とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのは編)。   作:SUN'S

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第13話

∃月♭日

 

私の目の前に現れた蒼い毛並みの狼が人間へと変身し、大人しくリンカーコアなるものを差し出せば手荒な真似はしないと言ってきた。

 

どうやら学校で先生が注意するようにと話していた不審者の人で間違いないようだ。

 

あまり危ないことに関わりたくないけど、私は赤い通り魔を見てからカラータイマーを模したブローチ型懐中電灯を身に付けるようにしてる。

 

まあ、これで誤魔化せるとは思いたいけど。

 

それに他の人に私の危機を知らせる方法は防犯ベルしかない。それに防犯ベルを使う以前の問題だ。明らかにムキムキな不審者とか男の人が何人居ても勝てる気がしないのです。

 

私の制服の真ん中で青く輝いているカラータイマーを指差しながら「それがリンカーコアだ」と言い出した不審者さんを見上げる。

 

これはコスモスの輝石と同じくらい大切なものだから渡せない。…だって、これを外したら赤い通り魔が出てくるかもしれないもん。

 

そうなったら誰にも気付かれず、私は山奥に連れていかれてレッドフォールされるんだよ?と不審者さんに叫んだら私を通りすぎ、私の首を掴もうとしていた赤い通り魔と力比べを始めた。

 

もう、お家に引きこもろうかな。

 

∃月ゝ日

 

早朝、私は不審者さんと別れた路地を覗くと傷だらけの不審者さんが地面に倒れていた。そっと音を立てないように近付き、ナイトティンバーで押したら「ぐっ、私は負けたのか…?」と聞かれた。

 

私の知ってる赤い通り魔は倒した相手を必ず殺して山奥の崖から突き落とす残虐非道なヤツだと教えると「主はやて、申し訳ありません」と呟き、半透明になっていく不審者さんに思わず、コスモヒーリングを使ってしまった。

 

アースラでもハラオウンさん達に使いすぎ注意と言われていたのに、不審者さんに使ってバレちゃった。しょんぼりとしながら不審者さんに「この事は内緒にしてくださいね?」と頼んでバス停へ向かって走る。

 

もう、不審者さんにも赤い通り魔にも会うことはないと思いたい。そして、どうか私の家の周辺を徘徊する赤い通り魔を退治してほしい。

 

なんとか発車前のバスに間に合い、そのまま振り返らずにバスに乗り込むと顔色の悪い高町さんが小さな声で「さっき、あいつがいたの……」と呟いた。

 

たぶん、私の顔色も悪くなってる。

 

だんだんと徘徊する範囲が狭くなってる。このままだと私の家と高町さんの家の辺りを歩き回る赤い通り魔と遭遇して……。

 

∃月℃日

 

私を助けてくれたという認識であってるのか。今日も不審者さんことザフィーラは高濃度の魔力を保有する私が欲しいそうです。

 

そんな熱心に頼まれてもカラータイマーはあげませんよ?なんて思いながらも私に付きまとう理由が赤い通り魔との再戦だということを私は知ってる。

 

ザフィーラさん、実は不審者さんじゃなくて変態さんなのかな?等と考えながら犬の姿のまま平行して歩くザフィーラさんを見る。

 

今より小さな頃、私もパパにワンちゃんが欲しいって騒いでたような気がする。とりあえず、帰ったらパパの大好きな唐揚げでも作ってあげよう。

 

それにしても今日は八神さんを見掛けない。なにかあったのかな?等と考えながら商店街へ向かう途中、私の目の前で赤い髪の毛を振り乱す女の子がザフィーラさんの名前を呼んだ。

 

ひょっとしと、あの人が飼い主なの?と聞いたら毛並みを逆立たせながら「私は誇り高き守護獣、そのような家畜とは違う!」と怒られた。そんなに怒鳴らなくても良いじゃないですか。

 

まあ、今日は八神さんに会えなかったけど。

 

明日にでも家に行けば会えるかな?

 

 

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