ただいまアースラにて定期巡回中。
「うーん。今日も平和ね」
そう言って混沌の極みともいえる茶をすするリンディ艦長。
あなたの飲んでるお茶は全然平和じゃないですよ。日本人の前でそれ飲んでみなさい。あの人たち食べ物の事になると本気出しますからね。下手したら戦争ですよ戦争。
「そうですね」
答えるはクロノンことクロノ。
年齢と身長が反比例している可愛そうな男の子。
そんなクロノンに問いかける。
「この平和な時間がどれだけ続くのか……。どう思うよクロノン?」
「不吉なことを言うのはやめてくれ」
嫌そうな受け答え。そんなこと言われたらもっと言いたくなっちゃう!!
「予想。そろそろ世界が危機に瀕するよ! やったね!!」
「おい」
「あらあら」
うふふと笑うリンディ艦長。怖い眼で睨みつけてくるクロノン。
そんなものは意に介さずエイミイの元へ。
「どうどう? 世界の危機来た? 来た?」
「もう、そんな簡単に世界がピンチになるわけ―――。あ」
「どうしたエイミイ?」
「高エネルギー反応を捕捉……。艦長」
「あら。ライの予想大当たりかしら?」
クロノンにドヤ顔を披露する。なんか「そう簡単に世界が危機に瀕してたまるか……」とか言ってるが現実は直視しようぜ
「まあ、俺の予想が大当たりのフラグが立ったところで仕事だしとっとと行こうか。場所はどこ?」
「えっと……。第97管理外世界」
「おやおや」
フラグがビンビンに自己主張し始めたな。
「そんな場所で高エネルギー反応か……」
「さあクロノン、現実は直視できたか?」
「元から直視してるさ」
「その結果が中途半端な現実主義か……。残念すぎるな」
「ライ。僕は以前から君といつか決着をつけようと思っていたんだ。表に出ようか」
「クロノンはカルシウムを摂った方がいい。二重の意味で」
バチバチと火花が散る。他のクルーたちは慣れてしまったのか皆気にも止めない。
「そこの二人は放っておいて、とりあえず向かいましょうか」
アースラが進路を変更する。目指すは第97管理外世界、地球。
『そこまでだ』
今にも戦闘を始めそうだった二人の間にかなり派手なエフェクトを引き連れて登場するクロノン。
うわー。かっこいいー。
『時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。話を聞かせてもらおうか』
そして間髪入れずクロノンに撃ち込まれる魔力弾。
格好つけて登場したのにすぐ砂埃に覆われるクロノン。ざまあ。
『フェイト!』
犬耳のねえちゃんが金髪幼女を呼ぶ。
しかし呼びかけを無視して金髪幼女は光り輝く宝石の元へ飛んだ。
それを見逃すはずもないクロノンは魔力弾を放つ。
吹っ飛ぶ金髪幼女。庇いに行く犬耳のねえちゃん。
追撃しようとするクロノンに「止めて!」と懇願する拘束されている別幼女。
そちらに気が散ってしまい、犬耳姉ちゃんが金髪幼女を背負って逃げだす。
あーあ、クロノン……。
「クロノ執務官」
金髪幼女が逃げたのを見て艦長が通信を開く。
『すいません艦長。片方を逃がしてしまいました』
「うーん。まあ大丈夫でしょう。それよりも二人をアースラにお連れして」
『わかりました』
通信が閉じられる。
「さて、お客さんがくるわ。歓迎しなきゃね」
「はーい、艦長」
「何かしら」
「食堂にみんなを集めて『ようこそ、アースラへ!!』みたいな感じでどうでしょう」
「あらいいわね。それ」
わいわいとみんながそれぞれ案を出す。
話を聞くにすばらしい歓迎になりそうだ。俺もクラッカーを用意しておこうか。
クラッカーとついでにピエロの仮面を用意してクロノン達の到着を待つ。
いやー。クロノンのびっくりした顔が楽しみです。
結果
クロノンの唖然とした顔が見れ、幼女の呆然とした顔が見れ、フェレットの呆気にとられた顔が――――。
見えてねえや。ていうかフェレットの顔とかわかんねえし。
まあ、いいや。その後クロノンの怒声が飛び、皆持ち場に戻り、なぜか俺一人で後片付けをさせられ、クロノンが落ち着いたところで艦長の部屋へ。
艦長の部屋。そう、あの日本を勘違いしてる外国人の部屋みたいなところだ。なんで桜があるの? なんで鹿威しがあるの? 風流なの? 勘違いしてるの? なんでサムライソード無いの?
俺はあの部屋が苦手なので同行はしなかった。行くとクロノンうるさいし。片付けあったし。
なので報告だけ。
「え? 協力してもらうの?」
「ああ。一晩話し合わせたら向こうが協力したいと言ってきた。それを艦長が了承した」
「へえ」
俺が片づけをして寝てる間に話進んでるなあ。
それにしても協力か。まあ優秀だもんねえ。あの子。
「まあいいんじゃないの。本人がやりたいって言ってる上に艦長も了解したんだろ」
「それは……そうだが……」
ニヤリと笑ってクロノンの肩をたたく。
「後輩に追い抜かれないようにしっかりしないとな」
「……後輩じゃなくただの協力者だ」
将来的に後輩になるから良いんだよ。
「それよりお前が逃がしたもう片方は? お前が気逸らして逃げられたもう片方の情報はないのか。お前が逃がした方の行方は?」
「…………捜索中だ」
青筋がぴくぴく浮かんでる。さすがクロノンいじりがいがある。
「あっちもジュエルシード狙ってるんだろ? 早い者勝ちだな」
「今まで取られたものも含めてすべてジュエルシードは管理局が確保する。あんな危険なものを野放しにしておくわけには行けない」
そうですね。でも管理局が保管したところで安全とは限らないんじゃないんですかね。
「それじゃあ今日も元気に幼女の尻を追っかけよう。クロノン、期待してるよ」
「誤解を生む表現はやめてくれないか。あと君もやるんだよ」
僕ロリコンじゃないんで遠慮しますね。