とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのは編)。   作:SUN'S

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第17話

√月⌒日

 

学校の休みの日を利用して、朝早くから八神さんの家に向かう途中、偶然にも走り込みをしているテスタロッサさんに会った。

 

荒い呼吸を繰り返すテスタロッサさんにおはようと挨拶したら抱き着かれそうになった、流石に汗だくな人とはぎゅーってするのは無理です。

 

そうテスタロッサさんに言ったら目尻に涙を溜めながら走り去ってしまった。高町さんにも運動した後は抱き付いたりするのは止めたって教えたし、テスタロッサさんも聞いてると思ったんだけど。

 

私は元の道へ辿るように走り去るテスタロッサさんを見送り、八神さんと約束していたウルトラマンのDVDボックスを抱えながら彼女の家へと向かう。

 

それにしても八神さんの話す親戚がシグナムさんだったのはビックリしたけど、八神さんが大人になったらシグナムさんみたいに格好良くなるかな?

 

そんなことを考えながら八神さんの家のインターホンのスイッチを押し込み、今日はウルトラマンAを観ようと玄関を開けた八神さんに伝える。

 

√月×日

 

まさか、ヴィータさんも八神さんの親戚だったという事実に驚いて声も出なかったけど、私はウルトラマンの話で盛り上がれる友達が二人も出来て嬉しかった。

 

どちらかと言えば魔法の試行錯誤や赤い通り魔の被害を受けた場所を教え合ったり、お互いの危険を未然に減らそうとする仲間に近いと思う。

 

そんなことを考えているとハラオウンさんに赤い通り魔を捕縛したという報告を受けた。

 

あの赤い通り魔が簡単に捕まるとは思えず、ハラオウンさんの後ろを見たら赤い通り魔がロープを構えるのが見えた。

 

次の瞬間、私の目の前に出ていたハラオウンさんの顔が消えた。もっと正確に言えばディスプレイのように映し出されていた映像が途絶えた。

 

ハラオウンさんは強いから生きてると思うけど、あの赤い通り魔と室内で戦うと魔法を展開する時間すら無いに等しいかもしれない。

 

いくらアースラの優秀な部隊でも殺すことに少しも躊躇しない相手と距離を取れない場所で戦うのは無謀すぎるし、赤い通り魔の武器はナイフやアローだけじゃない。

 

√月±日

 

まだ、太陽も昇り切っていない時間に鳴るインターホンの音にパパを起こすために隣の部屋に行く途中、インターホンではなく、ドンドンと扉を殴る音が玄関の向こう側から聴こえてきた。

 

こんな時間に家に来るのは悪い人だと分かり、パパの部屋に走って行こうとしたら音が鳴り止んだ。諦めて帰ったのかな?等と思いながら音を立てないように階段を降りていき、玄関の覗き穴を見たらコスモスの仮面を被った赤い何かが立っていた。

 

その姿に思わず叫びそうになる口を押さえ付け、磨りガラス越しに家の中を覗こうとする赤い何かの視線から逃げるために必死で階段を駆け上がってパパの布団の中に潜り込む。

 

いつものように時間が経てば帰るに決まってるんだと自分に言い聞かせながらパパの腕の中に入り、丸太に抱き着くコアラのように絡み付いて床の軋む音から必死に意識を反らす。

 

私にはパパがいるんだ。

 

そんなことを考えながらムーンライトバリアを背中で張ってパパと私を覆い尽くし、そのまま攻撃も反撃もしないで亀のように甲羅の中に潜り込んで赤い通り魔がいなくなるまで堪える。

 

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