とあるオタク女の受難(魔法少女リリカルなのは編)。 作:SUN'S
私は母さんに言われるがまま、ジュエルシードを集めるために管理外世界「97」ーーー通称「地球」と呼ばれる場所へ来た日、偶然にもジュエルシードを首飾りにしている女の子を発見し、私なりに交渉して譲って貰った。
アルフは「幸先がいいねぇ~っ」と言いながら抱き締めてくる。うん、このまま残りのジュエルシードも集めたら母さんは喜んでくれるよね?とアルフに聞けば「そりゃあ、そうさ!あのくそば、もといフェイトのお母さんだって喜んでくれるよ!」と言ってくれた。
うん、そうだと私も嬉しい。
それなのに現地生物と融合したジュエルシードの確保を白いバリアジャケットの女の子と使い魔のネズミに邪魔され、あの時の女の子が白いバリアジャケットの子と一緒に居るのが見えた。
私が白いバリアジャケットの子にバルディッシュを叩き込もうとした瞬間、あの子はバリアジャケットも着ていないにも関わらず、私と白いバリアジャケットの子のデバイスを掴んで受け止めた。その危ない行動に思わず、白いバリアジャケットの子も同じことを考えていたのか。
私と一緒に「危ないから下がってて!」と怒鳴り付けてしまった。なんとか謝ろうとしたけど、あの後は使い魔のネズミに邪魔されて退くしかなかった。
今度、会えたら話したい。
ふと自分で考えていたことなのに、思わず驚きながらアルフの待つマンションへ帰る道すがら今日の出来事を母さんにも話そうかな?と考える。
そういえば、こんなこと思うのは初めてのことかもしれない。そう思ったら胸の奥が温かくなるような気がしてきた。これは何かの病気?等と考えているとアルフが腰に飛び付こうとしてくるのが見え、抱き止めるために足を地面に押し付けて踏ん張る。
「ねえ、アルフ…」
「なんだい、フェイト~っ」
スリスリと頭を押し付けてくるアルフを引き摺りながらソファに座り直し、さっき考えていたことをアルフに話そうとしたら、よく分からないモヤッとするものが胸の奥の温かいところに入ってきた。
いったい、これは何なんだろう…。
「私が最初にジュエルシードを見付けた時のこと覚えてる?」
「勿論だよ!あの黒髪の子と勇ましく話すフェイトの姿は、この両目でしっかりと見ていたさ!」
「今日、その時の子を連れた白いバリアジャケットの女の子と戦った。それで、その時にバルディッシュの一撃をバリアジャケットも着ずに受け止められたんだ……」
私の振り下ろしたバルディッシュは決して遅くはなかった。それなのに、あの子は私の速さに追い付いてバルディッシュを受け止めた。絶対、間に合わないと思える距離を一瞬で無くして、私の目を真っ直ぐと見詰めて受け止めてくれた。
その事をアルフに話したら不機嫌そうに顔を歪ませながら「フェイトは私のご主人様なんだ、あんな小さくて髪が黒くて青い目のヤツなんかに渡すもんか!」と訳の分からないことを叫び始めた。
アルフの言ってること、私はよく分からないけど。
べつにあの子は私の使い魔じゃ……あの子が使い魔だったら楽しいのかな。でも、流石に人間を使い魔に作り替えるのは今の私じゃ出来ない。