とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのは編)。 作:SUN'S
はじめして、私の名前はレム───。
Report.Managementの頭文字を省略した意味、もしくは爆裂戦記ドンシャインに登場するヒロインの名前と同じものだと思って下さい。今現在はリクの肉体を構成する必要不可欠な存在だった遺伝子の提供者、率直に言えば彼の実母の用意した人間の肉体と僅差もない擬似的肉体を譲渡された。
そのおかげで以前のように星雲荘からリク達を眺めるだけではなく、しっかりと彼らと同じ目線で世界を見ることが可能となり、リク達と同じ食事を摂取することで擬似的肉体を維持して、お風呂という肉体の汚れを取り除く行為も出来るようになった。
「レム、今日は彼処に行ってみよう!」
「リク、彼処とは何処ですか?」
「そういうのは到着してから説明するって…」
私の右手を引っ張るリクの左手の皮膚を通して、人間独特の温もりを感じる。今は私にも搭載された人工皮膚から伝わるリクの温もりとは違う。
擬似的肉体を使い始めた頃より左胸部の奥にある機動炉の脈動する回数が普段より激しく、リクと話す度に思考速度が低下する。
やはり、この擬似的肉体を使用するのは危険なのかもしれない。しかし、この激しく脈動して胸の奥に鳴り響く音は好ましい。そのままリクに先導されるまま大きな建物の中へと入る。
この建物は一週間と三日前に訪れたショッピングモールという場所だと記録の中に保存している。あの時はライハとリクの実母による衣服の取替行為を何度も繰り返して、肉体的な疲労というものを体験することが出来た。
「えと、ここなんだけどさ…」
私の整理していた議論の終わる瞬間を見計らったようにピタリと歩みを止めたリクを見る。少しだけ顔の皮膚を赤くする彼の指差す場所を確認するために首を動かし、彼の実母より習ったミッドチルダの文章を認識する。
二週間と六日前まで過ごしていた地球にもあるゲームセンター、その電子機械の中でも親密な関係の男女が使用することの多いプリント倶楽部、通称「プリクラ」と呼ばれる電子機械か、紙幣の両替機材しか設置されていない。
「お、俺とプリクラ取ってくれない?」
「成る程、私はリクの彼女と言うことですね」
「ぅおえあっ!?」
「私は星雲荘の本体を介してリクの通りそうな道やペガと遊んでいそうな場所は把握しています。また、付け加えるとすれば何百名もの男女がプリント倶楽部を使用していました」
私を見下ろすリクの顔は赤く染め上がっており、ペガの見せてくれた鯉なる魚類と同じように口を何度も開いて閉じてを繰り返している。
「この結論は間違っていますか?」
ずいっと身体を乗り出してリクに顔を近付ける。
これはリクが戦いで負った怪我を隠そうとした時にライハが使っていた尋問の方法だ。こうするとリクは思考能力が著しく低下していたが、ライハの叱る言葉を聞き逃さないようにしていた。