私の黒   作:VETCH

3 / 9
第3話

丁度同時期ぐらいに「心の怪盗団」が有名になり始めた。

鴨志田先生の事もあったので秀尽学園ではすでに有名だったけど有名画家の班目先生の事件がきっかけで全国的に有名になりはじめた。

一部にはファンがあらわれているらしく「怪盗お願いチャンネル」とやらにはたくさんの書き込みがあふれていた。

どうやら姉を悩ませている事件にも関係しているらしく姉が今までにも増して家を空けることが多くなった。

真っ暗な部屋に一人きり。私はこの空間がとても嫌いだ。

誰もいない自宅にいると父が亡くなった日を思い出す。

私たちの生活が一転してしまった日、私の人生を狂わせた日のことを。

どうしようもなく逃げたくなってしまって私はまた裏ネットで掲示板を立ち上げた。

くだらない人間の集まりでも一人じゃないというだけで気が紛らわせる。

さみしい人間になったものだ。こんなところでしか人とつながれないのだから。

ふと、あめさんの書き込みを思い出した。

 

 

 

あめさん:この状況を自分で変えようとは思わないのか?

 

 

なんてことない一文。だけどどこか違和感がある。

「自分で変える・・・まるで怪盗団みたいな事をいうのね」

確信はない。だけどどうにも引っかかる。

この人は怪盗団につながる何かを知っているようなそんな気がした。

けれどあめさんはあの日以来掲示板に現れない。

おまけにうちの学園でも怪盗団の人気があがってきたせいか生徒たちは「怪盗お願いチャンネル」のほうにうつってゆき、裏ネットはだんだんすたれてきている。

どうにかあめさんとつながれないものか考えてみたがうまい方法が思いつかない。

ならば正攻法でいくしかないかと思い切って掲示板を立ち上げる。

 

名無しN:あめさんってまだいる?

ななし:誰それ

数学さぼり:見たことない。

 

 

「ダメか・・・」

あきらめてサイトを閉じようとしたときコメントがついた。あめさんだ。

 

あめさん:何だ

名無し:まさかのご本人登場ワロタ

新任教師マジかわ: あめさん>>本物?

あめさん:新任教師マジかわ>>関係ないだろ

 

あんなこと書き込んでおきながら名前も変えずにまだ掲示板にいるあたり結構図太い神経の持ち主だ。

案の定あめさんの書き込みには冷やかしのようなコメントが書かれている。

余計な騒ぎになる前に要件をすませたいのですぐにレスをいれる。

 

名無しN:貴方と話がしたい。匿名の個人チャットがあるからそこに。 URL…

あめさん:名無しN>>わかった。

 

「なんだか拍子抜けね・・・本当に本人なのかしら」

 

あめさんにしかコメントが見えないようにしてパスワードを教える。

ただの冷やかしかもしれないが可能性があるなら調べてみるべきだ。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。