とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのは編)。   作:SUN'S

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第22話

∀月∧日

 

ベリアルのデスシウム光線を真似し、自己流のアレンジを加えた必殺技を考える。いつもコスモスの回復技や防御技しか使わないから破壊目的の光線の撃ち方が分からない。

 

どのウルトラマンもスペシウム光線を発展させて自分だけの必殺技を作ってる。あれ、そう考えるとマン兄さんのスペシウム光線だけ威力も大きさも可笑しいような…。

 

私は必殺技を作らないといけないのにマン兄さんのせいでスペシウム光線の定義が分からなくなってきた。むしろスペシウム光線が最強なのでは?と思った方が良いような気がしてきた。

 

それに私は怪獣を倒す技は使いたくない。

 

小さな頃に交わしたコスモスとの約束を破りたくないし、なにより怪獣が暴れるのも理由があると思うんです。そんなことをベリアルに攻撃力の低くても相手を止められる技を作りたいと話す。

 

ずっと強さを求めてきたベリアルからすれば強さのない技なんて無意味なんだろうけど、私はベリアルと一緒に誰もが笑える技を作りたい。

 

私はベリアルを見上げながら話したら「くだらない。そんな戯れ言を語る暇があるなら俺様の光線を越える技を作れ」と怒られた。

 

むう、少しは褒めてほしい。

 

∀月Ф日

 

たぶん、朝だと思う時間に起きるとベリアルと一緒に綺麗な緑色の結晶の都市にいた。私の記憶が正しければ光の国のクリスタルタウンで、私の目の前に在るのはプラズマスパークだ。

 

これを見せてベリアルは何をしようとしてるの?と聞くためにベリアルの腕の中で彼を見上げる。

 

ペタペタとベリアルの頬っぺたを触りながら彼が動くのを待っていると「かつて俺はプラズマスパークの力を求め、あの光を我が物としようとした。お前は俺の過去も戦いの歴史も知っているが、どれだけ強くなろうと満たされない俺の心をお前は埋めることが出来るか?」と真剣な顔で言われた。

 

私は貴方の考えていることは分からない。

 

それでも光の戦士として闇を照らす光となろうと誰よりも努力して、誰よりも力を求めて、何者をも寄せ付けない孤高で在ろうとした。

 

すべての宇宙で悪と言われようと私の大好きな貴方は宇宙の平和を守りたいと強さを求める光の戦士だった。

 

それでも満たされないなら私を使っていい、私の身体を使って全宇宙の支配をしてもいい。貴方の命を賭けて守りたかった世界を、貴方の追い求めた強さを、これぐらいしか私には出来ない。

 

∀月●日

 

結局、私の身体は必要ないと言われた。

 

その代わりと言うべきなのか。最近のベリアルはシルバー族に戻ったり、いつもの真っ黒な姿になったりと大変そうです。

 

あと私の壊れていたカラータイマーの代用品をベリアルが見付けてくれたり、絶対に入っちゃいけないウルトラマンヒカリの研究室で私の身体を調べることが増えた。

 

やっぱり、ベリアルは強くて賢いウルトラマンだ。悪の花道を突き進む姿もかっこいいけど、今の研究に没頭するところもかっこいい。

 

そんなことを考えていると私の首に掛けていたコスモスの輝石を寄越せというベリアルに大切なものだから壊さないでね?と言いながら手渡す。

 

よく分からないパネルをタッチしながら私の姿を描いたフュージョンカードを作っている。なんで私のフュージョンカードを作る必要があるんだろ?と考えながらコスモスのウルトラカプセルを並べる。

 

うん、二つともウルトラマンコスモスのだけど。ベリアルのフュージョンカードと融合したら凄いことになるのは間違いない。

 

私は作業を終えたベリアルにカードを貰ってネオバトルナイザーに装填して、ベリアルに返してもらったコスモスの輝石を首に掛ける。

 

 


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