「ん…………?」
翌朝、亜矢は自宅のベッドの上で目を覚ました。窓から差し込む光が、彼女を眠りから呼び覚ます。
(あぁ、朝……あれ? 昨日は……そうだ! 昨日は仁君に家まで送ってもらって……)
先日、一瞬の油断からオクトパスファッジに痛めつけられた亜矢は、仁に自宅まで送ってもらったところで限界を迎えそのまま玄関に入ったところで意識を失ったのだ。なので自宅に着いてからの記憶が彼女にはない。
(仁君にお礼の1つも言えてない……今日大学に行ったら一言お礼言っておかないと…………ん?)
微睡の中でぼんやりと考えていた亜矢は、不意に異変を感じた。ベッドの上に自分以外の気配を感じる。
まさかと思い、意を決して目を開けるとそこには――――――
「すぅ……すぅ……」
「ッ!?!?」
何故かそこには、同じベッドに入って眠っている仁の姿があった。無防備な寝顔を晒し、時々口をもごもご動かしている。
前にも似たようなことがあったとは言え、短期間で2度もこんな状況になるとは思ってもみなかったので驚愕に目を見開く。しかも前回と今回では経緯が異なる。前回は亜矢の方が仁の隣に潜り込んだ形だが、今回はその逆で仁の方が亜矢のベッドに潜り込んだ形だ。
一体彼がどんな考えでこんな状態になる事を選んだのか分からず、亜矢の頭がパニックを起こしていた。
この状況で、亜矢は覚醒した頭で今すべき最善の行動を思考した。
その結果…………彼女はそのまま横になり続け、それどころか彼にすり寄る事を選んだ。
傍から見たら何を考えているんだと思わなくも無いし、彼女自身心の一部は何をやっているんだ自分はと考えないでもなかったが、今はとにかく彼に甘えたい気分だった。
亜矢は仁が好きだ。それは友としてではなく、異性としてである。出来る事ならば彼に告白し、恋人同士になりたいとすら願っていた。
しかし、亜矢にはその一歩を踏み出す勇気が今はまだ無かった。だから情けないとは思いつつ、こんな時に甘えて自分を慰める位しか今は出せる勇気がなかったのだ。
だけどそれでも……せめて、予行練習位なら……もっと言ってしまえば、言うだけならば…………。
寝ている仁に体を寄せ、その身を委ねながら彼女はその言葉を口にした。
「仁君…………大好きです」
これを彼が起きている時に、もっとムードのある場所で言えるようにならなければと思いつつ、その言葉を口にした瞬間彼女の心が言い様の無い多幸感に包まれる。
その時――――――
「んん……ふぁ……」
「わひゃっ!?」
日差しに漸く目が覚めたのか、仁が欠伸と共に目を擦りながら起き上がった。彼が起き上がった瞬間、亜矢は素早く彼から離れ目にも留まらぬ速さで起き上がりベッドの上で何故か正座していた。
「ん~……あ? お早う、亜矢さん」
「お、おはようございます仁君!? えっと、ところで……何で仁君が私のベッドで一緒に? いえ別に嫌だったとかそう言う訳では無いんですけど……」
「ん~~…………?」
起きた彼にこの状況に至る経緯を訊ねると、彼は暫しボケっと虚空を見つめていた。恐らく寝起きではっきりしない思考の中で昨夜の出来事を思い出しているのだろう。
亜矢が変な緊張を感じながら見守っていると、漸く昨夜の出来事を思い出した仁が事の経緯を話し出した。
「あぁ、そうだ…………って言うか亜矢さん覚えてないの?」
「え? 何を、ですか?」
「昨日ベッドで一緒に寝ようって言ってきたの、亜矢さんの方だった筈だよ?」
「――――――え?」
仁が言うにはこうだ。
昨夜亜矢を自宅に送り届け、彼女がカギで自宅のドアを開けるところまでは良かった。が、そこで亜矢は限界が来たのか意識を手放してしまった。ここまでは亜矢自身覚えている。
問題はここから。
仁は気を失った亜矢を寝室まで運び、彼女が起きた時失礼にならない程度に且つ、彼女が寝ている間に窮屈にならない程度に衣服を緩めるなどして彼女をベッドに寝かせた。
そして自分の役割はこれで終わりと帰ろうとした時、彼は気付いた。このままでは亜矢の家のドアの鍵が開けっ放しになってしまう。
一応下の入り口はマンションの関係者以外立ち入る事が出来ない仕様になってはいるが、そんなものを突破してマンションに入り込む手段など幾らでもある。そんな中で、亜矢の家のドアに鍵を掛けずに一晩放置するのは気が引けた。
だからと言って勝手に亜矢の家の合鍵を失敬する訳にはいかない。となると、亜矢の家の鍵はこのまま閉めておき、仁は勝手ながら亜矢の家に泊り込むのがベターであろうと言う結論に達した。
こうなるとどうやって彼が一夜を明かすかが問題になるが、一緒のベッドに寝るなど亜矢に失礼だしタオルケットを無断で拝借するのも彼女に悪い。となると取れる手段はその身一つでリビングの床に雑魚寝するしかないだろう。
そう思い彼が亜矢の寝ているベッドから離れようとした時、彼女が何時の間にか起きており、仁の服の裾を掴み彼を引き留めこう言ったのだ。
『ねぇ、どうせだから一緒に寝よう?』
『え? でも悪いよ』
『いいからいいから。ね?』
『だけど……』
『あ~あ~、今日ちょっと痛い目に遭っちゃって心細いな~。誰か一緒に寝て慰めてくれないかな~?』
そう言いながら亜矢はベッドの中からチラチラと仁の顔を見ていたそうだ。暫し悩んだ仁だが、まぁ彼女がここまで言うのならばと仕方なく彼は亜矢と一緒のベッドで寝る事を選んだのだそうな。
勿論亜矢にそんな事を言った記憶はない。酒に酔った訳でもなく、またどう考えても寝惚けた訳でもないのにそんな事を自分が口にした事が信じられず、先程とは別の意味で亜矢の頭は激しく混乱していた。
一体昨夜、自分は何でそんな事を言っていたのか? いやそもそもそれは本当に自分の意志だったのか? 亜矢は自分の行動や言動に自信が持てなくなってきてしまった。
そんな彼女に、仁が声を掛ける。
「とりあえず亜矢さんも大丈夫みたいだし、俺そろそろ帰るね。結局昨日晩飯食わずにそのまま寝ちゃったから腹減っちゃったし」
ベッドから降り帰ろうとする仁だったが、彼が帰る意思を見せた瞬間亜矢は跳ねるようにベッドから降り仁を引き留めた。
「ま、待ってください!?」
慌てて引き留めようとしたものだから、背後から彼に抱き着く形になったがそんな事に頓着する余裕も今の彼女にはなかった。
今はとにかく仁に一緒に居て欲しい。また自分ではない自分が何かするのではと考えると、1人で居るのはとても心細かったのだ。もしかしたらまた記憶が途切れ、仁に対して何か仕出かすかもしれないが、それよりも心細さが勝ったのである。
背後から抱き着かれ、仁は足を止めた。背中に亜矢の豊かな胸の感触を感じるが、それに心を乱す事無く彼は背後を振り返り彼女の顔を正面から見た。
「分かった。このまま一緒に大学まで行こう。それでいい?」
「あ……はい!」
仁の答えに亜矢は安堵からか、花が咲くような笑みを浮かべた。その彼女の笑顔に、仁も胸が温かくなるのを感じるのであった。
***
ところ変わって、ここは傘木社の秘密研究区画。そこの廊下をアデニンが思案顔で歩いていた。
今の彼の課題は、仁達にどんなファッジをぶつけるかである。
(そこらの三下が変異したファッジでは、本気になった仮面ライダー相手に役者不足。となると…………)
先日の戦いではデイナが本気を出した瞬間、3体のファッジが瞬く間に一蹴された。あれは本気を出したというより、彼が容赦をすることを止めたという感じだったが。
とにかく、デイナの潜在能力は未だ未知数だ。そんな奴相手に、不良やチンピラ程度が力を得ただけのファッジでは相手にならない。なったとしてもそれは所詮一時的なものに過ぎない。ベクターブレスを与えても、有用なデータは取れないだろう。
そうなると、ベクターブレスを与える相手にも慎重な吟味が必要となる。まず真っ先に思い浮かぶ相手と言えば――――――
「…………そう言えばチミンの奴、仮面ライダーに少し執着していたな」
***
仁は亜矢の家で朝食を終え、ついでにシャワーも借りたりなんかして身支度を整え大学へと向かう用意を整えていた。
身支度と言っても、仁に関しては別に着替えたりする事なく先日の恰好のまま、荷物もそのままに下に停めてあるトランスポゾンまで行くだけである。亜矢もそれに同行し、タンデムして大学まで向かう予定だ。
支度を整え、2人揃って亜矢の部屋から出る。
その瞬間、隣の部屋のドアが開いた。出てきたのは亜矢の友人の1人である篠崎 美香。彼女は亜矢のお隣さんでもあったのだ。
2人と同じく大学に向かうべく部屋から出てきた美香は、亜矢の部屋から亜矢だけでなく仁が一緒に出てきた事に目を見開いた。
「えっ!? 亜矢の部屋から門守君って…………!? もしかして2人って、もうそう言う関係だったりする?」
「ちちちちちちち、違います!? こ、これには、その、色々と事情があっただけで――!?」
何かを勘繰る美香に、亜矢が大慌てで誤解を解こうとする。が、顔を真っ赤にして必死に否定する様子からは逆に説得力が感じられない。
ニヤニヤと笑みを浮かべ始める美香を見て、仁も亜矢の援護に入った。
「えっと、篠崎さんだよね? 亜矢さんの言う通り、別に昨日は何も無かったよ」
美香は仁の方から話し掛けられた事に、ちょっと意外そうな顔になり口を噤んだ。
「じゃあ何で亜矢の部屋から門守君が?」
「実は昨日、俺の研究で遅くまで亜矢さん付き合わせちゃってさ。それで遅くなったからってんで、亜矢さんを送って来たんだけど……」
「うんうん?」
「ここまで送ったのは良いんだけど、廊下の所で俺がコケて亜矢さん押し倒しちゃったんだ。で、一緒に転んだ拍子に亜矢さん頭打って気絶しちゃって」
「えっ!?」
勿論これはこの場で考えた即興のホラ話である。事前に何の打ち合わせも無く紡がれた嘘に、美香だけでなく亜矢も声を上げそうになったが仁が見えない所で亜矢の体にタッチしたので彼女が声を上げる事は無かった。
「で、気絶した亜矢さんを家に上げて寝かせたのは良いんだけど、鍵開けっ放しで帰る訳にはいかないし、だからって勝手に合鍵借りる訳にはいかないからって事で、昨日は勝手だけど泊めてもらってたんだ」
途中からは殆ど本当の事だ。故に話には信憑性があった。
しかしよくこの瞬間に即興でこんな話を思いつくものだと亜矢は感心した。いや、もしかするとこう言う事態を想定して、事前にこの話を考えていたのかもしれない。
一方、この話を聞かされた美香は何ともつまらなそうな顔をしていた。彼女としては男女の恋愛、延いては濡れ場なんかも予想していただけに、色気の感じられない話に落胆を感じずにはいられなかった。
「な~んだ……」
「期待に応えられなくてごめんね」
残念そうに肩を落とす美香に、仁がさりげなく謝る。別に謝る必要などないと言いたい亜矢ではあったが、ここでヘタに喋るとボロが出そうだったので敢えて黙っておいた。
しかしここでただでは転ばないのが美香と言う女であった。彼女は仁と亜矢が揃っているからという事で、今まで気になっていた事を思い切って彼に訊ねた。
「それじゃあさ、一つ気になる事聞いていい?」
「ん? 何?」
「最近門守君と亜矢って名前で呼び合ってるみたいだけどさ…………ぶっちゃけ、門守君って亜矢の事どう思ってる訳?」
「え、ちょっ――!?」
とんでもない事を訊ねる美香に亜矢が思わず声を上げる。それを誰よりも聞きたいのは他ならぬ亜矢自身だ。だがそれを訊ねるには、まだ心の準備とかが出来ていない。
出来てはいないが、何時かは自分の口から彼に訊ねようと思っていた事である。
今美香にそれを問い掛けられるのは、まるで勝手にお膳立てされているようで気分の良いものではなかった。
「ん~~……」
亜矢の内心など知る由も無く、仁は美香からの質問に真剣に考え込んでいた。
仁が真剣に考え込んでいる。その事実だけで亜矢は嬉しかった。仁なら興味のない事に対しては即答する筈である。それが時間を掛けて考えているという事は、少なくとも悩むくらいには意識してくれているという事。仁の中で亜矢がどれだけの割合を占めているかが伺えるというものである。
だが同時に不安もあった。言うまでも無く、彼がどんな結論を出すのかに対する不安だ。
果たして彼は、亜矢の事を実際問題どう思っているのか?
長考の末に結論を出したのか、仁が顔を上げ美香の顔を見ながら口を開いた。
「俺は――――」
仁が亜矢に対する印象を口にしようとしたその時、彼は突然明後日の方を見ると切羽詰まった顔で亜矢と美香の2人を同時にその場に押し倒した。
「えっ!? 仁君ッ!?」
「きゃあっ!?」
突然の事に驚く2人だったが、本当に驚くべきことになるのはこの直後。
3人が倒れ込んだのと僅差で、3人が立っていた場所を糸の塊の様な物が通り過ぎ壁に広がりながらへばり付いた。
それを見て亜矢と美香が目を見開く。
「こ、これは――!?」
「なになにッ!? 何が起こったのッ!?」
亜矢はそれがすぐにスパイダーファッジによるものだと気付いたが、こんな事態に出くわしたのが初めての美香は何が起こったのか分からず混乱する。
その2人を背後に庇いながら、仁は糸の塊が飛んできた方を見つめていた。
彼が見つめる先にはスパイダーファッジ――しかもベクターブレスにより、以前よりずっと洗練された姿になったスパイダーファッジver.2が居た。
「ウフフフ、久しぶりね」
「別に嬉しくないけどね。今日は何の用?」
「言わなくても分かるでしょう?」
朝っぱらからの戦闘に、仁は溜め息を吐くと気持ちを切り替え取り合えず美香を逃がす事を第一に考えた。巻き込む可能性もあるし、仮面ライダーに変身するところを見られるのは面倒だ。
「亜矢さん、篠崎さんを安全な場所に――――」
「させると思うの!」
スパイダーファッジが何かを手繰り寄せるように右手を自分の方に振ると、先程彼女が放って壁にへばり付いた糸の塊が壁から剝がれて戻ってきた。戻ってきた糸の塊はその途中に居た亜矢と美香をくっ付け、そのまま2人はスパイダーファッジに捕らえられてしまった。
「なっ!?」
「しまっ――!?」
「きゃぁぁぁぁっ!?」
予想外の事に仁も思わず言葉を失い、引き寄せられる途中に亜矢共々糸で縛られた美香は甲高い悲鳴を上げる。その悲鳴に他の部屋から何事かと住人が顔を出し、そして全員がスパイダーファッジを見て悲鳴を上げて部屋の中に引き返した。中にはその場から逃げ出す者も居る。
マンションの他の住人には頓着せず、仁はスパイダーファッジを見据えた。
「……2人を放せ」
「えぇ、放してあげるわよ? ただし、これから私が行った場所でね!」
そう言ってスパイダーファッジは空に向かって糸を放つ。放たれた糸はパラシュートの様に大きく広がると、風を捕らえて彼女と亜矢達を纏めて空へと誘った。
「さぁ、精々頑張って付いて来なさい!」
そのままスパイダーファッジは亜矢達を連れて、パラグライダーの様に空を飛んで行ってしまった。
今から下りてトランスポゾンに乗っていては間に合わない。仁はデイナのホークレオンフォームで空から追いかける事を選択した。
〈HAWK + LEON Evolution〉
「変身!」
〈Open the door〉
仁はマンションの外に飛び下りながらデイナに変身し、背中のインペリアルウィングを広げて飛び立った。
上空に飛び立ち周囲を見渡して、デイナはスパイダーファッジを直ぐに見付けた。デイナと違って飛行を風向きと風の強さに頼っているスパイダーファッジの飛び方では、空を自在に飛べるデイナとは飛行能力に決定的な差がある。
案の定彼は直ぐにスパイダーファッジに追いついた。
「おい」
「あら、意外と早かったわね?」
「2人を返してもらうぞ」
デイナは空中でスパイダーファッジに殴り掛かる。しかし彼が接近しようとした瞬間、スパイダーファッジは手から糸の網を放出。投網漁のようにデイナを空中で捕えようとした。
あんなものに捕まっては飛行は勿論、満足に動く事すら儘ならなくなる。デイナは網が放たれた瞬間距離を取り、敵の捕縛攻撃から逃れた。
難を逃れる事には成功したデイナだが、お陰で再びスパイダーファッジからは距離が開いてしまった。その事に彼は仮面の奥で苦い顔になる。
何よりも大変なのは、人質となっている2人の安全を確保しながら追跡しなければならない事だ。これであいつがその身一つで逃げているのなら多少無理をしてでも叩き落してやるのだが、変身していない亜矢と完全に巻き込まれただけの美香が居る現状それは出来ない。
結局彼に今出来る事は、スパイダーファッジの思惑通り彼女が目指す場所について行きつつ、2人を取り返す隙を伺う事だけであった。
そのままスパイダーファッジを追跡して飛行するデイナが辿り着いたのは、とあるビルの屋上であった。風が弱くなってきたのか、段々と飛行速度が低下し高度も下がってきたのを見て降り立ったのがそこであった。降り立つと同時に飛行に用いていた糸の傘は手放され、身軽になったからか風に乗ってそのまま何処かへ飛ばされてしまった。
スパイダーファッジは一足先に屋上に降り立つと、片手で持っていた亜矢と美香を乱暴に手放した。
「あうっ!?」
「い……ったぁ――!? 何すんのよ!?」
「んん?」
乱暴に扱われた事に、美香が思わず文句を口にするが、スパイダーファッジが一睨みすると直ぐに大人しくなる。流石にこんな奴相手に喧嘩を売るほど、身の程知らずではない。
「篠崎さんは関係ないでしょう!? 彼女は解放してください!?」
一睨みされて大人しくなる美香だったが、亜矢の方は違った。彼女はスパイダーファッジに美香の解放を訴えかけたのだ。
「ちょっ、亜矢!?」
「人質なら1人いれば十分でしょう? 私が人質になります。だから――!」
「馬鹿ねぇ、お前にとっての人質でもあるに決まってるじゃない」
亜矢の訴えをスパイダーファッジは一蹴する。美香さえ居なくなれば一瞬の隙を突いて変身し、仁と共に戦う事が出来ると考えていたのだがそれは見抜かれていた。美香が居る状態では正体がバレる事も考え、迂闊に変身する事が出来ない。
彼女は仁と亜矢、2人に対する人質だったのだ。
まんまと敵の思惑に嵌ってしまった事に亜矢が歯噛みしていると、追いついたデイナが屋上に降り立った。
彼は降り立つと同時に、スパイダーファッジに2人の解放を要求する。
「言われた通りついてきたぞ。2人を解放しろ」
「釣れないわねぇ? 折角なんだからこのまま観戦してもらいましょうよ。ギャラリーが居る中での戦いも乙なものよ?」
「とばっちりで怪我させたくないっつってんの」
デイナは言いながら低空飛行で一気に接近し殴り掛かる。スパイダーファッジはそれを正面から迎え撃ち、両者の拳がぶつかり合い派手な火花が散った。
突然の日常からの逸脱に、美香は唖然と2人の戦いから目が離せなくなっていた。
「うっそ……あれってもしかして、噂の仮面ライダー? 本当に居たんだ……」
美香がデイナとスパイダーファッジとの戦いに目を奪われている間に、亜矢はこっそりとアダプトキャットを呼び出し糸を切らせていた。
その間にもデイナとスパイダーファッジの戦いは激しさを増していく。
「こいつでどうだ」
〈DOG + WHALE EVOLUTION!〉
ドッグホエールフォームにゲノムチェンジし、攻撃に超音波による振盪攻撃を交えて対抗した。相手の内側に直接打撃を与える事が可能なこのフォームなら、どんな相手にだって一定のダメージは与えられる。
何より――――――
「よ、おっと」
突然デイナが不自然に何かを避ける動きをしたが、実は今彼は不可視なレベルの極細の糸による斬撃を回避したのだ。
スパイダーファッジはver.2になったからか、能力が更に多彩になった。その最たる例が、糸の利用法の増加だろう。先程の糸を風に乗せての飛行に始まり、今のように極細の糸を飛ばしたり張り巡らせたりして相手を切り裂くというような事が出来るようになったのだ。
極細糸による攻撃は、威力自体は然程でもないが一発喰らうとそこから絡め捕られたりと次の攻撃に繋がり戦いのペースが相手に持っていかれてしまう。
飛行可能と言うアドバンテージを捨て振盪攻撃と音波探知による警戒を可能としたドッグホエールフォームを選択したのは偶然だったが、この状況には見事に噛み合っていた。
「ふっ、ほっ」
デイナはスパイダーファッジの張った、極細の糸によるトラップを回避しながら拳と蹴りで攻撃する。今の彼になら、例え目に見えていなくとも糸の存在が手に取るように分かった。
スパイダーファッジは戦いのペースをデイナに持っていかれている事に内心で焦りを感じつつ、時折捕縛用の網を放ってデイナの動きを止めようとした。
両者の戦いは一進一退と言ったところ。デイナは糸のトラップを回避する為時に攻撃のチャンスを逃さざるを得ない事が多々あり、スパイダーファッジはデイナに有効打を与えられていない。
互いに攻め手に欠ける、膠着状態となった状況の中、事態が動いた。
「……よし!」
アダプトキャットにより、2人を拘束していた糸が切られた。これで2人はこの場から逃れる事が出来る。
「さ、逃げますよ篠崎さん!」
「えぇっ!? ちょ、亜矢一体どうやったの!?」
「そんな事どうでもいいですから! ほら立って!」
「う、うん……」
同じように雁字搦めに縛られていた筈なのにどうやって糸を切ったのかと首を傾げる美香ではあったが、亜矢の言う通り今はとにかく逃げるべきかと気持ちを切り替え僅かに残った糸を払い落としながら立ち上がった。
そのまま2人揃って屋上の出入り口に向かう2人。その姿を見てスパイダーファッジはデイナと対峙しながら舌打ちをした。
「チッ、あいつら……」
「よそ見してていいの?」
スパイダーファッジの意識が2人に向いたのを見て、デイナが攻め手を激しくした。一気に接近し、正拳突きを連続で放つ。スパイダーファッジもそれに対抗し、こちらは背中から伸ばした脚によって手数を増やした攻撃を放った。単純な手数では相手の方が勝っているので、デイナも苦戦を強いられる。
前方から縦横に放たれる攻撃に、次第にデイナは装甲に傷を増やしていった。
徐々に追い詰められつつあるデイナを横目で見て今すぐにでも彼の援護に向かいたい気持ちを抑え、美香をこの場から逃がすべく屋上の出入り口に向かう。
亜矢は扉に辿り着くなりドアノブに手を掛け扉を開けようとするのだが、扉には鍵が掛かっており開ける事が出来なかった。
「ちょっ!?」
何とかならないかと何度もドアノブを回したり扉を押し引きするが、ガチャガチャなるだけで扉が開く気配はない。
亜矢が扉と格闘している頃、デイナの方も状況に変化が起こった。
スパイダーファッジとの戦闘中であるにも拘らず、亜矢が扉と格闘しているのに気を取られ僅かだがデイナの意識が逸れる。
その瞬間スパイダーファッジが動いた。
「おバカさん」
一瞬の隙を突いてスパイダーファッジが両手を振るうと、ここまでの戦いで周囲に張り巡らせた糸を一斉に手繰り寄せデイナを雁字搦めにした。
「あ、ちょっ」
四方八方から迫る糸がデイナの動きを完全に束縛する。しかもこの糸はトラップ用の触れたら切り裂かれる糸だ。デイナは締め付けられながら装甲などを徐々に切り裂かれている。
「見事に引っかかったわね。このまま膾切りにしてあげるわ!」
「ぐ……く、くぅ……ぎっ!?」
今は何とか堪えているが、このままではいずれ装甲が限界を迎えてしまうだろう。
その光景を前に、亜矢は美香に隠し事をする事を諦めた。
「篠崎さん……」
「な、何? てか、あれヤバくない? このままじゃ仮面ライダーが――」
「今から見るものや知る事は、他言無用でお願いします」
「へっ? 亜矢、あんた何する気?」
美香からの問い掛けに答えず、亜矢はデイナドライバーを腰に装着した。そしてアダプトキャットとキャットベクターカートリッジを手に持つ。
〈CAT〉
「仁君、今行きます!」
「は? え!?」
〈CAT Adaptation〉
デイナドライバーにベクターカートリッジを装填したアダプトキャットを装着し、デイナに向けて駆け寄りながらレセプタースロットルを引いた。
「変身!」
〈Open the door〉
目の前で亜矢が仮面ライダールーナに変身するのを見て美香が言葉を失う。友人が噂の仮面ライダーに変身したのだ、当然だろう。
友人からの視線に後ろ髪を引かれながら、ルーナはリプレッサーショットでスパイダーファッジに攻撃を仕掛けた。
「うっく、チィッ!?」
「仁君を放してください!」
とにかくスパイダーファッジを近付けないようにしつつ、ルーナは銃撃でデイナを拘束する糸を切断しに掛かった。地面やフェンスにではなく、デイナ自身に巻き付いてある程度可視化できる糸を端から銃弾で削る。
すると徐々にデイナの拘束が緩み、自力で束縛から逃れる事が出来る程に弱くなる。
拘束が破れる程にまで弱ったと見るや、デイナは糸を力尽くで引き千切った。
「よい、しょっと」
「仁君、大丈夫ですか?」
「うん、まだ平気。それより良かったの?」
「仕方ありません。それより今はファッジを!」
「分かった」
スパイダーファッジを前に、身構えるデイナとルーナ。2人の仮面ライダーを前に、スパイダーファッジは鼻を鳴らして対峙していた。
「フン! まぁいいわ。2人纏めて相手してあげる」
両手から糸を投網の様に放出して2人を捕らえようとするスパイダーファッジ。飛んできた糸を2人は左右に分かれて回避し、デイナは接近戦、ルーナは射撃での遠距離戦を選択した。
「よっ」
「そこです!」
デイナからの拳や蹴りを捌きつつ、ルーナからの射撃は硬い甲殻で防ぐ。スパイダーファッジは2人の仮面ライダーを相手にかなりの粘りを見せていた。流石は幹部と言ったところか。
そしてスパイダーファッジことチミンは、粘りだけでなく狡猾さも兼ね備えていた。
徐にルーナに向けて糸の束を放つスパイダーファッジ。ルーナはそれを難無く回避したが、スパイダーファッジの狙いはそれだった。
回避した事でルーナに隙が生まれる。その瞬間、スパイダーファッジは飛ばした糸の束がフェンスに張り付いたのを見て、自分の体を糸で引っ張りルーナに一気に接近した。
「あっ!?」
「フンッ!」
ルーナがしまったと思った時にはもう遅く、接近したスパイダーファッジは彼女の腹に蹴りを入れていた。
「うぐぁっ?!」
「亜矢ッ!?」
「亜矢さんッ!?」
蹴り飛ばされたルーナはそのままフェンスにぶつかり倒れるが、即座に起き上がりスパイダーファッジからの追撃に対応した。が、蹴り飛ばされた際にリプレッサーショットの片方を落としてしまった為、彼女の強みであった射撃能力が低下してしまった。
スパイダーファッジはそんな彼女に容赦なく襲い掛かる。
「ほらほら! どさくさに紛れて仮面ライダーになった事、後悔させてやるわ!」
「何の!」
残った片方のリプレッサーショットを右手に、ルーナはスパイダーファッジとの接近戦を行う。振り下ろされる手を左腕で防ぎ、至近距離から右手の拳銃で撃つ。スパイダーファッジはそれを紙一重で回避し、その勢いを利用して回し蹴りを放った。ルーナはそれをバク転する事で回避し、お返しにボレーキックを放つ。
回避も防御も間に合わず蹴り飛ばされるスパイダーファッジだったが、背中の脚を巧みに用いて即座に体勢を立て直すとそのままルーナに飛び掛かった。
互いに柔軟に戦うルーナとスパイダーファッジ。その2人の戦いにデイナが遅れて参戦した。
「はっ」
「おっと!?」
飛び掛かりながら拳を振り下ろすデイナだったが、スパイダーファッジは直前で気付き飛んで避けられた。
何とかデイナと合流出来たルーナは、小さく安堵の溜め息を吐きつつ油断なくスパイダーファッジを見据えて身構えつつ作戦会議を行った。
「流石に強いですね、彼女」
「うん。何かあいつ他のとは違う感じだし、もしかしたら組織の幹部って奴かも」
「増援、来ると思います?」
「どうだろ? 何か性格的に呼ばなそうな感じだけど」
どうもスパイダーファッジは獲物を独り占めしたがりそうな雰囲気があるので、自分から増援を呼ぶとは考えづらかった。だが傘木社が増援を勝手に寄越さないとは限らない。これ以上時間を掛けていては、少々マズい事になるかもしれなかった。
何より美香の事もある。出来る事なら早々に決着をつけてしまいたいところではあるのだが――――――
「敵を前にお喋りとは余裕ね!」
スパイダーファッジは長々と作戦会議をする余裕をくれなかった。背中の脚を使って2人に飛び掛かると、その脚を大きく伸ばして2人の四方に突き立てる。上から見ればまるでスパイダーファッジを天辺としたテントの骨組みが2人を覆う様に出来たような形だ。
その状態でスパイダーファッジは、まるで空中機動を行っているかのように脚を巧みに使って自分の体を縦横無尽に動かし、2人を翻弄した。
「くっ!? なんて無茶苦茶な、あうっ?!」
ルーナが必死に銃撃するが、三次元的に素早く動き回るスパイダーファッジにはなかなか当たらない。それどころか銃撃の際の隙を突かれて蹴りを入れられる始末だ。
ここまで素早く動き回られては、デイナのインパクトウェーブも狙いをつけるのが難しい。
「てかアンタ、よく目が回らないね? こんなしっちゃかめっちゃかな動きしてたら、三半規管ぶっ壊れるよ?」
「お生憎様。こちとら色々と体弄ってるんでね。この程度屁でもないわ」
「あ~、なるほどね、っと」
何となくだが、デイナはスパイダーファッジの強さの秘密が分かった。ベクターブレスを使用する前からスパイダーファッジは他のファッジとはどこか一線を画す何かがあったが、それが肉体改造によるものだと気付いたのだ。
しかし肉体改造がされていようがいまいが、彼女が強い事に変わりはなく、そしてそろそろ勝負を極めなければマズい事にも変わりはない。
だがどうやって攻略したものかと、デイナはスパイダーファッジの攻撃を捌きながら頭を捻る。
その時――――――
「亜矢!」
「ん?」
突然響いた美香の声に、デイナがそちらを見ると彼女がリプレッサーショットをルーナに向かって投げていた。先程スパイダーファッジの攻撃により落としていた、もう一丁の方である。
デイナと同様に美香の行動に気付いたルーナが手を伸ばしてそれを受け止めようとするのだが、彼女の行動はスパイダーファッジにも気付かれており妨害された。
「させると思うの?」
「あぁっ!?」
あと少しでルーナの手に戻るかと思われた銃は、スパイダーファッジによって弾かれ明後日の方向に飛んで行き………………その行動を読んでいたデイナによってキャッチされた。
「なっ!?」
「ありがと」
デイナがリプレッサーショットをキャッチした事に動揺するスパイダーファッジ。その隙を見逃さずデイナが引き金を引き、それに合わせてルーナも銃撃を加えた。
狙うは厄介な背中の脚。二方向からの銃撃がスパイダーファッジの背中の脚を撃ち抜き破壊し、支えを失ったスパイダーファッジはそのまま地面に落下した。
「グハッ!?」
「亜矢さん」
「はい!」
スパイダーファッジが落下すると同時に、デイナはリプレッサーショットをルーナに返却し、自分はレセプタースロットルに手を伸ばした。
〈ATP Burst〉
「はぁぁぁぁ……」
必殺技の構えを取るデイナ。一方ルーナの方も、デイナから受け取ったリプレッサーショットを連結させてライフルモードにし、右手側の銃のグリップ下の部分にベクターカートリッジを装填した。
〈Genome set ATP Burst〉
ルーナが銃口にエネルギーを集束させ始めたのを見て、デイナは立ち上がりつつあるスパイダーファッジに接近し必殺のサマーソルトキックを放った。
「ハァァッ!」
「はっ!? ガァァァァッ?!」
上空に蹴り上げられ、悲鳴を上げるスパイダーファッジ。そこにダメ押しでルーナのバーストブレイクが放たれ、スパイダーファッジを撃ち抜いた。
「ぐ、あぁ――――!?」
蹴り上げられ撃ち抜かれ、落下した先で爆散するスパイダーファッジ。デイナとルーナは爆発の直前、美香を爆風から守るように立ち塞がる。
派手な爆発が起き、爆風が止むと2人は顔を庇っていた腕を退かし、スパイダーファッジがどうなったかを確かめた。
すると驚いたことに、スパイダーファッジはまだ変異を維持していた。全身ボロボロだが、それでもしっかりと両脚で立っている。
「はぁ……頑丈だねぇ」
「そんな――!?」
方や呆れ、方や慄きながらもスパイダーファッジが未だ健在な事に再び警戒態勢を取る2人。
だがスパイダーファッジの方はもうこれ以上戦う余裕はなかった。変異を維持し、立っているだけでやっとである。
「はぁ、はぁ……くぅっ!?」
最早脅威にはなり得ないと悟ったルーナは、ライフルの銃口を向け警告を口にした。
「もう降参してください。これ以上は無意味ですよ!」
「降参? 冗談ッ!?」
ルーナからの警告を一蹴し、スパイダーファッジは傍のフェンスを破壊しそこから飛び出した。デイナとルーナが後を追う様に破壊されたフェンスに駆け寄ると、ここに来た時と同じように糸で風を捕らえスパイダーファッジはその場から逃げて行ってしまった。
まんまと逃げられた事に、やれやれと溜め息を吐くデイナ。対するルーナは最初撃ち落とそうと銃口を向けていたが、空中で変異が解除されては落下したチミンの命がないと考え渋々銃を下ろした。
「逃げられちゃいましたね」
「ん~、まぁ大丈夫でしょ。暫くは大人しいだろうし、それに……」
「2人なら、どんな相手にも負けない……ですよね」
ルーナからの返しに、デイナは小さく笑いながら変身を解除した。ルーナもそれに続き変身を解除し、そして…………現実と向き合うべく後ろを振り返った。
気まずそうに亜矢が後ろを見ると、そこには呆然とした様子で2人の事を見る美香が居た。
「亜矢に……門守君……2人があの噂の仮面ライダーだったなんて……」
「えっと、その……」
「亜矢さんは最近なったばかりだから、噂の元になった仮面ライダーは俺の事だけどね」
「……ごめんなさい、黙ってて。ただおいそれと人に言いふらす訳にもいかない内容でして」
良き友である美香に対し、隠し事をしていた事に申し訳なさを感じずにはいられない亜矢は彼女に頭を下げる。亜矢を通じての接点しかない仁も、原因の一端はあるという事で頭を下げた。
2人が頭を下げたのを見て我に返ったのか、美香は慌てて2人に近付き頭を上げさせた。
「ちょちょちょっ!? 待って待って、別に怒ってないから頭を上げてよ! って言うか何も知らない時にこんな事言われたって、ジョークとしか思えないから言わないのも仕方ないって!」
確かに驚いたし、友人とその想い人が仮面ライダーとして怪人と戦っているという事に思わない事は無いでは無かったが、それでも美香には2人に対する悪感情は存在しなかった。
それどころか、美香の中には安堵感が浮かんでいた。
「寧ろ、安心したわ。実は噂に聞いてるだけだった時って、本当に仮面ライダーは味方なのか分からなくてちょっと不安だったのよ」
「篠崎さん……」
「でも2人が仮面ライダーだって言うんなら、安心よね。あなた達なら絶対信用できるもの」
亜矢の人の好さは美香自身よく知っているし、そんな亜矢が好意を抱く仁も信用できる。この2人が仮面ライダーなのであれば、不安に思う要素は何もない。
故に、美香は純粋に2人の仮面ライダーを応援する事が出来た。
「頑張って! あたしに出来る事は何もないかもだけど、2人の事応援してるから!」
そう言ってサムズアップする美香に、亜矢は嬉しさに目を潤ませずにはいられなかった。
「あ、ありがとう……ございます!」
「うん……ありがと」
ゼミの人間以外で数少ない2人の正体を知りつつ応援してくれる美香。
彼女の存在は、孤独な戦いを余儀なくされる2人の心を少しだが救う力になったのであった。
そして――――――
「はぁ……はぁ……ぐっ!? くぅ……まだよ。こ、このままじゃ、終わらないから――!?」
変異を解き、元の姿に戻ったチミンは全身を苛む痛みを堪えながら、裏路地へと消えていくのだった。
と言う訳で第14話でした。
段々と亜矢に不穏な部分が見えてきました。さてこれは何を意味しているのか?
私の他の作品を読んでくださっている方なら、もしかするとピントくるかもしれません。
執筆の糧となりますので、感想その他宜しくお願いします!
次回の更新もお楽しみに!それでは。