とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのは編)。   作:SUN'S

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第10話

⊥月Β日

 

これは無事と言って良いのか。

 

私と高町さん達との長いようで短いロストロギア争奪戦は幕を下ろした。それと私のコスモスの輝石はジュエルシードとは無関係の代物だと認められ、ハラオウンさん達に返却して貰えた。

 

まあ、ハラオウンさん達は最初からジュエルシードとは違うものが混ざっていることに気付いていたそうだけど。なにかあるのか?と考えて、そのまま様子見を続けていたということらしい。

 

私としてはコスモスの輝石を返して貰えただけで大満足だから、そんな頭を下げなくて良いんだよ?なんて話しながら窶れた女の人じゃなくてプレシア・テスタロッサの不治の病についても私に出来ることなら手伝うつもりだし…。

 

そうプレシアさんが居るところで話していたら後ろでアースラのみんなが大声で「きみこそ聖女だ!」や「もう天使じゃないか!」とかよく分からないことを叫ぶ男の人たち。

 

その男の人たちを押し退けて、ぎゅーっと私を抱き締めて離そうとしない女の人たちが凄い熱狂的な言葉を話してる気がする。

 

だって、ほとんど聞き取れないもん。

 

⊥月ゎ日

 

次の日、私の腕を締め上げるテスタロッサさんと対抗するように逆サイドの腕を締め上げる高町さんに挟まれながらアースラの食堂で朝御飯を食べていると「ねえ、あなたはどっちがいいの?」とテスタロッサさんが聞いてきた。

 

なんのことか分からないけど、私はパンよりお米派だよ?と言ったら「ふふん、お米ってことは『なのは』のことなの!」と訳の分からないことを叫ぶ高町さんと悔しそうに涙目になるテスタロッサさんに首を傾げながらパンも好きだよ?と言うとテスタロッサさんが笑顔になった。

 

ねえ、これって謎掛け?と二人に聞こうとしたら「浮気はダメなの!」と言い出す高町さん、それに対抗して「浮気じゃない、これは純愛…!」と勝ち誇るテスタロッサさんが私の腕を力強く引っ張る。

 

そして、私達を見守るアースラのみんなという変な構図が出来上がっているけど。そろそろ朝御飯を食べないと冷めちゃうよ?と二人に言えば直ぐに座り直し、あーんとシチューを掬ったスプーンを口元に差し出してくる。

 

私は一人でも食べられるよ?

 

そっと目の前でパンを食べているハラオウンさんに「刺されないように気を付けなよ…」と言われ、言葉の意味が分からないけど。その時はハラオウンさんが守ってねと笑ったら逃げられた。

 

二人とも頬っぺたを引っ張らにゃいで…。

 

月日

 

この数ヵ月の出来事を思い返せば高町さんとテスタロッサさんが魔法少女とは名ばかりの高速で空を飛ぶ戦闘機にしか見えなくなった。

 

そう思ってしまうのも仕方無いことだと割り切ろうかと考えたけど、二人とも一生懸命にジュエルシードを封印しようと頑張っていたのが原因かな?と考えれば納得するところも多いことに気付いた。

 

ただ、私の腕をガッチリと固定してバスや学校の休み時間に友達と話す高町さんを誰かを止めてほしい。そんなことを考えながら商店街を歩いていると車椅子の女の子が段差の前で悪戦苦闘しているのが見えた。

 

私は見て見ぬふりも出来ないので段差を越える手伝いをするために声を掛けたら何かを我慢したような声で「ありがとうなぁ…」と言われた。

 

むっとはしないけど。私にも貼り付けた笑顔で「食材を持ったまま動くん大変なんよ」と話す女の子の車椅子のグリップを掴み、そのまま押し始めたら「ああ、これはどうも」と苦笑いとも思える笑顔を向けてくる。

 

そんな悲しい顔をしないでほしい。

 

気付いたら私は女の子に変なことを言っていたようで、女の子を見たら驚いたような表情を浮かべながら「私の笑顔変やった?」と聞かれた。

 

正直に言えば我慢してるようにしか見えない。そんなこと初めて会った人に言われたら怒るかもしれないけど、私は貴女の本当に笑った顔が見たい。

 

そう彼女に言ったらブツブツと「なんなんよ、私のことも知らん子にバレるとか…ほんまなんなんよ」と呟き、そのまま俯いて続けるように「なあ、なんで分かったん?」と聞かれ、流石に知ってる人に似てたからとは言えず…。

 

まあ、なんとなくかな?と首を傾げながら言ったら「なんやのそれ」と両手で顔を覆いながら天を仰ぐ女の子に「ごめんね」と言えば「いや、気にせんといて、私のポーカーフェイスが未熟なだけやし」とのことらしい。

 

そのまま見破った本当の意味を教えてと話す八神はやてと他愛のない話を繰り返しながら彼女の家まで送り届け、明日も話したいという八神さんと約束を交わして家に帰る。

 

 

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