とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのは編)。 作:SUN'S
突如、俺達は空間を切り裂いて現れた光の渦に呑み込まれて見たことのない鳥や尻尾が三つあるリス擬きのいる森の中に放り出されていた。
そこで出会った綺麗な黒髪を風に揺らす女の人と、その人を小さくしたような可愛い女の子が俺達を、俺のことを嬉しそうに見ていた。その人に話し掛けようとした瞬間、俺を押し退けてライハが女の人の喉元に剣を突き付けていた。
どう見ても人間の女の人だろ?と言いながらライハを止めるために近寄ろうとする俺の右腕を掴んで押さえるペガを見る。
いったい、どうしたんだよ。
そう俺が聞こうとした瞬間、彼女がビックリするような言葉を言い放った。小さな女の子は俺の妹で、彼女は俺の本当の母さんだそうだ。
あまりにも突然の展開に驚いて何も言えず、俺はグリップを掴んでレムにDNA鑑定を頼んでいた。もしも彼女が話していることが真実だったら、ここが俺の生まれた場所ということだ。
『DNA鑑定の結果。彼女とは99.9%の確率で親子関係を確認しました。正真正銘、彼女は朝倉リクの実母です』
俺の頭の中に響いてくるレムの声が止まり、ちょっと困ったような表情を浮かべている彼女と小さな女の子を交互に見比べる。
…この人が…俺の母さん…。
ストンと胸の中に出来ていた不安が消えた。今まで居ないと思っていた父さん以外の本当の家族と出会えて、実は年の離れた妹がいたことが分かって…。
ただ、それでも父さんが「お前は光の中を進み続けろ、いずれアイツとも会えるはずだ」なんて言葉を残して時空の狭間に消えたのか。
その意味を知ることが出来た。あの人は母さん達を守るためにゼロと協力して、俺が道を踏み外さないように道標になってくれた。
「えと、かあ…さん?」
「はい、ママですよ?」
俺は口の中に溜まっていた唾液を飲み込んで、ライハに連れられて来た女の人に問い掛ける。すごく嬉しそうに笑って答えてくれて、小さな女の子の、俺の妹の理子の名前も教えてくれた。
ずっと手に入らないと思っていた。友達や仲間とは違う、俺の本当の家族が目の前にいる。熱くなる目尻を隠すように服の袖で擦り、俺のことを首を傾げながら見上げる理子と目線を合わせる。
「はじめまして、俺は朝倉リクです」
「…ひしぎ…りこ…だよです」
「すごく驚くかもしれないけど。俺は別の宇宙から来た、君のお兄ちゃんなんだ」
「おにいちゃんてなに?」
「レム、何て言ったら良いの?」
そっとグリップを握って模範的回答を聞けば「そのまリクが思ったことを、考えたことを言えば良いのではないですか?」とレムが聞き返してきた。
なんだか最近のレムは人間味が溢れてきてるような気がするんだけど、なにか変なものでもネットで見たのだろうか。
「あんまり難しく考えずに新しい家族が出来るって思えば良いじゃないかな?」
「…ん…」
俺の考えた答えを聞いて、コクりと頷く理子の頭を優しく撫でる。気持ち良さそうに目を細めて、俺の右手に頬っぺたをスリスリと寄せてくる。
はぁーーっ、俺の妹が可愛すぎる!!