さて、帰るはいいが折角地球に来たのだし、どこか観光でもしていこうかと取りあえず大阪に寄ってみた。
大阪と言えばたこ焼きだよねえ、とたこ焼きを堪能し、ついでのお好み焼を夕飯として食していた時の事。
『ライ』
「ぶっ」
いきなり現れたクロノンの顔につい口の中の物を噴き出す。
げほっげほ、としばらく咳をして気管に入った物を出す。
「あー、苦しい。いきなり顔見せんなよ」
『……』
飲み物をのんで落ち着く。
「んで、なに? いきなり」
『君はまだ地球にいるのか?』
「いますけど。なんで?」
『なのはが襲われた』
「へえ」
お好み焼最後の一切れを口に入れて立ち上がる。
「場所は?」
『海鳴市』
「んじゃ今行く」
『急いでくれ』
「了解。あ、お勘定ー」
とっとと行きますよーっと。
転移で飛んできたら既に事後だった。
高町なのはとフェイト・テスタロッサは地に伏し、犬っころも結界の外の方で敵二人に囲まれ倒れていた。
そして、フェイト・テスタロッサは今現在魔力を蒐集されている。
ていうかあの本、夜天の書じゃね?
ということは、
「あ、ども」
「管理局か」
「はい。そうです」
じゃあこの人たちヴォルケンリッターじゃないですかやだー。
「あー。そこに転がってる二人は」
「我々がやった」
「そうですか」
ついつい敬語で喋っちゃう。そんな自分がやだやだ。
「んじゃあ、まあ。魔法の無断使用と公務執行妨害で逮捕」
「……」
「おとなしくしてくれると嬉しいなあ」
「断る」
「でしょうね」
そんな玉じゃないだろうことは百も承知。
「んじゃ、無理やり捕まえるしかないな」
「……」
銃を構えて戦闘態勢。
相手も剣を構えていつでも迎え撃てるようにしている。まだ魔力蒐集しているから今動けば確実にやれるが、高町なのはの近くにいたロリっ子が近づいてきてしまった。
これはやばいか……? てかやばい。
Sクラス二人相手に勝てるわけないじゃないですかやだー。
時間が過ぎればすぎるほど不利になる。それならば先手必勝。
「卑怯と思うなよ」
言い捨てて蒐集中のピンク侍に魔力弾を撃ち込む。
奴は持っていた剣でそれを弾くが、そんなこと俺も予想済みよ。
「バインド」
「む」
魔力弾に集中したところをバインドで足を絡めとる。
「もう一丁。バインド」
今度は剣を持つ右手を絡めとり相手は一時的に無防備に。
ロリっ子がハンマー振り下ろしに来ているが、それを振り下ろされる前にけりをつける。
「ダブルバレット」
今まで一丁しか無かった拳銃が二丁に増える。
そして、一丁はピンク侍にもう一丁はロリっ子へと向ける。
これで、
「倒れろ」
二人へ魔力弾を連打する。
障壁を張られても、問答無用。それを破壊するまで連打する。
爆音と爆煙が辺りを包み込んだ。
やがて、俺は攻撃を止めて煙が晴れるのを待つ。
煙が晴れるまでの間、冷や汗が止まらない。
いやまあ、言っておいてなんだけどさ
「こんなんで倒せるわけないんだよなあ……」
煙が晴れたそこには、五体満足の彼女たち。
先ほどの攻撃では障壁を破壊することが出来ず、攻撃は通過しなかった。
魔力量の差が防御の固さと攻撃の弱さと言う形で現れた。
まさかSクラスの障壁ひとつ壊せないほど攻撃力がないとは。
俺超ショック。
「絶体絶命」
無意識にそんな呟きが出る。いつの間にかピンク侍へ仕掛けたバインドは破壊され、蒐集は完了してしまっていた。
「シグナム!」
「ああ、時間もない。二人で一気に片をつける」
レヴァンティン、の呟きと共にカートリッジがリロードされ、剣が炎に包まれる。
熱そう。痛そう。
グラーフアイゼン! の叫びと共にハンマーが棘つきハンマーに。
あれ絶対痛いわー。
この二人に囲まれている時点で詰んではいるのだが、さすがにあの棘でぶん殴るのはご遠慮願いたい。
釘バットで殴られるような感じがして怖いんだもの。やられるならピンク侍の剣でバッサリとお願いします。
「別に諦めたわけでも何でもないが、やっぱり厳しいよなあ」
「てめえさっきから何ごちゃごちゃ言ってやがる!」
「独り言多くてごめんなさいねえ!」
「てめえ……!」
「ヴィータ」
「ちっ!」
挑発してないのに挑発に乗っかってきてくれたので煽ってみたらすぐさま諌められていた。
あいつホント扱いやすいわあ。
「おいロリ」
「あ?」
「ん? 返事したってことはロリの自覚があるのかな? さすがエターナルロリータは格が違うぜ!」
「殺す」
逆上した。おっけおっけ。さてさて。
「そう簡単に殺されるともうなよ。かかってこいヴォルケンリッター」
精一杯惨めたらしく足掻いてみようかね。