とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのは編)。 作:SUN'S
〝月㎝日
早朝、私は寝惚けたまま洗面台の近くに歩いてくる理子を抱き上げて、小さく開いた口の中に水色の歯ブラシを入れる。
シャコシャコと気持ちの良い音を出しながら理子の口の中を磨いていると知らない男の人が傷だらけのリクくんを引き摺っていくのが見えた。
いったい、あれは何だったのだろうか?
そんなことを考えながら口の中に溜まった水を吐き出すように伝えようとした振り返ったら、理子が半開きの口から水を垂れ流していた。
とりあえず、理子の着てるパジャマは早めに手揉み洗いで洗濯しないと歯磨き粉の匂いが残りそうかもしれない。確かに手揉み洗いは大変だけど、可愛い理子のためなら苦労の「く」の字すら無いに等しいと言っても過言じゃないと思うんだよね。
私は傷だらけのリクくんを手当てするレムちゃんに言ったら「成る程、これが親馬鹿というものですね」と冷静に言葉を返され、私の作った朝御飯を勝手に食べ終えた知らない男の人は何事も無かったように寝転んでいる。
先ずは自己紹介して貰えますか?と言ったら渋い声で「すべての宇宙を統べる王、俺がベリアルだ」と言われて納得しながら驚いて理子を高く持ち上げてしまった。
あとでゼリーを食べて良いから許してね?
〝月↓日
私の旦那さんことベリアルはレムちゃんの肉体の構造を一日で把握して、更なる改良を加えた完璧なボディを作ったそうだ。
やっぱり、光の国の出身者は頭の良い人しかいないのだろうか?等と思いながらもカップラーメンを気に入ったベリアルに健康を考えた料理も食べるように言い聞かせてる。
それと親子喧嘩する時は私に相談して、他の人の迷惑にならないところでするようにと伝えたら「お前はどこかズレているな」なんて言われたけど、私は一般常識を言っているだけです。
これって一般常識だよね?
あとでレムちゃんに一般常識を聞きに行こうかな?そう考えながら理子の口の辺りに付いているご飯の粒を取り、自分の口の中に入れる。
それにしてもリクくんとベリアルが肩を並べてご飯を食べる光景を生きている間に見れるなんてママは感激で泣きそうです。
まあ、すでに嬉しくて泣いてるんですが…。
私のパパはベリアルのことを認めた訳じゃないと言いながら朝御飯を食べてるけど、お箸の使い方が下手なベリアルに色々と教えてくれている。
むふーっ、私のパパと旦那さんは仲良しです。
私はレムちゃんに「あーん」を強要されるリクくんを眺めながら青春を謳歌してるなと感心する。私の青春なんて管理局で悪い人を捕まえる以外に何もすることなかったもん。
〝月-日
私は肌寒さを感じながらも布団の半分を占領しているベリアルの上によだれを垂れ流す理子を乗せて、朝御飯を作るためにキッチンへと向かう。
今日はサンドイッチにしようかな?それとも日本の朝御飯みたいにシャケでも使おうかな?と考えながらフライパンに低カロリーな油を流し、卵の殻を割ってお茶碗の中に卵黄と白身を分けて入れる。
なぜか理子は白身のところを残そうとするので、こうして白身と卵黄を分けて別の料理して誤魔化しているのだ。私も酸っぱい食べ物は苦手だけど、あんまり好き嫌いなんて言ったことなかった。
むしろ私がパパに好き嫌いしないでって言い聞かせていたような気がする。青ネギを細かく切り、お鍋の中に豆腐と一緒に入れて温める。最近は寒い日が続いてるから温かいお味噌汁を作って、一日を頑張ろうって思えるようにしてあげたい。
そんなことを考えながらお玉でお味噌を掬い取り、菜箸で丁寧に掻き混ぜる。お味噌汁って沸騰させると塩分が増えるって聞くけど、あれは本当のことなのだろうか?
とりあえず、朝御飯を作り終わったら皆を起こして脱ぎ捨てられたパジャマを洗濯機に入れて、理子の歯磨きを手伝って、リクくんとベリアルのアルバイトを見送って、他にも色々と頑張らないと…。