私の黒   作:VETCH

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第5話

来週までにもう一つ調べたいことがある。

それは「あめさん」と「雨宮蓮」に何か関連性がないかについてだ。

この学校に転校してきてから彼の生活態度はなんら問題ない。

何も知らなければ人の目には彼は普通の男子高校生に見えるだろう。

だけど彼が怪盗団の存在が大きくなってきたのは彼がこの学校にきてからだ。

そして怪盗団の最初のターゲットになったのは鴨志田先生。

心の怪盗団はこの学園の中にいるとみてまず間違いない。

先生か生徒の中だとは思うが鴨志田先生は生徒からの恨みをかうことが多く、悲しいことにこの学園の先生たちからは何かを変えようという気力は感じられない。

となれば可能性が高いのはやはり生徒。

さらに鴨志田先生が朝礼であの告白をする少し前雨宮蓮、坂本竜司、高巻杏の3名は鈴井志保のことで大きくもめたらしい。

鴨志田先生におびえなにもできない生徒が多い中この3名は堂々と立ち向かったと聞く。

となるとやはり怪しいのはこの3名になってくるだろう。

そして安直ではあるがこの3人の中で「あめさん」というワードに一番近いのは雨宮蓮。

彼にはできれば近づきたくなかったがどうもそうはいっていられない状況らしい。

私は授業と生徒会活動の間をぬって彼の行動を尾行することにした。

だけど彼もなかなかやりてのようでいつもいいところで見失ってしまう。

わかったのは雨宮蓮、坂本竜司、高巻杏は3人で行動することが多いということ。

学校に無断で猫をつれてきているということだけだった。

 

 

「猫って・・・はぁ。」

 

もちろん注意する内容の一つにはなるのだろうが怪盗団とは全くつながらない。

だけど何も興味ないようにみえて優しい一面もあるのだと思うと少し見直してしまう。

 

「・・・父さんも、昔飼いたいっていってたな」

 

まだ小さかった頃。父といったデパートのペットショップでぽつりと父がこぼした言葉。

そういえば彼と父はどことなく似ている気がする。

遠目から見えるからの姿。その姿は父のようにまっすぐだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

********

 

 

 

 

「あ、新島さん。ちょうどいいところに」

「え?」

「ごめんなさい。次の授業でアルコールの燃焼の実験をするんだけどちょっと手間取っちゃって・・・。手伝ってもらえない?」

「えぇ。かまいませんよ。何組ですか?」

「1-Aのクラスなんだけどね・・」

 

1-Aといえば問題児の多いクラスで有名だ。

授業態度が悪く、先生たちも頭を抱えることが多い。

そして化学の先生はこの春就任してきたばかりの若い女教師だ。

とてもじゃないが生徒達がおとなしく先生の言うことを聞いて授業を受けるとは思えない。

 

 

「差し出がましいようですが、その、少し危険ではないですか?

火を使う実験でしょう?彼らの生活態度を見る限りもう少し安全な実験のほうがいいと思うのですが・・・」

「そうなんだけどね、授業しないわけにもいかないし・・・」

「実験ではなく動画で説明するのはどうですか?説明もできるし、危険ではないと思うのですが」

「うーん、でもやっぱりちゃんと実験させてあげたいし。それにはなから授業を受けないだろうって決めつけちゃうのはかわいそうでしょう?」

「でも・・・」

 

だめだ。甘すぎる。

勿論ちゃんと聞き分ける生徒ならきちんと実験をしたほうが身につくことが多いだろう。

だけどどんなに言い聞かせたっていうことを聞かない人は聞かないのだ。

だから日頃から「その生活態度だと〇〇は行えない」と言い聞かせてちゃんとした授業をしたいのなら生活態度を改めるように促し、その上でいうことを聞かないと判断したからこそ真はやめたほうがいいと提案しているのだ。

だけど真も一生徒にすぎないので、おとなしく引き下がる。

 

頭の中によぎる嫌な予感がどうか当たりませんようにと祈りながら真は実験室のドアを開けるのだった。

 

 

 

 

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