ここを乗り越えればあと少しなのでもう少しだけお待ちください‼︎
慢性ガス過多症宇宙人『ベンゼン星人』登場
ここは金が採掘出来る事で有名なとある鉱山である。今日もここで多くの労働者が金を採掘するべく採掘の為に掘られたトンネルの中で仕事に励んでいた。しかし、ここ最近は金が採れない日々が続いており、かろうじて採掘できた微量な金に労働者達は溜息を吐く。
「あー、今日もこれだけしか採れなかったか〜。」
「あれだけ働いてこれっぽっちかよ・・・割りに合わねえぞ。」
「もうこの鉱山の金を掘り尽くしちゃった・・・なんてことはないっすよね?」
「いや、それは考えられねえぞ。会社の調査でもこの山には少なくとも後25年は採掘作業が続けられる量の金が眠っている筈だ。」
「だったら何で金が取れなくなっちゃったんですかね?」
「さあ・・・何か原因はあるとは思うが・・・。」
作業員達は駄弁りながらも作業を進め、僅かに取れる金を採掘していく。金の採掘の為に更に奥深くまで進んでいく中、1人の若い作業員が隣にいた同僚に訊ねる。
「ん?・・・今、何か聞こえなかったっすか?」
「え?・・・何が?」
「いや、なんていうか・・・唸り声みたいな・・・。」
「唸り声・・・いや、特に。」
「そうっすか・・・。」
先輩と思われる作業員の言葉で若い作業員は再び採掘にかかる。そして数分後、この現場を収める監督らしき男性に1人の作業員が作業を中断して声を掛ける。
「監督‼︎」
「どうした?」
「今、変な音が聞こえてきませんでしたか?まるで・・・何かが唸り声を上げているような・・・。」
「は?唸り声?」
「もしかして・・・先輩もですか?」
「ああ・・・お前が聞いた唸り声と同じかどうかは分からないが・・・。」
「俺は何も聞こえなかったぞ。風が吹く音を唸り声と間違えたんじゃねえのか?いいから作業に戻れ。」
監督の言葉で唸り声らしい音を聞いた2人は渋々持ち場に戻る。その時、2人の耳に唸り声らしき音が聞こえてきた。
「グルルル・・・。」
「⁉︎・・・先輩、今のって‼︎」
「ああ、さっき聞こえた唸り声だ‼︎監督‼︎」
作業員の1人が再び監督に声を掛ける。監督は鬱陶しそうな表情で部下に目を向けた。
「何だ?」
「やっぱり、唸り声のようなものが聞こえてきました‼︎間違いないっす‼︎やっぱりここ、何かいるっすよ‼︎」
「俺もこの耳で、2人同時に聞こえました‼︎嘘じゃありません‼︎」
「あのなぁ・・・このトンネルは俺らの会社が調査して直直に掘ったトンネルだぞ。変なもんがいる訳ねえだろ‼︎」
「嘘じゃないですって‼︎絶対に何か聞こえましたっすよ‼︎」
「んなもん、お前らの空耳に決まってんだろ‼︎ただでさえ金が採れなくなってんだ‼︎お前らの空耳で仕事を止めてる余裕なんてねえんだ‼︎分かったら仕事に戻らねえか‼︎ああ‼︎」
現場監督の怒鳴り声に驚いてその場にいた全員が手を止めて静かになる。その時、再び2人の作業員が聞いた唸り声のような声が全員に響いてきた。
「グルルルル・・・。」
「お、おい・・・今、何か聞こえなかったか・・・?」
「あ・・・ああ・・・聞こえてきたな・・・。」
全員が確かに聞こえた唸り声に恐怖を感じたのか顔を青ざめて震え上がる。先程作業員2人を怒鳴り付けた現場監督は特に部下以上に震えており、先程とは様子が完全に変わり果てていた。
「あ・・・ああ・・・い、今のは何だ・・・。」
「グオオオオオオオオオオオオ‼︎」
怖気付いた現場監督がかけなしの勇気を振り絞って立ち上がろうとした時、巨大な咆哮のような音が響いてくる。そして咆哮と同時に地響きが起こり、周りの壁が崩れ始める。
『うわああああああああああああああああああ⁉︎』
「お、おい今のは何だ⁉︎」」
「地震だ‼︎早くトンネルから出て外に避難しろおおおおおおおおお‼︎」
「う、う・・・うわああああああああああああ‼︎」
誰かの言葉で正気に返った作業員の中で現場監督がその場にいた青年の作業員を突き飛ばす。青年はビビ割れが起こり、いかにも崩れ落ちそうな地面に突き飛ばされた。すぐさま青年に現場監督と同じくらい年季のある作業員が助けに入った。
「あの馬鹿野郎‼︎おい、大丈夫か⁉︎」
「先輩、俺の事はいいですから」
「馬鹿野郎、おめえはまだ若えんだ‼︎これから幾らでも人生がある奴らを見捨てられるかよ‼︎」
作業員が青年に肩を貸してその場を離れようとする。やがて壁が本格的に崩れ始めた。後ろを確認した作業員は青年に呼び掛ける。
「おい、そろそろ急ぐぞ‼︎本格的に落盤が崩れて来やがった‼︎」
「は、はい‼︎」
他の作業員が既に脱出済みな中、2人は崩れるトンネルを駆け出す。そんな中、青年はふと後ろに目を向けた。そこには咆哮をあげる赤い目を持つ人間よりも巨大な何かがいた。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼︎」
「おい、どうした⁉︎」
「先輩、後ろに何かが・・・。」
「ああ、分かってる‼︎それより今は脱出を急ぐぞ‼︎」
先輩作業員の言葉で青年はすぐさま駆け出す。そして十数分後、鉱山の作業員は全員死人を出す事なく避難することが出来た。尚、我先に逃げようとして青年作業員を突き飛ばした現場監督は後日、左遷させられたとか。
突然起こった落盤崩壊から数時間後、異変が起こった原因を調べるべく様々な調査機関が集まっていた。その中にはハルキを含むGIRLS東京支部から来たメンバーが鉱山に集まっている。GIRLSが来訪した理由は作業員が聞いた唸り声が怪獣である可能性があると上層部が判断し、調査に同行する事になったのだ。現在はピグモンが作業員から何があったのか詳しく聞いている。
「それで・・・貴方は大きな何かが吠える音を聞いたのですね?」
「俺だけじゃないっす。先輩達も含むあの場にいた全ての作業員が聞いているっす。」
「巨大な何かを見たのも貴方ですか?」
「いえ、それは俺の同期っすよ。」
「その同期の方はどちらに?」
「あ、俺です。俺が見ました。」
後ろから声を上げた青年にピグモンは視線を向ける。ピグモンは青年に向き合うと顔をじっと見て口を開く。
「貴方がその巨大な・・・何かを見た方ですか?」
「ええ、かなりデカかったですよ、あれ。上を見上げなきゃそいつの目が見えなかったですから。」
「目を見たのですか?どんな感じだったかは・・・覚えています?」
「確か・・・真っ赤な目をしていたと思います。」
「赤い目・・・他に何か覚えている事は?」
「すいません、必死に逃げてたんで・・・これ以上は・・・。」
「いえいえ、十分に参考になりましたから大丈夫ですよ‼︎御協力ありがとうございました〜‼︎」
ピグモンは事情聴取を終えると拠点となるテントに向かい、鉱山の中に潜る準備を行うハルキ達と合流する。ピグモンが戻ってきた事を確認するとアギラが先に口を開く。
「ピグモンさん、どうでした?」
「皆さんが鉱山の中で遭遇した出来事を考えると・・・怪獣の可能性も十分にあり得ると思います。」
「じゃあやはり・・・。」
「ええ・・・鉱山に潜って詳しく調べる必要がありますね。」
ピグモンはテントの隙間から見える大きな鉱山に目を向ける。準備しながらハルキとガッツ星人(ミコ)がピグモンに問う。
「確か・・・この鉱山では金が取れなくなってたんでしたっけ?」
「ええ・・・そう聞いてます。それが何か?」
「それってもしかして怪獣の仕業じゃないの?講習で習ったけど、怪獣の中には金を食べる種類もいたらしいし。」
ガッツ星人(ミコ)は自身のソウルライザーを操作すると体が金色で首長竜のように長い首に小さな頭の天辺に角が生えた怪獣を写し出す。そしてその怪獣の画像をピグモンに見せた。
「今回現れた怪獣ってもしかしてこれじゃないの?」
「黄金怪獣『ゴルドン』・・・ですね。確かにピグモンも今回の事件はゴルドンの仕業じゃないかと考えています。けど、目撃者の証言によれば怪獣の目の色は赤らしいんですよね。それが一致しないのが引っかかって・・・。」
「他にも金を食べる怪獣なんていたっけ?」
「他にはこんなのもいますけど・・・爆弾怪獣『ゴーストロン』。」
ウインダムはソウルライザーに写したリーゼントのようなトサカを持つ怪獣の画像をピグモンに見せる。
「でもゴーストロンも赤い目ではなかったと思いますが・・・。」
「大丈夫だぜピグモン‼︎鉱山に現れたのが何なのか・・・それをこれから俺達が確かめるんだからよ‼︎」
「レッドン・・・。」
「だからここで待機メンバーと一緒に俺達の帰りを待っててくれ‼︎」
「はい‼︎」
鉱山に潜る準備を終えたチームがテントから出て鉱山を見上げる。そんな中、ハルキは険しそうな表情で辺りを見渡している。それを見たガッツ星人(ミコ)がハルキに訊ねた。
「どうしたの?」
「いや、さっき誰かに見られてるような気がして・・・。」
「え?」
ガッツ星人(ミコ)も辺りを見渡す。しかし、周りには特に怪しい者はいなかった。
「それらしい怪しい奴はいないし・・・気のせいじゃないの?」
「それならいいんだけど・・・。」
「それより、これから潜入作戦が始まるよ‼︎さ、急いだ急いだ‼︎」
幼馴染に連れられてハルキは怪獣娘達が集まっている場に足を向ける。しかし、ハルキが感じた視線は気のせいではなかった。少し離れた場所で黒い服を纏った壮年の男がハルキにカメラを向けていたのだ。男はハルキの顔をカメラで撮ると怪しい笑みを見せながら驚く事を呟いた。
「見つけたぞ、冬河ハルキ。またの名を・・・ウルトラマン・・・ゼット‼︎」
何故かその男はゼットの正体を知っていたのだ。その男はハルキの写真を確認するとその場から去っていった。
鉱山に潜るメンバーはハルキ、ガッツ姉妹、アギラ、レッドキング、ゴモラ、エレキング、セブンガー、ミクラスとなる。ふと疑問に思った事が出たハルキは近くにいるピグモンとヘビクラに訊ねた。
「そういえば落盤崩壊が起こったらしいですけど、大丈夫なんですか?下手すれば俺達も生き埋めになるんじゃ?」
「大丈夫ですよ〜‼︎穴掘りが得意な助っ人をお呼びしていますから‼︎」
「ザンドリアスとノイズラーの推薦でお前らに加わる強力な助っ人だ。」
「お待たせしました‼︎」
ピグモンとヘビクラの元にやって来たのは如何にも穴掘りが得意そうな大きな手を持つ大きな目を持つ怪獣の被り物のような獣殻を纏う怪獣娘だった。彼女の名はモゲドン。ウルトラマンダイナと戦った地底怪獣『モゲドン』の魂を継ぐ怪獣娘である。
「持ち前の掘削能力で豪雨災害の現場で活躍した実績のあるベテランの怪獣娘さんです‼︎」
「あの時は悪化する天気のせいで私も救助される側になっちゃいましたけどね・・・。」
「けど、お前らの中では場数の現場も多い。間違いなく今回の任務で頼りになる筈だ。」
「よろしくね、皆‼︎」
モゲドンが挨拶をして来たのを機にハルキ達も挨拶する。するとモゲドンはこの中で唯一の都市の近い男であるハルキに目を向けた。
「あれ、君は?」
「押忍‼︎冬河ハルキっす‼︎」
「ああ、君が噂のハルキ君だね‼︎ザンドリアス達から君の話は聞いてるよ‼︎頼りにさせてもらうからね‼︎」
「いやいや、俺なんてたかがしれてますって‼︎多分頼りにはならないですよ・・・。」
「ウルトラマンになれる奴が何言ってんのよ・・・。」
ハルキの発言に思わず小さい声で呟いたガッツ星人(マコ)にガッツ星人(ミコ)が肘打ちを入れる。迂闊にハルキとゼットの関係を口にした事を
ガッツ星人(マコ)も反省したのかすまないという表情をしている。
その後は全員、モゲドンと自己紹介も済ませていよいよ、鉱山に潜るべく、トンネルの入り口に調査メンバーが集まる。
「それではこれより鉱山の調査を開始します。皆さん、くれぐれも気を付けて下さい‼︎」
『了解‼︎』
ピグモンの言葉に答えたハルキ達は入り口に入っていく。全員が頭に付けたライトを照らして暗くなる道を進んで行った。
その頃、ハルキの顔を撮ったカメラを持った怪しい男は鉱山から少し離れた場所に駐車した黒い車に乗り込む。何故かハルキがゼットである事を見抜いたその男か車に乗り込んだ時、信じられない事が起こった。何とその車はヘリコプターに変形したのだ。そしてヘリコプターの中で叫び出す。
「破壊だ‼︎創造は単純作業だ‼︎破壊こそ芸術の極地‼︎」
その男はやがて人間ではない顔になり、明らかに異形の姿となる。大きな頭に赤い目を持つその男の正体は慢性ガス過多症宇宙人『ベンゼン星人』だった。
ゴジラ×コングも今週末に公開ですね‼︎絶対に見に行きます‼︎