怪獣娘Z ~ウルトラマンゼット登場計画~   作:特撮恐竜

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長い間お待たせして大変申し訳ありません!!
今年の夏から仕事の方が忙しくなった事と、11月頃に風邪を拗らせて体調が悪くなった事が合わさって小説を書く時間が取れずにいました。
もうアークも終わり寸前までですが、最後まで書ききるつもりなのでどうかよろしくお願い致します。


D4(前編)

この日、ハルキは休憩室でミコと一緒に飲み物を飲みながら雑話をしていた。話題は以前戦ったウルトラマンシャドーの残骸についてである。

 

「この間、俺達が倒したウルトラマンのロボットの残骸が何処かに持っていかれてる?」

「うん・・・どうも上層部で何か変な動きがあるみたいなんだよね・・・。」

「・・・何か少し嫌な予感がするな・・・。」

 

話題が話題なために2人とも暗い顔を見せる。ハルキとミコが2人同時に空に目を移した時、アキが慌ててやってきた。

 

「ハルキさん!!ガッツ!!」

「アギ?」

「どうした?そんなに焦って。」

「ピグモンさんと多岐沢博士から大切な話があるみたい。早く講義室に来て!!」

「分かった。すぐ行くよ。」

 

ハルキとミコは近くのゴミ箱に紙コップを捨てて、アキと一緒に講義室に向かう。3人が講義室に到着するとそこにはいつものメンバーが既に集まっていた。

 

「これで揃いましたね。」

「ピグモンさん、多岐沢博士、大切な話って何ですか?」

「・・・実は」

「その内容については俺の口から話そう。」

 

トモミが口を開こうとした時、物陰からハルキ達にとって見慣れない男が現れる。その男について多岐沢の口から詳細が語られ出した。

 

「こちらは金山シンヤ君。GIRLS戦闘部隊においてヘビクラさんの前任者を務めておりました。」

「え!?この人が!?」

 

そう、多岐沢に紹介されているこの男こそ、多岐沢の大学時代の友人であり、以前ブラックスターズにいるノーバに加えて炎魔戦士とサーベル暴君の怪獣娘と共にGILRS戦闘部隊でシャドウとの戦いに勤めていた金山シンヤその人である。

 

「今は新たに設立された地球防衛軍日本支部、通称『GAFJ』に出向し、司令官を務めている。今のGIRLS東京支部の皆、よろしく頼む。」

「地球防衛軍日本支部!?そんなのあったんですか!?」

「初耳なんだが!?」

 

今まで聞いたことがない組織の名称に怪獣娘を代表してレイカとベニオが驚きの声を上げる。すると金山の方から詳しい説明が返ってきた。

 

「ゲネガーグをきっかけに再び怪獣が現れ、町が破壊される事件が連続して起こったからな。シャドウ退治や新しい怪獣娘の保護などGIRLSにはやる事が多いからな。GIRLSだけに怪獣対策を任せるのは負担が大きいと国連も重い腰を上げて動き、必要な人員や予算、技術などを携えてようやく地球防衛軍を再び設立するに至ったという訳だ。」

「出来ればもっと早くからそうしてほしかったですけどね・・・。」

「それで・・・地球防衛軍の司令官が一体何の用なの?」

 

早く本題に入ってほしいらしいランの言葉を聞いた金山はモニターのリモコンを操作し、映像を映し出す。その映像にはゼットとウルトラマンエースに倒されたバラバが残した頭の剣『テリブルソード』が映っていた。

 

「これって・・・バラバの・・・。」

「防衛軍はこの剣を回収して新たな兵器を作れないか実験を開始した。異次元人ヤプールの持つテクノロジーを利用して強力な破壊兵器を作る実験をな。」

「ヤプールの技術を・・・デスか!?」

「そして先日、ようやくその兵器が完成に近い段階まで作成されたんだ。」

 

そう言って金山が映像を切り替えると何処かの無人島が映し出された。無人島の中心にはカプセルを思わせる側面に「D4」と大きく描かれたペイントが円筒型の機械が見えた。

 

「これは・・?」

「東太平洋海上に浮かぶ中の鳥島だ。」

「ああ、先日ニュースでやってたね。突然大きな地震が起こって壊滅状態になったとか・・・。」

「真実は違う。この映像に映っている防衛軍が開発した新兵器『D4』の爆破実験で壊滅状態になったんだ。」

『!!??』

 

全員が金山に対して驚いた顔を見せる。金山は『映像を見ろ』とでも言いたげにモニターに指を刺す。

すると映像の中で赤い円筒型の機械が赤く光り出す。その光は空に赤いエネルギー波となって射出され、空にヒビが入り始める。そして空間のヒビが機械から半径1kmまで広がると完全に割れ始める。そして島の半分が空間ごと消し飛んでいた。

 

「マジかよ・・・。」

「で・・・防衛軍はこの兵器をどうしろと・・・?」

 

その威力に唖然とするハルキの前でヘビクラは金山を睨みながら問いかける。ヘビクラに尋ねられた金山の重い口から耳を疑う衝撃的な言葉が飛び出した。

 

「防衛軍は・・・完成したこの異次元壊滅装置・・・D4レイを・・・キングジョーGIRLSカスタムに搭載する予定だ。」

『!!!???』

 

その瞬間、講義室にいた誰もが驚いた顔で金山を見る。そして次々と反対の言葉が飛び出した。

 

「本当なんですか・・・?」

「金山君、僕は反対です!!危険すぎます!!異なる次元のエネルギーがこの次元にどんな影響を及ぼすかまだ分からないんですよ!!」

「俺も多岐沢博士の意見に賛成です!!島の半分を消し飛ばすような兵器を市街地の真ん中で使ったら市民に犠牲が出ますよ!!」

 

多岐沢とハルキの言葉を聞いた金山は2人の顔を見渡すとため息をついて口を開いた。

 

「この兵器の威力はアンダーコントロールだと防衛軍は結論付けている。」

「それは防衛軍の思い込みじゃないんですか!?」

「それに幾らあの頑丈なキングジョーでも十分な運用データが無ければどんな問題が起こるか分かりマセンよ!!」

「だからGIRLSカスタムに搭載後、試験射撃が行われる予定だ。それと・・・そこの坊主、名前は?」

「ハルキです・・・冬河ハルキ・・・。」

「そうか。・・・ハルキ、防衛軍もそこまで愚かじゃない。D4レイを放つときは市民の避難が完全に完了した事を確認した上で使用許可を出す。市民に対する被害に関しては心配無用だ。」

「ぐっ・・・。」

 

金山に論破された事でハルキは悔しそうに口を噛み締める。その時、横からトモミと多岐沢が金山の横から反対の意思を示す。

 

「だからと言ってこの兵器を使う理由にはならない筈ですよ‼︎」

「トモミさんの言う通りです‼︎先程の話を聞いても僕はやはり認められません‼︎これまで人類は未知なる力を手にしてはその度に失敗を繰り返して来ました‼︎未知の力を安易に扱うのは危険過ぎます‼︎」

「それにGIRLSはあくまで怪獣娘を助ける為に設立されたのであって怪獣を倒す為に設立された訳じゃありません‼︎これ以上身に余る力を持つのは理念の崩壊に繋がります‼︎」

「・・・だとしても、俺達人類はD4を持たざるを得ないんだ。」

「どうしてですか⁉︎」

「ウルトラマンはいつまでもこの星にいるわけじゃないからだ。」

 

金山はモニターのリモコンを操作して映像を映し出す。映像に写っていたのは初代ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウのウルトラ6兄弟だった。

 

「宇宙の遥か彼方・・・M78星雲光の国から初代ウルトラマンが地球にやってきてから以降、様々なウルトラマンが地球にやってきて我々人類と共に凶暴な怪獣や邪悪な宇宙人と戦ってくれた。ウルトラセブン、ジャック、エース、タロウ・・・。」

 

金山がリモコンを操作するとモニターの画面にウルトラ6兄弟に加えてレオ兄弟、80、マックス、メビウスが写し出された。

 

「タロウの後にもレオ、80、マックス、メビウスといった様々なウルトラマンが光の国から地球にやってきていた・・・。しかし、どのウルトラマンも大きな戦いを終えた後は必ず地球を去っているんだ。」

 

そう言って金山は先程のウルトラマン達の最後の戦いの映像を映しだす。そこでは最後の戦いを終えて地球を去っていく様々なウルトラマンの姿が写されていた。金山は次にティガ、ダイナ、ガイアに加えてコスモスやジョーニアス、ネクサスといったウルトラマンの映像を映しだす。

 

「M78星雲光の国と関係がないと思われるウルトラマンもそうだ。ティガ、ダイナ、ガイア・・・コスモスも・・・ジョーニアスも・・・ネクサスも・・・最後の大きな戦いを後に地球から姿を消している。ここまで言えば分かるだろ。ウルトラマンはいつまでもこの星にはいられないんだ。」

 

ティガ達の最後の戦いが切れると同時に放たれた金山の言葉に全員が反対意見を軽々しく言えなくなっている。そしてゲネガーグ以降、地球に現れた怪獣、及びに宇宙人とゼットの戦いの記録映像が映し出される。

 

「地球から怪獣が根絶されたと思われ、この星は一時期は平和になった。だけど我々は忘れていたんだ。宇宙からも怪獣がやってくる事がある事も・・・邪悪な侵略者がまだこの星を狙っていた事も・・・。」

 

映像が全て終わると金山は全員の顔を見渡して一息ついてから発言する。

 

「ウルトラマンはな、いつ地球を去るかもいつまで地球にいるかも分からない不確定要素なんだよ。今、地球を守っているウルトラマン・・・ゼットがもしも大きな戦いを終えて地球を去っていった後も・・・宇宙怪獣や宇宙人が地球に襲来したとしたら・・・我々は誰を頼ればいい?」

 

金山の言葉にもはや誰も言い返す事が出来ずにいた。ゼットが仮に地球を去った後の事をここにいる全員誰もが考えていなかったからだ。そんな中、ハルキが静かな声で発言した。

 

「その時は・・・D4に頼らずとも・・・GIRLSカスタムだけで地球を守ってみせます。・・・だけど・・・1つだけ言わせてください‼︎ウルトラマンは‼︎必ず地球を見捨てたりはしない‼︎何故なら、俺がウ」

「ハル‼︎それ以上は駄目‼︎」

「落ち着け、ハルキ。」

 

焦りのあまり、自身の正体をバラしそうになったハルキをミコが制止する。ヘビクラはハルキの気持ちを悟って肩に手を叩く。金山は複雑そうな顔で全員を見渡して口を開いた。

 

「本当はな・・・俺も同じ気持ちなんだ・・・。だけど・・・これは決定事項なんだよ。どうか分かってくれ。」

 

金山は全員に自身の気持ちを伝えるとドアの横にいたトモミと多岐沢に一礼して講義室から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

金山からD4の事を一通り伝えられて、完全に疲れたハルキ達はリラックスする為に自販機でジュースを買っていた。近くのベンチでは堅苦しい空気が苦手なミクとミカヅキが既に座りながら腕を伸ばしている。

 

「はあ・・・疲れたぁ・・・。」

「まさかあんなヘビーな話を聞かせられるとは思わなかったよ〜。」

 

ハルキはコーラを買うと窓に映る隣にいるミコに外の街を見ながら呟いた。

 

「確かに・・・俺達、今まで考えて無かったよな。」

「?何が?」

「ゼットさんが仮に・・・地球を去った場合の・・・事だよ。」

「そっか。元々ゼットってゲネガーグに奪われたウルトラメダルとゼットライザーを取り戻す為に来たんだよね。」

「当然、取り返したゼットライザーは光の国に届けなきゃいけない訳で・・・。」

 

ハルキ達は本来ゼットがこの星に来た目的を思い出して街を眺めていた。

 

「ボク達だけで守り切れるのかな・・・この星を。」

「少し・・・不安になりますよね・・・。」

 

アキとレイカが不安げな顔で街を眺めていると後ろからミカヅキが2人の肩に手を伸ばして顔を近づけながら明るく話し掛けた。

 

「大丈夫大丈夫‼︎少なくともゼットちゃんはもう一つのゼットライザーを取り返すまではハルちゃんと一緒にこの星にいなきゃいけないんだから‼︎考える時間はまだまだ充分にあるよ‼︎」

「ゴモたん・・・。」

「だから・・・今はD4の事に集中しよう。ね?」

 

ミカヅキの明るさに勇気付けられたのかアキとレイカの顔に明るさが戻る。その時、ヨウとユカの2人が慌ててやってきた。

 

「先輩達‼︎大変です‼︎」

「どうしたの2人とも?」

「いいから早く‼︎」

「GIRLSカスタムの保管庫まで来て下さい‼︎」

 

ハルキ達はただならぬ雰囲気に困惑しながらも2人について行く。そしてGIRLSカスタムの保管庫に辿り着くとそこには先程の映像で見た兵器『D4』が運ばれていた。思わずベニオが2人に聞き返した。

 

「バッサーちゃん‼︎ジャッパちゃん‼︎これは一体‼︎」

「わたし達も偶然通りかかって・・・見慣れない何かが見えたから何だと思ったら・・・。」

「さっきの映像で見たあれが見えたんすよ‼︎」

 

ハルキ達はD4レイがキングジョー・GIRLSカスタムに向かって運ばれているのを見てこんなに早く搭載に入るとは思わず驚愕の表情になる。

 

「もう・・・あれを付けるんだね。」

「ちょっと‼︎あれを見て‼︎」

 

マコが指差した先では地球防衛軍から来た作業員とGIRLSカスタムのメンテナンスを行う作業員が言い合いになっているのが見える。

 

「お前ら‼︎勝手にそれに触るな‼︎」

「これは決定事項だ。防衛軍のな。」

「後から現れてしゃしゃり出るな馬鹿野郎‼︎」

「帰れ帰れ‼︎」

「私達の仕事場を荒らすな‼︎」

「黙れ‼︎全員退出させるぞ‼︎」

 

完全に修羅場になっている現場を見てハルキはゼットライザーを取り出す。それに気付いたマコが問い掛けた。

 

「ちょっと‼︎どうしたのよ、ゼットライザーを取り出して。」

「ちょっと・・・D4についてゼットさんと話してくる。ここは頼む。」

 

ハルキはゼットライザーのトリガーを押すとヒーローズゲートに入り、インナースペースに向かっていった。




今回は怪獣娘世界において、ウルトラマンがいない時に宇宙怪獣や宇宙人が攻めてきたらどうするかについて言及してみました。
大怪獣バトルの世界も似た世界ではありますがあちらでは怪獣を絶滅させる程の戦力があるのでそこまで心配することは無いと思われますが怪獣娘世界は現代と変わらないので大分重要になると思って書きました。
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