ネタがネタだったので、今回はお話が短めなのです……許して……許して……
決して、決して、星のカービィの新作に気を取られて筆が進まなかったわけじゃありません。プロットが短いし装飾しようにもできなかったのです。
p.s.
Restoさん☆9評価、青蒼葵さん☆9評価ありがとうございます!!
ぼちぼち投稿ですが、これからもよろしくです〜
(ネタやお題お待ちしてます)
小学校に上がる少し前。
不自由ながらも、何気ない日常を無邪気に楽しんでいた頃の話。
その日、湊と雫は二人だけだった。妹である志歩は新しい友達と遊びに行き、暇になってしまったのだ。三人いればできることも、二人だと味気ない。薄味な遊びなんて、すぐに飽きてしまう。
月野海家のリビングのソファに埋もれるように座って、どうしようかと、湊と雫は話していた。
「うーん、なにするか? 二人だとやれることも多くないし……」
「そうね〜」
「折り紙……は前やったし。ゲームは──雫、得意じゃないもんな」
「そうね〜」
「……雫? ちゃんと考えてるか?」
「もちろん!」
「じゃあ、雫は何がしたい?」
「みぃちゃんに、私の似顔絵を描いて欲しいわ♪」
満面の笑みを湊に向ける雫。ニコニコ笑顔のその瞳には、溢れんばかりの期待と興奮が込められている。対して、それを受け取る彼は苦い表情をしていた。得意か不得意かと言われれば、湊は絵を描くことは得意だ。けれど、それは服に限る。この頃の彼の場合、絵においての人は人形のようなもの。モデルとして着せなければわからないから、仕方なく描いてるに過ぎない。
単体、しかも似顔絵を、なんて期待のハードルも含めて難易度が高い。
ただでさえ、可愛らしい幼馴染み。恋愛感情関係なく、素直に雫のことが好きだった湊は、下手になったらどうしよう、可愛く描けなかったらどうしよう。なんて、色々と考えてしまう。
未来の彼と変わらず、雫に対する想いは繊細で、傷付けるのは恐ろしい。
そんな心を察してか、逃げる言い訳を取り繕おうとする湊の手を、彼女はそっと包み込んだ。
「私ね、みぃちゃん。みぃちゃんが描く私を見たいの。上手いとか、下手とかどうでもよくて、みぃちゃんから見た私を知りたいの。……それでも、ダメ?」
「──もう、わかったよ。描くよ、描くから、動くなよ。似顔絵なんて……初めてなんだからさ」
「えぇ♪ 任せて!」
疲れないのか、微笑みを絶やさない雫の似顔絵を、湊は描いた。真剣に丁寧に、少なくとも一時間以上はかけて。もっとも、完成した絵はお世辞にも上手いとは言えないものだった。服の時と比べたら一目瞭然。
しかし、雫はそれを大事に大事に抱き締めて、嬉しそうに「ありがとう」と言った。夢を諦められない理由の、小さな一つだった。
◇
時は流れ、現在。
週に一度、強制的に休みが決まった湊は雫に頼み込み、デッサンのモデルになってもらっていた。ギリギリ仕事判定を受けないライン、その妥協点を探った結果である。スケッチブックに描かれていく偽物と、椅子に座り動かない本物を交互に見ながら修正を重ね、近付ける作業。
本格的なものではない。
練習であり、お遊びの一環であり、ちょっとしたプレゼント。
描いたものが欲しいと言った彼女への、少しばかりの手心を加えながら、鉛筆を走らせる。最近見たあの服なら似合うだろうな、とか。トレンドから少し外れるけど、あの服も悪くなかったな、とか。
ふわふわと次の服のアイデアを頭の片隅で組み立てながら、完成の手前まで歩く。
(……おかしいよな、ほんと。どんなにがんばっても、本物の方が綺麗だ)
美化したつもりはない。
それでも、絵に描いた雫は目の前にいる雫に遠く及ばない。一枚の絵に落とし込むには力が足りてないし、そもそも落とし込むのは無粋とも思える。
花の如く儚く、可憐で美しい。かと思えば、世界を照らす太陽にもにた眩しさを持っている彼女。まるで、天使か女神か。
「みぃちゃん、可愛く描けてる?」
「……難しいな」
「あら、残念ね」
「そりゃそうだろ。目の前にいる女神様が最高に可愛いんだから、これ以上なんて無理だ」
「……ばか」
「ちょっ、叩くなよ!? 線がズレる!」
「ばかばかばか!」
真っ赤な顔でポカポカと叩いてくる雫を避けて、湊はなんとかデッサンを完成させて、彼女を宥めた。言葉に惑わされる雫は、出来上がった絵を見て喜びつつも、その日の夕食をピーマンとナスづくしにすることを決めた。
顔がいい四コマ「うどんかそば」
「うどんよ!」
「そばだろ」
「うどんよ! モチモチで、コシがあって、何より食感がいいの!」
「そばだろ。細く長く、噛み切りやすい。ツルッと食べられて喉越しもいい」
「うどん!!」
「そば!!」
「……二人とも、何してるの?」
週に一回程度、様子を見るため、月野海家で夕食を食べにくる志歩が目にしたのは、うどんだそばだと言い争う姉と兄貴分だった。
なんでも、麺類と言えば、ということで言い争ってたらしい。
バカらしい、と彼女が一蹴するには仕方のない状況。珍しく揉めていると思ったら、本当に些細なことで話してる。
もしかしたら、自分もそういう人ができたらこうなるのだろうか、と一瞬考えたが、ないなと即座に頷き鞘を収めるために中間点を出した。
「決まらないならラーメンでいいでしょ? 二人の言ってる事の、丁度間くらいだよ」
「そう言われれば……」
「確かにそうだな」
「はい、決定。ほら、早くご飯にしよう。練習終わりでお腹減ったし」
「いや、でも、しぃの意見って自分の好きな物推してるだけじゃないか?」
夜の七時過ぎ、月野海家はうどんかそばかラーメンかで騒ぎに騒いだ。
勝者は誰一人いなかったという。
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やって欲しいお題とかあれば、このマシュマロに!
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