とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのは編)。 作:SUN'S
◎月$日
ダークザギは身体を捻りながらベリアルの左脇腹にキックを打ち込み、私の顔を肘を使って叩き上げる。あまりの痛さに顔を押さえようと身体を屈めた瞬間、ダークザギの振り上げた右足が私の頭を蹴り飛ばされ、海水の中に倒れ込んでしまった。
やっぱり、ウルトラマンノアと対立する邪悪なウルトラマンという肩書きは伊達ではない。ベリアルの鋭い爪を受け流し、残像が見えるほど凄まじい連打がお腹と胸に叩き込まれ、強烈な回し蹴りがベリアルの頭を突き抜ける。
未だに痛みを訴えてくる頭を押さえながら立ち上がり、ダークザギの体内に呑み込まれている高町さんを取り出すことが出来れば勝てるかもしれない。
そんな希望とも言えない。
もう、一か八かの賭け事みたいなことを考えながらダークザギに体当たりし、ゼロ距離でルナレインボーを放ちながら高町さんに呼び掛ける。
私は知ってるよ、ずっと見ていたから…。
ウルトラマンノアに選ばれて、たった一人でダークザギの生み出す怪獣達と戦い続けた人たちを、姫矢准、千樹憐、真木舜一、西条凪、弧門一輝、みんな自分の抱える闇に打ち勝ってきた。
だからさ、私の親友だって言うならなのはもそんな人の不幸でしか力を得ることしか出来ないヤツなんかに取り込まれてないで早く戻ってきて、私と一緒にダークザギを倒すのを手伝ってよね。
私は闇の中で膝を抱えて蹲ってるなのはの腕を掴んで強引に引き寄せる。これが私の最後の戦い、なのはもフェイトもはやても絶対に助ける。
◎月ヶ日
私は身体の崩壊を防ぐためにメフィストとファウストを取り込もうとするダークザギの前に立ち塞がり、なのはの時よりも強引に二人を引き寄せる。
なぜかフェイトは「メフィスト、メフィストはどこ?」と焦点の定まっていない虚ろな瞳を向けてくる。たぶん、あの真っ黒なヤツの中だと思うよ?とダークザギを指差したら目付きが変わった。
この四人で一緒に戦うのは初めてだけど、なんとかなるかもって思えるのは子供の頃から知ってるせいかな?なんて考えながら三人の前に移動する。
あんまりぶっつけ本番っていうのは好きじゃないけど、今もダークザギを私達に近付かせないように頑張ってくれてるベリアルのためにも三人には手伝って貰えないかな?
そう三人に伝えるとフェイト以外は「うん、任せて!」と言ってくれた。ただ、フェイトは「私のメフィストなのに、なんであんなやつが?」と呟きながらダークザギを見ている。
ちょっとだけ怖いと思っちゃった。
ふぅーっと呼吸を整える。私も機械やデバイスを使って擬似的に作ったことはあるけど、なにも使わずに作るのは初めてだから緊張する。
それでもダークザギを倒すためには三人の魔法少女としての力を借りるしかない。このミッドチルダ全域を呑み込むほど増幅したダークザギの力を抑制して、打ち消すにはウルトラマンとは違う。
三人の力をウルトラカプセルへと変換して、私とユナイトして貰う。あの時は寿命を削ってることを知られたくなくて無理だって言ってたけど、今は我儘を言ってる暇なんてない。
◎月℃日
ずいぶんとエネルギーを消費してウルトラカプセルとは違う。三人のエネルギーを使って作り出した魔導師カプセルをフォスキアナイザーのスロットに入れる。
ちょっと予想とは少しだけ違うけど、ニュージェネレーションのウルトラカプセルと同じように二人ずつ融合した魔導師カプセルが射出される。
素早く二つのカプセルのトリガーを押し上げ、フォスキアナイザーのスロットへと装填する。たぶん、私の寿命をギリギリまで削ることになるだろうけど、光の戦士として絶対に倒す。
私達の名前を叫ぶフォスキアナイザーを突き上げるように構え、他のウルトラマンの力を借りることで辿り着いたオーロラルディライトを越える。
これは私達の絆だ。
どれだけ人の憎悪や悪意を溜め込もうと勇気や希望を消すことは絶対に出来ない。みんなが勇気を分けてくれる、お前を倒せって希望を託してくれる。お前なんかに光を消させたりしない。