「はあ」
クロノンのところへ遊びに行く途中、溜息吐いてる幼女発見。隣にはフェレット君の姿もある。
ここ最近の見慣れた光景である。何か悩み事でもあるんだろう。思春期? だもんね。しょうがないね。
しかし、見慣れたとは言えどこでもかんでも溜息を吐かれてはこちらまで気が滅入ってしまう。吐くならTPOをわきまえて、どうぞ。
ま、さっきも言った通り思春期なのだからしょうがない。ここは人生の先輩たる俺が何かアドバイスでも。
そう思って、近づき話しかける。
「やあ」
「え? きゃあ!?」
「うあぁ!?」
二人そろって人の顔見て驚く。
……これは、いじめ?
「えっと……」
「あの、管理局の人ですか?」
「いかにもいかにも」
私は管理局員です。決して周囲に名だけの管理局員とか言われてないヨ。サボッテバカリナンテジジツハナイネ。
「何かオナヤミがあるヨウデスネ? 私に話してゴランナサイ」
「え? ……えっと」
顔を見合わせるお二人さん。
おい、そこのフェレット。「こんな怪しい人に相談なんかしちゃだめだ。何されるかわからないよ」とか念話してんじゃねえ。よくわかってるじゃないか。
「えっとね。今私仲良くなりたい子がいる――――」
「そんなあなたにこれ! このお守りをもっているだけで気になるあの人とお近づきになれる! 有名な僧・月子さんも効果を認めているこのお守り! 今ならお値段300円のところ特別価格の100円! お買い得だよ?」
「か、買います!」
「まいどー」
「なのは!?」
こいつカモだ!
「冗談はそこそこにして。……あ、これはあげるよ」
「ありがとうございます」
「いやいや。どういたしまして」
礼儀正しいな。将来が楽しみでもなかった。
少しばかり遊んでいたが本題に戻す。
「本当に管理局員なんですか?」
訂正。戻そうとしたらフェレットに少しばかり戻されすぎた。
「なんだフェレット。疑ってるのか?」
「出会い頭に詐欺を仕掛けてくる人を疑うなって方が無理ないですか?」
ないと思います。それに詐欺じゃないし、ちょっと効果違うだけだし。
ぼくうそつかないよー。ほんとだよー。
いつまでもお喋りしてる訳にもいかない。今度こそ本題に戻す。
「で、なんだっけ? 堕としたい男の子がいるから必勝法教えてくれだっけ?
既成事実作ればいいと思うよ」
「既成事実?」
「なのはこの人に相談はダメだ。この人ダメな人だ」
「あれ? 女の子だっけ? まあたいして違いはないよね」
「あるよ、大ありだよ!」
「???」
既成事実がなんなのか、ちんぷんかんぷんな様子の幼女。君は何時どんな時でも純粋だね。
「えっと……。とにかくその既成事実を作れば仲良くなれるんですよね」
「うん。多分」
「え、ちょっ、なのは?」
幼女は立ち上がり、お願いしてくる。
「私に既成事実の作り方を教えてください!」
「いいよ」
「なのは!?」
フェレット本日二度目の絶句。
「いいか。まず仲良くなりたい相手の」
「待った! ちょっと待った!!」
「なんだフェレット。うるさいな」
「なんだじゃないよ!?」
おや、ついに敬語はずれたね。
「君はなのはに何を教えようとしてるんだ!?」
「穴があったら棒を突っ込めと」
「教えるな!?」
「あ、そうか。女の子同士だったら自前の棒がないか。仕方がない。ここは奥義・ぺニバンを――――」
「おい!!!」
良いツッコミだ。さすがだ。やはりユーノはこうでなくては。
しかし何だね。ぺニバン知っているのかね? 耳年増だねえ。
さて、遊び倒したところでクロノンが急接近中。邪魔される前にとっとと言いたいこと言おうか。
「高町なのは。君が仲良くなりたいのはあの金髪の女の子のことだろうけど心配はいらないよ。あの子押しに弱いんだ。そのことは俺がしっかりと確認済みだ。だから君はあの子に気持ちをぶつければいいんだ。たとえ拒否されても諦めちゃだめだよ。押して押して押して押して、攻めて攻めて攻めて攻めて攻めまくる。それが攻略の鍵さ。君たちが仲良くなれることを祈ってるよ。それじゃ俺仕事あるから行くね。レイジングハートによろしく」
「え。あ、はい」
駆け足で去る。いつまでもこんなところにいられるか! 俺は自分の部屋に帰らせてもらう。
「ライ、ちょっと……。……その仮面はなんだ?」
「いかすだろ? 悪いね、クロノン。ちょっとお腹が便意で天元突破で浸水侵略中なんだ」
クロノンの横を走り抜ける。目指すは自分の部屋。寝よ。
後ろで
『何を話していたんだ?』
『既成事実の作り方を』
『は?』
とか話している。ユーノめ……。チクリおったな……!?
後々クロノンに説教されたのは言うまでもない。
女の子同士だったら既成事実になるのだろうか?