その様子にユウジが思わず訊ねた。
「お前、腹減ってるのか?」
「キュ〜・・・。」
人間のの言葉が分かるのか怪獣はユウジの問いかけに頷く。自分の質問に答えた怪獣の答えにユウジは自身のズボンのポケットを探り始める。
「ちょっと待ってろ・・・えーっと・・・あった。」
ユウジはズボンのポケットに忍ばせていたチョコバーを取り出すと怪獣に与える。怪獣はチョコバーに口を付けると無我夢中で食べ始める。
「美味いか?」
「キュー‼︎」
「そうか・・・そうかそうか‼︎」
「キュ〜。」
「え?ああ、もう半分もやるよ。お腹空いたんだろ。遠慮するなって‼︎」
「お、おい・・・ユウジ・・・。」
怪獣が残り半分になったチョコバーを差し出してきて、そっちもあげたユウジは自身を呼ぶ友人の声を聞いて振り返ると困惑の表情を浮かべる友人の顔が見える。友人の顔を見て何が言いたいのか分かったユウジは明るく口を開く。
「大丈夫、コイツは悪い怪獣じゃない‼︎お腹が空いてここに来ただけだ‼︎」
「ほ、本当に⁉︎」
「ああ、食べないのって言ってるように俺に半分を差し出してきたんだ。間違いないって‼︎」
「キュ〜、キュ〜キュ〜。」
「もっと欲しいのか?悪いけど今はこれ一本しか持ってないんだ。・・・皆を呼んできてくれ‼︎皆で分け与えたらきっとコイツもお腹一杯になるさ‼︎」
その数分後、ユウジのクラスの皆が外に集まってきた。クラスメイトの誰もが目の前にいる怪獣に驚くもユウジの説明を聞いた彼らは自身が今回の宿泊学習に持ち込んだそれぞれのお菓子を与える。
「どうだ。腹膨れたか?」
「キュ〜‼︎」
「そうか、良かった・・・でも、お前何でここに倒れてたんだ?」
「キュ〜、キュ〜キュ〜‼︎」
怪獣は窓の側に立つと何かを訴えるように鳴き始める。その鳴き声と近くにある窓からユウジは推測を並べて訊ねる。
「もしかして・・・ここから俺達のことを見ていたのか?」
「キュ〜‼︎」
ユウジの問いに怪獣はその通りだと言っているように鳴く。その様子からユウジの問い通りだと知ったクラスメイトの中で女子の1人が訊ねた。
「何で私達を覗いていたの?一緒に遊びたいとか?」
「キュ〜キュ〜‼︎」
怪獣は彼女の言葉にその通りだと言わんばかりに頷きながら鳴き声を上げる。ユウジはその声を聞いて決意を口にする。
「よーし‼︎皆、コイツも仲間に入れてやろうぜ‼︎」
「えっ⁉︎いいの⁉︎こういうのGIRLSに連絡した方がいいんじゃ・・・。」
「その時は俺が姉ちゃんを説得するよ‼︎俺の姉ちゃんの中にGIRLSの、怪獣娘がいるんだ‼︎何とかしてみせるって‼︎」
「そうだよね・・・この子、怪獣だけど悪い子じゃないし・・・私達と一緒に遊びたいんだよね・・・うん‼︎いいよ‼︎」
「俺も賛成‼︎」
「僕も‼︎」
ユウジのクラスメイト達はユウジの言葉に賛成して小さな怪獣を仲間に迎え入れる。彼らは怪獣を自分達が泊まっている宿に迎えてオリエンテーションルームに向かっていく。しかし、子供達は自分達が迎え入れた怪獣が隕石から現れたある秘密を持つ隕石小珍獣『ミーニン』である事にはまだ気付いていなかった。
子供達がミーニンを自分達の仲間に迎えた頃、その様子を監視している者がいた。それは宿の従業員の1人だった。宿の従業員はスマホを取り出して誰かに電話する。
「もしもし、ボス。ミーニンの行方が分かりました。子供達の元にいます。」
『分かった。ガキ共からミーニンを奪う手筈を整えろ。我ら荒野の狼の為にな。』
「了解です、ボス。」
『ミーニンをガモランにする装置もそちらに来る情報提供者かつ協力者が回収済みだ。金と引き換えにそれを貰え。抜かるなよ。』
「了解です。」
実はこの従業員はエコテロリストグループ『荒野の狼』の一員である。この組織は怪獣娘と色々因縁がある組織であり、今回の隕石に目を付けていたらしい。また既に目の前の怪獣がミーニンである事も特定しており、完全にミーニンを狙う事にした荒野の狼の一員はオリエンテーションルームに目を向ける。その時、従業員の後ろからアサノの体を乗っ取ったセレブロがやってくる。
「荒野の狼の者か?」
「そうだが?」
「お前達が欲しい物を持ってきた。」
セレブロはミーニンと一緒に落ちてきたヒトデ型の機械を取り出す。荒野の狼の一員の男性はそれを見て歓喜の表情を浮かべる。
「ああ、アンタがボスが言ってた協力者か。少し待ってろ。」
男性は側に置いてあったアタッシュケースを開けて最低でも1000万円はある札束を見せる。それを見たセレブロは機械を差し出す。
「取引成立だ。キエテ カレカレータ。」
「妙な言葉を使うな。まあいい・・・これでミーニンは我々の物だ。」
セレブロからヒトデ型の機械を貰った従業員は悪どい笑みを見せる。子供達とミーニンに悪意に満ちた脅威が迫ろうとしていた。
原作で登場したM1号も作られた命なので怪獣娘世界でも出せそうだから原作通りM1号を出す考えもありました。
けど、怪獣娘世界とウルトラQが地続きであることを考えると特急列車が宇宙まで吹っ飛ぶ大事故を引き起こした原因であるM1号をまた作るとは思えずミーニンに変える事にしました。